みきちゅの連載書評コラム。今回は手塚治虫の2作品、『ユニコ』と『リボンの騎士』を取り上げます。
こんにちは! みきちゅです。 先日、人生初の『TOKYO IDOL FESTIVAL 2017』正式出場を終えて、早くも夏が終わった気分のみきちゅです。このイベントとは、世界最大のアイドルフェスティバルでして、アイドル界では夏の風物詩!! 今までずっと出たくてがむしゃらだったのですが、今年やっと出ることができました。アイドルに関わり始めて6年も過ぎた夏ですが、わたしにとっては新品ピカピカの思い出になって、今も心で輝いてます。
ずっと存在してるのに、改めて「新しい」ことってたくさんありますよね。
つい先日、富士山に登る機会をいただき、「こんな運動音痴なわたしがマジかよ」って焦りながらも無事にえっさほいさと登り切ることができて(ほっ)。空がすごく綺麗で、特に雲海が最高だったの……! 毎日わたしの見えないところでこんな綺麗な景色が広がってるのに、全然気づけなかったんだー、と不思議な気持ちになりました。
なんだかとってもお得な気持ち。
今日紹介したい本も、そんな出会いがありました! 小学生のとき、先生に「手塚治虫を読みなさい」と勧められたことがあったのだけど、「読みなさい!」って言われると読みたくなくなるのが心情というもので……(早めの反抗期かな)。
面白いとは知ってたけど、ちゃんと読まなかった過去のわたし。だけど、つい先日ふと読んでみると、超超超面白い!!!!
図書館で借りた年季の入った本を読みながら、新品ピカピカの気持ちになれたんです。みんなにもそれを味わってもらえたら、いいな、でも……もう読んだことあったかな? こっそり教えてね。
- 著者
- 手塚 治虫
- 出版日
- 2015-03-27
「ユニコ」は、人のために魔法を使う可愛いユニコーンの子供。なのですが、ファンタジー☆きらきらっ☆めでたしめでたし☆で終わらないところが、もどかしい!! 愛や信頼がないと、魔法が使えないところ、誰かと関わるたびに汚されるのに、それでもなお真っ白で真っ直ぐなユニコが、愛おしくて美しい。でもね、美しいって残酷だからね、どうにかわたしが物語の続きを書いてユニコを幸せにしてあげられたらいいんだけど……。
- 著者
- 手塚 治虫
- 出版日
- 2009-10-09
主人公のサファイアは、天使チンクのいたずらで、男の子のハートも女の子のハートも持って生まれて、さらに複雑な境遇の中で育てられます。「リボンの騎士」という名前のキャラクターが出てくるのな?と思って手にとったわたしは肩すかしを食らいました。読みながらヒーローショーを見てるようにどきどきしたり、純愛ストーリーを見ているようにポカポカしたのは、わたしのにも男の子と女の子のハートがあるからだったりして。チンク出ておいで!
手塚治虫さんって、すごくすごく遠い昔の人だと勝手に思ってたんですけど、「ピンクレディのUFO」が作中に出て来たり、「作り手」としてツッコミを入れたり、度々親近感のわく場面があって読んでて楽しいです。リボンの騎士で、「写真を撮れ!」という命令に対して「この時代にまだカメラはありません」というところが特に好き。
今の日本で問題になっていることもさらりと描かれていたりして、手塚治虫さんはもしかしたら未来が見える人で、自分の作品が長く愛されると知ってたかのようなギミックがたまらないんです。知れば知るほど、時間がたてばたつほど味が出る作品をつくるのは本当に至難の技。憧れの人がまた1人増えました。
富士山に登った時に見た、雲海! みなさんにもお裾分けしますね。はじめての富士山登山だったのですが、高山病にもならずなんとか登りきれてよかったです。「自分にはできないだろう」なんて、決めつけるのはよくないですよね本当。いろんなことやろ! 人生一回きり!
本と音楽
バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。