こんにちは、モノブライトのギター、松下です。ずーっと雨が続いている8月(書いている今はついに20日連続らしい)です。怖い話をしないまでも気温はやや低めで過ごしやすいけども、やっぱりこう毎日雨だとジトジトとジワジワと気持ちが冷えていきますね。まいった。そこで、なんならとことん冷えてみようということでサイコ・サスペンス、サイコ・スリラーな作品をご紹介します。
今回の著者は一人、トマス・ハリス!! そうです、天才精神科医で殺人鬼ハンニバル・レクターの生みの親です。そしてこの著者、5作品しか書いていないのです。そのうち4作が続編としてつながっていて、すべて映画化されているという鬼才。
いやー、こんなこと言うと「あなたってとことん暗い人間ねぇ」と言われそうですが、僕の青春ですね。もちろん最初はヒエ〜ッ!という内容なのですが、何回も作品に触れると登場人物たちが深みを増して違って見えてくるんですよ。グロかったりもしますがそこはただのエンタメ要素であって核は違うと思います。映画も最高ですね(こちらは公開順に観るのがおすすめ!)。まさに湿度が高くて。
医者で博士号、幅広い知識と家柄の解る品のある教養、語学にも長けて美食家でクラシック音楽にも精通、スポーツもできて何より紳士、だが殺人者のレクターに触れるべし!
- 著者
- トマス ハリス
- 出版日
実はまだこの時点ではレクター博士は脇役として登場。主人公はレクターを捕えたFBI捜査官グレアム。犯人の感情や思考をイメージして自分にトレースするという特技を持っているがそれゆえ自分まで精神的にダメージを受けてしまう。それでもまた別の殺人鬼(これまたやばい奴なんだが)を逮捕するべく行動するのだが煮詰まりレクターにアドバイスを求めはじめるといった内容。
善人も悪人も全員が精神を擦り切らせながら物語が進んでいく。もうラストのラストまでゾックゾクです。
- 著者
- トマス ハリス
- 出版日
- 2012-01-28
まさに代表作。レッド・ドラゴンのその後から物語がスタート。主人公は新人の女性FBI訓練生クラリス。この作品でレクター博士の天才的洞察力、知性や語学知識、故の圧倒的恐怖、そして紳士的で高貴な面が描かれていく。またも事件のアドバイスを得る為クラリスはレクターと牢屋越しに会話を進めていくのだがそのやりとりがもうたまりません。レクターがアドバイスの見返りに求めた条件はなぜか彼女の過去の話を聞くことだったのだ! 映画ではクラリスを取り巻く状況が秀逸な演出で描かれていますよ。
- 著者
- トマス ハリス
- 出版日
- 2000-04-12
前作から十数年後の物語。三部作完結編です。主人公は言えば、引き続き中堅に差し掛かるFBI捜査官クラリスと前作で姿を消したレクターと2人ともだと思います。2人が再会するということはもちろん事件が起こるわけで、2人だけに分かメッセージやルールのもとでのやりとり“会話”がまた始まる。相変わらず何が善で何が悪か翻弄されます。映画のラストと小説のラストは若干違いますが、さぁ貴方なりの完結をお迎えください!
- 著者
- トマス ハリス
- 出版日
- 2007-03-28
番外編といった感じでしょうか。時間軸はレクター博士の幼少期の物語。第二次世界大戦を背景にそこに巻き込まれたといった状態で妹を目の前で殺され〇〇られてしまう幼きレクター。孤児院、親戚家と青年期を過ごし人格を形成していく様が描かれています。おそらく昔のトラウマから全力で大切な人を彼なりのルールで守ろうとしていく。純粋とはいつも恐ろしい!
残暑のズッキーニゴロゴロカレー。
本と音楽
バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。