漫画『となりの怪物くん』のキャラ、最終回までの見所を全巻ネタバレ紹介!

更新:2020.12.10 作成:2017.10.3

2008年から2013年に「デザート」で連載された漫画『となりの怪物くん』。ユニークで魅力溢れるキャラと、胸キュン必至な展開が見どころです。アニメ化もされ、実写映画化もされる今作の魅力を、全巻通して徹底的にご紹介したいと思います。

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目次

漫画『となりの怪物くん』の登場人物、魅力を最終回まで全巻ネタバレ紹介!【映画化】

漫画『となりの怪物くん』の登場人物、魅力を最終回まで全巻ネタバレ紹介!【映画化】
出典:『となりの怪物くん』1巻

 

漫画『となりの怪物くん』の魅力は、他に類を見ない個性的なキャラクターたちと、彼らが描く人間ドラマにあります。主人公・水谷雫(みずたにしずく)からして、少女漫画のヒロインとは思えない斜め上を行く性格です。

また、キャラクターたちが持つ悩みが丁寧に描かれていることも見どころの一つ。思春期の複雑な心理が巧みに描き出されており、物語を読み終わる頃には、必ず1人はお気に入りのキャラクターができてしまうことでしょう。

ちなみに本作は2018年4月から実写映画化されることが決まっています。菅田将暉土屋太鳳速水もこみちなど、豪華メンバーのキャスティングに、期待が高まりますね!

漫画『となりの怪物くん』キャラ1:アンバランスな天才少年・吉田春

漫画『となりの怪物くん』キャラ1:アンバランスな天才少年・吉田春
出典:『となりの怪物くん』1巻

 

登校1日目から流血沙汰の事件を起こし、停学となってしまった春、通称ハル。ひとりで上級生3人を相手にしてしまうほどの人並みならぬパワーを持つ彼はまさに怪物。キレると周りが見えなくなり、つい手が出てしまいます。

そんなハルですが、実はとっても素直。参考書を買ってもらえるという理由でプリントを届けにきたシズクの行動を自発的なものだと勘違いして友達認定したり、「友達だから」と金を巻き取られている男子高校生たちに、利用されていることも気づかずに満面の笑みを向けたりと、素直に人のことを信じてしまう少年です。

そんな風に少しずれた感性で無差別に友達を増やしていくハルですが、恋愛はからきし。シズクのことが好きかもしれないと思ってその気持ちのまま突然キスしてきたり、逆に彼女から好意を伝えられると及び腰になったりと理解不能な行動で彼女を振り回します。

実はハルのこのちょっと変わった性格は彼の生い立ちにも原因がありました。複雑な家に生まれた彼は父を嫌悪し、兄とも確執があるのです。そしてそれゆえにシズクとの恋もスムーズにいかなくて……。

映画では菅田将暉がその役を演じます。


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漫画『となりの怪物くん』キャラ2:モンスターを手なずける氷の女王・水谷雫

漫画『となりの怪物くん』キャラ2:モンスターを手なずける氷の女王・水谷雫
出典:『となりの怪物くん』1巻

 

小学1年生の頃から年収一千万を目標に掲げる少女・雫、通称シズク。憧れの存在である母親と同じように弁護士になりたいと考えています。

その目標とするキャリアを歩むために目下必要なことは、とにかく勉強。他人のことなどおかまい無しで、むしろそのような交友関係は勉強の妨げになると考えています。

シズクは人間だけでなく動物も苦手。小学生の頃、クラスで飼っていたウサギが死んでも涙ひとつ見せず、「宿題があるのでもう帰ってもいいですか」と言い出す始末。次の日から彼女のあだ名は「ドライアイス」になりました。

本当に勉強以外興味のない彼女ですが、参考書を買ってもらえるという理由でハルにプリントを届けにいったことから彼に懐かれてしまいます。シズクは理解不能な存在の彼を持て余してしまいます。

しかしシズクはただ冷たいという訳ではなく、人の心の機微が理解できないだけなのです。そして理解できないものには中途半端に手出しをしない彼女は、周りから見ると冷酷になってしまいます。

しかし徐々にまっすぐなハルのことを憎からず思うようになり、恋心として気持ちがを育っていくうちに、その性格にも変化が。最初は勉強のように恋愛にも彼女なりの論理で挑むのですが、徐々に相手あってのことだと気づき、不安になったり寂しく感じたりするようになっていきます。それは今まで彼女が気づかないようにしてきた感情たちでした。

実はシズクのこの性格も家庭環境が大きく関わっています。彼女もまた、幼い頃の傷にうまく対処できずに性格の短所が助長してしまった人物だったのです。

しかしハルとシズクは恋愛を通してそれぞれの傷を癒すように関わっていき、少しずついい方向へと変化していきます……。

映画では土屋太鳳がその役を演じます。


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漫画『となりの怪物くん』キャラ3:最強の当て馬イケメン・山口賢二

通称ヤマケンこと、山口賢二。ハルとは幼少期からの付き合いで、その関係性を利用して彼に金をたかっていましたが、貧乏だという訳ではなく病院の息子でお金持ち。そして成績優秀と、性格がひねくれていることを除けばパーフェクトボーイです。

しかしヤマケンの人気の理由はスペックの高さだけでなく、優秀なツンデレ当て馬だということ。同じ学校の通称3バカとつるんでいる彼ですが、3巻からはシズクに想いを寄せる「当て馬」ポジションとなります。

当初はハルを利用していた人物として登場し、人を見下した嫌なやつというポジションでしたが、その素直でない性格が恋した時の可愛さを倍増させているのです。シズクのことが好きなのに自分の理想のタイプではないと言い聞かせて気持ちに歯止めをかけたり、言動で彼女に気の無いそぶりをしたりと、見ていてとにかくじれったい!

最初が嫌なやつだっただけにその照れ顔はキュン死にもの。当て馬好き女子の間ではトップ5に入ると言っても過言ではない人気のキャラクターです。

ぜひ作品で彼の様子をご覧ください!ニヤニヤしてしまうこと間違いなしなので家で読むのがおすすめです。

映画では山田裕貴がその役を演じます。

不登校生からの突然の告白【1巻ネタバレ注意】

主人公は、勉強第一の女子高生・シズク。隣の席の吉田春(よしだはる)は、入学式の日に流血事件を起こして以来不登校となっていました。先生からの頼みで、休んでいる彼の授業のプリントを渡しに行ったことで、2人は初めて顔を合わせます。
 

喧嘩っ早いせいで、幼い頃から友達を作れたことがなかったハル。そのため「普通の友人関係」というものに人一倍強い憧れを持っていました。そんな彼の隠れた優しさに気づいたシズクは、彼に対して親切に接するようになります。すると、それに感動したハルは彼女に突然「スキかも」と告白してしまうのです。

著者
ろびこ
出版日

第1巻にしてさっそく描かれる告白シーンも見どころなのですが、それ以上に注目してほしいのは、告白に対するシズクの返事。彼女のあまりにドライな返しに、読者は唸らされてしまうかもしれません。恋愛漫画なのに、恋愛スイッチが全然入っていないという、一筋縄でいかないヒロインなのです。

その後、学校へ来るようになったハルと交流を深めていったシズク。2人のまわりにも徐々に人が集まり、自然と友達の輪が広がっていきます。そしてシズクのなかでも、ハルに対する気持ちに変化が表れていくのでした。

ハルによる告白から、シズクが恋に落ちていく過程の描写に劇的なものはありません。しかし、穏やかな雰囲気のなかに、読者の心を揺さぶる魅力があります。冷めきった性格から「ブリザード」というあだ名までついていたガリ勉のシズクが、初めて人を好きになる瞬間は要チェックです!

シズクにライバル登場!意識しちゃった答えが奇想天外【2巻ネタバレ注意】

第2巻では、新しいキャラクターが登場します。その1人がハルの兄・吉田優山(よしだゆうざん)です。しかしハルは、兄であるはずの優山を毛嫌いしていました。実はハルは、実家ではなく従兄の三沢満善(みさわみつよし)の元で生活しています。どうやらハルは、複雑な家庭環境の持ち主だったようです。

優山によって明らかにされたのは、高校以前のハルがずっと学校に行っていなかったことと、それによって勘当されたということ。しかしハルが再び学校に行くようになったので、優山は父親から「ハルを連れ帰って来い」と言われていたのでした。

著者
ろびこ
出版日
2009-06-12

第2巻の見所は、優山とハルの暗い過去に触れるシーンと、それによってシズクがハルへの気持ちを自覚するシーンです。彼女の心境がはっきりとわかる、こんな独白があります。

「以前の自分が何を思い何を感じていたか。私はもう思い出せない」(『となりの怪物くん』2巻から引用)

シズクのなかでハルへの好意が膨らむ様子と、彼女の初恋に対する受け止め方が感じ取れる場面です。第1巻とは打って変わって自分の気持ちに素直になるシズクは、新しい魅力を読者に見せてくれます。

しかし、恋を自覚したシズクにはライバルが登場します!となりのクラスの学級委員長・大島千づる(おおしまちづる)です。一見地味なメガネ女子の大島は、よく見るととても可愛らしい女の子で、男子にも隠れファンがたくさんいます。そんな彼女はひょんなことからハルに助けられ、それ以来彼に好意を寄せるようになったのでした。

ライバルの登場で、あまりに心を乱されたシズクは大島がいる目の前で、ハルにこんなことを言ってしまいます。

「最近ハルといると私は胸が苦しい。勉強にもなぜか集中できない。だから今は顔を合わせたくない」(『となりの怪物くん』2巻から引用)

恋をすることも、誰かに心を乱されることも初めてのシズク。今までもっとも力をいれてきた勉強すらまともに手がつかなくなってしまった彼女は、今後ハルにどう接するのでしょうか?苦悩した末に彼女が選んだ予想外すぎる選択に、驚かされること間違いなしです!

文化祭での急接近……でも?【3巻ネタバレ注意】

2巻の騒動をきっかけに急接近したかと思いきや、再びふりだしへと戻ったシズクとハル。第3巻は、友達以上恋人未満の微妙な距離感を保ち続ける2人にやきもきされてしまう巻なのではないでしょうか。

しかし、そんなどっちつかない関係こそ魅力的に描いているのが『となりの怪物くん』なのです。ここで描かれるハルのシズクを想う気持ちの純粋さ、強引さにときめく女性はきっと少なくありません。たとえば、彼のアプローチを拒否したシズクが「ハルを好きにならない」と断言したとき、彼はこう宣言します。

「そんなもん俺が変えてやる」(『となりの怪物くん』3巻から引用)

真っ向から自分の気持ちをぶつけるハルの姿に、胸キュン必至です。

著者
ろびこ
出版日
2009-10-13

さて、そんな3巻ではシズクたちの高校で文化祭が開かれます。ここで意外な人物とシズクが近づくことになったり、その人物の言葉で、シズクの気持ちに変化が生じたりするところは、今後の物語にも大きく関わってくるので見逃せません!

また、この文化祭ではシズクやハルだけではなく、彼らをとりまく友人たちにも変化が。美少女なのに友達がいないネットオタク・夏目あさ子(なつめあさこ)や、野球部で友人も多いハルの中学時代の同級生・佐々原宗平(ささはらそうへい)通称「ササヤン」の動きにも要チェックです。

まさかの三角関係!2人の関係が変化する?【4巻ネタバレ注意】

第4巻ではシズクとハルだけでなく、ハルの小学生時代の同級生である山口賢二(やまぐちけんじ)通称「ヤマケン」や、夏目の恋がクローズアップされる巻でもあります。

自分の思ったことを率直に述べるシズクに、いつのまにか好意を持つようになるヤマケン。彼はシズクとは別の高校のため、彼女を塾の冬期講習に誘って距離を縮めようとします。シズクもまた彼とは気があうようで、それを快諾。急速に仲良くなる彼らに、ハルはやきもちを焼いてしまうのでした。

著者
ろびこ
出版日
2010-02-12

ヤマケンというライバルの登場で崩れた、シズクとハルの曖昧な関係。第4巻の見どころはシズクがハルに、ハルがシズクにそれぞれ思いを告げる場面です。しかし、ここまでしてもすんなり結ばれないのがこの2人。今回もまた思いもよらない展開になってしまうのでした……。

「両思いなのだから、はやく結ばれてほしい!」と思ってしまうかもしれませんが、近づいては離れてを繰り返すのが「恋」というものなのだ、というメッセージを感じられる巻です。じれったくなる一方で、この2人の曖昧な関係をもう少し楽しみたい、とも思えるでしょう。

ついに告白!夏目の恋の行方は……?【5巻ネタバレ注意】

あと一歩のところですれ違いながらも、良好な関係を続けるシズクとハル。お互いを思う気持ちは前進しているのに、その関係性に大きな変化はないまま物語は進みます。

著者
ろびこ
出版日
2010-07-13

第5巻の見どころは、これまで謎な部分が多かったハルと優山の関係がまた少し明かされる場面と、それがシズクに影響を及ぼすシーンです。

みっちゃんのお母さん、つまりハルの叔母さんの1回忌で優山と顔を合わせるハル。そこで、ハルは優山に叔母さんに関するあることに触れられて、深く傷ついてしまいます。ハルはその1回忌が終わった後、まるで助けを求めるようにシズクのもとに向かいました。

しかし、そこでハルの予想外の行動によって、またしてもすれ違ってしまう2人。優山とハルの過去はまだ全て明かされていませんが、その過去が、今後のシズクとハルにとっての壁になるのかもしれない……。そんな予感を残す5巻です。

バラバラに過ごすバレンタインデー【6巻ネタバレ注意】

相変わらず、思いが通じ合っているようなのになぜか進展しないシズクとハル。2人の関係が変わらない一方で、周囲はどんどんと変化していきます。

たとえば、ハルの交友関係もその一つです。中学時代の同級生のササヤンのおかげで、男友達も徐々に増えていくハル。もちろん、女友達の夏目のこともとても大事にしています。彼が友達との輪を広げ、ひとりひとりを大切にしている様子からは、かつては喧嘩っ早さのせいで孤独だった彼のことを忘れてしまいそうです。

しかし、ハルの交友関係が広がるにつれ、シズクとの関係は疎遠になってしまうのでは……。そんな不安が過ぎります。

著者
ろびこ
出版日
2010-12-13

そんな第6巻の見所はバレンタインのイベントです。シズクがハルへと思いを伝えて進展するかと思いきや、この『となりの怪物くん』はそんな予想通りの展開にはなりません。2人の関係が不安定になってきてしまったところで、シズクの恋のライバル・大島が現れてしまうのです。

実は2月14日はシズクの誕生日でもあり、彼女は家族でおこなう誕生日パーティーを優先させます。そのため大島は、1人になったハルを誘い、これまで募らせてきた自分の気持ちを告白するのでした。

勇気を振り絞った彼女の姿と、それに対するハルの返事が、第6巻最大の見どころです。大島の緊張と切ない気持ちは読者にも伝わり、思わず彼女を応援したくなってしまうでしょう。

2つの恋の終わりと、1つの恋のはじまり【7巻ネタバレ注意】

第7巻では、2つの恋が終わりを迎えます。大島からハルへの恋と、夏目からみっちゃんへの恋です。

大島も夏目もとっても可愛くて魅力的なキャラクターですが、彼女たちの恋は、残念な結果に終わってしまいました。しかし大島の失恋は、シズクとハルの変わらない関係に少しの変化を、そして夏目の失恋は、シズクと夏目の友情によい変化をもたらしました。その2つ変化を伴いながら、季節は4月に。シズクたちは2年生になります。

著者
ろびこ
出版日
2011-05-13

しかし、彼女たちの成長よりも注目してほしい部分がこの7巻にはあります。新しく加速したヤマケンの恋です。

冬期講習が終わってしまったため、新たなアプローチをはじめるヤマケン。最初の頃は、ちょっと鼻につくイヤな奴というイメージがあったヤマケンですが、シズクに恋をする真っ直ぐな様子と、彼の気持ちや態度が細かく描かれることで、これまで隠れていた彼の魅力がどんどん明かされていきます。

ハルもいいけど、ヤマケンでもいいかもしれない……。そんなふうに思ってしまうほどお似合いに見える2人。彼の恋はどうなっていくのか、今後の進展が気になる7巻です。

ヤマケンがついに告白!シズクの答えは!?【8巻ネタバレ注意】

「春はいいね。愛されるのはいつもおまえばっかりだね。おまえさえいなけりゃって、いつも思うよ」(『となりの怪物くん』8巻から引用)

幼い頃の優山の、不穏な言葉で始まる第8巻。シズクたちの日常はいたって平穏に過ぎていきますが、ハルの過去がはっきりと明かされていないという状況も合間って、この平穏が嵐の前の静けさに感じられてしまうことでしょう。

著者
ろびこ
出版日
2011-10-13

しかしそんな第8巻では、ついにヤマケンがシズクに告白します!

シズクたちの学校に1人の美少女が入学してきました。彼女の名前は山口伊代(やまぐちいよ)。ヤマケンの妹です。冷静な兄とは違い、トラブルメーカーの気質のある彼女のに対するヤマケンの態度から、彼の新たなる一面を見ることができるでしょう。

そんなヤマケンの告白は、ハルがいる目の前で行われます。周囲のヤジに触発されたように突然シズクへの思いを打ち明けた彼は、彼女の手を取って人気のないところまで走り出しました。今まで、他の人にはシズクへの気持ちを悟られないようクールに振舞っていたヤマケンの突然の告白と、強引ともいえる行動にキュンとしてしまうでしょう。しかし、それだけではありません。

「…今はどうってことなくても これから あんたに好きになってもらう自信はあるよ オレと付き合わねーか 水谷サン」(『となりの怪物くん』8巻から引用)

涼しい顔をした彼から発せられるこの男らしいセリフ。「一度でいいから言われてみたい……」そんな風に思う読者は少なくないはずです。

この告白に、シズクはどう答えるのでしょうか?その結末は笑いが込み上げてくる、シズクらしさの見えるものになっています。

変わらないままではいられない2人【9巻ネタバレ注意】

ヤマケンの告白により、シズクが他人のものになってしまうことを恐れたハルが、ついにシズクに告白。彼女もまたヤマケンに告白されたことではっきりとハルへの気持ちを自覚し、その気持ちに応えたのでした。
 

晴れて正式に付き合うことになり、幸せに満ちた毎日が送られるかとおもいきや、不穏さを伴いながら物語は進んでいきます。9巻では、今までずっと明らかにされてこなかったハルの家の事情、つまり「吉田家」の秘密ついて少しずつ明かされていくのです。

著者
ろびこ
出版日
2012-03-13

見どころが詰まった9巻ですが、特に注目してほしいところは三つです。

一つ目は、付き合うようになったものの、以前と変わらない関係性にやきもきするシズクの気持ちと、その行動。恋人になったということを実感でいない、友達の延長のような関係にシズクは、こんな悩みを抱くのでした。
 

「いったい私たちは、何がしたくて付き合ったのだろうーー」(『となりの怪物くん』9巻から引用)

実際にこういった悩みを抱いたことのある人は、シズクが抱えるモヤモヤした気持ちを理解できるでしょう。悩む彼女と、その後に起こす行動に注目してみてください。

二つ目は、夏目とササヤンの急接近です。男嫌いを克服してしまうほど、真剣にみっちゃんに恋をした夏目。その恋を吹っ切ったともいえない彼女は、ササヤンとの間にどんな関係を育んでいくのでしょうか?この2人にも目が離せなくなる展開となっています。

そして最後の見どころは、明かされるハルの過去です。どうやらハルと優山の父親は、世間的にもかなり有名な人物の様子。その父親が中心となり、彼を実家に連れ戻そうと画策します。なぜ吉田家がそうまでしてハルに固執するのか。それは、彼がシズクたちを軽く凌駕するほどの明晰な頭脳を持っていることでした……。

ハルの非凡な才能とあわせて、彼の暗い過去の一端にも注目してみてください。

シズクの前からハルが消えた!?2人の関係に亀裂が【10巻ネタバレ注意】

吉田家のなかでおこる問題が、シズクを巻き込むことになる10巻。ハルに関する隠されていた不安要素が一気に明かされ、せっかく結ばれた2人の関係に亀裂が走ってしまいます。

ハルと優山の辛い過去が明らかになるなか、優山の20歳の誕生日会に、ハルとシズクは出席することとなりました。誕生会といってもホームパーティーのような小さなものではなく、会場を貸し切り、著名人を集めておこなう大きな立食パーティーです。

著者
ろびこ
出版日
2012-08-10

そんな第10巻の見どころは、このパーティーを通して、2人の気持ちがすれ違ってしまうところにあります。ハルの彼女としてパーティーに同伴したシズクは、自分の知らない人たちに求められるハルに対し疎外感を覚え、また彼が自分にないものを持っていることに嫉妬してしまいます。

「ハルに私の気持ちはわからない」(『となりの怪物くん』10巻から引用)

シズクは嫉妬心にかられて、ハルを突き放してしまいました。しかしそれは、彼にとって一番恐れていた言葉だったのです。

「……お前も、優山も、このパーティーも、みんなクソくらえだ」(『となりの怪物くん』10巻から引用)

こうして、決定的にすれ違ってしまった2人。才能溢れる人を前にして嫉妬したシズクと、その才能ゆえに孤独な思いをしてきたハル。互いを思う心は失われてしまったのか、もう彼らが恋人として並ぶことはないのか、その後の展開に目が離せません。

すれ違った2人。そんなシズクに再び思いを告げるヤマケン【11巻ネタバレ注意】

ハルに嫉妬したシズクがその感情を彼にぶつけて以来、彼は彼女の前から姿を消してしまいました。

ハルが学校にも来ず、連絡すらつかなくなってしまったことでシズクは、彼の気持ちを考えずに自分の言いたいことを言ってしまった浅慮さを反省するのでした。

著者
ろびこ
出版日
2013-01-11

お互いを思いながらも、どんどんすれ違っていく2人が描かれるのが11巻。見どころは、後悔と悲しみに落ち込む彼女の前に、再びヤマケンが現れ、思いを伝えるシーンです。

まるで狙ったかのようなタイミングで告白しにきたヤマケン。以前はあっけなく振られてしまったものの、今回はどうやら違う様子で……。

果たしてシズクは誰を選ぶのでしょうか?

3年生、ハルが選んだのはシズクと離れる進路?感動の結末とは?【12巻(最終回)ネタバレ注意】

本作は全13巻のシリーズですが、シズクとハルの恋を描いた本編はこの12巻で終わりを迎えます。これまで、ライバルの登場や過去の傷、その他小さな勘違いのせいですれ違ってきた2人。そんな彼らがやっと向き合い、お互いを必要としあうのです。

著者
ろびこ
出版日
2013-08-12

2人にようやくわだかまりがなくなったのは、2年生の冬。

高校生活も残す所あと1年ほどとなり、それぞれの進路についても真剣に考えなくてはならない時期にさしかかっていました。そんななかハルは叔母の知り合いの研究者から、海洋研究に参加しないかという打診をうけます。もしハルがこの誘いにの乗るとすると、シズクとは離れ離れになってしまうのですが、シズクは彼の背中を押したのでした。

互いの気持ちを尊重しあうことで、別々の道を進むことを決めた2人。それぞれが自立しあった姿に『となりの怪物くん』という物語がもつメッセージを感じ取ることができるのではないでしょうか。大切な人を大切にするとが、一体どういうことなのかを考えさせてくれる展開です。

3年生となったシズクや夏目、ササヤンたちの進路、旅立ったハルの行方など、彼らがどんな道を選んだのか、というところが12巻の見どころです。

最終回は時の流れが早く、ハルとシズクが離れ離れになってから1年後の卒業式が描かれ、さらにその後3年半後までの姿が描かれます。

全員が集まった場面でのハルのスピーチは、感動もの。青春という時間がどれほどかけがえのないものなのかを考えさせられます。

読了後はきっとほっと安心するとともに、「依存しない恋愛の大切さ」を感じることができるのではないでしょうか。ラストシーンの見落としてしまうくらいさらっとしたプロポーズもお見逃しなく!

夏目とササヤンは?大島に告白した意外な人物に、主役ふたりの結婚式!【13巻ネタバレ注意】

不器用ながらにもそれぞれの生き方と価値観を尊重し、2人の道を歩みだしたシズクとハル。その2人の周囲の人々の葛藤や、思わぬ関係を描いた後日談が13巻となっています。4つのエピソードが描かれており、主人公たちはいませんが、それぞれとても魅力的な物語です。

最初に収録されているのは、やっぱり読者も気になっていたササヤンと夏目の関係。ササヤン視点で1年生の頃からの2人の関係が語られているため、とても新鮮です。急接近してからの2人がどうなったのか、その続きが知ることができます。

著者
ろびこ
出版日

次に収録されているのは、伊代の「王子様大作戦」。伊代が優山とカフェデートをし、結婚を前提としたお付き合いを迫ります。とんでもない展開にも見えますがが、伊代の山口家は吉田家と釣りあうほどの有力な家柄です。優山もまた家を継ぐために政略結婚は必至なので、伊代との恋愛にもやぶさかではない様子。

しかしここで黙っていないのが、優山を毛嫌いしている伊代の兄、ヤマケンです。彼が兄として伊代に接する態度や言葉に、あらためてヤマケンの魅力を思い知らされる回となっています。

次に主人公となるのは優山。本編ではたびたび女性に対する異常なまでの耐性のなさが描かれており、それが原因か、それとも立場の問題か、ひとりぼっちというイメージが強い彼。彼女もおらず、孤独感が拭えない優山に、思わぬ友人ができるお話です。ファンも多いはずの優山の後日談に、ほっこりとすること間違いありません。

そして、最後に収録されているのはまさかのカップルです。ここでクローズアップされるのが、かつてハルに片思いしていた大島。その彼女に、ずっと思いをよせていた人物がいました。このエピソードは、13巻の一番の見どころといえるでしょう。

その人物から大島への告白には、この『となりの怪物くん』イチの胸キュンシーンといっても過言ではありません。

そして最後にはシズクとハルの結婚式も描かれるので、そちらもかなりハッピーで感慨深いもの。ほぼシズクとハルが出てこないからといって読まないのは、本当にもったいない!本編を楽しまれた方には、ぜひ読んでほしい一冊です。

漫画『となりの怪物くん』で変キャラだらけなのに共感度抜群な不思議さを楽しもう!

著者
ろびこ
出版日

複雑な生い立ちと独特なキャラクターという、一風変わった設定のストーリーなのに、つい共感してしまう『となりの怪物くん』。その理由は設定こそ変わっているものの、登場人物それぞれの気持ちが普遍的なもので、その変化する様子が丁寧に描かれているからではないでしょうか。

ぜひ作品で笑えて泣ける変なキャラたちの物語を覗いてみてください!不思議と共感できる世界観にハマること間違いなしです。

すれ違いを経て、不器用ながらにも向き合っていくシズクとハル。2人の予想外の行動に、物語はなかなか先が読みづらい上に、胸キュンもたくさん。しかも周りの人間関係も丁寧に描かれていて、どのキャラクターも魅力的。そんな『となりの怪物くん』。ぜひ読んでみてください。