『ひぐらしのなく頃に』は多くの人が、1度は名前を耳にしたことがある作品ではないでしょうか。しかし「話が多すぎてどれから読めばいいのかわからない!」という人も多いはず。そこで今回は「ひぐらしのなく頃に」シリーズの魅力を紹介していきます。
大人気作品、『ひぐらしのなく頃に』はパソコンゲームから始まり、様々な媒体でその知名度を上げ、ファンを獲得してきました。2020年秋には新たにリメイクされたアニメの放送も決定されています。
◎『ひぐらしのなく頃に』はどんな人におすすめ?
・ミステリーや考察が好き
作中には話が進むたびに様々な謎が多く登場してきます。
本作は何編にも分かれていて解答編を見るまではヒントや答えは一切明かされないため、
考察好きの方はそれまでに起こるすべての謎を推理するのに白熱すること間違いありません!
・ホラーが好き
『ひぐらしのなく頃に』はミステリー作品ですが、作中にはホラー要素も含まれています。
例えば普段、仲のいい友達が知らない人になっていく描写は何とも言えない怖さを感じます。可愛い女の子のキャラが多いので尚更怖いですね…。
・長編ものが読みたい!
『ひぐらしのなく頃に』は何編にも分かれている作品のため長きにわたり作品を楽しめることができます。
- 著者
- 竜騎士07 鈴羅木 かりん
- 出版日
- 2005-12-22
『ひぐらしのなく頃に』は、もともと「07th Expansion」というサークルが手掛けた同人パソコンゲームでした。監督兼脚本を務めたのは、サークルの代表、竜騎士07です。
彼らの趣味で制作された作品は、そのクオリティから徐々に知名度を上げていき、漫画化、アニメ化、実写映画化、実写ドラマ化、携帯アプリ化など、実にたくさんの媒体で発表されたモンスターコンテンツとなりました。
メインストーリーとなるのは「出題編」の4編と、「解答編」の4編の合計8編で、そのほか番外編などもあります。
読む順番については多くの意見がありますが、今から紹介する順番で読むことをおすすめします。
では、さっそく『ひぐらしのなく頃に』のあらすじを紹介していきましょう!
物語の舞台となるのは昭和58年の6月。人口が2000人にも満たない古びた村落「雛見沢村」では、過去に起こったダム建設の中止運動による村人同士の対立が、今もしこりのように残り続けていました。
そんな雛見沢では「綿流し」という催しが毎年6月におこなわれています。しかし昭和54年から、綿流しの日に「ひとりが亡くなり、ひとりが消える」という怪事件が続いており、村人たちはこれを「オヤシロ様の祟り」と恐れていました。
そして、怪事件が発生しはじめてから5年目に当たる昭和58年、主人公の前原圭一は、雛見沢へ越してきます。
都会の喧騒から離れた圭一は、同じクラス(学年混成クラスのため年齢はバラバラ)の園崎魅音、竜宮レナ、北条沙都子、古手梨花たちと、さまざまな遊びをしながら交流を深めていきました。 解答編や番外編のあらすじはこの限りではないのですが、基本的にはどの話も「昭和58年6月」の雛見沢村を舞台とし、そこでくり広げられる惨劇が描かれています。
「部活メンバー」と呼ばれる主要人物たちは、熱血漢の圭一をはじめ、リーダー格の魅音、可愛いものに目がないレナ、いたずらっ子の沙都子、オヤシロ様の生まれ変わりと信じられどこか不思議な空気を漂わせる梨花など、それぞれが個性豊かです。
さらに脇を固めるのは、「オヤシロ様の祟り」解決に熱意を燃やす粘着質な刑事・大石蔵人、魅音の双子の妹・詩音、村の診療所で医師をする入江京介、看護師でオカルトマニアな鷹野三四、フリーカメラマンの富竹ジロウなど、こちらもひと癖もふた癖もあるメンバーとなっています。
そんな部活メンバーの日常を描いた、穏やかな日常パートである前半部と、惨劇がくり広げられる後半部とのギャップが、この作品の最大の魅力です。さらに、古びた村落に残る風習や、毎年発生する怪事件など、古典ミステリーファンにはたまらない要素も盛りこまれています。
また、このシリーズを読み進めるうえで読者は必ず、とある「違和感」を覚えることになります。なぜこんなことが起こっているのか、なぜこの人物がここにいるのか、あの時の人物はどうなったのか……。
そしてこの「違和感」こそが、本作最大の秘密に繋がっており、真相にたどり着いた際にはきっと驚かれることでしょう。
漫画版は本編だけで全30巻にも及ぶ大長編ですが、現在はアプリ「マンガUP!」で読むことができます。今回は番外編も含めて、「マンガUP!」内で読むことができる作品の魅力をご紹介しましょう。
余談ですが、本作の舞台である雛見沢村のモデルとなったのは、岐阜県にある白川郷。作中で使用される村の遠景は、確かに白川郷の風景にそっくりです。
出題編1作目にして、おそらく『ひぐらしのなく頃に』の魅力が最大限に生かされているエピソードです。
昭和58年、雛見沢に越してきた前原圭一は、「部活メンバー」である竜宮レナ、園崎魅音、北条沙都子、古手梨花とともに村での生活を満喫していました。
ある日、レナの日課である「宝探し」に付き合い、村はずれのゴミ山へ向かった圭一。レナが家へ鉈を取りに戻っている間に、彼はフリーカメラマンの富竹ジロウと出会います。
富竹から、過去に村でおこなわれていたダムの建設計画や、その最中に起こったダム建設現場監督のバラバラ殺人について聞かされた彼は、好奇心からその殺人事件を調べはじめてしまいます。それが惨劇のきっかけであるとも知らずに……。
- 著者
- 竜騎士07 鈴羅木 かりん
- 出版日
- 2005-12-22
シリーズの記念すべき1作目ということで、登場人物がかなり丁寧に紹介されています。前半部の日常パートもたっぷり描かれているため、キャラクターたちがどのような人物なのかをほとんど知ることができます。
「鬼隠し編」の魅力は、ミステリー・サスペンス要素の濃さです。前半部ののんびりとした空気感と、後半の怒涛のサスペンス展開とのギャップは特に見どころとなってきます。
また、シリーズをとおしてもっとも有名であろうレナのセリフ「嘘だッ!!」は今作で登場します。それまでニコニコしていて優しかった彼女が突如豹変する様子は、シリーズを代表する名シーンです。
ちなみに、タイトルの「鬼隠し」とは雛見沢独特の表現で、いわゆる「神隠し」のこと。連続怪死事件が起こってからは、その事件における失踪のことを指す言葉としても使われています。
出題編2作目で、魅音の双子の妹の詩音が初登場します。
父に連れられていった興宮町のレストラン「エンジェルモート」。そこで圭一は、魅音がアルバイトをしているのを見つけます。彼女のことを冷やかすのですが、実はその少女は魅音ではなく、双子の妹の詩音でした。
瓜ふたつな見た目に困惑していた圭一ですが、やがて魅音も含め、3人は非常に仲の良い友達となっていきます。そして訪れた綿流しの晩、圭一は詩音に誘われ、立ち入りが厳禁されている祭具殿に忍び込みました。
それが、悪夢へのきっかけとなるのでした……。
- 著者
- ["竜騎士07", "方條 ゆとり"]
- 出版日
- 2005-12-22
ホラー・残虐要素が強く、漫画が発表されたころは、「ラストシーンが恐ろし過ぎる」と話題になりました。他にも読者を震えあがらせるような演出が多く、シリーズでもっとも多くトラウマシーンを含んだ作品です。
怖い話が好きな方には強くおすすめしますが、少しでも苦手意識がある方には間違ってもおすすめできません。それほどに恐ろしいラストです。しかし、その恐ろしさこそが魅力でもあります。
また今作は、物語のカギとなる「綿流しの言い伝え」について語る重要なエピソードでもあるのです。
圭一、詩音、富竹、鷹野の4人が、立ち入りが禁止されている祭具殿に忍び込んだことから事件が始まります。そこで何かが暴れまわる音を富竹と詩音だけが耳にするのですが、その正体は一体何だったのでしょうか……。
事件や謎自体は他の作品と比べてもかなりわかりやすく、読者を惑わせる描写も少なめです。おそらく、普段からミステリーに慣れ親しんだ人なら、あらすじや登場人物を見ただけで大半のトリックが解けてしまうのではないでしょうか。
前作「鬼隠し編」とは毛色が違いますが、こちらも傑作といえるでしょう。
出題編3作目となる今作では、いたずら好きなおてんば娘の北条沙都子にスポットを当てて話が進行していきます。
圭一は、沙都子の両親が事故死したことや、兄の悟史が失踪など、彼女の不遇な境遇を知り、「助けになりたい」と思うようになります。
そんななか、去年まで彼女を虐待していた叔父の北条鉄平が雛見沢に帰郷し、沙都子は学校にすら来なくなってしまいました。鉄平の沙都子に対する仕打ちと、それに何も対応しない大人たちを見限った圭一は、鉄平の殺害を決意してしまいます。
3度目の惨劇は、こうして幕を開けてしまいました。
- 著者
- ["竜騎士07", "鈴木 次郎"]
- 出版日
- 2005-12-22
「虐待」という重いテーマを扱いながら、ここまであまりストーリーに絡んでこなかった沙都子に焦点をあてています。また今作は前の2編と異なり、圭一たちだけでなく、雛見沢村全体にも悲劇が訪れます。
沙都子の叔父・鉄平は、圭一の手で確かに殺されたはずでした。にも関わらず、その後も鉄平の目撃情報が飛び込んでくるのです。一体どういうことなのでしょうか?
真実と嘘が入り乱れ、難解な謎となって物語を包みます。しかしそのパズルのような謎解きへの挑戦と、解決した時に得られる爽快感が、このエピソードの魅力です。
舞台は過去へと戻り、昭和53年初夏の雛見沢村です。建設大臣の孫が誘拐された事件の捜査のため、公安部の刑事・赤坂衛は、ダム戦争真っただ中であるその村に向かいます。
そこで赤坂は、愛くるしい少女の古手梨花と出会いました。幼い彼女を、もうすぐ生まれる自身の娘と重ね合わせていた赤坂ですが、突如として梨花の態度は急変。彼女は赤坂に、ダム建設の頓挫や、来年以降の綿流しの日に起こる殺人・事故を予言し、「東京へ帰れ」と忠告までしてきます。
しかし赤坂はその忠告を聞かず、雛見沢村の刑事である大石らと連携しながら、誘拐事件に挑んでいきます。
そんな彼を待ちうける結末とは……。
- 著者
- 外海 良基
- 出版日
- 2006-08-22
出題編4作目にして、舞台が昭和53年のダム戦争中の雛見沢村になり、主人公も圭一から赤坂になっています。今作でスポットが当たるのは、ミステリアスで「オヤシロ様の生まれ変わり」だとされている少女、古手梨花です。
「暇潰し」というタイトルから力が抜けそうになってしまいますが、ダム建設の頓挫、その後の綿流しで起こる事件などを的確に予言する場面は、「ひぐらしのなく頃に」シリーズが持つ、ある大きな謎に触れるエピソードとなっています。気を抜くことはできません。
時系列的にも、これまでに語られた各編の前日譚にあたるこの「暇潰し編」。梨花の新たなる一面や、ここまでは粘着質で嫌らしいだけのキャラだった大石刑事の活躍など、さまざまなキャラクターの意外な姿を見れるのが本作の魅力です。
『ひぐらしのなく頃に解』と銘打たれ、出題編4作で示された謎を解き明かしていくことになる「解答編」のはじまり。この「目明し編」が解き明かすのは「綿流し編」の謎です。
家族に秘密で全寮制の学校を抜け出し、興宮町へ戻ってきた詩音と悟史の出会いと淡い恋愛模様、そして悟史が失踪するまでを描いた、昭和57年の物語と、「綿流し編」とほとんど同じ話を詩音の視点から描いた、昭和58年の物語の2部構成になっています。
- 著者
- 竜騎士07
- 出版日
- 2007-01-27
1部はミステリー調、2部はサスペンス調と、ひとつのエピソードからふたつの要素を味わうことができます。
詩音視点で見る 昭和58年の「綿流し編」では、当初の圭一視点のままでは絶対に知ることのできなかった、事件にまつわる悲しく切ない真相が明かされています。
また、「綿流し編」と似た物語ということは、つまり残虐描写が多いということです。特に「ケジメ」をつける場面と、ある人物の自殺シーンは、目を背けたくなるほど痛々しさです。 あまりの凄惨さから、アニメ放送時は画面の大半が黒く塗りつぶされる修正があったほど。過激なトラウマシーンとして語り継がれています。
しかし、今作および「綿流し編」での犯人の犯行理由やバックボーンが示されていて、その切なさと感動から人気の高い編でもあります。「愛」と「憎悪」という人間の二面性を描いた点こそが、「目明し編」の人気の理由ではないでしょうか。
昭和58年6月の雛見沢。父と幸せに暮らしていたレナの家に突如、間宮律子という女性が現れました。彼女と結婚しようと思っていると漏らすレナの父ですが、彼女は律子が竜宮家の財産を狙っている結婚詐欺師であることを知ってしまいます。
平穏な暮らしが犯されていくなか、レナは自身の日常を守るために最悪の一手を選択してしまいます。それに気づいた圭一たち部活メンバーは彼女を助けようと奔走し、一時は彼女のことを救うことができたかに見えたのですが……。
- 著者
- 竜騎士07
- 出版日
- 2006-12-22
解答編の2作目で、「鬼隠し編」の謎を解き明かしています。しかしそれだけでなく、このエピソードでは「暇潰し編」で触れられた梨花の謎と、シリーズ全体の謎の一片も知ることができるのです。
またミステリーやサスペンス色の強かったこれまでと異なり、「罪滅し編」の後半ではレナを救おうとする圭一たちによる、熱い少年漫画のような展開が続きます。 友情が光るシーンや、ラストの大どんでん返し、圭一のおこした奇跡など、見どころは満載です。
そしてレナの境遇や、圭一の雛見沢に越してくる前の生活など、部活メンバーの過去も明らかにされるので、特に読みごたえを感じられるでしょう。
綿流しの実行委員に任命されたり、その口先の上手さからオークションの司会を任されたりと、圭一は園崎家を含む雛見沢の重鎮たちに気に入られはじめていました。
そんななか、沙都子の叔父である鉄平が雛見沢に帰ってきてしまいます。彼の沙都子への扱いを知っていた部活メンバーは、彼女のために東奔西走しなんとか現状を打破しようとしますが……。
果たして、「祟殺し編」のような惨劇を回避し、沙都子を救うことはできるのでしょうか?
- 著者
- 竜騎士07
- 出版日
- 2008-12-22
解答編3作目にして「祟殺し編」の謎に迫るエピソードです。この「皆殺し編」からは、先述した「読者が感じる違和感」について、やっと明らかになってきます。
シリーズをとおし、なぜ圭一などの同じ人が何度も死に、何度も生き返っているように見えたのか。雛見沢での惨劇は、誰の仕業で、どうしてくり返されるのか……明かされた真相について、一部のファンからは「こんなものはミステリーではない」という批判すら起こりました。
おそらく、この編を読む前に『ひぐらしのなく頃に』のカラクリに気づいた人はほとんどいないでしょう。
そして、誰の犠牲もなく沙都子を鉄平から守るために部活メンバーが立ちあがり、圭一を中心に村が一丸となっていく様子は、「罪滅し編」と同じく読者を熱くさせます。
ある日、部活メンバーが通う雛見沢の学校に、圭一以来の転校生がやってきました。古手羽入という名のその子は、すぐに部活メンバーとも打ち解けていきます。
そんななか梨花が「書いている漫画の設定が行き詰ったから協力してほしい」と部活メンバーに持ち掛けます。
急な申し出に協力することとなった圭一たち。それぞれが意見を出し合い、彼女の漫画を完成させようとしていました。しかし彼らは、その漫画のストーリーが偶然できた作り話ではなく、まぎれもない「現実」だということを知ります。
こうして、惨劇の連鎖を打ち破るための最後の戦いがはじまりました。
- 著者
- 竜騎士07
- 出版日
- 2008-12-22
解答編の4作目で、本編の最終話です。これまで幾度とない惨劇をくり返させてきた黒幕、つまり「部活メンバーの真の敵」となる人物の過去から物語がはじまります。
黒幕の過去の内容は、言葉も出ないほどに不運で、残酷で、理不尽です。また、巧みな描き込みによって表現されているために、なんともエグい仕あがりとなっています。中盤から後半にかけては、これまでの例に漏れず手に汗握る展開が続き、ある人物の登場シーンは名場面として話題になりました。
「皆殺し編」では明かされなかった残りの謎が明かされ、 散りばめられていた伏線が一気に回収されていく様子は「見事」のひと言。
物語がどのような結末を迎えるか、それはぜひご自身の目で確かめてください。
この「宵越し編」は、『ひぐらしのなく頃に』の外伝作です。舞台は移り変わり、平成18年。昭和58年に起こった「雛見沢大災害」と呼ばれるガス災害の影響で、村は最近まで閉鎖されていました。
雑誌で雛見沢村を知った乙部彰は、何人かのグループで村近郊を訪れます。しかし車から離れた際に、彰は足を滑らせ崖から落ちてしました。そこへ、誰もいないはずの村の方角から、着物を着た女性が現れます。
「園崎魅音」と名乗り、自分を「村の生き残り」だと説明する彼女と意気投合した彼は、彼女とともに雛見沢の古手神社集会所へ向かいます。しかし、引き寄せられるようにして誰もいなかったはずの村を訪れたのは、2人だけではありませんでした。
そして続々と人が集まると、彼らの周りで謎の事件が起き始めます……。
- 著者
- 竜騎士07
- 出版日
- 2007-01-27
作中で語られる雛見沢大災害前の状況が似ていることから、「罪滅し編」の後日譚と考えられます。つまり、「圭一たちが運命を変えられなかった世界」での話です。
今作では大立ち回りを演じるなど見せ場が多い魅音ですが、「罪滅し編」後の世界であるとするのなら、魅音は死んでしまっているはず。ではこの女性は、一体誰なのでしょうか?
また、村に集まった人物のうち、死体で発見される者が出はじめます。この閉鎖空間ともいえる村のなか、犯人はどこにいるのか、また、彼らは無事に帰ることができるのか、シリアスな空気の漂うミステリーで、ハラハラドキドキの展開を楽しめます。
余談ですが、「宵越し編」のモチーフとなったのは芥川龍之介の『藪の中』です。もしかすると、このヒントでピンとくる人がいるかもしれません。
この「昼壊し編」もまた外伝作品ですが、「宵越し編」とはうってかわって、ギャグ要素を含む明るいエピソードとなっています。
古手神社に古くから伝わる「フワラズノ勾玉」の封印が解けてしまったある日。運の悪いことに、お宝探しに来ていたレナが、その片割れである赤い勾玉を飲み込んでしまいます。
彼女が飲み込んだ赤い勾玉は「持っていると、白い勾玉を持つ人を好きになってしまう」という非常に危険な代物です。案の定、白い勾玉を持つ人に猛烈な勢いでアタックしていくレナ。
この騒動の顛末はいったいどうなってしまうのでしょうか。
- 著者
- 竜騎士07
- 出版日
- 2009-12-22
同人サークル「黄昏フロンティア」が制作したアクションゲーム「ひぐらしデイブレイク」の設定を、原作の脚本を手がけた竜騎士07が小説化した作品です。タイトルの由来はデイ(昼)ブレイク(壊し)です。
あらすじのとおり、本編のシリアスさは欠片も感じさせないギャグテイストなシナリオとなっていて、『ひらしのなく頃に』の登場人物たちが演じるコメディーを楽しむことができます。
特に富竹ジロウ、鷹野三四、大石刑事辺りのキャラ崩壊っぷりは凄まじく、読者を笑わせてくれることでしょう。
昭和58年8月。部活メンバーでプールに行った帰り道、古手梨花は交通事故にあってしまいます。気を失っていた彼女が目を覚ますと、そこには今までの雛見沢とは大きく違う世界が広がっていました。
死んだはずの梨花の両親や沙都子の両親は健在で、悟史も失踪しておらず、代わりに圭一が東京から雛見沢へ来ていません。
そんな特異な世界から元の世界に戻ろうと、彼女は奮闘を始めるのですが……。
- 著者
- 竜騎士07
- 出版日
- 2011-12-22
本編の正式な後日譚であり、最終章です。これをもって『ひぐらしのなく頃に』という作品の物語は終幕を迎え、次回作である『うみねこのなく頃に』へと続くのです。
本編中の、とある行為に対する罪を自覚させるための物語でもあり、この作品をもってしてようやく、すべての人物に対して罰と救いが与えられることとなります。
梨花好きのファンは必読です。 シリーズの真の完結編、ぜひ最後の作品としてお楽しみください。
学校をさぼって遊びに出かけていた女子高生の古手梨花と、その後輩の園崎魅音。帰り際に雨に降られてしまい停留所に駆け込んだものの、次のバスが来るのは1時間後でした。
後からやってきた建設省の利根川と荒川、さらにフリーライターの吉村も交え雨宿りをすることになります。しかし、建設省の2人は「雛見沢ダム計画」のために送り込まれた人間。梨花は露骨な嫌悪感を示します。
そんななか吉村は、雛見沢ダムを造ろうとした建設省の人間が、尋常ではない死に方で最低4人死んでいて、それは雛見沢に古くから伝わる守り神「オヤシロ様」による祟りなのではないか、という話を披露しました。
5人による会話劇には、驚愕の結末が待っています。
- 著者
- ["竜騎士07", "ともぞ"]
- 出版日
- 2012-12-22
副題に「ひぐらしのなく頃に原典」とあるように、シリーズの元となった作品です。梨花が高校生で魅音が後輩であるなど、キャラの設定も本編とはかなり異なっています。
それでも「オヤシロ様の祟り」や「ダム建設問題」といった部分は登場し、これまでの物語で使用されたトリックが再現されるなど、作中の空気感はほとんど一緒となっています。
あくまでも原典的作品なので、ここまでおすすめしてきた作品をすべて読んでから挑むのがおすすめ。ファンならニヤリとできるキャラ造詣や各種設定は必見です。
ホラー漫画として知られている『ひぐらしのなく頃に』ですが、事件が本格的に発展するまで、比較的ほのぼのとしたシーンが続きます。小学生や中学生の女の子が主体となって進んでいくストーリー。人によっては、萌え系のような印象を受ける方もいるかもしれません。
しかし、事件が進むに連れ、彼女らは豹変していきます。発狂、そして殺人のオンパレード。可愛かった頃とは比べ物にならないほど、狂気に満ちた顔へと変貌を遂げます。本作を有名なものにした、グロテスクなシーンの数々はこの後半から生まれました。
発狂や殺人といったイメージが強い『ひぐらしのなく頃に』ですが、前半はしっかりと日常のシーンが描かれています。ほのぼのとしたシーンがあるからこそ、狂気に満ちた後半の惨劇がより際立っているのかもしれません。
おすすめのグロ漫画を紹介した<グロ漫画おすすめ16選!初心者向けから難易度順に紹介!>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。
主要人物のほとんどが小・中学生で構成されている本作。普通の可愛らしい顔と狂気に満ちた顔を持ち合わせた彼らは、とても個性豊かなキャラクターたちです。今回はそんな彼らの中から、2人を選りすぐって紹介します。
雛見沢村に引っ越してきた少年、前原圭一。中学2年生ながら、頭の回転がとても早く、優れた話術を持っています。また、正義感にも溢れており、ピンチの時には持ち前の頭脳をフル回転させ、問題を解決。高い能力を持ちつつも、人情に厚い、万能な主人公です。
しかし、彼は暗い過去も持ち合わせており、それが原因で雛見沢村に引っ越して来ることになりました。物語の核に関わる部分になってしまうのであまり触れることはできませんが、今の彼を構成する大きな要因になっています。主人公ながら前原は賽殺し編には登場しません。それには彼の過去が大きく関係しています。
また、彼の名言として知られているのが「クールになれ、前原圭一!」というこの言葉。前原が追い詰められた時に頻発するものの、実際に冷静に思考できていることは少ないようで、よりピンチへと巻き込まれてしまいます。この言葉とは裏腹に、焦る彼の姿があまりにもシュールだということで、名言として知られることになりました。
一見完璧なように見えるものの、案外抜けている面もある前原。しかし、物語の主人公として、みんなを引っ張っていく姿はやはりとてもカッコいいものがあります。後半にかけ際立った活躍をみせる彼から目が離せません。
雛見沢を実質的に支配している園崎家の長女、園崎魅音。腰まである長いポニーテールと緑色の髪の毛が特徴的な女の子です。『ひぐらしのなく頃に』のヒロインであり、主人公の前原に想いを寄せています。
裕福な家に生まれたということもあってか、料理や合気道、ヘリコプターの操縦など様々な技能を保有。銃器の扱いにも慣れており、基本的にモデルガンを持ち歩いていました。
性格に関しては明るく積極的な姉御肌で多くの仲間に慕われていました。しかし、他人の気持ちを考えていない言動で人を傷つけることも多いです。魅音自体が気持ちの浮き沈みが激しいタイプであり、それによって他の人に接する態度も大きく変わってしまいます。
悪気はないものの、惨劇の引き金となってしまうような発言も多いキャラクター。彼女の突発的な行動や、恋の行方にも注目です
- 著者
- ["竜騎士07", "鈴羅木 かりん"]
- 出版日
いかがだったでしょうか。様々なシリーズがあり、読む順番についても多くの意見があるようですが、当記事の書いてある順番通りに読んでみることをおすすめします。
10年ほど前に一大ブームを巻き起こし、現在も根強い人気がある作品です。無料で読むことができますので、ぜひこの機会にご一読を。
『ひぐらしのなく頃に』好きにおすすめなのが同じく竜騎士07による『うみねこのなく頃に』。そんな「うみねこ」について紹介した<漫画『うみねこのなく頃に』が無料!ミステリーな世界の魅力をネタバレ紹介>の記事もおすすめです。