こんにちは、松原汐織です。 失恋すると人生設計を練り直すのは私だけでしょうか。ぽっかり空いた心とスケジュール。さて、どう生きていこう? 何をしよう? そうやって真っ新な状態だからこそ見えてくることも。失恋した時にオススメの3冊を紹介します。
- 著者
- サミュエル スマイルズ
- 出版日
- 2002-03-21
失恋をすると自分のことを幸せにしてあげられるのは自分!という考えがより強くなり、人生設計を練り直すという流れ(笑)。
この本は以前購入したものの積ん読コーナーに置いていたけれど、“自”分を“助”ける“論”ということで手に取り一気読み。
原作『Self help ,with Illustrations of Character and Conduct』は1857年に出版され、明治4年には『西国立志編』と題し日本語訳も出版。当時の日本で総計100万部ほど売れ、福沢諭吉著『学問のすゝめ』と並んで明治の青年達に広く読まれたそう。
天は自ら助くる者を助く
本作品に書いてあることはとってもシンプル。努力に勝る天才はいないし、正直は一生の宝だし、感謝の気持ちも忘れてはいけない。偉人達のエピソードを交えながら10章に亘り読み進めていくと、自分の在り方についてもう一度考え直すことが出来る学び多き作品。教科書を読んでいるような気持ちにさえなる。やっぱりイイモノは長らく受け継がれる。失恋に限らず、これからも悩んだ際に手に取り続けたい一冊。
- 著者
- おかざき真里
- 出版日
- 2017-09-08
私の大大大好きな漫画、おかざき真里氏『阿・吽』。同じおかざき氏の最新作とあれば読まずにはいられない。
美味しいモノを食べると心が潤う。どんなに心がすり減っている時だって美味しいモノは美味しい。心も体もどんどん満たされ回復していく。大切な生きる運動……。
登場人物は何かしら心に埋まらない寂しさを抱える28歳の3人。美大時代の同級生の葬儀にて再会し、交流を始める。集まるのは専ら料理上手な主人公・千春の家。千春が作る料理の描写が美味しそうで気持ちが満たされる。
包まない餃子やエビと春雨のタイ風煮など料理のレシピが書いてあるのも嬉しい。
起きてから眠るまで 自分にやさしい人とごはんを食べる
三食は難しいだろう。でも、出来れば一日に一食は自分にやさしい人とごはんを食べたい。それが無理なら週に数回でもよい。癒される瞬間を美味しいモノと心優しい人達の力を借りて設けたい。
先日、友人宅でいただいた鍋の〆のキノコリゾット。お出汁の旨味を十二分に吸ったお米と大好きな友達。心の底からホッとした穏やかな時間だった。大人になってから出来た友人とここまで親しくなれて本当に有り難いと思った。
心に穴が空いたら、埋めるものを知っておくことは大切だ。自分を否定し続けない。誰かや何かの力を借りるのも決して悪いことじゃない。甘えられる人に甘えよう。それはお互い様なのだから。そうすれば、前を向けるはず。
- 著者
- 原田 マハ
- 出版日
- 2017-06-02
書店にて一目惚れし、即購入してしまった。原田マハ氏×アートという鉄板コンビ。
原田氏は最初に『楽園のカンヴァス』を読んだ際にアートの知識量に度肝を抜かれた。経歴を調べて納得。MoMAにも勤務していたそう。同じくアートの知識に基づきストーリーが展開されていく『ジヴェルニーの食卓』以外にも、『キネマの神様』では映画について。『本日は、お日柄もよく』ではスピーチライターや政界、広告代理店。どの作品も圧倒的な知識量を感じる作品ばかり。重厚感のある内容を軽快なテンポで話が展開されて行くので本を読む楽しさをあらためて気付かせてくれる。
今回はジャクソン・ポロックの絵を巡り巻き起こるアートエンタテイメント。
原田氏の作品を楽しめるかどうかは、本文中に登場する絵を脳内に描けるかが大切なように思う。私は美術館に行くのは好きだが詳しくはないので、NAVERまとめで本文中に登場する絵の知識を得つつ読んでいる。数十年前には出来なかった読書の楽しみ方のように思う。
THEエンタテイメントな今作はマーベル映画さながらの、壮大で痛快なストーリー展開。何も考えずに読めると言ったら失礼だが、世界観に引きずり込まれるパワーがある作品は失恋後に向いている。読了後は必ず前向きな気持ちになれる作品。
悲しかったり悔しかったり。失恋後はいろいろな想いが湧きますが、「捨てる神あれば拾う神あり」を実感。見返してやる!なんていう気持ちは芽生えない質ですが、一皮むけたと思えるように日々努力して行こうと思う所存です。
Photographer : JITO YU
Hair&Make-up artist : SAYAKA SHIBUYA
Stylist : MINORU