4人の男子高校生が送る甘く切ない恋愛物語を描いた『虹色デイズ』。2018年夏には実写映画化が予定されています。個性あふれるキャラクターたちのラブストーリーは、あなたを虜にすること間違いなし! この記事ではそんな本作の魅力を、本編の最終回が収録された15巻までご紹介していきます。ネタバレも含むので、ご注意ください。
『虹色デイズ』はとある高校を舞台に、4人の男子高校生たちが送る甘く切ない学園ラブストーリーを描いた漫画です。
彼女にフられて泣いていた自分にティッシュをくれた少女に一目惚れしたり、かっこいいはずの自分にときめくどころかツバを吐いてきた女を可愛いと思ってしまったり、友達の妹に励まされたおかげで救われたり、2次元大好きなインドアなのにクリスマスに彼女ができちゃったり……
あらゆる角度から展開されるラブストーリーに、惹き込まれてしまうこと間違いなしです!
- 著者
- 水野 美波
- 出版日
本作はその人気から2016年にアニメ化され、2018年の夏には実写映画として上映されることが決定しています。この記事ではキャラクターたちの魅力を紹介するとともに、最終回の見どころについても紹介していきます。ネタバレを含むのでご注意ください。
またアニメでの声優や実写映画での配役などにも触れるので、気になる方は一緒にチェックしていきましょう。
クリスマスを目前に控え、初めての彼女とのデートプランを練っていた羽柴夏樹(はしばなつき)。しかし姉からの譲りものだった高い時計をつけていたためにお金持ちだと勘違いされていたことを知り、彼女と別れてしまいます。
楽しくなるはずだったクリスマスに騙されていたことを知った夏樹は、泣きながら座り込んでしまいました。
そこへ、サンタのコスプレをした少女がティッシュを差し出してきたのです。寒そうな彼女に、プレゼント用に準備していたマフラーを渡してその場を去った夏樹でしたが、なんと学校でそのマフラーを付けている女の子と再会することに……。
運命のような出会いから始まる、男子高校生の恋物語です。
- 著者
- 水野 美波
- 出版日
- 2016-12-22
『虹色デイズ』の魅力は、複数のキャラクター同士の恋がさまざまな方向に展開されていることです。もっとも注目されるのは主人公の羽柴夏樹と、メインヒロインの小早川杏奈の恋ですが、彼らの周りの友人たちの行動からも目が離せません。
読者のなかには、むしろ周りのキャラクターの恋の行方の方が気になる!という方や、主人公でもメインヒロインでもないあのキャラクターが1番好き!という感想も多々見受けられます。
それは、すべてのキャラクターがそれぞれにしっかりとした個性を持っていることが理由に挙げられます。恋愛とひと括りに見てもまったく異なるストーリ-が展開されるので、ひとつの作品から読者好みの恋物語を見つけ出すことができるのです。
高校の時は部活一筋だった人も、彼氏彼女とラブラブな学園生活を送っていた人も、静かにひっそりと通っていた人も、必ず共感できるラブストーリーに出会えるはず。また自分の経験したことのない恋愛を覗くこともできるので、ぜひ手に取ってみることをおすすめします!
羽柴夏樹は本作の主人公。穏やかで感情表現が豊かなキャラクターです。優柔不断ではありますが、相手を思いやる気持ちは人一倍強く、困っている人がいれば助けずにはいられない性格をしています。
学力はそれほど高くはなく、また恋愛に関しては典型的な少女漫画脳。甘々のラブ展開を期待しているのです。
友人たちの恋愛沙汰や、相手の意を汲み取ることが苦手な鈍感さは、まさに主人公気質であるといえるでしょう。
5巻では、夏樹が想いを寄せている小早川杏奈と一緒に、ハート形の観覧車に乗ることに成功します。半ば強引かつ勢いで乗ってしまった2人でしたが、杏奈に今まで付き合った人がいないことや、自分の好きなタイプの女の子を言い合うなど、恋バナを楽しむことができました。
「たとえば……恋バナして赤くなったりする子とかすっごくかわいいと思う……」(『虹色デイズ』5巻より引用)
不器用ながらも徐々に距離を縮めていく彼の恋はいったいどうなるのでしょうか?この先の展開が気になる方は、ぜひコミックを読んでみてください。
アニメでは、数々の作品で主人公を務めた経験がある大人気声優のひとり、松岡禎丞(まつおかよしつぐ)が担当。映画では俳優の佐野玲於(さのれお)が演じています。
まさにチャラ男の松永智也は、その優れた容姿から数多くの女の子と遊んでいます。愛称は「まっつん」。自分をしっかりと持っており、誰に対しても基本的には積極的なアピールができるキャラクターです。
2つ年下の妹を溺愛していて、妹が登場する場面では過保護のように思えるシーンが多々見受けられます。夏樹と同じで学力は高くないですが、相手の気持ちを察することが誰よりも得意であり、多くの女性との仲を保てるのも頷けるでしょう。
これまで付き合ってきた多くの女の子たちとは異なり、同級生の筒井まりのことを本気で好きになってしまった松永。とにかく積極的なアプローチを重ねますが、そんななかで以前遊んでいた女の子と仲良くしているところをまりに見られてしまうのです。
どうやって誤解を解こうかと悩んでいたのも束の間、まりが怪我をして気を失ってしまいました。颯爽と駆けつけ保健室へと運んだ松永ですが、意識が朦朧としているまりの口からは、知らない男の名前が……。
松永の無謀な挑戦にも見える恋の行方は一体どうなるのでしょうか?
「どうしたら振り向いてくれるか考えたらホント難しくて。本気で好きって言う事がこんなに大変だとは思わなかったです」 (『虹色デイズ』6巻より引用)
アニメの声優は江口拓也(えぐちたくや)、実写映画では俳優の中川大志(なかがわたいし)が担当しています。
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- 著者
- 水野 美波
- 出版日
- 2012-11-22
片倉恵一はとても高い運動神経の持ち主で、高校では部活動に入ってはいませんが、中学時代からの友達がいることを理由に暇なときはバスケ部に通っています。体育祭では数々の種目で優勝を重ねるほど、運動に関しては優秀です。
その反面、勉強は苦手。さらに誰よりも子供のような性格をしています。大人ぶった素振りをしてみるものの、悲しいことや悔しいことに関しては特に感情的になってしまい、拗ねてしまうことも。
そして彼の最大の個性となっているのが、サディスティックな性格です。特に女性を責めることが大好きで、いじめることに快感を覚えるという特殊な性癖の持ち主です。
11巻では、3年生として最後の体育祭を迎えます。1年でもっとも恵一が輝く日のはずが、なぜか彼の心は違和感で埋め尽くされていました。
何に対して悩んでいるのか、自分でも理解できなかった恵一ですが、友達の直江剛(なおえつよし)に相談し、好意を寄せてくれている松永希美(まつながのぞみ)から励まされたことで、その違和感から解放されます。
本作は、大人と子供の間を彷徨う「高校生」というポジションが分かりやすく描かれており、彼が抱く悩みのひとつひとつに共感してしまう読者もたくさんいるはずです。1番明るい性格のはずの恵一が、実は1番繊細なキャラクターなところが彼の魅力でしょう。
「こーゆーの、けっこー弱いんだよね」(『虹色デイズ』11巻より引用)
アニメは声優の島﨑信長(しまざきのぶな)が、映画では俳優の横浜流星(よこはまりゅうせい)が演じています。
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直江剛は4人のなかで唯一勉強ができるキャラクター。夏樹からは「つよぽん」の愛称で呼ばれており、基本的に物静かな性格です。
地味というよりはミステリアスな雰囲気を醸し出していますが、アニメや漫画など二次元に対して強い愛を持っており、ゲームなども大好きなインドア派。
浅井幸子こと「ゆきりん」と付き合っていますが、その経緯も漫画を買うために訪れた書店で出会い、アニメ関係のイベントで再会したことから交際が始まりました。
幸子との出会いのほかに、14巻に載っている進路についての物語が剛の1番の見どころでしょう。
高校3年生を迎えた彼らは、自らの進路を選択することになります。当初は全員で同じ大学へ進学することで話が進んでいました。しかし剛は、自分の父親から母校である東京の大学へと進学することを勧められます。
突然現れた新しい選択肢に、剛は迷いを隠すことができませんでした。
それは夏樹たちと離れてしまうことだけでなく、幸子とも遠距離恋愛になってしまうからです。いったい彼はどの道を選ぶのか、衝撃的な決断から目が離せません!
「オレが大人なら、すべて自由なら、一緒においでと言えるのに。未熟な自分。早く大人になりたい」(『虹色デイズ』14巻より引用)
アニメの声優は内山昂輝(うちやまこうき)、映画では俳優の高杉真宙(たかすぎまひろ)が演じています。
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- 著者
- 水野 美波
- 出版日
- 2013-09-25
その容姿からもはかなさを感じてしまうような、落ち着いた性格をしているのが、本作のメインヒロインである小早川杏奈です。クリスマスにカラオケ店のアルバイトでティッシュ配りをしていた際、泣いている夏樹に声をかけ、恋物語が始まりました。
甘いものが大好きで、ちょっと天然かと思うような場面もあり、それでもなんだか気品を感じてしまうキャラクターです。
これまで色恋沙汰にほとんど縁がなかった杏奈ですが、10巻での修学旅行で、同じクラスの望月渉(もちづきわたる)から告白をされます。
初めてのことで、どんな返事をしてよいのかも分からず、自分の答え次第では相手を傷つけてしまうのではと返事に戸惑う杏奈でしたが、そんな時に彼女の頭をよぎったのはが、夏樹の笑顔でした。
望月の告白を断り、恋愛をすることの辛さを感じて泣き崩れてしまいます。自分の気持ちに正面から向き合う覚悟した杏奈と、望月が彼女に告白をしたことを知った夏樹がどうなるのか……。2人の今後が気になりすぎて、ページをめくる手が止まらなくなること間違いなしです!
「恋愛って楽しいものだと思ってたのに、辛いんだね……」(『虹色デイズ』10巻より引用)
アニメの声優は津田美波(つだみなみ)が担当しています。
幼いころより多数の男子からアプローチを受け、さらに大好きだった兄が結婚してしまったことから、周りの人間(特に男子)を嫌うようになってしまった筒井まり。しかし高校で杏奈出会い、仲良くなったことで、友情を超えるほど彼女のことを好きになってしまいます。
それからは自分の男嫌いな性格を活かすかのように、杏奈に近づく男たちにひたすら噛みつく凶暴さを発揮するようになりました。
女性というだけで甘い言葉をささやく松永のことを特に嫌っており、彼に近づいては唾を吐くことから、「ツバ女」の愛称で呼ばれています。
11巻でまりは松永から告白され、さらに杏奈が夏樹に抱いている想いを知り、自分自身の気持ちにも決着をつけようと杏奈を呼び出しました。
1年生の時から親友以上に仲良くしていた杏奈から、もし嫌われてしまったら……と考えるとなかなか言葉が出ないまりですが、松永が背中を押してくれ、自分の気持ちすべてを素直に伝えることができました。
杏奈とまりの関係はどうなっていくのでしょうか。また、無謀とも思えた松永の恋は実るのでしょうか。切ない結末から目が離せません。
「あたし、杏奈と仲良くなれて救われたの。こんなあたしと友達になってくれてうれしかった。毎日つまらないと思ってたのに楽しくなって、今も……杏奈がいなかったらと思うと怖くなる。……それぐらい離れたくなかった。一番近くにいたかった……。ごめんね、杏奈……」(『虹色デイズ』11巻より引用)
アニメの声優は内山夕実(うちやまゆみ)が担当しています。
- 著者
- 水野 美波
- 出版日
- 2014-02-25
直江剛の彼女で、1巻から頻繁に登場する「ゆきりん」こと浅井幸子。本作中で唯一違う高校に通う少女です。
剛と出会ったクリスマスごろまでは黒髪でしたが、その後はオレンジ色に染めています。剛に勝らずとも劣らず二次元が大好きで、コスプレイヤーとしても時々活動しているようです。
夏樹たちが剛のことを「つよぽん」と呼んでいることから、ゆきりんは「つよぽんぬ」という愛称を彼につけました。非常に明るい性格で、夏樹や松永たちとも初対面ですぐに仲良くなってしまうほど、社交性に優れた人物です。
ある日、剛と映画デートの約束をしていた幸子でしたが、家に迎えに行ってみると彼はまだ布団の中でした。状況から察すると、深夜までゲームをしていたようです。
幸子はそんな剛をむりやり起こすのではなく、気を使ってゲームを始め、いつのまにか自分も寝てしまいました。先に目覚めた剛は幸子がいることに驚くのですが、そこから胸がキュンキュンしてしまうような展開に……!
「つっよぽっんぬー!映画に行きますよー!」(『虹色デイズ』6巻より引用)
明るくてムードメーカーな彼女の、剛に対する愛情がひしひしと伝わってきて、見ていて微笑ましい2人です。また2巻の巻末では、杏奈とまりを交えた3人がカフェで楽しくお喋りする場面もあるので、幸子のことを気になった方は、ぜひそちらも見てみてください。
アニメの声優は石上静香(いしがみしずか)が担当しています。
松永の2つ下の妹で、夏にプールで恵一に助けてもらったことをきっかけに、彼に一目惚れをしてしまいました。
恵一は友達の妹であるため、最初はサディスティックな性格を見せず自分を抑えていましたが、希美の恋に対する積極的な性格に、徐々に惹かれていきます。
恵一と同じ高校に入るために志望校を変えるなど、努力家な一面もあるキャラクターです。
7巻で希美は、バレンタインを理由に恵一へ積極的なアプローチを試みますが、よい返事をもらえませんでした。
8巻では、希美に好意を抱いている男の子と一緒に下校することになり、彼から告白されます。しかしまったく心がときめかず、やはり自分が1番好きなのはやはり恵一だということをあらためて自覚しました。
基本的に年上のお姉さんをいじめることが好きな恵一に、恋の相手として見てもらえる日は来るのでしょうか。難攻不落な恋の行方に注目です!
「恵一さんが……一番……!!今だって会えてうれしい……!」 (『虹色デイズ』8巻より引用)
アニメの声優は茅野愛衣(かやのあい)が担当しています。
- 著者
- 水野 美波
- 出版日
- 2015-12-25
片倉優二は恵一の兄であり、夏樹たちのクラスの担任を務めています。表には出しませんが誰よりも恵一のことを大切に考えており、進路について真剣に話をしたり、希美の相談相手になったりもする大人として描かれています。
実は恵一以上にサディスティックな性格をしていて、教師になる前は「その筋で」有名だったようです。
4巻では、恵一が保健の先生に好意を抱いてしまいます。しかし彼女はある秘密を隠しており、それを知っている優二は弟の恋を止めようと説得するのですが……。
さまざまなシーンで登場するキャラクターなので、気づいた時にはあなたもサディスティックの虜になっているかもしれません。
「まぁ、どーせ何言ってもきかないもんね。だったら夢を壊されて痛い目見ればいいよね」 (『虹色デイズ』4巻より引用)
アニメの声優は海老名翔太(えびなしょうた)が担当しています。
- 著者
- 水野 美波
- 出版日
14巻まででキャラクターたちの恋物語はほとんど完結しており、15巻では高校生活最後の大舞台である「卒業」について深く描かれています。
ストーリーを展開するなかでキーになっているのが、片倉恵一です。卒業が近づくにつれて、徐々に機嫌を悪くしていく彼の姿は、まさに別れという悲しさに正面から向き合えず拗ねている子供そのもの。
今が1番楽しいと心から信じているからこそ、その終わりに向き合えず、希美に対してもキツイ態度をとってしまう恵一ですが、そんな時に頼りになるのが友人です。夏樹たちが親身に話を聞き、恵一の力になろうとしていることを伝え、彼は元気を取り戻していきます。
卒業の悲しさを経験したことがある方は、懐かしさに浸りながらも涙を浮かべずにはいられないはず。さらに夏樹と杏奈をはじめとしたそれぞれのアフターストーリーも描かれているので、こちらも見逃せません!
また、番外編が収録された16巻も発売しているので、ファンの方はそちらもお見逃しなく!
- 著者
- 水野 美波
- 出版日
『虹色デイズ』の魅力を紹介してきました。今回はお伝えできなかった登場人物たちの恋にも興味をそそるストーリーが隠れているので、映画を観る前にぜひ1巻から読むことをおすすめします!