本を読んでる自分って、なんかカッコいい……! そう気付いてしまったのは中学のときです。 みんなが楽しそうにしてる時も本を読んでみたり、荷物を出すときにおもむろに本を置いてみたりしていました。 ……アイタタ( T_T) 知的で、他の人とは違う、そんな空気に憧れていたんです。その頃のわたしが、ちょっぴり大人になるために必要だった本を読み返してみたので、紹介しますね!
- 著者
- 森 絵都
- 出版日
- 2007-09-04
死んだはずの「ぼく」は、大きな罪を犯し輪廻のサイクルから外れてしまいます。しかし、ひょんなことから輪廻のチャンスが! そのチャンスとは、自殺を図った中学生、“小林真”の身体にホームステイし、下界で生活すること。そしてタイムリミット内に「ぼく」が犯した罪の大きさを思い出すこと。
小林真の複雑な家庭環境や失恋に傷つきながらも、進みたい道を探すストーリー。
タイトルが「カラフル」だから、ハッピーな物語かと思い手に取ったのですが、読み終えた時には「カラフル」という言葉に全然違う印象を持っていました。
信じていたものが嘘だらけと気付いたとき、すべて諦めてしまうのも間違いではないはずなんで、だけど、本当は諦めなくてよかった、なんていうのはよくある話……。
失敗できない「人生」で、愛に飢えて綺麗なものを汚してしまう少女も、ないものねだりで不倫で心を埋める母親も、みんなそれぞれ理由があって、苦しみながらも弱さと向き合っている。形なきものも気づけば心のパレットにベタベタと色を塗っていき、「生きること」を教えてくれる本だと思います。
「ぼく」が犯した罪を知った時、全身に血が巡るような感覚がありました。
- 著者
- 伊藤 たかみ
- 出版日
- 2004-04-07
ピュアで優しい主人公の小学生“ユウスケ”には、双子の“ミカ”がいた。「オトコオンナ」と呼ばれるくらい男に憧れた女の子。そんなミカは、徐々に女性らしく成長する自分が嫌になり、恋愛の話にはむかっとしてしまいます……。大人になれない等身大のミカが流す「すっぱい涙」。子供の頃の記憶が蘇り、じーんと胸が熱くなるストーリー。
小学生の頃は、無敵だったと思います。欲しいものは欲しいって言えるし、嫌なことは嫌って言えた。友達とぶつかったときは、思いを伝えようと必死になってみんなで泣いたこともありました。
だけど、中学生になって、そんな自分は間違っていたな、幼かったなと「我慢」を覚えて大人になった気でいたんです。今の私には、それこそが間違いに思えます。もっと素直でよかったのに、どこで曲がってしまったのか……。
小学生の頃に嬉しかったこと、不思議に思ったこと、欲しかったものが、この本を読んでたくさん蘇ってきました。いろんなものを自分の力で知ろうともがいて、足掻いていたガムシャラな子供の自分に、「間違ってないよ」と涙を拭いてあげたくなりました。あとなんか、母校行きたくなる(笑)。
以上、私が中学入りたての頃に読んだ2冊でした。読んだことある本はありましたか?(^-^ )
そうそう、学生のころって、借りた本の後ろに入ってるカードに名前を書く決まりってありましたよね? ジブリの「耳をすませば」のアレです。
わたし、借りたときは「この本もクリア!」と意気揚々でカードに名前を記入するんですけど、本を読み始めてハレンチな表現が出てくると急に恥ずかしくなり、名前を消しゴムで消したことがあります(笑)。
『カラフル』では援助交際をしていた女の子をオジサンから引き剥がしてドーナツ屋に駆け込むシーンがあるのですが、そんなシリアスな場面でひょうひょうとドーナツを食べたがる女の子に、衝撃を受けたのをすごい覚えてます。女ってすごいなあって……!
朝の読書タイムでたまたまそのシーンにぶつかっただけで、ひとり動揺してしまった中1の私。大人なワードにドキドキしながらも、知らない女の世界を知ってしまったことを自分だけの秘密にしたくて、バレないように消しゴムを手に取っていたのかもしれません。
でんぱ組.incさんなど個性豊かなアーティストが所属しているディアステージに移籍して一年が経ち、さらに活動再開してからも一年となり、先日ファンの皆様にお祝いをしていただきました。誕生日の他にもたくさん記念日ができて、なんだかモテモテな気持ちに(笑)。応援してくださる皆さん、いつもありがとうございます!
本と音楽
バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。