初めての伊坂幸太郎!初心者向け定番おすすめ文庫本ランキングベスト5!

更新:2016.9.30

今や押しも押されぬ人気作家となった伊坂幸太郎の作品は、たびたび映画化もされ話題になっています。ストーリーと文章がとにかく面白く、ページをめくればあっという間に“伊坂ワールド”に引き込まれてしまうことでしょう。

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目次

大胆かつ繊細な小説家、伊坂幸太郎

 

伊坂幸太郎は1971年生まれの小説家です。東北大学法学部を卒業し、システムエンジニアとして働く傍ら、処女作である『オーディボンの祈り』を執筆し、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しました。その後、システムエンジニアを退職し、作家専業となります。

伊坂幸太郎の小説の魅力は、大量の伏線と、それを全て回収する文章力です。小説を読み終わると「あのシーンはあのシーンと繋がっていたのか!」と、また読み返してしまいます。二度読み返すと小説の内容を深く理解し、三回読み返す頃には、あなたも伊坂幸太郎の小説に惹かれていることでしょう。また、個性の強いキャラクターも多く登場します。最初から最後まで登場人物達の行動から目を離せなくなること間違いなしです。

 

5位:主人公はクールな死神

人間の世界に派遣された“千葉”という名前の死神と、その調査対象である6人の人間との交流を描いた短編集で、2008年には、金城武主演で映画化もされた人気作品です。

千葉が仕事をするときには、いつも雨が降ります。死神というとなんだか怖いイメージがありますが、この作品に登場する死神・千葉は人の死に興味はなく、好きなものはミュージック。CDショップの試聴機で、仕事のないときはいつも音楽を楽しんでいます。

調査対象に合わせ、毎回姿を変えて登場するのですが、いつもクールでかっこよく、淡々と事務的に調査員の仕事をこなす千葉。8日後に死ぬことになっている人間の前に現れ、その人間を1週間にわたり調査するのが仕事で、死を「可」とするか「見送り」とするかの判断をおこない、「可」とした場合(大抵は可になりますが)8日目の死を見届ければ無事仕事終了となります。
 

著者
伊坂 幸太郎
出版日
2008-02-08


死神といえど全てを理解しているわけではなく、人間の世界でもわからないことの多い千葉は、会話していてもどこかずれているのです。その人間との会話のずれがとても可笑しく、逆に人間味を感じさせるものになっていて、千葉を魅力的なキャラクターにしています。

4位:家族の深い絆に感動

連続放火事件の謎解きに乗り出す兄弟の物語です。過去に辛い経験のある兄・泉水と弟・春が事件の謎を解くうち、兄弟にとって衝撃的な真実と直面することになります。

2009年に加瀬亮・岡田将生主演で映画化もされた作品で、重苦しいテーマを扱っているにもかかわらず、不思議と心温まる場面の多い作品になっています。

舞台となるのは仙台。語り部となっている兄・泉水は遺伝子に関する研究をおこなう企業に勤め、弟の春は街のあちこちに書かれたグラッフィックアートを消すことを仕事としています。多発する連続放火事件について、放火のあった現場の近くには、必ず特徴的なグラッフィックアートが残されていることに気づいた兄弟は、事件の真相を解明しようと動き出します。
 

著者
伊坂 幸太郎
出版日
2006-06-28


泉水と春は父親が違います。春にはかなしい出生の秘密があり、そのことで家族も春自身も苦しんできました。母親はすでに病死していて、父親は癌を患い入院中。父親と血のつながりのない春ですが、それでも父親は心から春を愛し、そんな父親を泉水は尊敬しています。

放火事件の真相が明らかになっていく過程で、この家族の過去についても描かれ、次第にこの2つがDNAの螺旋構造のように絡み合ってくるのです。この家族の深い絆は、血縁関係がある・ないといったことをはるかに凌駕していて、父親の強い優しさに胸を打たれます。

物語の随所に魅力的な名言や、胸を打つセリフがちりばめられていて、一語一句に伊坂幸太郎のユーモアや、言葉選びのセンスの良さを感じる作品になっています。

3位:2つの物語がやがて混ざり合う

主人公の大学生・椎名を語り部として描かれる現在の物語と、その2年前に起きた出来事を交互に描いている作品です。2007年に濱田岳・瑛太主演で映画化されました。

大学への入学を機に、仙台で1人暮らしを始めた椎名。アパートの隣人である河崎から、ある日突然「本屋で広辞苑を盗まないか」と、とんでもない誘いを受けます。なぜか断りきれない椎名は、モデルガン片手に本屋の裏口に立つことに。その後、ペットショップの店長・麗子から、2年前にあった出来事が語られます。
 

著者
伊坂 幸太郎
出版日
2006-12-21

 

2年前の物語では、琴美という女性と、その恋人ドルジ、そして河崎の3人を中心に物語が進んでいきます。まったくつながりがないように見える2つの物語が、次第に混ざり合い1つになるとき、思いもよらない展開が用意されていて、その大どんでん返しには驚かされるばかりです。

テンポ良く軽快に進んでいく作品で、最後までハラハラドキドキしながら読める内容になっています。


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2位:心温まる奇跡が起きる

5つの物語が収録されているこの作品は、どの話にも家庭調査官の陣内という男が登場しています。作者である伊坂幸太郎がいうところの「短編のふりをした長編小説」で、この陣内という男は、全話通してとても魅力的に描かれています。2006年、WOWOWでテレビドラマ化もされている作品です。

陣内は、自分勝手で自由気ままな言動や行動を起こすので、周りからは迷惑な存在として見られてしまうこともしばしば。一緒にいる武藤も、いつも陣内に振り回されっぱなしです。ですが彼がもつ独特の正義感には妙な説得力があり、その発言は的確に物事の確信をついているので、とてもかっこいいのです。
 

著者
伊坂 幸太郎
出版日
2007-05-15


物語は、家庭調査官を目指す陣内の、学生時代のエピソードからスタートし、その後家庭調査官になった後の話も度々描かれます。「俺たちは奇跡を起こすんだ」とはっきり言い切る陣内の言葉が印象的で、5つの物語が1つになったときに起こる、小さな奇跡が素敵に綴られています。

難しい言葉はいっさい使われておらず、とても読みやすいので、普段本を読まないという方でも、楽しんで読むことができる作品になっています。

1位:伊坂幸太郎の最高傑作!

首相を暗殺した犯人に仕立て上げられてしまった主人公の、スリリングな逃亡劇を描いた作品です。2008年本屋大賞、第21回山本周五郎賞を受賞し、「このミステリーがすごい!」2009年版では堂々の1位に輝きました。集大成とも言われる本作は、伊坂幸太郎をまだ読んだことがない方に、一番におすすめしたい作品になっています。
 

著者
伊坂 幸太郎
出版日
2010-11-26


主人公・青柳雅春は、8年ぶりに大学時代のサークル仲間、森田森吾と会うことになります。森田の車の中で話す2人ですが、森田の様子はどこかおかしく、何者かが青柳を陥れようとしていると言うのです。

森田が忠告した直後、金田首相のパレードの現場で爆破テロが発生し、首相は暗殺されてしまいます。青柳が車から降りた後に、車は森田を乗せたまま爆発。メディアでは、早くも首相暗殺の犯人として、青柳の写真が繰り返し流されていました。

こうして逃亡の身となってしまった青柳ですが、そんな青柳を助けようと、様々な人たちが行動をおこします。

伊坂幸太郎が描き出す、魅力的な登場人物や、軽快でかっこいいセリフの数々が作品をより一層面白くしています。

伊坂幸太郎の作品は、緻密に練られたストーリー展開が面白く、様々な伏線が張られ、それらが全て回収された時の爽快感がたまらない作品ばかりです。物語のあちこちには、個性的なキャラクターたちから発せられる、思わず共感してしまうような名言が散りばめられています。まだ読んだことがないという方は、ぜひ“伊坂ワールド”に触れてみてはいかがでしょうか。