主人公海賊王を目指す道のりを描く漫画「ワンピース」。特別な力を与える悪魔の実の能力への対抗手段として存在する3種の「覇気」。今回は「覇気」の中で「見えない鎧」とも言われる「武装色」(ぶそうしょく)を持つキャラクターについてまとめます。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2011-02-04
外部からの攻撃に対して、普通の状態では防げないような攻撃から身を守り、触れられないような物体までつかむことができるようになる効果。
九蛇海賊団のボア=サンダーソニアやボア=マリーゴールドが使用した時が分かりやすかったと思います。ルフィの放った拳がサンダーソニアたちの手前で見えない壁のようなものに弾かれるような描写があり、ルフィが今までにない違和感を感じているシーンです。
この場面ではまだレイリーとの覇気修行の前ですので、ハッキリとこれが覇気であるとは明言されていませんが、覇気という概念の登場や、覇気の存在が海桜石以外で悪魔の実の能力に対抗する手段の可能性を演出したのも武装色が最初ではないでしょうか。
見えない鎧をさらに硬くして体に纏うことで自分自身の攻撃力を高めることができる効果。
要領としては、メリケンサックやガントレットなどのイメージです。生身の拳や足で殴られたり蹴られたりするよりも当然攻撃力は高まります。印象的なシーンはヴェルゴ戦でしょう。硬化した状態になると覇気を込めている部分が黒い鋼のような描写で描かれていました。
主に拳や足に纏わせて使用されることが多いですが、ルフィは自分自身の体術に応用して使うことも多かったため、おでこに武装色の覇気を纏わせて固め、頭「武装」ゴムゴムの鐘として従来の技を強化して使用しているシーンがあります。 登場当初しばらくはほかの技との差別化を図るため、ルフィの場合は技のどこかに「武装」と追記する事で武装色の覇気を纏わせていることを示していました。
武装色の覇気は自分自身が使う武器へも纏わせることができます。また、ドンキホーテ=ドフラミンゴのように自分の悪魔の実の能力に覇気を纏わせることも可能です。こちらも初登場で印象的だったのはヴェルゴです。ヴェルゴは「鬼竹(きちく)のヴェルゴ」の異名もある通り、竹の棒をメインの武器に使っています。
ヴェルゴの覇気の使い方としては、全身を武装色の覇気で真っ黒に硬化させるだけでなく、手に持つ竹棒まで真っ黒に硬化させるように使用しているのです。その状態で繰り出される攻撃の威力は尋常ではなく、対峙したトラファルガー=ローはトラウマが呼び覚まされるほどのものでした。ロー以外にも、2年の修行を終え、ヴェルゴ同様武装色の覇気も使えるようになっていたサンジも苦戦した程です。
たしぎを守ることを意識しながらというハンデはありましたが、ゼフの蹴り、CP9の六式、武装色の覇気、ニューカマー拳法と数ある体術を学んできたサンジがヴェルゴとの衝突で痛そうな表情を浮かべるほどにヴェルゴの覇気は強力でした。 その後、武器への応用という点では、ルフィのギア4が登場したことにより武装色の覇気といえばヴェルゴというインパクトも薄れていっています。
ギア4については、ヴェルゴのように全身に武装色の覇気を纏うことで攻撃力を高め、硬化したことにより防御力の向上を果たしました。さらにすごいのはルフィの悪魔の実の能力であるゴムの特性まで取り込み、硬さ、柔軟さ、ゴムの張力まで最大化して使用することができている点。ギア4の全身もヴェルゴのように武装色の覇気を纏った状態のカラーリングに変わっています。
こちらも硬化の応用で、覇気を持たない相手に対しては武装色を通常通り発動する事で充分な防御手段になります(マリーゴールドvsルフィ参照)が、武装色の覇気が使えるもの同士では防御手段としての武装色の覇気、硬化を使用する必要があります。
ドレスローザ編ではドフラミンゴやピーカがルフィ・ゾロとの戦闘時に2人の強力な攻撃から身を守るために使用しました。 しかし、これにも防げる上限が存在するようで、自分の実力以上の相手との戦闘時には無効になるようです。その証拠にピーカはゾロの斬撃を防げず、切り捨てられてしまいました。
また、防げるのは覇気を纏った攻撃「自体」であり、その後に発生する衝撃などは防げないようです。ドフラミンゴもルフィの放った攻撃自体は防ぐものの、その後の衝撃については武装色の覇気で硬化したマントを貫通してダメージが通っています。
武装色の覇気の考え方として、レイリーは「見えない鎧を着るイメージ」と伝えています。この解釈の仕方としては、まさしく西洋風の鎧や甲冑をイメージする人も多いと思います。だとするとなぜ、それが自然系(ロギア)への対抗手段となるのでしょうか。
甲冑を着たからといって、ボルサリーノ(ピカピカの実の光人間)に触れられるという説明にはならないですよね。鎧、というよりも例えば宇宙服、放射線などを防ぐ防護服、身近なところだと鍋つかみやグローブなどがわかりやすいと思います。光を掴むという点については、正確に「掴む」という表現にはなりませんが、捉えるという視点で考えれば視力を強化する事で肉眼で見られない光や星を知覚する望遠鏡などです。
これでも全てのロギアが捕らえられる証明にはなりませんが、自分自身の外に発する力を「増幅」して発動するという考えに基づいてイメージすると鎧の定義もいくらでも拡げて解釈が可能できます。 そもそも、ドフラミンゴなどの刀で切れない糸、ゾロの刃こぼれしない刀が存在してしまっている時点で、人やモノが持つ実力以上の力を生み出すことができると証明されています。
悪魔の実は外部からの「取り入れてしまった」、存在自体が超自然的な力ですが、覇気は覇王色以外、鍛えることができる誰にでも与えられた力です。才能や超常現象に対抗するには、努力のみ、といったところでしょうか。少なくとも使用者しだいではいくらでも成長や応用が期待できる、可能性ある力であることは間違いありません。
覇王色の覇気については
<漫画「ワンピース」覇王色の覇気の持ち主一覧!キッドも所持者だと判明!>
見聞色の覇気については
<漫画「ワンピース」見聞色の覇気を使えるキャラクター一覧>
の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
武装色の覇気使用確認シーン:61巻 601話「romance dawn for the new world 新しい世界への冒険の夜明け」
2年間の修行後、仲間との再会シーンで発動しています。主人公のルフィは主人公らしく「覇王色」「武装色」「見聞色」全ての覇気の使い手です。しかもその3種類とも全てが一級品の実力を持っていて、万能な戦闘力を遺憾なく発揮していきます。
武装色の覇気を使った技の中には拳に覇気をまとって硬化させ、普通の拳よりも格段に威力を上げた状態で使用しています。ギア4に至っては武装色の効果によって、強靭な硬さとゴムの柔軟さをキープして張力を極限まで高めることで自分の特性を最大限に向上させて戦闘しており、伸び縮みするガチガチの拳がルフィの意のままに相手を追跡するという技を繰り出し、ドンキホーテ=ドフラミンゴを圧倒しました。
ドフラミンゴ自身も武装色で防御をしていましたが、その上からそれを上回る威力で攻撃を打ち抜き、しっかりとダメージを与えることに成功しています。 また、武装色は「気合」の象徴であるため、ルフィの性格とも相性がよく、自分よりも遥かに体格が大きい相手に対してもルフィの攻撃が力負けすることはありませんでした。作中では何度も巨大な敵を覇気をまとった強力な攻撃で打ち倒すシーンが描かれています。
ルフィの得意な覇気という点についても、天性の才能である「覇王色」をのぞいて、特性が合っているのは「武装色」だと思います。ルフィの「見聞色」については「感じよう」として感じているというより、「入ってきてしまう」という感覚の描写であり、意図的に活用しているのは明らかに武装色ですので適性は武装色の方が強いのではないでしょうか。
武装色の覇気使用確認シーン:61巻 601話「romance dawn for the new world 新しい世界への冒険の夜明け」
ゾロについては、ミホークとの修行を経て刀に「覇気を纏わせる」という概念を得たことでさらに戦闘力が向上しました。もともと、覇気の概念が出る前から剣士としての技量を磨く中で「鉄の呼吸」や「石の呼吸」を会得し、およそ刃物では斬れないようなものまで切り落とすことができるようになってはいます。しかしそれでもさらに上位の剣士たちには敵わず、ミホークのような格上の剣士や悪魔の実の能力者との戦闘などでは刀が刃こぼれしたり、折られてしまったりするシーンが何度かありました。
ミホークから教えを得て以降は、「刃こぼれすら恥と思え」との言葉を胸に、斬り負けるシーンはいっさいありません。巨大な舟や岩なども紙きれの様に柔らかいものでも斬るかのように簡単に切断してしまえるようになりました。 特にゾロについては作中屈指の気合人間でもあるため、ルフィと同様、非常に武装色の適性がつよいキャラクターだと考えられます。
実際にゾロの武装色は修行後のゾロの技の一つである「黒縄 大龍巻き」などのように、放った後も周囲に影響を与えられるレベルにまで強化されています。黒縄というのも、覇気で強化された「黒い刀」のイメージから黒の文字を連想していることもあり、武装色の発展系の片鱗はゾロの攻撃にヒントがあるとも考えられるのではないでしょうか。 また、パンクハザードのモネとの戦闘で見せた「大震撼」という技は実際に斬撃は出さず、「斬る」というゾロの発する気合のみでモネを戦闘不能にしました。
このせいでゾロも「覇王色」の覇気持ちではと言われることもありますが、気合という見えない刃を相手にぶつけた、あくまでも剣士としての、武装色の派生系として考えるべきでしょう。覇王色は威圧する力ですが、ゾロは実際に「斬った」「斬られた」という衝撃を与えているのでやはり「斬撃」の一部として考える方が自然だと思います。
武装色の覇気使用確認シーン:61巻 601話「romance dawn for the new world 新しい世界への冒険の夜明け」
サンジはもともとがゾロのように刀などの武器を使う戦闘スタイルではなく、ルフィのような能力者でもないため、主に自分自身の体に覇気を纏わせて攻防一体の使用方法で戦闘に使っています。しかしながら、サンジは覇気という概念が存在する前から生身の人間とは思えない様なものまで蹴り倒していました。
純粋な人間ではなく、強化人間であるサンジの生い立ちを考えると納得できる部分もありますが、それだけではないと考えます。実際にサンジが初めて登場したバラティエのシーンではファイヤーパールとなったパールを炎を気にせず蹴り倒し、炎が怖くてコックがやれるかといったようなセリフを吐いていました。
コックですから、その場では確かに、と納得しそうになりますが、どう考えても熱いはずですし、鋼鉄をまとった相手とガンガン蹴り合う訳ですから相当なガッツが必要です。 ヴェルゴとの戦闘においても覇気を纏って戦っていましたが、同じく相当な覇気の使い手であるヴェルゴとの蹴り合いにおいてさすがに痛そうな表情を浮かべていました。
この点から考えてもサンジは今まで常人ならざる「気合」と修行でえたCP9の六式さながらの体術で持って戦闘を切り抜けてきたことが分かります。サンジの手配書は「黒足のサンジ」でもあり、武装色の適性は非常に高いということが示されています。
武装色の覇気使用確認シーン:59巻 578話「新時代へ贈るもの」
ジンベエについてははっきりとした武装色の発動シーンは確認できていませんが、赤犬を殴っているシーンがあり、そこで武装色を使っていると考えられます。赤犬が若干動揺しているため、実体はつかんだものの、ジンベエが疲労していたこともあり、赤犬のマグマに焼かれたと考えることができるでしょう。
魚人空手の達人でもあり、大きく海流をつかんで放ったり、正拳づきで何人もの相手を重ねて打ち抜いたりしている戦闘シーンもあるため、武装色の覇気を纏って打撃を放っているとも言えますが、明言はなく、実力的に考えても推定使用可能といったところです。
武装色の覇気使用確認シーン:76巻 757話「切り札」
海軍大将レベルはおそらく全員使用可能と思われますが、明確に使用シーンが描かれているのは赤犬とイッショウだけでしょう。他の大将も中将クラスであるスモーカーやガープが使えているので当然使用可能と思いますが、明言はされていません。
藤虎については刀に武装色の覇気を纏わせて、同じく武装色を纏った掌で戦うサボと対峙したり、ゾロたちとともにドフラミンゴのはなった鳥かご侵蝕阻止に貢献したりしました。おそらく重力を操る悪魔の実の能力者でもあり、刀の斬撃と合わせて重力波を放つ戦闘スタイルは非常に強力です。
敵にまわすと完全に怖い相手ですが、義に厚い侍でもあり、ドレスローザ編ではルフィたちを見逃し、人間としてリスペクトするような一面も見せてくれています。視界は両の目に大きな傷があり、盲目状態になっていますが、見聞色の覇気を使って周囲の状況を把握して、戦闘は能力と武装色を絡めた剣術で戦っています。
武装色の覇気使用確認シーン:69巻 683話「氷の様な女」
ヴェルゴは武装色の覇気が全面に押し出されたキャラクターです。覇気の概念が登場し始めたころのキャラクターであるという点もありますが、ごく普通の竹の棒に武装色の覇気を纏わせることで武器としての攻撃力を劇的に高めて戦闘に使用します。
また、ヴェルゴは全身を武装色で固めることができ、ローとの戦闘では怒りくるって全身真っ黒のフルアーマースタイルで戦闘しました。しかし、相手との実力差次第では負けることもある武装色ですので、その際はローの実力とオペオペの能力が上回り敗北を喫しています。
武装色の覇気使用確認シーン:57巻 553話「頂上決戦」
白ひげクラスの大海賊になれば覇気の使用は当たり前です。大きな戦闘シーンが頂上決戦くらいしか描かれておらず、武装色の覇気を使用したと思われるシーンも推定の状態です。青雉との戦闘シーンでロギアである青雉と対峙した場面での使用となります。
本格的な戦闘となった場合はそもそものグラグラの実の能力と合わせてものすごい攻撃範囲と威力になることは間違いありません。また、あの巨大な体格と得物である大薙刀に武装色を纏わせて攻撃を放った場合の殲滅力は作中でも明らかにトップクラスと考えられます。
頂上決戦では作中最強クラスのキャラクターが多々登場しており、当然覇気も使用できる実力者たちであるはずですが、乱戦をきわめていたため、細かな描写までされていないという点が残念です。
武装色の覇気使用確認シーン:作中の明確な使用箇所なし
ロジャーについても白ひげや海軍大将と似たような扱いになります。レイリーの話などをベースにして、見聞色、覇王色の覇気についてはほぼ作中で明言されていますから、武装色だけ使えないということはなさそうです。
しかし、どのように使っていたかや戦闘スタイルなどは推定の域を出ません。ファンブック「DEEP BLUE」では若かりし頃のロジャーが登場していますが、その際も普通にピストルで戦っており、あまり詳細が見えていないのが現状です。
武装色の覇気使用確認シーン:77巻 771話「八宝水軍首領 サイ」
八宝水軍13代首領。戦闘スタイルは八宝水軍固有の戦闘術である八衝拳の使い手であるほか、武装色の覇気を足先に主に纏わせて踵落しの要領で使う錐龍錐釘を必殺の奥義として使用しています。師には前首領であるチンジャオがおり、ドレスローザコロシアム内での戦闘中に首領の座を襲名しました。
なぜか敵であったドフラミンゴ一味のベビー5に惚れられてしまい最終的には妻として迎え入れる形になりました。ドフラミンゴ一味の幹部を一撃で倒す程の実力者であり、武装色の覇気についても相当の使い手であると考えられます。
武装色の覇気使用確認シーン:74巻 737話「幹部塔」
革命軍の参謀総長であり、ルフィの義理の兄でもある男。登場後はエースの遺品であるメラメラの実の所持者となり、能力者でもあります。しかし、能力を使わずとも戦闘力は非常に高く、ルフィの代役、ルーシーとして潜入したコロシアムでも数々の強敵の中、余裕でメラメラの実を獲得できる力を持っていました。
主な戦闘スタイルは「竜爪拳」が主体で、掌(主に指先)に武装色の覇気を纏わせ、かぎ爪のような形をとります。その爪を用いて地盤を破壊したり、直接相手の顔面や体を砕きにかかったりする強力な一撃をもってあらゆるモノを破壊します。メラメラの力を獲得した後はその爪の力と炎を合わせた「火炎竜王」といった豪快な技を繰り出しており、作中の中でも大将レベルと拮抗できる相当の実力者です。
ルフィとは本当の兄弟の様な絆で結ばれており、一度は死んだと思われていた中で再会したルフィの表情は凄まじく、メラメラの実についても即サボに一任するレベルで全面的な信頼関係があります。革命軍の上層部にも所属し得いるため諜報能力や行動範囲も非常に広く、どこにいてもルフィの身に何かあったら助けにいく、という本当に弟想いのキャラクターです。武装色はそもそも悪魔の実の能力なしで革命軍の幹部になるくらいですので相当な使い手であることは間違いありません。
武装色の覇気使用確認シーン:59巻 579話「勇気ある数秒」
シャンクスについてはもはや言うまでもないレベルですが、やはり頂上決戦でのシーンで、赤犬の前に飛び出したコビーを守るために登場したシーンで使用しています。そもそもが覇王色の適合者でもあり、現状では悪魔の実の能力者ではないとされながら四皇に名を連ねる超実力者であるため、武装色の覇気についても簡単に大将レベルを押さえつけ、たじろがせる程の能力があります。
シャンクスについては明らかに最強格ではあるとされながらも、現状はルフィの憧れといった側面で登場する場合が多く、本格的な戦闘シーンは描かれておりません。しかし、四皇としても恩師としても必ずルフィが対峙しなければいけない相手であることは間違いなく、今後の展開が期待されます。戦闘能力や覇気の実力自体は四皇ですから作中最強クラスの使い手であることは間違いありませんが、シャンクスの性格やイメージからすると適性は見聞色や覇王色になる可能性もあるでしょう。
武装色の覇気使用確認シーン:53巻 516話「海賊女帝 ボアハンコック 」
女ガ島での最初のアマゾネス戦でマーガレットたちが放った矢に対して武装色の覇気が纏わされていました。ルフィも最初は、ただ単にあり得ないくらい強力な弓矢が飛んでくる、という認識でしたが、後日のレイリーとの修行の中で改めてあの時の矢に武装色の覇気が纏わされていたことを認識することになるのです。
実際、ハンコック以外の使い手たちは当時のルフィのギア2で圧倒できる程度の実力しかありませんでしたが、いずれにしても今までの敵とは一線を画す実力者の登場、物語のセカンドステージへの進行が示唆されたポイントでした。何より、この未知との遭遇によって、麦わらの一味が解散し、さらにステージアップをするきっかけになった訳ですので、マーガレットの登場シーンはなにげに重要な場面であると考えられます。
武装色の覇気使用確認シーン:57巻 560話「インペルダウンの囚人達」
ジョズについても頂上決戦での戦いの中で覇気を纏って攻撃を防ぐシーンがあります。ジョズは悪魔の実の能力者でもあり、実の名前は言及されていませんが、体をダイヤモンドのような超硬質の状態に変えることができる能力です。
その能力自体が武装色の覇気の効果と似ているため判別がつきにくいですが、白ひげ海賊団レベルになると戦う相手も覇気使いが多いためか重ねがけするイメージで戦闘に使用しているのではないでしょうか。
武装色の覇気使用確認シーン:52巻 511話「鉞かついだ戦桃丸」
レイリーはルフィに覇気を伝授した人物です。海賊王であるロジャーの海賊団の副船長でもあり、覇王色を含めた3種類の覇気全てを使用できます。覇気色の使用については、ルフィに伝授した瞬間以外にもルフィたちの新たな門出の際に登場したピカピカの実の能力者で光人間である黄猿(ボルサリーノ)を食い止めて躊躇させる程の実力者です。
武装色の覇気使用確認シーン:67巻 662話「七武海ローvs.スモーカー中将」
スモーカーは海軍の支部である「ならず者集団G-5」に異動し、中将に昇格した後使用できることが確認されています。元々モクモクの実の能力者で煙人間(ロギア系)であることも重なって戦闘力が初登場時から向上していました。
ローとの戦闘では覇気も使って追いつめますが、ローの方が一枚上手で覇気とローの能力によって心臓を抜き取られてしまいます。パンクハザード編ではたしぎとともに麦わらの一味と活躍し、最終的には敵同士であるものの、互いの絆を確認して分かれることになりました。
武装色の覇気使用確認シーン:59巻 578話「新時代へ贈るもの」
頂上決戦時の海軍本部最高幹部でした。ヒトヒトの実モデル大仏の大仏人間で、巨大な大仏と化して攻撃することができます。覇気についてももちろん使用することができ、頂上決戦では大仏が放つ衝撃波に覇気を纏わせて能力者である黒ひげたちを吹き飛ばしました。
大きな戦闘描写はこの決戦時くらいしかありませんでしたが、相当な戦闘力を誇るはずの能力者たちをまとめて一掃していますので覇気の圧も範囲も相当に力のあるものだと考えられます。
武装色の覇気使用確認シーン:58巻 567話「マリンフォード海軍本部オリス広場」
ガープは海軍本部の中将であり、ルフィの祖父にあたります。残念ながらルフィとは家族であり敵であるという関係。戦闘スタイルはルフィと似ており、真っ向勝負の近接戦闘系です。「拳骨のガープ」の異名ももち、黒く武装色の覇気で固めた拳骨を相手に叩き込むスタイルを若い時から駆使して活躍してきました。
ロジャーなどとも一戦交えた経験があり、その当時から衰えることのない実力は本来大将クラスなのでしょうが、孫と同じく出世に興味がないのか、気楽なポジションに落ち着いているようです。
武装色の覇気使用確認シーン:52巻 511話「鉞担いだ戦桃丸」
戦桃丸は麦わらの一味離散の原因になった因縁のキャラクターです。当時無敵かと思われた麦わらの一味に立ちはだかりました。足柄歩行(あしがらどっこい)という技で打撃無効なはずのルフィにダメージを与えたことが衝撃的でした。
その後は未知の力に一味が圧倒され、同行していたパシフィスタの攻撃も合わせてどんどん追いつめられていくことになります。結果として逃亡という選択肢を取らされた麦わらの一味は頂上決戦も経て修行を決意することになるのですが、戦桃丸は一味の成長を対比して考えさせてくれる、作中でも登場はわずかながら印象的なキャラクターです。
覇気を修得した一味が再会し、あんなに苦戦したパシフィスタや戦桃丸を圧倒していくことで敵ながら一味を認めてくれる戦桃丸。偽物の麦わら一味には非常に厳しくあたる一方、本物たちに対しては素直に成長を評価しており、非常にまっすぐな人物でもあると言えます。
武装色の覇気使用確認シーン:67巻 661話「追い剥ぎの出る湖」
たしぎもスモーカーとともにG-5の一員として再登場した際に、覇気を修得していました。ドフラミンゴの一味に対しては実力差があり活躍は見られませんでしたが、物語の大切な役割を担っていきます。
G-5のメンツからは大佐ちゃんよばれあまり畏怖の念は抱かれていないよう。ゾロからの評価もゾロの幼なじみであるなきライバル、くいなの面影そのものであるため、再会を果たしてからも顔を見るたびに文句を付けられる点は変わっていませんでした。
武装色の覇気使用確認シーン:72巻 716話「首領チンジャオ」
八宝水軍12代首領。ロジャーやガープたちが全盛であった時代の一員であり、その一角を担った人物です。非常に格の高いはずの人物ですが、特徴であったとんがり頭を拳骨でつぶしたガープに恨みを抱いており、孫であるルフィの存在を知った際は執拗に攻撃を仕掛けてきました。
しかし、ドレスローザ編が進む中でルフィとも和解し、傘下に入ってくれるまでの関係になっています。
武装色の覇気使用確認シーン:67巻 662話「七武海ローvs.スモーカー中将」
ハートの海賊団船長。最悪の世代の一人でもあります。オペオペの実の能力者でもありますが、当然覇気も使える実力があります。オペオペの実の能力と合わせて判別しづらい部分もありますが、ロギアであるスモーカーの心臓を抜き取っているため武装色の覇気を纏って、能力を重ねがけして心臓を抜き取ったと考えるのが自然です。
パンクハザードからドレスローザ編まで物語の中心として活躍するキャラクターですが、ルフィたちとも同盟を組んでおり、ルフィと同じく「D」の名を持つキャラクターでもあります。今後も物語に大きく関わってくる重要なキャラクターであることは間違いありません。
武装色の覇気使用確認シーン:70巻 698話「ドフラミンゴ現る」
ドレスローザ編の黒幕であるキャラクターです。イトイトの実の能力者で糸人間でもあります。糸を自在に操り、自分の分身を創ったり、空中を移動したりするという貴重な能力も使えます。武装色については初使用時の明示はないですが、コマ外で煙人間であるスモーカーが攻撃されているため武装色の覇気を使ってスモーカーを攻撃したものと考えてよいでしょう。
その後はルフィとの戦闘でも武装色を使って防御をしており、かなりの使い手であることは明白です。かつ、戦闘力自体も作中で唯一「覚醒」した悪魔の実の能力者であり、その結果として覇気を纏った強力な糸を街全体に張り巡らせて縮小していく「鳥カゴ」という技を使用しました。鳥カゴは非常に強力で、覇気を纏った刀でゾロや藤虎、錦えもんやカン十朗が斬りつけてもいっさい糸は斬れず、拮抗させて食い止めるだけにとどまってしまいます。
作中でも相当な危険人物として描かれており、ドフラミンゴの糸については非常に形状の自由度も高く、応用が利く能力ですが、糸自体は本来斬れ易いものでもあるため必ず覇気での強化が必要になっているはずです。かなり自然に戦闘に混ぜて覇気を纏っているシーンがありますからドフラミンゴは日常的に覇気を絡めた戦闘をしていることになります。
そこに糸の特性を生かして,覇気を纏って1本の強度を高めた糸をさらに編み込んで鞭状にした「オーバーヒート」という技など強力な攻撃を放ってきました。覚醒後は周囲の環境まで糸状に代えられるため、覇気の糸が四方八方から飛んでくる非常に厄介な攻撃にルフィも苦しめられた強敵です。
武装色の覇気使用確認シーン:74巻 737話「幹部塔」
黒ひげ海賊団の一員であり、メラメラの実を奪いにきた中、サボとの戦闘で使用しています。ドレスローザ編コロシアム内での戦闘中、ルーシー(サボ)の竜爪拳を肘で受け止め、強力な武装色の覇気を纏ったサボの爪を相殺する程度の威力は出ていました。サボのインパクトが強く、あっさりとメラメラも奪われてしまったため目立ちませんでしたが、本来であれば一線級の戦闘力を持っているはずのキャラクターです。
武装色の覇気使用確認シーン:59巻 574話「ポートガス・D・エース死す」
エースを攻撃した後の赤犬に対して、マルコとともに攻撃を仕掛けます。赤犬にダメージは与えられませんでしたが、赤犬自身が「覇気使いか」と覇気を纏った攻撃であったことを示唆していますので間違いないでしょう。
武装色の覇気使用確認シーン:72巻 715話「激戦区Cブロック」
チンジャオ、サイと同じ八宝水軍所属の戦士です。両名よりは戦闘力は劣りますが、武装色の覇気を使って攻撃をしたり防御をしたりするシーンが描かれています。しかし、ジャケジャケの実の能力者であるケリーファンク兄弟には力およばず敗北してしまいます。
その後あっさりと上官にあたるサイがケリーファンク兄弟をKOしていますので、実力差が相当あるように感じますが、そもそも乱戦のコロシアム内で生き残っていたこと自体がすごいので、戦闘力はかなり高いと見て間違いないでしょう。
武装色の覇気使用確認シーン:66巻 652話「前途多難の予感」
ビッグマム海賊団の幹部。虎の様な獣人間です。悪魔の実の能力者で亀の甲羅のようなものの中に体を隠して身を守ることができます。武装色の覇気については、魚人島で不意打を仕掛けてきたカリブーに対して覇気を纏った攻撃で瞬殺しました。そのあと、ロギアであるカリブーに対して「油断しているロギア」のようなセリフを吐くシーンがあり、覇気を使ってロギアを攻撃したものと考えられます。
武装色の覇気使用確認シーン:77巻 770話「エルバフの槍」
スカイピア編で登場したベラミーは、ドフラミンゴに憧れを抱いており、ドレスローザ編では部下として再登場します。いいように使われて最後はルフィと本意でない戦闘を強いられ敗北しますが、ドレスローザ編では武装色の覇気を修得しておりバネバネの実の能力で加速をつけて、武装色で固めた拳をルフィに放って攻撃しました。
ルフィも武装色で腹筋を硬化させて対応しますが、それでもダメージが届く程の威力が出ています。能力的にも、キャラクター的にも非常に可能性がありましたが、ルフィにとっても、ドフラミンゴの残忍さのせいで終わり方が少し後悔の残る決着になっていまいました。
武装色の覇気使用確認シーン:57巻 555話「オーズと笠」
ハンコックは覇王色の覇気の適合者でもあり、覇気分野については相当の実力者と言えるでしょう。
また、相手を魅了して無力か、石にするメロメロの実の能力者です。ルフィにはまったく効果がありませんでしたが、本来、洗脳系の能力は非常に強力です。覇王色の効果も重ねて発動してしまえばほとんどの敵を無力かできてしまい、自分より実力が劣る相手の場合は数に関係なく無双できる条件が揃っています。アマゾネスであることから身体能力も非常に高く、格闘戦も精神攻撃も得意という条件だけで見れば最強格に並ぶ相当の実力者と言えます。
武装色の覇気使用確認シーン:53巻 519話「王の資質」
ハンコックとは姉妹で、同じ海賊団の部下にあたります。このサンダーソニアとマリーゴールド姉妹との戦闘でルフィが覇気の存在を考え始めることになりました。しかし、サンダーソニアたちはそれほどの使い手ではなく、能力の相性もあって、覇気を発動できていないルフィのギア2の状態で敗北してしまいます。
武装色の覇気使用確認シーン:57巻 554話「大将赤犬」
白ひげ海賊団の隊長です。青い炎を纏った不死鳥になって飛行したり攻撃したりできる悪魔の実の能力者です。メラメラの実のように燃やす能力とは微妙に違うようですが、ロギアと同じような性質も持っており、どちらかというと守りに偏った能力であるとも言えます。
炎が燃えている限りまさに不死鳥のごとく回復をするため、味方の盾になったりすることも可能です。しかし、赤犬にたいしてはその能力を発動できずダメージを受けている描写があため、同じように覇気で無効化されてしまうこともあるようです。
マルコ自身の武装色については、ビスタとともに赤犬に攻撃をした際に赤犬が「覇気使いか」と言及していることから使用者であることが分かります。頂上決戦後は白ひげを失った海賊団の中心として活動はしているらしいですが、現状の動向は不明です。
武装色の覇気使用確認シーン:78巻 779話「最後のケンカ」
ミホーク自身はそもそも初登場時から舟を両断したり、頂上決戦の時点では超長距離の斬撃砲を放ったりと、明確に覇気使いだとは言及されないものの、明らかにそうであるとしか思えないようなシーンが多く描写されてきました。
さらには四皇であるシャンクスとも互角かそれ以上に渡り合える実力者であることも言及されており、使えないはずがないと思いますが、正式に明示されたのはゾロの修行を受け持った際の発言です。実際に覇気を使用したシーンではないものの、ゾロに対して「覇気を刀にも纏わせることができれば刀が折れたりすることはない」「全ての刀は黒刀になりうる」と述べているため、自分自身も覇気が使え、特に刀に対して武装色の覇気を纏わせる指導ができることからも武装色の覇気の使い手であることが確定できます。
ミホークに関しては鷹の目の異名さながら、眼力だけでルフィに両断の恐怖を与えたり、ミホークのもとで修行をしたゾロにもその系譜が引き継がれるなど、覇王色と似たような力があるのではないかと思われます。
武装色の覇気使用確認シーン:75巻 751話「サボvs.大将藤虎」
ドレスローザ編で移動中のサボたちと対峙した海軍中将です。海兵たちがサボに挑んでいって、メラメラの力と覇気を纏ったサボに圧倒されてなぎ倒されていく中「お前たちではダメだ!」といって戦闘に参加します。
その時点で「覇気が使えない(または勝てない)お前たちではダメだ。拮抗できる可能性のある自分が出る」という構図が成り立ちますのでバスティーユ中将も武装色の覇気が使えることが分かりまが、サボが強すぎて一瞬で敗北、トレードマークの鉄仮面もサボのパフォーマンスの材料さながらで「卵みたいに握りつぶせる」と砕かれてしまいました。
武装色の覇気使用確認シーン:55巻 537話「地獄に仏(おかま)」
イワンコフは革命軍の幹部であり、サボと同格の経験者かつ戦闘力があると見て取れます。覇気についても知識がある部分はほのめかされていますが、イワンコフ自身が明確に使用しているという確定シーンがある訳ではありません。
しかし、ニューカマー拳法の力を除いても、ウィンクの風圧だけで攻撃手段とできてしまう点は明らかに武装色の覇気が影響していると考えることが自然ではないでしょうか。その後に正式に登場するサボが同格であるとすれば相当の武装色の覇気の使い手であるサボですから、同じくイワンコフも強力な覇気の使用者であると考えて不自然ではなさそうですね。
武装色の覇気使用確認シーン:78巻 778話「TACTICS No.5」
ドンキホーテ海賊団幹部で、石に同化できる悪魔の実の能力者です。声が体格の割に非常に高く、一声効いた瞬間にルフィは大爆笑し、「変な声ぇ!」といってバカにします。本人にとってはタブーらしく、それをきっかけに激高してルフィを狙いますが、さらにゾロが「お前の相手はこっちだソプラノ野郎」とさらにあおりをかけてゾロVSピーカ開戦の合図となりました。
終止ゾロは冷静に立ち回り、どんどんピーカ自身の石を切り刻んでいき、逃げ場を減らしていきます。最終的にとどめを食らいそうな場面で追いつめられたピーカが「武装色で硬化させれば斬れるはずがない」と全身を武装色の覇気で固めますが、ゾロの新奥義「一大三千大千世界」でバッサリと切られてしまい敗北しました。
ゾロが強すぎたという点もありますが、ドフラミンゴ海賊団の幹部たちは麦わらの一味にたいしてはほとんど脅威にはならず、ドフラミンゴVSルフィが非常に目立った戦闘回となりました。それだけ一味が成長して強くなったということでしょうか。
武装色自体はレイリーがルフィに覇気を教授するときに示した3つの要素「気配」「気合」「威圧」のうち、「気合」の象徴となる能力だと考えられます。心頭滅却すれば火もまた涼し、という言葉もあるように、気合さえ入れれば大方のことが何とかなるという感覚の究極が武装色の根源だと言えるでしょう。
見えない鎧を着るイメージを持てとレイリーが言うように、見えない気合をまとって、つかめないはずの実体を捉えるという点が武装色の効果だと思います。さらに、見聞色が気配を察知する受ける力、受信する力の象徴だとすると、武装色は自分の内なるエネルギーを外部に放出して、周囲に影響をおよぼそうとする外向きな力の象徴と考えてよいでしょう。
本来、覇気の分類はこの2種類であり、覇王色は天性のもの、かつ、鍛えることはできない特殊な才能であるという点を考慮すれば、この見聞色と武装色が対になるという考え方をしても自然だと思います。見聞色は取り入れる、内向きの力であるため、その反対の武装色は外に影響を与える力、ということになるのです。
では、対になるという考え方を応用して、武装色の覇気が極限まで高まった状態を考えてみます。まず、対になる見聞色を鍛え上げたキャラクターの代表格に「シャーロット=カタクリ」がいます。相手の気配や行動の変化を超敏感に察知することができるようになり、わずかな変化からその先におこる未来の出来事まで予測し、行動することができるようになっています。
この点に関しては「予知」ではなく、あくまでも周囲の状況とカタクリ自身の戦闘経験による「予測」になるため、同じく見聞色の使い手であるサンジには予測した行動を回避されるという事案も発生しています。そのため万能ではありませんが、かなりの確率で相手の先を読んだ行動ができるという能力です。 その対になる武装色は「外向き」の力を徹底的に鍛え上げるということになります。
さらに、武装色の覇気の特徴として、自分が持っている武器に同じ効果をまとわせることができるという点がありました。実際に鷹の目のミホークや女が島の九蛇海賊団の一味などは刀や矢に覇気をまとわせて「威力の向上」や「損傷の軽減」を行っています。麦わらの一味のゾロに関してもミホークとの修行後、同じことを新世界編に入ってからたびたび使用することが増えてきました。
「気合」の概念の行く末だと考えれば、ゾロの行動は「自分の気合、気迫を刀に込めることによって」普通は折れるはずの状況でも決して折れない、刃こぼれしない刀にしている、という気合いの塊のようなゾロにぴったりの能力ということになります。もし、その「気合」の度合いによって武装色の威力や効果範囲が変わるとすればどのようなことが予想されるのか考えてみたいと思います。
使用者の気合や信念が極限まで高まった時、自分が持つ武器どころか自分の周囲の空間や環境にまで影響を与えることができるようになるのではないでしょうか。実際に、ミホークやゾロなどは斬撃を「飛ばして」いますし、サボの竜爪拳などの効果範囲の広さなども考えると、明らかに使い手の実力や器の大きさ、探し求めるものの志の高さなどによって威力が変わっているように感じます。
ルフィはギア4以降は武装色の覇気と自分自身のゴムゴムの能力を変幻自在に組み合わせて戦闘をくみ上げるスタイルになってきていますが、これも海賊王を目指す最高の志と、決して誰にも媚びず、我が道を貫ける信念の強さ、へこたれることを知らない気合いの持ち主であるルフィに備わった資質なのかも知れません。
そう考えると、海王類の声が聞けて、武装色も最強クラスの資質を持っていて、覇王色を持つルフィ……万能感が否めません。さすが主人公ですね。この気合の理論を深く考えると、悪魔の実、最強種である自然系(ロギア)の実体のつかめない相手に体する唯一の対抗手段という点もうなずけますし、さらに発展して考えを深めることもできると思います。
実体をとらえる力が使用者の「気合」のレベルによって変わるのであれば、相手を圧倒的に上回る気合と資質があれば、「自然系の能力の発動自体をさせない空間」という状態を発動することができるのではないでしょうか。あくまでも現状は使用者と相手がふれあった瞬間に効果が発動しているようですが、相手を威圧することで触れずとも攻撃するシーンは今までもいくつか登場しています。
例えば、頂上決戦でのルフィとミホークが対峙したシーンでは、ミホークの睨みによってルフィの体が切り裂かれるイメージを一瞬で与え、ルフィが進路を変えた場面がありました。その時点ではミホークの覇気については明言されておらず、覇王色なのか武装色なのかも分かりませんし、単なる剣豪特有の威圧だという可能性もあります。
しかし、そのような描写が存在する以上は使用者の「気迫」によって「離れた」相手に影響を与えることも不可能ではないのだと示されているシーンの一つです。さらに、そのミホークと修行を積んだゾロがパンクハザード編にて、敵のモネ(ユキユキの実の雪人間)に対してミホークと同じような気合を持って実際には斬っていないものの、大震感という技でモネを戦闘不能にした場面があります。
ゾロは特に武装色の使い手である点が強調されていますし、覇気という概念が出でくる前から鉄の呼吸を知り、およそ刀では斬れないような物体まで斬ることができるようになっていました。斬るという行為に対象が必須である以上、ゾロは受信する人ではなく、「斬る」ことで周囲の環境を「変える」「影響を与える」人であり、外向きのキャラクターの象徴とも考えられます。
さらに鍛え抜いたキャラクターが登場すれば、およそ攻撃が届かないはずの距離から攻撃を飛ばすことや相手に影響を与えて無力化するといった覇王色のような効果も出せるのではないでしょうか。
そう考えると覇王色にも更なる追加効果があるように考えられてなりませんが……武装色の「自然系ロギア」への対抗手段という点をさらに強化して、遠方からでも自然系ロギアを無効化するような能力に進化したとしたらワンピースの世界の勢力図は大きく変わっていくのではないでしょうか。
現状では自然(ロギア)が最強種と言われていますが、主人公のルフィが超人系(パラミシア)である以上、何らかの可能性を考えることもできそうですね。
武装色の覇気を持つキャラクター一覧、いかがでしたでしょうか。覇気の登場によってワンピースの世界が大きく広がり、奥が深くなったのは間違いありません。今後はさらに覇気を鍛えた先、悪魔の実の覚醒などといった今まで以上に強力な力やキャラクターが登場することでしょう。
覇気という力自体は使用者の特性や思考に影響されるとすると、キャラクターの個性によって今後も様々な発展の仕方があるはずです。解釈の仕方によって、気合や気配を察知する能力は無限に可能性を広げられます。ここまで多様に用途が生み出せる概念が生み出せるなんて……考えれば考える程『ONE PIECE』は奥が深い……!未だ明かされていない伏線や能力について想いを巡らせながら楽しみましょう!
ワンピース
「ワンピース」の考察や「ワンピース」好きにおすすめの漫画を「ワンピース」好きのホンシェルジュがお届けする特集です。