「ざわ‥ざわ‥」自堕落な生活をしていた主人公が、借金返済をかけて賭け事に挑む!しかし、それはまさに人生をかけた大勝負だったのでした……。 数多くのギャンブル漫画を生み出した福本伸行が描く「カイジ」シリーズの第2弾、『賭博破戒録カイジ』が登場。福本の十八番である心理戦が、これでもか!と詰め込まれています。スマホの漫画アプリで無料で読めるので、この機会にぜひご覧ください。
主人公・伊藤開司。通称・カイジは自堕落な生活を送っているうえ生粋のギャンブル狂であるため、賭け事と関わらずに生きることはできないのでした。
本シリーズの魅力といえば、なんといっても緻密な心理戦。「黙示録」からさらにパワーアップした緊迫のやり取りを見ることができます。
また、作中でおこなわれるギャンブルのルールが単純なのも、魅力のひとつ。道具さえ揃えれば簡単にできるので、実際に友人などと遊んでみても盛り上がるかもしれませんね。
この記事では『賭博破戒録カイジ』の魅力を詳しくお伝えしていきます。大きく分けて「地下収容編」と「裏カジノ・沼編」の2部構成になっているので、それぞれの見所と、作中でおこなわれるギャンブルもご紹介。ネタバレを含むのでご注意ください。
- 著者
- 福本 伸行
- 出版日
- 2000-11-01
本作は、『賭博黙示録カイジ』の続編となっています。前作に引き続き、主人公はカイジです。
『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』や『銀と金』など数々のギャンブル漫画を世に送りだしてきた作者・福本伸行の作品。そんな彼の代表作ともいえるのが、この「カイジ」シリーズなのです。
作中ではオリジナルのものも含めてさまざまなギャンブルがおこなわれ、手に汗握る駆け引きがこれでもかと描かれています。
「カイジ」シリーズの作品を紹介した以下の記事もおすすめです。
<『賭博破戒録カイジ』が無料で読める!ハラハラする心理戦をネタバレ紹介>
<『賭博堕天録カイジ』シリーズ作の魅力を徹底ネタバレ紹介!>
知人から数百万円の借金を押し付けられたカイジ。言葉どおり命賭けのギャンブルをして、借金を返済しようとしていました。
しかし、日本最大の消費者金融「帝愛グループ」の会長・兵藤に敗れ、借金を1000万円に増やすことになってしまったのです。返済のあてのない彼は逃亡生活を送っていましたが、ついに捕まってしまい、「帝愛グループ」の地下収容所で強制労働をさせられることになりました。
1度入れば死ぬまで出られないという地下収容所。しかし彼は、再びギャンブルをすることで現状を打開しようとしていくのです。
数々のギャンブルと、「帝愛グループ」の幹部・利根川との死闘をなんとか生き延びたカイジでしたが、兵藤との勝負に敗れ、借金を1000万円にまで膨らませてしまいます。
もちろん、そんな大金を払うあてはなく、逃亡生活を送ることとなりました。
ある日、かつての自分に大金を得ることができるギャンブルを紹介してくれた遠藤と出会います。再びギャンブルの紹介をせびるカイジでしたが、ブラックリストに入れられていた彼は、そのまま「帝愛グループ」の強制労働施設へと連行されてしまいました。
- 著者
- 福本 伸行
- 出版日
- 2000-11-01
借金の返済が終わるまで、地下にある収容所にて働かされることになったカイジ。ここでは「ペリカ」と呼ばれる通貨が流通しており、労働の対価はこのペリカが支払われます。ちなみに10ペリカ=1円の報酬。
労働をしてペリカを貯めた彼は、「1日外出券」を買い、外で一発あてて一気に借金の返済をしようと目論むのです……。
- 著者
- 福本 伸行
- 出版日
- 2001-11-01
本作でも相変わらずのクズっぷりを発揮するカイジが描かれます。1日外出券を買うためにペリカを貯金するのですが、地下の売店でキンキンに冷えたビールを発見。もちろん誘惑に勝てるはずもなく、ビールを購入してしまうのです。
そして翌日も……。
豪遊っ……!
カイジ2日続けて豪遊っ……!
(『賭博破戒録カイジ』1巻より引用)
アホか!と思わずツッコんでしまいたくなりますが、本作ではこのようなギャグが「黙示録」よりもやや強めに表れています。
しかし、見所はやはりギャンブルシーン。普段はだらしないカイジが、賭け事となると大真面目に切り替わる瞬間は目を見張るものがあります。
「地下収容所編」でおこなわれるギャンブルは、「チンチロリン」と呼ばれるもの。類い稀なる才能を発揮するカイジをどうぞご覧ください。
「チンチロリン」で勝利を収めたカイジは、地下収容所から20日間の外出許可を得ます。しかし、ともに戦った仲間5人と自分の借金を合わせた計6000万円を、この間に工面しなければなりません。
カイジの持ち金は80万円のみ。何か一攫千金を狙えるチャンスはないかと探していると、偶然坂崎という男に出会いました。「帝愛グループ」の裏カジノに存在する「沼」と呼ばれる1玉4000円のパチンコの話を聞き、彼と手を組むことにするのです。
坂崎の用意した資金で「沼」に挑みますが、もちろんうまくはいきません。実はこれ、絶対に当たらないパチンコで、カジノ側が必ず勝つ仕組みになっていたのでした。
しかし、そこはカイジ。ある攻略法を思いつき、今度は遠藤も交えて「沼」へと挑みます。
- 著者
- 福本 伸行
- 出版日
- 2002-03-01
さて、地下収容所から20日間の外出許可を得たカイジですが、今回ばかりは下手を打つわけにはいきません。これまで彼は自分のために戦っていましたが、今回は仲間の想いも背負っているのです。
周りの人間との繋がりが強く描かれているのも、「破戒録」の特徴のひとつでしょう。ともすれば孤独な戦いのように見えるギャンブルですが、時には仲間と分かち合うこともあるのです。
- 著者
- 福本 伸行
- 出版日
- 2004-04-06
「裏カジノ・沼編」では、坂崎をはじめ個性的なキャラクターが多く登場。裏カジノの店長をしている一条など、敵味方問わず濃い人物ばかりです。
誰にも思いつかないような奇策で勝負に挑むカイジと、絶対に勝たせない一条の意地。どちらに軍配があがるのでしょうか。その結末から、目が離せません。
「チンチロリン」は、実は本作オリジナルのギャンブルではなく、現実に存在するもの。用意するのはサイコロ3つと、どんぶりです。2人以上でおこなうことができます。
まずは参加者のなかから親を1人決めます。親以外は子となり、子が賭け金を決定。親から順にサイコロを振って、子とサイコロの出目の強さを競います。子が親より大きな目を出せば、勝ちです。
「ゾロ目」や「456」など珍しい出目だと、倍付、3倍付といった支払いをすることとなります。
地下収容所では、これに加えて以下のルールを採用。
- 著者
- 福本 伸行
- 出版日
- 2001-03-05
細かな配当やルールは置いておいて、基本的には親と子のどちらの目が強いかを競う単純なゲームです。子が何人いても、子同士のやり取りではなく、親と子の間でやり取りをするのが肝だといえるでしょう。
運の要素だけにも見えますが、そこは「カイジ」シリーズ。運のみの勝負などおこなわれません。
必勝法として誰でも思いつくのは、サイコロの目を操ることでしょうか。特殊な訓練をすればある程度は可能でしょうが、そこまでできる人であれば地下収容所なんか来ていないはずです。
ならば、どのように勝つのでしょうか?実際に読んで確かめてみてください。これができれば、あなたもチンチロリンで必勝できるかも⁉
1玉4000円という通常の1000倍レートのパチンコ台。俗に一発台と言われるもので、特定の入賞口に玉が入ればその時点で当たりとなります。
当たればこれまで「沼」につぎ込んだ金がすべて出てくる仕組みで、下限は3億円。それに満たない場合は店が保障するとのことでした。
異常な数の釘や稼働役物を越えた先に待ち受けているのは、3段式のクルーンです。1段目には3つの穴、2段目には4つの穴、3段目には5つの穴が開けられており、特定の1ヶ所へ入賞すれば次の段へと進めます。3段目の赤い入賞口に入れば、大当たり……。
- 著者
- 福本 伸行
- 出版日
- 2003-04-04
理論上は攻略可能なパチンコ台。しかしここは「帝愛グループ」が経営する裏カジノなので、「遠隔」が存在します。
稼働役物を思うがままに動かしたり、クルーンの傾斜を変えたり、入賞口のまわりに空気の壁が配置されたり……考えうるすべてのことが施されており、攻略することは到底不可能に見えました。
しかし、ギャンブルとはどこかに突破口があるものなのです。カイジの柔軟性をもった思考が発揮され、常人では思いつかない策略に対し、常人では思いつかない戦略をたてて立ち向かっていきます。
これまでの挑戦者をすべて飲み込んできた、まさに「沼」と呼ばれるに相応しいマシーンを前に、彼はどのように攻略するのでしょうか。
- 著者
- 福本 伸行
- 出版日
- 2004-04-06
『賭博破戒録カイジ』でも福本の十八番である心理戦は健在。ハラハラドキドキの様子が読者に伝わってきます。
本作はスマホの漫画アプリで無料で読むことができるので、ぜひ息の詰まるギャンブルを体感してみてください。
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