エントリーシートの書き方まとめ&おすすめ本3選!合格率を上げたい人に

更新:2021.11.12

就活やインターンシップの時に必要になるエントリーシート(ES)。なかなか通過しない、そもそも書き方がわからない、という人のために、書き方のまとめとおすすめの本を3冊ご紹介。企業に刺さるエントリーシートとはどんなものなのでしょうか?

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エントリーシートの書き方の基本(学歴、写真、封筒、送付状)

まずは、基本事項の記入から。自分の名前、生年月日、住所、電話番号などを記入します。この時気を付けるのは、とにかく丁寧に書くこと。字の上手い下手ではなく、丁寧に読みやすく書けているかどうかが大切です。逆に、字がうまくても走り書きだったり、丁寧さに欠けていたりすると、企業に真剣さが伝わりません。

なるべく自宅の机など、落ち着いた環境で記入していきましょう。ときどき、電車の中であわててエントリーシートや履歴書を書いている人を目にしますが、人事担当者も、そんなところで急いで書かれたものを読みたいとは思わないでしょう。書く時間がなかったのだとすれば、その人は自己管理能力がないとみなされ、採用は見送られるのが当然の流れです。

生年月日や記入日、学歴の欄の元号などは、西暦でも和暦でも構いませんが、必ずどちらかに統一しましょう。年齢は記入日(送付日)時点での満年齢を記載します。また、印鑑の欄がないエントリーシートや履歴書のフォーマットもありますが、氏名の横の余白などに押すのが正式なやり方です。シャチハタではなく、きちんと朱肉を使ってまっすぐ押しましょう。

途中で記入ミスがあるかもしれないので、写真は最後に貼るようにします。裏面には名前と学校名を書いておくと、万が一、先方で剥がれてしまったときにわかりやすくなり親切です。

続いて、学歴は一番上の行に「学歴」と記入し、中学校卒業から書くのが一般的です。学校名はすべて正式名称で、高校は「高等学校」、「都立」「県立」などとは書かず、「東京都立」「神奈川県立」などとします。私立中学・高校の場合は、「私立 ○○高等学校」などのようにしましょう。

大学は学部・学科まで記入。卒業見込みの年度には「卒業見込み」と書いておきます。アルバイトは職歴に入らないので注意が必要です。職歴がない場合は学歴を書き終えた次の行に「職歴」、さらに下の行に「なし」。そして、その下の行の右端に「以上」と記入してこの欄は終了です。

「以上」は、書き忘れたから不採用、ということはおそらくないと思いますが、「これで私の学歴・職歴は終わりです」ということを伝える意味がありますので、書いておくといいでしょう。

今はWeb上でのエントリーシート提出も増えていますが、郵送する場合は、エントリーシート以外に、「送付状」と「封筒」が必要です。送付状は、インターネットで調べるといろいろなフォーマットがありますので、会社に合わせて作っていきます。

封筒については、会社の住所と郵便番号、会社名を正しく丁寧に書きます。担当者の部署や名前がわかっている場合は、「○○部 △△様」、わからない場合は「株式会社○○ 人事部御中」などにします。そして、左下には「エントリーシート在中」「応募書類在中」と書きましょう。

封筒の裏面には自分の住所と名前も忘れないように記入。縦書きの場合、表面・裏面ともに住所などの数字は漢数字にしましょう。

志望動機の書き方

エントリーシートの中で、最も重要といってもいいのが「志望動機」です。学生がなぜその企業を志望し、どんな仕事をしたいと考えているのかを人事は見ています。志望動機を書くためにはまず、企業を良く知らなければなりません。

あなたがその企業に惹かれた理由は何でしょうか。それを、自分の経験と絡めながら書いていくのが基本です。情報収集としてはホームページやSNS、OB訪問、メーカーであれば商品を買ってみるなど、できることはたくさんあります。

ただし、「会社の理念や商品・サービスに魅力を感じた」「感銘を受けた」という内容だけを書き連ねるのは、あまりいい方法ではありません。会社の良いところは社員であればわかっているはずなので、その「良いところ」と「自分の経験」がどのように結びつくのかが重要なのです。あなたが過去に経験したことが、その会社の事業とリンクしていることを伝えられればOKです。

さらに、その会社に入った後、何がしたいのかということも大切です。会社はビジネスとして利益を上げなければいけない場所。社員となったあなたが、どのように働いてどのように貢献できるのか、担当者が読んでイメージがわくような書き方をします。

具体的な仕事内容までイメージするのは難しいかもしれません。そういう場合は、関わりたい事業や部門を挙げ、「私は○○という経験を生かし、△△事業に関わって××な社会づくりに貢献したいと考えています」のように目標を掲げると良いでしょう。

逆にここまで述べてきた、自分の経験とのリンクや、その会社で働いている自分をイメージできない場合、会社選びからよく考える必要があります。なぜその会社を志望するのかには、「有名だから」「大企業だから」「ベンチャーだから」などの部分以外に惹かれるものはないでしょうか。そこを見きわめることが、仮に入社できたときのミスマッチを防ぐことになるのです。

趣味・特技の書き方

趣味・特技は、何を書けばいいのか迷う人が多い欄です。これといって趣味や特技と言えるものはない、あるいは、この趣味は正直に書いていいものなのか、と考えてしまいますよね。

この欄は志望動機や自己PRと比べて小さいことが多いので、あまり長々とは書けません。裏を返せば、ここは面接時に話のネタにするためのスペースなのです。したがって、「なし」と書いてしまうのはもったいないの一言ですし、「音楽鑑賞」「読書」など、当たり障りのないことを書いてしまうと、個性が見えにくくなります。

担当者からすれば、何百、何千というエントリーシートを見るのです。素っ気ない内容では、目に留まらないでしょう。その人の人となりが見える趣味や特技は、貴重なアピールポイントといえます。

そのときに見ておくべきは、「企業が求める人材」です。主に採用ページなどに記載があると思うので、見ておいた方が良いでしょう。必ずしも趣味や特技が仕事に生かせなくても構いませんが、企業風土や事業内容にマッチする人材であると示す工夫がほしいところです。

同じ「読書」でも、誰の本をよく読むのか、月にどのくらい読むのか、本選びのこだわりはあるか、などを細かく考えて書いていくと、より個性の出たエントリーシートになります。そして面接時には、できればその内容と、志望動機などをつなげて話ができるように準備しておきましょう。

また、ギャンブル、ゲーム、アイドルなどはその業界を志望する人以外は避けた方が無難です。書くとすれば、「○○ゲームに熱中し、攻略法を書いたブログを定期的に更新している」など、深さを感じさせ、それが仕事にも生かされそうだと思ってもらえるようにしましょう。

自己PRの書き方

自己PRも悩むポイントの一つです。悩んだ末に、「粘り強い性格」「リーダーシップがある」「積極的」「協調性がある」など、ありがちな言葉に収まってしまうことも多々あります。

自己PRで大切なのは、「経験」をいかに語るか。そしてそれが企業への志望動機とどのように絡んでくるかです。学生は何社分もエントリーシートを書く場合が多いので、自己PRはつい同じ言葉を使ってしまいがち。

自己PRは、自分の強みをアピールするスペースなのでそれでもいいのですが、企業によって求める人材像は違うので、PRポイントもその企業に合わせて選んだり、言い方を変えたりしたほうが適切であるといえます。

また、言葉自体はありがちなものだったとしても、経験が人と違えば印象に残ります。「留学」などの特徴的な経験がなくてもいいのです。自分の人生を変えるような経験、心打たれた経験など、自分にとって大きかったと思うものを打ち出していきましょう。

さらに、自己PR欄に書く経験は、面接の際にも高い確率で質問されます。質問されたときに、エントリーシートの文言をそのまま話してしまうと、話に厚みが出ません。深掘りされたときにもより深い感情や想いを語れるようなエピソードを選ぶことが大切です。

エントリーシートの合格率を上げたい人におすすめの本3冊

さて、ここからはおすすめの本をご紹介します。合格率の高いエントリーシートの書き方を身につけたい人は読んでみてください。

採用側の視点で自己PRを考える

「自分にはPRするようなすごいエピソードも能力もない……」と考えている人に最適の1冊です。先ほども書いたように、自己PRは悩む人がとても多いポイント。そうやって悩みながら自己分析をして、なんとなく自己PRをつくっているという人。あなたがなぜ、伝わる自己PRが書けないのか、本書を読むことで見えてきます。

著者
阿部淳一郎
出版日
2016-01-14

就活というと、学生はどうしても「いかに合格するか」を考えてしまいますが、では、「合格させる人」の視点で考えたことはあるでしょうか。就活は、何かをすれば必ず合格するというのではなく、学生と採用担当者という人と人の間でコミュニケーションが成立してはじめて合格となるのです。

「採用側」の気持ちを考えなければコミュニケーションは成立しません。そこで本書では、採用側の本音から、学生がどんな自己PRをすると伝わりやすいのかということを徹底的に解説。

著者は何万ものエントリーシートを見て、3万人以上と面接をし、1万人を超える学生の就職支援も行う人物で、学生側と企業側、どちらの考えも理解しているので、学生がよくやってしまうNGパターンも熟知しています。自己PR作成の手順も、順を追って丁寧に説明されており、参考にしながら自分を掘り下げていくことができる本です。

実例から構成や言葉の使い方を学ぶ

合格したいなら、実際に合格した人の実例から学ぶのが一番。ここからは合格者の実例を数多く収録した本を2冊ご紹介します。まずはこの合格実例集。エントリーシートを書くという面において、必要なことが網羅されています。

著者
キャリアデザインプロジェクト
出版日
2016-11-19

構成としては、「意識改革編」「戦略編」「実践編」「内定実例編」「特別資料編」という5つに分かれています。実践・実例だけでなく、意識・戦略といった「そもそもエントリーシートとは何のためにあるのか?」「何を目指して書くのか?」という部分にページが割かれているのがこの本の特徴です。

また、この本でもやはり「採用側」の見ているポイントを中心に解説されています。実例集では、より印象付けられる文章の「構成」について学べるでしょう。エピソードは個人のものなので真似することはできませんが、その言い回しなどは参考になる点も多そうです。文章で使える語彙を増やしたいといった目的で買っても非常に魅力的です。

3000のエントリーシートが見られる特典付き

この本も実例を多く載せている本です。特に役立つのがエントリーシートの項目ごとに良い実例を数多く掲載していること。「自己PR」「学生時代に力を入れたこと」「志望動機」「その他の頻出設問」に分かれて、それぞれ数十~100以上の実例が載っているので、自分に近い例も見つかるのではないでしょうか。

著者
池田 陽介
出版日
2016-01-21

たとえば自己PRや学生時代に力を入れたことなら、「アルバイト」「サークル」「学業」「ボランティア」「インターンシップ」などの項目でどのように書けばいいのかがわかります。志望動機も、商社、金融、マスコミ、メーカー、小売、サービスといった、各業界における効果的な書き方を紹介。

また、購入者特典として3000のエントリーシートを閲覧できるサイトが無料公開されています。これも書き方の選択肢を増やすうえで役立つはずです。自分に合うものを選べば、自分オリジナルのエントリーシートを作成できるようになるでしょう。

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