「ハンターハンター」好きにおすすめの漫画5選!

更新:2021.11.26

『HUNTER×HUNTER』と言えば、緻密な戦闘描写と独創的な念能力が人気の一翼を担っています。息詰まるやり取り、先の読めない展開にはいつもハラハラさせられます。今回はそういった読み応えのある、おすすめ漫画を5作品ご紹介しましょう。

ブックカルテ リンク

次元を越えた戦い! その引き金が導く未来とは?

4年前、平穏な都市三門市に突如として「門(ゲート)」が出現して、異世界から「近界民(ネイバー)」と呼ばれる怪物が出現します。科学が通じない怪物に対して混乱が広がりましたが、世界を守る界境防衛機関「ボーダー」が結成されたことで、三門市には一定の平和が戻りました。

そんなある日、三雲修が通う中学校に謎の少年、空閑遊真(くがゆうま)が転校してきます。修は中学生でありながらボーダーのC級構成員でした。ところが遊真は修以上の力を持っていて、不意に現れた怪物「バムスター」を一蹴してみせます。遊真は自身のことを、ネイバーからやってきた人間だと語りました。

正義感の強い修とネイバーの少年遊真の出会いが、異世界との戦いに波紋を呼び起こしていきます。

著者
葦原 大介
出版日
2013-07-04

本作は2013年から「週刊少年ジャンプ」で連載されている葦原大介の作品です。

少年少女が死力を尽くして異世界の侵略者と戦うバトルアクション漫画。一口に言えこそうなりますが、上手くちりばめられたSF要素が、他の類似作品とは一線を画しています。ネイバーに対抗する唯一の方法、「トリガー」という技術(能力)が敵側の文明に由来する、という部分は『仮面ライダー』などの特撮ヒーローモノをも連想させます。

使い手によってトリガーの形状、戦略が異なるのも魅力的ですが、何よりもそれらによる戦いが集団戦で描かれるのが面白いところです。ボーダー内の模擬戦、対ネイバー実戦、いずれもチーム戦が重視されています。

対人関係に起因するものや、技術の向上を計っての内輪の戦闘に重きを置いて描写されているところは、フィクションでありながらリアリティが感じられます。模擬戦でのライバルが実戦では頼もしい味方になる、というのも熱い展開です。

その面白さから早い段階でテレビアニメ化、ゲーム化などのメディアミックスが行われたものの、残念ながら2018年2月現在は作者の体調不良によって長期休載中となっています。今後の行方が気になる期待作だけに、いち早い復帰が望まれますね。

腕白少年コロッケ、縦横無尽に大活躍!

主人公のコロッケは赤いヘルメットをかぶった明るい少年です。彼の父バーグは「禁貨」と呼ばれる不思議な硬貨を集める「バンカー」でしたが、コロッケが幼い頃に何者かに殺されてしまいました。

禁貨には、貯金箱(バンク)一杯に集めると願いごとが叶うという話があり、コロッケはバーグを生き返らせるために禁貨の旅に出ることを決意します。ライバルのバンカーとの争い、多くの仲間との出会いを経てコロッケは成長していくのでした。

著者
樫本 学ヴ
出版日

本作は2001年から「月刊コロコロコミック」で連載されていた樫本学ヴの作品です。長期に渉るアニメの放送が行われたり、数多くのゲームも発売された人気作。ある年代の方には、『学級王ヤマザキ』の作者と言えばピンとくるかも知れません。

掲載誌がコロコロということで、『HUNTER×HUNTER』と比べると多少低年齢向けの内容となっています。しかし、子供向けと侮ってはいけません。熱い戦いあり、笑いもあり、涙もありの見所盛りだくさんの冒険活劇です。底抜けに明るくボケをかますコロッケは、どこかゴンと重なります。必殺技が超強力なパンチであることも共通しています。

例えるなら、陰惨さのないグリードアイランド編といったイメージでしょうか。王道展開をストレスなく楽しめる作品です。

また、2017年から昔のコロコロ読者を対象とした大人向け雑誌「コロコロアニキ」にて、『コロッケ! BLACK LABEL』という続編が開始されました。主人公は大きく成長した青年コロッケですが、やや雰囲気が異なるようで……? 先が気になる続編と併せてお楽しみ下さい。

全てが同じ糸で繋がった前代未聞のからくり演目!

才賀勝は小学5年生にして父親を亡くし、世界的企業「サイガ」の遺産を相続することになった少年です。遺産目当てに命を狙われるようになった彼は、偶然出会った拳法家の加藤鳴海と、祖父に送り込まれた謎の美女「しろがね」によって助けられました。

勝と鳴海は実の兄弟のように心を通わせ、仲を深めていくのですが……。運命的に引き合った登場人物が、途方もなく長くて複雑な道を歩んでいくことになります。

著者
藤田 和日郎
出版日
2011-07-15

本作は1997年から「週刊少年サンデー」で連載されていた藤田和日郎の作品です。

骨太なストーリー漫画を描かせたら、日本で右に出る者がいないであろう藤田和日郎。そんな作者の作品中、最長の長さを誇るのが本作です。それにも関わらず、序盤から伏線が丹念に仕込まれており、通して読んで初めて完全な筋書きが理解出来るという一大巨編です。

また少年の成長譚(ビルドゥングスロマン)としての側面があって、そこだけ取って見ても実に感動的な物語なのです。

多くのからくりを搭載した懸糸傀儡(マリオネット)や自動人形(オートマータ)のアクションも迫力満点。物語の根幹に関わる錬金術も読者の心をくすぐります。

主要人物の全員に細かなバックボーンと目覚ましい活躍があって、1度読み始めれば長さが気にならなくなるくらい読みふけってしまうことでしょう。全世代に送られる壮大なおとぎ話です。

『からくりサーカス』については<漫画『からくりサーカス』キャラの名言12選!再読したい魅力ネタバレ紹介!>で詳しく紹介しています。

極上の能力バトル! 強い弱いも発想次第

人知れず、この世界の神は世代交代の時期を迎えていました。次世代の神の候補100人は、それぞれが中学生を1人選出し、彼らに特殊能力を与えて覇を競わせています。最後に残った中学生を担当していた神候補が、新たなる神となるのです。

主人公の植木耕助は正義感の強い少年で、神候補の1人コバセンに目を付けられ、能力者となりました。様々な思想、信条を持ったライバル中学生との戦いが幕を開けます。

著者
福地 翼
出版日

本作は2001年から「週刊少年サンデー」で連載されていた福地翼の作品です。福地の初連載作にして、テレビアニメにもなったヒットタイトルとなっています。

念能力習得後の『HUNTER×HUNTER』を例に挙げるまでもなく、能力バトル漫画は数多くあります。そんな群雄割拠の中にあってなお、本作の存在感は抜群なのです。能力発動に凝った条件が必要であり、また能力自体も奇抜でユニークなものばかりが揃っています。主人公からして、手のひらで覆えるサイズのゴミを木に変える、という変わり種の能力。

元々本作は読み切りとして編集部に持ち込まれて、それが短期連載となり、後に長期連載へと変更されたという経緯があります。それもこれも、この能力バトルの描写が面白いがためでしょう。

能力者同士の思いも寄らない能力の応酬は読んでいて飽きません。どうしようもない力を、あっと驚く使い方で有効活用するという、抜群のアイディア性が魅力的な作品です。

『うえきの法則』については<『うえきの法則』の魅力をネタバレ紹介!能力バトル漫画の金字塔>で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

心を鬼にして鬼を斬り、その手で鬼と化した肉親を救う

未だ魑魅魍魎が色濃く残る大正時代。竈門炭治郎(かまどれんじろう)は亡き父の家業を継いで、炭売りを生業としていました。いつものように炭治郎が炭を売りに家を空けたある日のこと、凶悪な鬼の1人である鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)が彼の実家を襲います。

かろうじて妹の禰豆子(ねずこ)だけが生き残ますが、彼女はなんと鬼の血を取り込んで鬼に変化してしまったのです。帰ってきた炭治郎は鬼化した禰豆子に襲われます。禰豆子は正気を失いつつも、家族を想う気持ちは失っていませんでした。

他の鬼と異なって人を襲わない禰豆子を救うため、そしてまた鬼舞辻への復讐を果たすため、炭治郎は鬼を討つ「鬼滅隊」へ入隊します。

著者
吾峠 呼世晴
出版日
2016-06-03

本作は2016年から「週刊少年ジャンプ」で連載されている吾峠呼世晴の作品です。

ジャンプでは比較的珍しい、純和風剣劇ファンタジーとなっています。家族を惨殺され、最愛の妹も忌み嫌われる鬼になってしまう、というかなり重い設定。人間対鬼の構図が早々と構築され、主人公も復讐の道へと踏み出していきます。とはいえ、単純な勧善懲悪モノにはなっていないのがポイントです。

人間の中にも悪があり、逆に鬼側も(主に禰豆子ですが)憎めないことがきっちり描かれます。ストーリーはとてもテンポ良く進み、ダーク・ファンタジーではあるものの、つっかえることなく読み進めることが出来ます。

戦闘描写もまた秀逸です。例えば炭治郎の必殺剣の効果が、まるで浮世絵のように表現されているところが新しい。温故知新とはこういうことでしょう。敵対する鬼も個性的で強く、まさに敵ながら天晴れ。

シリアスな展開の反面、羽目を外す時はとことん外し、ギャグ漫画顔負けのハイテンションな笑いも見られます。これから大きく伸びそうな本作をぜひお見逃しなく。

いかがでしたか? ちょっとあらすじを読んだだけでも、ワクワクしてきませんでしたか? 読者を惹き付ける魅力に溢れた漫画ばかりなので、是非ともご覧になっていただきたく思います。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る