イラストレーターになるには?5分で分かる、仕事内容や給料、資格について

更新:2021.11.13

本の表紙やゲームのキャラクターなど、様々な媒体にイラストを描いている人の事を、イラストレーターと言います。人気のある職業で興味はあるが、どうしたらなれるのかわからないという方のために、仕事内容や給料、資格などの情報を、おススメの本とともにご紹介いたします。

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イラストレーターの仕事内容、給料の相場は?

イラストレーターは、文字通り絵を描くことで収入を得ています。小説、ライトノベルの挿絵やゲームのキャラクターデザインなどを思い浮かべる方も多いでしょう。雑誌や本の表紙、挿絵のほかに、ゲームやCDのジャケット、広告やwebサイトで使用するイラストを手掛けているのも、イラストレーターです。

漫画やアニメのようなイラストだけではなく、動物や風景、道具など、イラストで表現されているものは、全てイラストレーターのお仕事。webサイトの背景にある、オシャレなイラストやアイコンなども作成しています。

会社に所属し、専属のイラストレーターとして働いている人もいれば、企業から依頼されてイラストを描く、フリーランスという形態で仕事をしている人もおり、収入には当然差があります。

企業に就職しているイラストレーターの年収は平均300万円前後。キャリアや人気などでも変動するため、目安としての数字です。しかし、企業ではイラストの仕事のほか、グラフィックのデザインなども手掛ける場合があり、仕事内容も多岐にわたることもあるのだとか。様々なことに対応する能力が求められますが、安定した収入が見込めます。

フリーランスのイラストレーターは、近年電子書籍配信増加やソーシャルゲームの流行もあり、仕事は多い様子。注目されれば新人イラストレーターでも、年収200~300万円ほどの収入が得られるのだとか。フリーランスのイラストレーターの場合、カットやページ数、キャラクターなど様々な単位で単価が決められています。

基本的にはイラストレーターは、人気商売。知名度によって収入に大きな差があり、依頼されるカットの単価も大幅に変わってきます。5年未満のフリーランスのイラストレーターの平均年収は100万円以下というデータもあり、別の収入源が必要となってくるでしょう。一度は名前を見たことがあるような、有名イラストレーターの場合、年収3000万円を超えることもあるようです。

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知っておくべき、辛いところはどんな部分?

イラストレーターを目指す人は、絵を描くことが好きでなければできません。イラストがたくさん描ける、より多くの人に見てもらえるからという理由で、イラストレーターを目指す人もいるでしょう。好きなことを職業にできるというのは素晴らしい事ですが、もちろん楽しい事ばかりではありません。

職業として収入を得るうえで、知っておかなければならないことは、イラストは自分の好きなものを描くわけではない、ということ。当然、クライアントからの依頼があってイラストを描くわけですが、このとき最も尊重するのはクライアントの希望です。クライアントがどうしたいのか、どういうイラストを求めているのかをよく理解し、表現しなければなりません。

また、当然好きなときに描けばよいという物ではなく、納期があります。フリーランスで新人だった場合などは特に納期を守らなければ、信頼を裏切ることになり、次の仕事に繋がる機会を失います。クライアントの希望に沿っているか、納期を守れるか、様々なプレッシャーの中で描くわけですから、好きなだけではなく生みの苦しみも味わうことになるでしょう。

企業に就職してしまえば収入面で安定しますが、仕事内容はある程度制限されてしまいます。フリーランスの場合、様々な企業からの依頼対応できるため、ある程度の自由はありますが、収入面での保障は何一つありません。仕事量に対し、収入が少ないという事にもなりかねず、不安な気持ちになることも多くなることでしょう。とくに新人は収入面での覚悟が必要です。

具体的になるにはどうすればいい?資格はいるの?

具体的にイラストレーターになるには、様々な道があります。現代はSNSやイラスト投稿サイトが充実しているため、早い段階でフリーランスのイラストレーターとして活躍しているケースもありますが、それはほんの一握り。

高校卒業後の進路として、いくつかの道程をご紹介いたしましょう。まずは美術系やデザイン系の大学、専門学校への進学。イラストがすでに描けるのに、と疑問に思うかもしれませんが、高校生の段階では、多くの人が基礎的な技術を身に着けたうえで、イラストを描いているわけではありません。

絵を描くには様々な技術が必要です。基礎的な技術を身に着けることで、イラスト自体の質を向上させることができます。

また、課題などで自分が描かないような題材にチャレンジせざるをえない状況となるのも、学校ならではでしょう。プロのイラストレーターになれば、当然自分の好きなものだけ描いているわけにはいきません。様々なものを描くことで、描ける絵のジャンルの幅を広げることにもなるでしょう。

在学中に仕事をしてフリーランスになるという選択肢もありますが、それとは別に、企業に就職するという選択肢もあります。就職先としては、広告代理店、ゲームなどを開発するクリエイティブな会社、出版社など。イラストだけではなく、グラフィックデザインなど、様々な能力を求められることも念頭においてください。

イラストレーターになるのに、特別な資格は必要ありません。しかし、イラストを描く上での技術は高度なものが求められます。基礎的なデッサン力、アナログの場合は画材を扱う能力も求められますし、デジタルの場合は設備投資やイラスト作成ソフトへの理解度も必要でしょう。

最も求められるのはセンスとオリジナル性。どこかで見たことある絵では埋没してしまいがちですが、唯一無二のオリジナル性を持っていれば、それだけ売りがあるということ。クライアントの希望を読み取る能力と、そこに自身のオリジナル性を盛り込む能力が必須となってきます。

初心者、在宅など、キャリア、働き方はどうすればいい?

学歴は関係なく、資格もこれといって必要ではないこの職業。会社に就職した場合であれば、上からの指示で仕事をすることになり、企業の求めるイメージに合ったイラストを提供することが必要となります。しかし、新人の頃は特にイラストの仕事だけをする、という場面は少ないのではないでしょうか。その他の雑務を含め、様々な指示への対応が求められます。

フリーランスの場合は、自身でサイトを運営する、SNSを利用して自身のイラストを配信、アピールするなど、自分のイラストを宣伝しながら、依頼を待ったり、営業したりします。また、在宅ワークの情報サイトなどを利用し、イラスト募集の仕事に応募するという方法もあります。

中にはコンペなどもあり、気に入ってもらえれば、次の仕事に繋がるケースも少なくありません。仕事を待つという姿勢ではなく、積極的に行動をしていきましょう。

就職すれば会社に通勤となりますが、フリーの場合は自宅での作業が中心となります。家にこもりきりになり、納期に間に合わせるために徹夜続きとなり、体調を崩すという話も珍しくありません。在宅だからこそ、体調面には特に注意が必要です。

イラストレーターは、特に人気に左右される職業。長年愛されるイラストレーターもいれば、新人の時期から絶大な支持を得ている人もいます。キャリアを積めるというのは、それだけ人気があり、クライアントの信頼度も厚いということ。しかし、新人にも、注目を得て、大成するチャンスは十二分にあると言えます。

人気の有名イラストレーターをご紹介!可愛い!かっこいい!

漫画やアニメが盛んな日本では、イラストレーターといえば、ライトノベルの挿絵やゲームのキャラクターデザインで人気の絵師を思い浮かべるのではないでしょうか。

漫画家として『ひだまりスケッチ』を発表し、人気アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』ではキャラクター原案を担当した蒼樹うめは、美少女のイラストに定評があり、そのどこかまるっとした柔らかな少女たちの絵が人気を集めています。

ゲームのキャラクターデザインのほか、『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズ、高橋弥七郎『灼眼のシャナ』シリーズなど、数多くのライトノベルや小説のイラスト、キャラクターデザインを手掛ける、いとうのいぢは、美少女を描く絵師の代表格。一目でいとうのいぢとわかる彩色のクセ等があり、オリジナル性は抜群です。また、人物だけではなく服装や小物、構図を工夫するなど、様々な場所でテクニックを感じることができます。

イラストレーターは漫画のような絵を描くだけが仕事では、もちろんありません。JTの「大人たばこ養成講座」のイラストで有名なイラストレーター・寄藤文平(よりふじぶんぺい)のような作風のイラストレーターも。

彼のイラストは、黄色やオレンジといった暖色系の配色に、ゆるくシンプルで、どこかオシャレに感じられます。1カットで伝えなければならないという制約があるせいか、少々オーバーな表現が用いられているものも。しかし、そこに嫌な雰囲気はなく、ユーモラスな世界観にクスッと笑ってしまうこと請け合いです。

鈴木おさむ「ブスの瞳に恋してる」シリーズなどの書籍や雑誌の挿絵、広告のイラストなどを手掛ける白根ゆたんぽの絵は、海外のイラストのように柔らかく、ポップ。アクリル絵の具を厚塗りしたようなタッチが特徴です。

人物のイラストは特徴を捉えているものの、とにかく線が少なくてシンプル。女性を描いたイラストが多く、独特の柔らかさが表現されています。個展なども開催しており、イラストの販売も行っています。

他にも漫画やアニメ寄りならば、岸田メル、KEI、樋上(ひのうえ)いたる、べっかんこう、トモセシュンサクなど、デザイン系ならばNoritake、岡村優太、長場雄、カナヘイ、さとうあゆみなどが良く知られています。いずれも一目見ればオリジナル性を感じることができます。

実体験だからこその説得力!読めば勇気が湧いてくる『私がイラストレーターになれた理由』

イラストレーターの中には、本業で仕事を持っており、副業としてフリーのイラストレーターとして活動している人も少なくありません。

しかし、田中ひろみ著『私がイラストレーターになれた理由』は真逆。もともと看護師をしていたところを一念発起、仕事を辞めて売り込みをし、イラストレーターに転身したという実体験を語っています。

著者
田中 ひろみ
出版日
2005-07-05

運が良かったわけでも、格別絵がうまいわけでもない、と自身を冷静に評価する田中ひろみですが、行動力は人一倍。自身の夢をかなえるという目標に沿って、行動をし続ける姿は、どんな夢を追う人でも勇気を貰えると同時に、行動しなければ夢はかなわないということを教えてくれるでしょう。

実体験が元になっているので、イラストレーターになりたい、一度はあきらめたけれどやっぱり挑戦したい、という方へのノウハウ本としてもとても優秀。心が折れそうになった時、何度も開きたくなるようなパワーに満ちたおススメの1冊です。

痒いところに手が届くプロの声を集めた1冊『プロとして知りたいこと全部。 イラストレーターの仕事がわかる本』

おススメの本2冊目は、プロとして活動しているイラストレーターの声を集めた『プロとして知りたいこと全部。 イラストレーターの仕事がわかる本』です。プロのイラストレーターとして活動していくうえで必要な知識、心構えなどが書かれた、実用的な内容になっています。

著者
出版日
2015-09-07

特に注目するところは著作権の問題。仕事をしていく上では必ず知っておかなければならない事です。法律が難しくて、と投げてしまいがちになりますが、内容がわかりやすくまとめられているので、すんなりと理解することができるでしょう。確認や勉強の時にも、とても便利です。

業界を知る人物が作成した本であるため、知っておきたい業界ならではのマナーなども多少記載がありますが、基本的には一般的な社会人としてのマナーに重きが置かれて書かれている部分も。イラストレーターを目指す人だけではなく、学生や新社会人もこの本を読んでおくと安心できるでしょう。

専門的かつ実用的!『イラストレーターの仕事―プロとして知っておきたいノウハウ』

シンプルな表紙に目を奪われる『イラストレーターの仕事―プロとして知っておきたいノウハウ』は、より専門的かつ実用的なことが書かれた1冊。職業としてイラストレーターをしていくうえで必要な知識や行動が詰め込まれています。

著者
出版日
2009-05-01

物を販売する企業だけではなく、歌手や漫画家も営業をします。営業をしなければ人に知ってもらうことができず、結果自分の望んでいた成果が得られません。イラストレーターも当然営業をします。

営業ってどうやるんだろう、と考えた方はぜひ手に取ってみてください。全体の流れだけではなく、マナーから交渉すべきこと、心構えなど事細かに描かれています。

実体験も収録されているため、より書かれている内容に信憑性が増し、イメージしやすくなるでしょう。行動しようと思った時に、具体的な手法を教えてくれる1冊、イラストレーターを目指すうえではかかせない1冊です。

イラストレーターは、好きなことを職業にできる道の一つ。だからこそ、デメリットもよく知っておく必要があります。将来の事をよく考え、後悔のない選択をしてください。

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