世間的にお堅い印象のある「国家公務員」。理文問わず人気のある職種であること以外、具体的にどんな職種があって、どんな仕事をしているのか、なかなか知る機会がありませんよね。そこで今回は、国家公務員の職種ごとの仕事内容についてご紹介します。記事の最後には、国家公務員を目指すあなたの後押しをしてくれる本もご紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
まずはじめに、「国家公務員」と「地方公務員」の業務の違いですが、一言で言ってしまえば、働く場所の違いです。 国家公務員は、国家機関に従事し、地方公務員は自治体に従事しています。
この記事では国家公務員についてご紹介していきます。彼らの仕事内容は、国家の施策に関連した業務をおこなうこと。しかしひと口に国家公務員といってもいろいろな職種があり、その業務内容も勤務先も分かれています。まずは職種をそれぞれ紹介していきましょう。
【1府12省職員】
具体的な仕事内容としては事務処理等が主な業務で、勤務先である中央省庁や地方出先機関の縁の下の力持ち的存在です。
【国税専門官】
国税専門官はさらに3つの職種にわかれています。
①国税調査官:納税申告が適正に行われているか調査・指導する
②国税徴収官:税金の督促・納税指導・滞納処分をおこなう
③国税査察官:大口・悪質な脱税の疑いの ある者に対して、強制捜査・差押え・告発をおこなう
勤務先は、国税局や税務署です。
【財務専門官】
国の予算および決算、国有財産の管理等並びに金融機関等の検査等を行っており、財務局や財務事務所などに勤めています。
【裁判所職員】
裁判所職員の業務は2つの部門があります。
①裁判部門:法廷の事務や裁判手続きの補助作業をおこなう
②司法行政部門:総務や会計、人事などの一般的事務をおこなう
また裁判所事務官は、内部試験に合格し、一定の研修を受けることで、裁判所書記官に昇進することができます。書記官は判の立ち会いや調書の作成、後半スケジュールの管理などが業務です。勤務先は裁判所になります。
【労働基準監督官】
労働条件の確保と改善を行っており、都道府県労働局や労働基準監督署に勤めています。
【国会職員:衆議院事務局職員/参議院事務局職員】
国権の最高機関としての活動を行っており、国家およびその周辺施設に勤めています。
【理系職種】
交通網や通信ネットワークの整備、災害に強い都市計画、再生可能エネルギーの開発など、市民の生活を支えるのが業務です。国土交通省や警察庁などの国家機関に勤めています。
この段落では、職種の説明、給料相場をご紹介していきます。
国家公務員総合職は、将来の幹部候補生で、公務員のなかでもエリートといえます。国策を考えたり、法務に関わる業務が中心となり、世界を相手に仕事をすることも多くある職種です。初年度年俸は、平均250万円です。
そして国家公務員一般職は、大卒ですと事務系と技術系の職種があります。主に各省庁において、総合職が提案した国策などの企画を実行しています。初年度年俸は、平均240万円。
それに対し、高卒は地方機関に配属されることが多いよう。刑務官や防衛省職員、裁判所事務官も一般職に該当し、初年度年俸は、約190万円です。
また、ここからはそれぞれの省庁の仕事内容と給料を見ていきましょう。
法務省専門職員は少年犯罪者を更生させる職であり、主に少年院や少年鑑別所に配属されます。職務内容としては、矯正心理専門職、法務教官、保護観察官の3種があり、初年度年俸は、約540万円。
外務省専門職員は総合職の外交官とは異なり、特定の国で経済や国際協力、安保など一部の分野を担っており、初年度年俸は、平均780万です。
労働基準監督官は厚労省に所属し、労働基準法に違反している現場や人物の調査を行い、取り締まるのが業務です。初年度年俸は、平均380万。
そして次は、議員職を紹介していきます。
衆議院事務局は、①総合職・一般職/大卒と、②一般職/高卒・衛視があります。
①は国家公務員のなかでも特別職にあたります。衆議院の補佐的な立場にあり、調査や資料作成などの業務を行っています。初年度年俸は、平均210万円です。
②は総合職とは異なり、人事や会議の運営管理、会計に携わっています。衛視では、会場の受付業務のほかに要人の警護や会場近辺に不審者がいた際の対策を行います。初年度年俸は、平均210万円です。
次に参議院事務局は、①総合職と②一般職・衛視があります。
①は調査部門・総務部門・会議運営部門の3部門から構成されており、広報活動、調査をしながら国政の声を議会に伝えるのも仕事です。初年度年俸は、平均250万円です。
②は議員の福利厚生・給料の管理、議会の運営といった一般事務関連の業務を行い、初年度年俸は、平均200万円です。
その他にも航空管制官や海上保安大学校学生、気象大学校学生、東京都特別区の職員も国家公務員に含まれます。
総合職と一般職というコース区分の職種内容には、一般企業と似通った部分もありましたね。「国家公務員」と聞くと、最低でも大学は卒業していないといけないと思っていましたが、そうでもないようです。では、倍率や受験科目にはどのような差があるのでしょうか。
この記事をご覧いただいている方は、将来この職業に就きたいという方はもちろん、手に職をつけておきたい、転職を考えている、という方も多く、なかには独学を考えている方もいるでしょう。
そこでどうしてもネックになってしまうのが、お金がかかる、時間がないということではないでしょうか。
そんな点でお困りの方にぜひおすすめしたいのが、オンライン予備校。従来のスクールよりも割安なところが多く、自分の時間に合わせて学習できるのが魅力です。
その中でも特に「資格スクエア」は、勉強方法のノウハウを教えてくれるので、効率的に効果の出る勉強方法を学べることができるでしょう。
資料請求は無料なので、新しい道に向け、まずは一歩、動き出してみてはいかがでしょうか?
一般職は比較的高卒生でも受けやすいコースのようですが、総合職は試験内容も別格。大卒のなかでも、東大などの高学歴者が受験・合格するのが基本となっているようです。下記が一般職と総合職の、試験内容と倍率となります。
【総合職】
試験内容:一次試験…基礎能力試験・専門試験
二次試験...専門試験・政策論文試験・人物試験
倍率:院卒...5.6倍、大卒...13.2倍
【一般職】
試験内容:基本科目:「教養」「専門」「論作文」「面接試験」」
専門科目:法律系・経済系・行政系
倍率:大卒...5.7倍、高卒...6.6倍
コース区分によって試験内容も大幅に異なってくるので、きちんと目標を定め、対策を打つようにしてくださいね。
さて、ここまで、国家公務員についてご紹介してきましたが、最後に国家公務員を志望する方に、背中を押してくれる本を4冊をご紹介します。
主に現在の官僚制度に焦点を充てたものや、役人になるための心構えを説いてくれる本を中心に集めました。あなたの疑問や不安解消に繋がる1冊があれば幸いです。
- 著者
- 久保田 勇夫
- 出版日
元大蔵省出身の久保田勇夫氏が、国内外における自らの経験に基づき、「役人のなすべきこと」を綴った自伝的指南書。文章術、交渉術、組織論など業務をおこなう上で必要な技術について、独自の視点から述べています。
どの職業にも必要な能力に関するヒントを教えてくれているので、一般企業に務めている方でも一読する価値ありです。特に「健康」に関しては、自分は大丈夫と思っていてる方が、被る問題でもあるので、心当たりがある方は彼の言葉を肝に銘じておくのもいいと思います。
- 著者
- 出版日
- 2015-12-04
霞が関で巻き起こっている「働き方改革」。その裏で行動を起こしていた女性官僚たちの活躍に焦点を当てた作品です。女性官僚たちが各省庁でどのように働いているのか、仕事と子育ての両立の課題にも焦点を当てて、細かく記載。女性で国家公務員を目指している方の背中を押してくれるような内容となっています。
- 著者
- 清水 唯一朗
- 出版日
- 2013-04-24
明治時代から大正デモクラシーまでに焦点をあて、官僚史の視点から、「政治家」と「官僚」と「大学」の関係性を詳しく説明してくれています。各時代の学生についても語られており、学歴主義の現代官僚制度でも、「根気さえあれば、学歴関係なく、出世できる」という可能性を感じる一冊です。
- 著者
- 塙 和也
- 出版日
- 2013-07-17
自民党最盛期の福田康夫政権から迷走する麻生太郎政権の推移を綿密な取材を基に詳しく分析している一冊。公務員制度改革に焦点を置き、ジャーナリズムの観点から政治を紐解いていきます。「リーダーシップとは何か」を学ぶのにおすすめです。
勉強方法が分からない、本当にこれでいいのか不安といった方におすすめなのが、オンライン予備校の「資格スクエア」。効率的な勉強方法の仕方を、自分の好きな時間に学べます。
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先駆者たちの失敗例や成功例を学べる本を読めば、世の中のために業務を遂行したいという思いが強まること間違いなし。勉強中、心が折れそうになった際、自分にはっぱをかけるために、読んでみてはいかがでしょうか。
国家公務員の職種や役割に関して、ご紹介しました。今回、この記事をきかっけに、新たに築いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。国家公務員の中で、自分が目指す職種はどれか、きちんと見きわめて、試験に挑んでください。