管理栄養士になるには?5分で分かる仕事内容や栄養士との違い、資格など

更新:2021.11.13

日々の食事は栄養が偏ると、バランスを崩して生活習慣病を引き起こしてしまいます。栄養をバランスよく摂るということは、健康を維持していくためには重要なことです。今回は栄養のスペシャリスト、管理栄養士についての本を3冊ご紹介していきます。

ブックカルテ リンク

管理栄養士の仕事内容、給料は?栄養士との違いとは?

管理栄養士は栄養士の上位に位置する国家資格です。栄養士ではできなかった仕事がいくつかあるので見ていきます。

 

  1. 病気療養のための栄養指導(医師による指導が必要)
     
  2. 健康維持のための個人への栄養指導
     
  3. 施設における不特定多数の人への栄養指導、食事管理
     

 

管理栄養士とあるように、文字通り栄養を管理していくことが仕事です。また、食事提供が1回300食、もしくは1日750食以上ある病院や介護施設には管理栄養士の常設が義務付けられています。栄養士は実際の調理現場で働く機会が多いのに対し、管理栄養士は食事の栄養状態を論理的に見るということです。

活躍の場も多くあり、医療現場・学校・スポーツ現場・社員、学校食堂の現場・行政現場・地域・福祉現場・研究、教育機関現場などになります。

給料はどうなっているのでしょう?管理栄養士の平均年収は300~400万台になっています。民間か公務員かによっても、給料は変わってくるので一概に言えません。月の給料は平均18~23万ほどだそうです。

管理栄養士になるには?試験内容や難易度、合格率、受験資格について

次に管理栄養士になるためには、何が必要なのか見ていきましょう。管理栄養士になるための必須条件として、栄養士の上位資格なので、栄養士の資格を持っていることが前提です。また、栄養士の養成課程のみを修了している場合、実務経験が必要になります。

管理栄養士を早く取りたい人は、管理栄養士養成課程へ進んでいる人が多いようです。というのも理由があり、管理栄養士課程を修了した新卒の人と、栄養士として仕事をしながら管理栄養士の試験を受けた既卒の人の合格率に大きな差が生まれているのです。

管理栄養士養成課程を修了した新卒者は、平均して8~9割合格しています。一方で栄養士養成課程を修了し、既卒の合格率は1割にも満たない状況。学校でしっかりと勉強すればとれるものの、働きながら資格をとると一気にその難易度が上がるようです。

次に勉強する試験の内容を見てみましょう。

社会・環境と健康 、人体の構造と機能および疾病の成り立ち 、食べ物と健康 、基礎栄養学 、応用栄養学 、栄養教育論 、臨床栄養学 、公衆栄養学 、給食経営管理論という項目が並んでいます。

栄養学を基礎に、食べ物が私たちに与える影響や、その学問を学んで実践的に使って行く手法などを網羅しているようです。

管理栄養士について学ぶには?養成施設や大学、独学について

次に管理栄養士はどのような大学、専門学校で目指せるのか見ていきます。注意しなければならない点は、学部によって管理栄養士ではなく、栄養士の養成課程も存在するので、間違えてしまうと取り返しがつかないということ。よく確認しましょう。また、養成課程は4年制になっています。

それに対し、独学で勉強していく場合どのように勉強していけばいいのでしょう?既卒者を募集している学校もありますが、働いている以上学校に通うという選択肢はほぼ取られないでしょう。

独学で勉強していかなければならない状況で、時間が許す限り勉強する時間に振り向けて行くしか道はないです。このように、解決方法がしっかりと勉強する、ということ以外にないので、合格率も下がってしまうよう。独学でこの道を目指す人はそのことを十分に理解した上で臨む必要があるでしょう。

16人それぞれの異なる歩み『活躍する管理栄養士―16人のキャリアデザイン』

著者
出版日

仕事をしているからには、楽しみながら日々の業務を進めたほうが精神衛生上よく、効率も上がるでしょう。そのために、自分のしたいこと、管理栄養士の資格を活かしてどう社会と拘るのかを1度立ち止まって考えてみることも必要でしょう。しかし実際に仕事をしているとどうしても日々の業務に追われて、仕事を創造する方向にはいきません。
 

そんなとき本書は、16通りの管理栄養士のキャリアを追体験できるという特徴で読者に立ち止まるきっかけを与えてくれるでしょう。この本の中で語られている体験・経験は管理栄養士という資格を通じて社会での活躍の場を広げている人々が描かれます。

仕事に行き詰まっている人も、これからのキャリアを模索中の人にもおすすめの本です。

食からの療養を考える『ホスピめし』

著者
野崎 ふみこ
出版日
2011-08-17

病気をする人には、それぞれ事情があります。たとえば好きなお酒を止められなかったり、甘いものが止められない人もいるでしょう。しかし病気になったなら、その嗜好品を止めなければ命に関わってしまいます。

食事は人が生きていく上で欠かせないものです。食事を通じて患者の栄養を管理し、病状の改善に貢献するのが、この漫画『ホスピめし』の主人公である、管理栄養士・麦子。患者の情報を得なければ、栄養管理も指導もできませんので、どのような患者でも情報を得るために奮闘する姿が印象的です。

医療漫画としては手術関係が多いですが、このマンガは栄養管理士を主人公にした珍しいもの。しかしその完成度は高く現場のリアルな様子が描かれているので、その道を目指す方には、ぜひおすすめの1冊です。

食事を通じて教育を『未来へ繋ぐ「給食道」』

著者
関 幸博
出版日
2015-07-29

人を動かしているものは、3つの欲からなります。睡眠、性欲、そして食欲です。食欲が赴くがままに無茶な食事をしていけば、その時はよくとも将来病気になる可能性が高まります。食事は人の健康維持に占めるウェイトの大きな部分です。

食育とはそうした食欲を自制して、健康的な人生を送るための教育と言えるもの。著者は幼稚園・保育園給食業界で日本一になっている会社を経営している人物。本書では、食育を通じて人をつくっていくという理念をもとに会社を起こした彼の理念、実践方法が述べられています。

管理栄養士は給食の献立を考えるという仕事をする場合もあります。食事を通して、人々の健康管理の役に立っているという意味で、管理栄養士の仕事にもヒントとなる知識が詰まった1冊です。

病気になって初めて実感『生きていく食事 神足裕司は甘いで目覚めた』

著者
["神足 裕司", "神足 明子"]
出版日
2014-09-25

本書では、くも膜下出血で倒れたコラムニスト・神足裕司とその妻の介護、食事の様子が描かれています。普通の食事ではなく、リハビリの日々に食べた食事ですらも思い出として夫婦の中に刻まれていくという姿勢が感じられる印象の内容です。
 

介護・リハビリは本人にとっても家族にとっても辛いもの。管理栄養士は、介護現場で食事管理をする立場になる場合もあります。そこでただ栄養を考えただけの食べ物という認識ではなく、思い出のひとつとなる食事を提供するという認識で働くことも重要なのだと感じられる内容です。

管理栄養士が活躍する世界は広いです。これから管理栄養士を目指される方にとっては、どの本もおすすめできます。ぜひ1度読んでみてください。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る