愛すべき3人の巨匠【橋本淳】

更新:2018.5.10 作成:2018.5.10

どうも。橋本淳です。今純喫茶でこれを書いています。 なんでこうも、僕は、他人の顔と名前が記憶に刻まれないのだろうと苦悩します。いつも。 そりゃおめぇ、人に興味が無いからだろ、と言われればそれまでなんですが。

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つい今も、この喫茶店の入り口の前で、「あ、橋本さん!!」と声を掛けられた。こちらとしては分からない、確かに顔を見たことあるが、何で一緒だったのか、名前すらも出てこない。いっそデスノートみたいに、名前がみえればいいいのにと思う。あちらとしては、完全に僕のことを分かって話しかけてくれている。でもこちらは分からない。

「あ…あぁ…」気まずい沈黙。

「…久しぶりだね」なんて言ってみる。ジャブを繰り出してみる。

「何言ってんすか、こないだ会いましたよ」。おお…っと裏目に出た、ジャブがアッパーとして返ってきた。これはマズイ、限界だよ…と思っていると。

「◯◯ですよ〜覚えてないんすか〜」と言われる。完全に僕が忘れていることに気づかれた、なのに僕は、「え〜冗談だよ〜覚えているよ〜」などと若干甘噛みなんかした返答をした。そしてなんてことはない会話を1分ほどして、別れた。

あの1分が永遠に感じるし、この原稿を書く元気も無くなってしまった。なぜ、僕は、いつもこうなのだと、純喫茶のソファにもたれ掛かり思いに耽る。

こないだも街を歩いていると、

「あっちゃん !!!」とすれ違った人に声を掛けられる。

「え、10年ぶりじゃん元気だった?」。え、誰だこの人は、まったく覚えておらん。ということがあり、結局はこのときも同様、あちら様が正体を晒してくれて、僕の頭のメイズから答えをなんとか引っ張り出せた。しかし、問題はその後…。

10年前の思い出話を向こうがしてきた。もちろん僕はまったく覚えていない。端々は思い出せる、しかしそんなに嬉々とすることだったかなと、思う。だから、

「うん」

「ああ! そうね」

「懐かしいねぇ」

と曖昧に肯定する返答のみの相槌で、会話をつなぎとめた。

相手もそんな僕の対応にはさすがに気づいているのだろう。ちょっと気まずい感じで別れた。

「メールしてね!」

「うん! するする!」

なんて別れたが、連絡先なんて知ってたか?

いや知らないはずだ。なんて社交辞令のような会話だったのだろうか。

はぁ、やはり僕は最低だ。ごめんね△△さん、ごめんね◯◯さん。

いつも、自分自身にしっかりしろと叱咤する。

でも、仕方ないことなのかなと激励する。

そんな精神を、フラットに戻すべくこの3冊を。

愛すべき3人の巨匠のお言葉。変態で大好きな尊敬しているお3人です。

会ったことはありません。どうぞ。

そして生活はつづく

著者
星野 源
出版日
2013-01-04

星野源さんが普段気になったことを綴るエッセイ。“つまらない毎日の生活をおもしろがること“が本エッセイのテーマのようです。誰もが感じることを独自の語り口で面白く、見落としがちな視点から観察しさらに斜めから伝えるセンス、そのどれもが面白く、星野源さんの抱えている、あのフワッとした毒っ気の、魅力が出ている一冊です。不毛に感じること、ものにこそ、何かが転がっていると思わせてくれました。

・心に刺さった一節

あのとき折れてしまったわたしの中の何かは、今でもそのままである。

僕がコントや演劇のために考えていること

著者
小林 賢太郎
出版日
2014-09-10

タイトルの通り、小林賢太郎さんのどういう考えをもって創作活動に取り組んでいるのかを知れる一冊。僕はよくラーメンズやKKPを観に行っておりました。あのチケット争奪戦に参戦しては敗戦を繰り返し、稀に勝って、買ったときには遠足が待ちきれない小学生のごとくウキウキが止まりませんでした。セリフを文字起こしして友人と、難しいなぁと、やっていたこともありました。小林賢太郎さんは常に予想の斜め上をいく。その期待を優に超えてくるのには、並々ならぬ努力があるのは、表現者となった今、理解しました。いやまだまだ理解するには程遠いです。きっとここに書かれていることはほんの一部だとは思いますが、少しでも覗けたことは、貴重な体験。

・心に刺さった一節

僕は僕の作品を守るために、テレビとの距離を守っているのです。

変な欲が出てしまったときは「自分を額装しない」ということを心がけるようにしています。

人生に座右の銘はいらない

著者
松尾スズキ
出版日
2013-08-20

自身のメルマガの人生相談をまとめた一冊。面白いです(笑)。なかには濃い質問や、ペラペラなものもあるのですが、松尾さんが何枚も上手から答えを返す。たまにはぐらかしたり、かわしたり、透かしたりするが、その言葉選びのセンスは抜群です。人は皆、しょーもないことで悩んでるし、皆、平等に苦悩してるんだなぁと、少々の救いになるし、読み物としてとても面白いです。大好きな変態おじさんの回答にはキラリとひかる救いがあります。くしくも大人計画の方、2人を紹介していた。仕方ない、好きなんだもの。

・心に刺さった一節

長いスパンで本当の意味での勝ちをめざせば、口論など時間の無駄だと気づくはずです。