女性の社会進出や核家族化など、赤ちゃんを取り巻く環境は大きく変化しています。夫婦共働きの家庭が増え、保育業界はそのような家庭のニーズに応えることが急務です。そんな中、ご家庭に赴いて赤ちゃんの自宅で保育サービスをおこなうベビーシッターに、今注目が集まっています。この記事では、そんなベビーシッターの仕事内容、年収などについて説明したあと、おすすめの書籍を紹介していきます。
ベビーシッターは、言葉としては社会的に広く浸透しているものの、その仕事内容やサービスに関しては、法令等で定められた定義もなければ、公的な資格制度も存在しません。
しかしながら、公益社団法人保育サービス教会(ACSA)による「ベビーシッター業の自主基準」にはベビーシッターについて以下のように定義があります。
また、ベビーシッターの仕事内容についてもこのような定義があります。
上記の文章を言い換えると、保育だけでなく、子どもの周囲の環境を整えることも業務範囲に入るということが書かれています。いわば、保護者の親代わりのような存在です。
保育に関して具体的に例を挙げると、食事の世話、おむつ替え、保育園の送り迎えなどが挙げられます。また、保育以外にも、家の家事などをおこなうこともあります。保護者が安心して子どもを預けられる環境をつくることも、ベビーシッターにとっては大切な仕事の1つです。そのため、保護者の方ともしっかりとコミュニケーションをとって、どのような保育を希望しているのかをヒアリングすることも大切です。
ベビーシッターには認定資格が存在します。しかしながら、こちらは国家資格ではなく、民間資格であるため、資格を持っていない方でも、ベビーシッターを名乗ることは可能です。
一方、保育士は、保育士国家資格を受験し合格した者しか名乗ることはできません。そのため、ベビーシッターよりも保育士の方専門性は高いと言えます。また、ベビーシッターとして働く人の多くは保育士の免許を持っていることが多いです。
ベビーシッターは、派遣会社に所属している方が多く、雇用形態は派遣社員やアルバイト、パートである場合がほとんどです。そのため、多くの方が時給制で働いています。派遣会社の規模や働く地域、勤務条件などによって待遇は異なりますが、1000~1400円の時給が相場と言われています。
正社員のベビーシッターは少ないですが、月給にして16~20万円程度です。給料に加えて各種手当てがついたり賞与が支給されることもあります。
また、ベビーシッターでもフリーランスで働く人がしだいに増えてきており、中には月に30万円程度稼いでいる方もいます。その場合、多くの方が保育士や看護師の免許を持っていることが多いです。
ベビーシッターの仕事には国家資格は存在しません。そのため、誰でもベビーシッターを名乗ることは可能です。
ただし、民間資格として、公益社団法人全国保育サービス協会が制定している「認定ベビーシッター」があります。「認定ベビーシッター」は「ベビーシッターとして必要な職業倫理を備え、専門知識・技術を有し、さらにそれに基づく実務経験を有している者であ」ることの証明として付与されます。
「認定ベビーシッター」の資格を取得する方法は2つあり、次の通りです。
認定ベビーシッターになることは決して難しくなく、試験合格率は例年90%程度です。
- 著者
- 出版日
- 2002-10-01
まずは、ベビーシッターを目指している、もしくは興味があるという人向けの本を紹介します。
この本は、「認定ベビーシッター」の資格において、テキストとして採用されているものです。ベビーシッターになる人ならぜひ知っておきたい知識が随所に書かれています。
「ベビーシッターってどんな仕事をするの?」「ベビーシッターになるにはどうしたらいいの?」などについての説明もとても丁寧です。
同じシリーズの本として「実践編」もあるので、合わせて読むことでさらに知識を深めることが出来ます。
べビーシッターになりたいと思ったらまずはこの本を手にとってみてください。
- 著者
- 出版日
- 2000-07-01
こちらも全国ベビーシッター協会によって編集された本です。
ベビーシッターの専門家が監修に携わっており、2007年発売と少し古い本ではありますが、保育の基礎から丁寧に解説がなされています。
ベビーシッターと関わりのある人たちからの、100通以上にも及ぶメッセージが収録されています。ベビーシッターの仕事内容だけでなく、その魅力も知ることができるはず。
また、保育の悩みに関するアドバイスや実践的な解決策も多数載っており、育児に携わっている方が読んでも面白いと思えること間違いありません。
語り口も非常に優しくわかりやすいので、さっと読めるのも便利です。子どもの着替えを素早くおこなうテクニックや夜泣きをなくし、すやすや眠りにつかせる方法など、ベビーシッターなら身につけておきたいノウハウも満載です。
従来、ベビーシッターは時給が低く、給与も少ない仕事の1つでした。しかし、昨今の働き改革によって、ベビーシッターの働き方にも変化が生じています。
この本で紹介されているキッズラインという会社では、保育の就業時間も給料も自分で決めることができます。まさにベビーシッターの働き方革命です。
キッズラインで働くように仕事ができれば、頑張り次第で月に30万円稼げる働き方も実現できます。そのような働き方をするためにはどうしたらよいのかについて、そのノウハウが余すところなく書かれているのが本書の魅力です。
ベビーシッターとして将来活躍するための働き方、収入を得る方法を知りたい方には特にオススメの一冊です。
ベビーシッターという仕事は、保護者の方から預かった大切な児童に対して、心身ともに健やかに育成するために細心の配慮が求められます。
ベビーシッターに対する社会的な需要は非常に高く、この現状は将来的にも変わることは無いでしょう。しかしながら、その働き方はこれから益々変化していくことになります。今回紹介した本は、今後あなたがベビーシッターとして働くことの、一助になるはずです。