バイヤーになるには?5分で分かる仕事内容や年収、海外での働き方や将来性

更新:2021.11.13

魅力的な商品を買い付けるバイヤー(buyer)という仕事。出張で各地を飛び回るイメージがあり、憧れる人も多いのではないでしょうか。バイヤーには様々な商品分野があり、海外で働くチャンスも多くあります。この職業の魅力と、参考になる本を紹介していきたいと思います。

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バイヤーとは何をする仕事?また年収は?

バイヤーの仕事は、消費者のニーズやトレンドを見極め、売れそうな商品を買い付けることです。仕入れる商品は、服飾、食品、雑貨、家具、家電など実に様々な分野があり、「今売れそうな商品を分析する力」が必要とされます。

また、良い商品を仕入れるだけでなく、ニーズにマッチし確実に売上を作る所まで求められます。アパレル業界のバイヤーは、各社ブランドに合う商品×トレンドをテーマに、百貨店の場合は様々な客層のニーズを想定して、さらに食品業界では消費者の健康志向などの情報を基に、国内外の展示場や市場、工場に出向き商品を探します。その他にも日頃から市場リサーチをしたり、売り方を工夫して売上を達成していく高い意識を持つことも重要といえるでしょう。

年収は、その業界や企業形態によって異なります。例としてアパレル業界の場合、店頭での販売員に比べると年収は50〜100万円ほど高い傾向があり、平均年収は20代後半で300〜350万円、30代前半で400〜450万円、30代後半で550〜600万円程度といわれています。売上が結果として見える職業のため、ヒット商品を生み出すカリスマバイヤーになると、もらえる額が大きく上がる場合もあります。また百貨店や量販店の場合は、総合職として入社しバイヤー担当になることが多く、地方では300万円前後から、都心では400万円前後から着実にステップアップし、40代で700~800万ほどが相場のようです。
 

海外バイヤーになるには何が必要?

海外で活躍するには、仕入れの交渉ができる英語力やコミュニケーション力が必要となり、国内で経験を積みながら、その道を志す人もいます。 海外にも仕入先を持っていたり、海外展開している企業に入社すれば、実現できる可能性が大きくなります。

海外で働く魅力は、既存ブランドや新規ブランドのまだ知られていない商品を買い付け、国内に新しいトレンドをもたらすことです。アパレル業界では、シーズンごとに展示会やファッションショーがあり、現地へ出向いて流行を調査したり買い付けを行います。

一方で、海外での買い付けには苦労も多く、言葉や価値観が異なる国の人と、双方の利益を踏まえながら交渉し商談をまとめる力が求められます。海外バイヤーを採用する企業は、TOEIC750以上の英語力を基準に、外資系企業での経験やビジネス英語の使用経験を求める場合が多いようです。

商品を見極める力に加えて、交渉ができる英語力、人間関係を築くコミュニケーション力も必要となり、人間的に成長できる点も海外で働く醍醐味といえるでしょう。
 

バイヤーの仕事はきつい?将来性はあるの?

バイヤーは商品を見極める感性が大切ですが、経験を積んでも、毎回必ず結果が出せるとは限りません。商品が売れ残れば企業経営への影響が大きく、自信を失うこともあるでしょう。貪欲に商品知識を学び、市場に目を光らせ、売上を作りつづける緊張感と責任感のある仕事です。

バイヤーの働き方は、メーカーや百貨店などの企業に属する人が大多数ですが、そういった経験を積んだのちにフリーランスで働く人もいます。この仕事では幅広い商品知識や商談力、仕入れに必要な原価計算力など一連のスキルが必要のため、フリーランスを志す人も企業で実績を積み、人脈を築いたのちに独立という形が多くなっています。
 

近年の動向としては、インターネット通販が一般的になったことにより、自分のセンスを生かして雑貨や洋服、宝飾品などを仕入れ、ネット通販をする人も増えているようです。ネット通販は、実際に店舗を出すよりもかかる経費が少なく、小さい範囲から事業をスタートしやすい一面もあります。

また、バイヤーとして実績を積んだのち、会社を立ち上げるという選択肢もあるでしょう。そういった場合も、個人でバイイング(=買い付け)して、自ら商品を販売します。また大規模な会社形態になると、より大きなビジネスを展開しやすくなります。実績を積んで自社の強みをPRし、事業のコンサルティングや新商品開発まで手がけることも夢ではありません。

バイヤーを知る第一歩、図で全てがまるわかり!

著者
三宅達三
出版日
2008-12-20

様々な業種のコンサルティング経験のある著者が、バイヤーという仕事の全体像や求められる能力を分かりやすく記した「教科書」のような1冊です。この仕事の内容は、商品の選定や仕入れの交渉、市場のリサーチや販売方法の工夫まで、実に多岐に渡ります。それぞれの場面での大切なポイントが、図を交えて分かりやすく紹介されています。

バイヤーとしての感性は大切ですが、それだけに頼ってはいけません。今このタイミングで、この商品をこの価格で仕入れる必要があると決定するプロセスを、市場の動きを元に客観的に分析する力が必要だと著者は言います。この本を開けばバイヤーの全体像がまるわかり、骨太なバイヤー教本!これから目指す人必見の1冊です。

バイヤーの役割とは?「商品見極め力」を向上させたい人へ

著者
川畑 洋之介
出版日
2014-04-01

商品が選ばれ、店頭で売り出されるまでには、バイヤーやマーチャンダイザー、店長や販売員など多くの人が関わります。本著では、主にアパレル企業でバイヤーとして働く場合の、商品に関わるチーム内での役割や、実践に役立つ知識や、商品を見極めるための戦略、業務のポイントを紹介しています。

実際の場面に即して、どんな立場で、どんな戦略で商品を仕入れるかのプロセスが描かれるため、現場でのイメージが湧きやすく、実践に役立つノウハウが満載です。この仕事は、決して1人では成り立ちません。これからバイヤーになる人や、チームで意識を高めるための社内教育などにも役立つ1冊といえるでしょう。
 

小売業の方、必見!「品揃えの黄金法則」とは

著者
小松崎 雅晴
出版日
2010-05-26

バイヤーは、ただやみくもに好みの商品を仕入れてはいけません。すべての小売業者必見の「品揃えの極意」をこの本で学びましょう!

店舗には、様々な客層やニーズに合わせた幅広い商品が置かれ、それによって日々の売上を構築していきます。バイヤーの好みや感性だけで選定しては、商品の幅が偏ってしまい、様々なニーズに応えることはできません。

本著を読んで、商品構成のルール、全体のバランスや黄金法則、改善の方法を学びましょう。図解も多く用いられ、「品揃えチェックリスト」や「マーチャンダイジング用語集」など、実践に役立つ内容が満載です。1つの店舗を構成する「最適な品揃え」「仕入れの黄金法則」を学び、バイヤーとしての力をパワーアップさせてみませんか。

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