肩こりや腰痛といったつらい症状を、関節や骨格のゆがみを矯正することで癒す整体師。街にはたくさんの整体院や治療院、サロンがあふれ、整体を生業とする人も増えています。 今回の記事では、これからますます活躍が期待される整体師の仕事内容や必要な資格、収入について調べてみました。この職業に関連する本もご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
整体師とは、関節や骨格などのゆがみを徒手(自分の手や足を使うこと)で矯正する「整体」をおこなう人のことを指します。
患者が訴える肩こりや腰痛といったつらい症状に対して問診や検査を行い、骨盤のゆがみや筋肉の過緊張、姿勢不良といった「原因」となる要素を見つけ、取り除くべくアプローチします。 また、施術後も痛みやつらさが緩和された生活を送ることができるよう、日常で気を付けるべき点やセルフエクササイズといったアドバイスをすることも仕事の1つです。
整体師の勤務先としては、以前は整体院が一般的でしたが、近年はたいへん幅広くなっており、リラクゼーションサロンなどで働く方も増えています。収入も勤務先によってさまざまですが、整体院もリラクゼーションサロンも月給としては大きく変わらず、おおよそ15~20万円程度だそうです。
しかしリラクゼーションサロンでは固定給に加えて歩合制をとっている店舗が多く、指名を多くもらうことが出来れば、そのぶん収入アップが見込めます。歩合の相場は1人2000円程度だそうです。
また、整体師のなかには独立・開業する人も少なくありません。その場合、単純に技術が高ければ成功するというわけではなく、経営者としての手腕も必要となるため、収入はさらに個人差が大きくなります。不安定な収入で働いている人から、年収1000万円以上を稼ぐような人もいます。
収入面からみれば、経営者となるほうがよいか、雇用される側がよいかは人ぞれぞれですが、いずれの道もあるということは、知っておくとよいでしょう。
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整体師には類似業が数多く存在しています。昨今ではリラクゼーションサロンで働く人も増え、手技の1つ1つに名称がつき、それを施術する人の呼称も異なるため、さらに複雑さを増しています。この段落では、かねてより混同されやすい職業である整体師と柔道整復師、マッサージ師の違いについてご説明していきましょう。
「柔道整復師」は国家資格の1つです。彼らはおもに整体院や接骨院で働き、捻挫や打撲、脱臼や骨折に対し、手術や投薬ではなく徒手的な施術や物理療法(温熱や電気治療など)をおこなうことによって回復を後押し。これらは代替療法であり、医療類似行為に分類されます。
とはいえ現在、捻挫や骨折といった急性外傷患者は整形外科へ行くことが多いため、柔道整復師の利用者としては肩こりや慢性腰痛の患者が多く、その影響もあってよく整体師と混同されています。
柔道整復師は、近年はリハビリテーションセンターや介護関連事業所などに籍を置く人も少なくありませんが、いずれの場所においても、専門的な「身体」の知識を活かせるのが強みです。
次にマッサージ師ですが、マッサージ師と呼ばれる職業は数多く存在し、近年はアロマセラピストやカイロプラクターといった民間資格も増えています。
しかし本来マッサージ師を指す場合には「あん摩マッサージ指圧師」のことをいい、これは国家資格の1つです。その名のとおりあん摩、マッサージや指圧を使って施術を行いますが、それらは基本的にすべて徒手による手技であり、特別な機械を使用しないことが特徴です。
柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師の施術も広くみれば「整体」ですが、整体師と異なる点として、前述したとおり国家資格であること、彼らの施術には保険診療の適用があることや、「機能訓練指導員」として働く資格を持っていること、徒手療法の補助として使用できる電気機器が多いことなどの違いがあります。
ですので、たとえば柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師が「整体師」を名乗ることはできても、整体師はそれらを名乗ることはできません。整体師が開業するとなった場合にも、彼らとの差別化をはかるため、屋号として使用できる文言に制限があります。
実は整体師になるにあたって、必須となる資格というものはありません。しかし、知識もなく整体をおこなうということはほぼ不可能ですので、多くの人は独自あるいは教育機関にて必要な知識や技術を学んだり、民間資格を取得するなどしています。
整体師に関する民間資格は多数あり、またそれに準じて様々な教育機関があります。カリキュラムや就学期間もその学校ごとに異なり、費用もさまざまです。 養成校や養成講座を選ぶ際には、どんな手技を身につけたいのか、どういった場所で働きたいのかなど、自分なりのビジョンを持っておくことが重要となってきます。
ある程度手技を学んだ後は、実際に整体院やリラクゼーションサロンなどに身をおき、働きながら技術を磨いたり、その場所ならではの手技を得るなど、整体師として職に就いた後も日々研鑽することが大切です。
整体師として働くのに有利な資格としては、やはり国家資格が挙げられ、先ほどのセクションでご紹介した柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師、また、鍼灸師といった資格が有用であるといえます。 国家資格を取得した人が、スキルアップのためにさまざまな整体の知識や技術を学ぶこともめずらしくありません。
医学・医業の知識を根底に持ったうえで、新たな手技を学んだり、ときには生み出すことで、患者の悩みやつらさを総合的かつ幅広く理解・分析し、緩和できることは、やりがいにもつながるでしょう。
- 著者
- 鏡 久美子
- 出版日
- 2018-03-10
日々たくさんの患者の痛みやつらさを癒やしている現役女性整体師15名。彼女らの輝く生き方を取り上げた一冊。なぜ整体師になりたいと思ったのか、夢をかなえるためにどう学び、どう取り組んだのか、そしてやりがいとは……。
高齢化社会やストレス社会において、患者が訴える不調は実にさまざま。その原因を分析し、骨格や関節の矯正といった不調の根本からアプローチし、改善をはかる整体師は、今後ますます必要とされる職業となるはずです。
やる気さえあれば誰でも、いつからでも目指せる職業であるという長所のほか、本著では、力の弱い女性でもできること、年齢を重ねても続けていけることといった、女性整体師ならではの視点でこの仕事の魅力が語られます。手に職を、と考えている人や、整体師になりたいと思う人にきっと役だつ内容です。
- 著者
- 林 一郎
- 出版日
- 2009-11-13
著者は、元プロ競輪選手という異色の経歴をもつ整体師・林一郎。3つの難病に侵されながらも、整体師として、そして経営者として成功をおさめている彼の軌跡と、成功するための心構え、そして実際に成功するための条件が語られています。
彼が大切とするのは、まずは不調者(患者、対象者のことを本著ではこう呼ぶ)にどういった検査をし、どう見立てるのかといった基本の大切さ、不調者の視点に立つこと、治療者としての自分に自信をもつこと、そして、なりたい治療院をイメージし、知られる努力をすること。
ビジネス書として多業種にも共通する成功論、精神論、経験談もありつつ、彼の原点や視点があくまで一整体師であるという点が、本著の柱といえます。 波乱万丈な人生を送る彼が語る、治療者としてのまっすぐな想いと、経営者としての覚悟は、歩むべき道を悩む治療者や、独立ならではの悩みを抱える経営者に勇気を与えてくれます。
- 著者
- 整体師NAGAOKA
- 出版日
- 2017-06-01
整体師として独立・開業するにあたり、重要なことがすべてつめこまれた一冊。
一見、供給過多にもみえるほど、街のあちこちで開業していく整体院や治療院。そのなかにも選ばれる治療院とそうでない治療院がありますが、双方の違いはいったいどこにあるのか……成功するため、選ばれるためのノウハウを、あらゆる視点から解説しています。
魅力ある整体院の作り方や経営のコツにとどまらず、チラシの作り方やホームページの活用といった広報活動に至るまで、著者の経験をもとにアドバイス。独立するにあたって整体師という本業以外にも学ばなければならないことや知っておかなければならないことを、実に丁寧に詳しく教えてくれます。
すでに開業している人にも、これから開業を考えている人にも、今日から役立つ内容が盛りだくさんです。読んだあと、すぐに行動・実践したくなるはず。