この記事では、海上保安官の仕事内容や、年収などについて詳しく説明します。また、この職業を目指す人にぜひ読んでいただきたい本も紹介していきます。 海上保安官は非常に難易度の高い試験であり、高校を卒業する際に、海上保安大学や海上保安大学への進学を目指さなければ、なかなかなるのは難しい職業です。そのため、海上保安官になるためには何が必要か早いうちに知っておきましょう。
海上保安官は、海洋の平和を守る仕事です。具体的な仕事内容としては、海難時現場へ急行し、救助が必要な船舶や漂流者等を捜索する「捜索救助」、海上における犯罪やテロ行為等を未然に防止し、海洋権益の保全、その他海上における不審事象の確認を目的とした巡視船艇・航空機による「パトロール活動」、船舶への「立入検査の実施」、大規模な地震や津波、火山の噴火等の自然災害が発生した場合の「災害対応」、航海の安全等の目的とした「海洋調査」などがあります。
海上保安官のほぼ半数、約6、000人が巡視船艇・航空機等に乗り、現場で働いています。海上保安官にとって、船は生活の場でもあるのです。
この仕事は、警察官と同様に階級があり、海上保安大学校卒業者は「三等海上保安正」という階級からスタートします。その階級で、主任航海士、主任機関士、主任通信士といった職名で各自が割り当てられた業務に就くことになります。
一方、海上保安学校卒業者は「三等海上保安士」という階級からスタート。その階級で、航海士補、機関士補、主計士補などという職名で各自が割り当てられた業務に就くことになります。
その後、3等、2等、海上保安長官・次長・警備救難監などと階級が上がっていきます。
海上保安官は国家公務員のなかでも公安職にあたる仕事です。そのため、事務職員として働く国家公務員と比較して高い給与が払われます。平均年収は約40歳で600万円程度です。初任給はおよそ20万円程度と民間企業と差はほとんどありません。
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海上保安官になるためには、一般に海上保安大学校または海上保安学校に入学する必要があります。海上保安大学校の入学試験を受験するためには、一般に高校卒業の資格が必要です。
海上保安大学校は、幹部職員候補を養成するための学校で、海上保安学校は、一般職員を養成するための学校という違いがありますが、どちらもそれぞれ必要な知識および技能の修得と心身の錬成が目指されます。
海上保安官になるためには、筆記のテストだけではなく、身体検査にも合格する必要があります。2017年度の海上保安大学校学生採用試験の倍率は7.2倍。海上保安学校学生採用試験も、過程によるものの、倍率は3倍以上のため、非常に難易度が高いと言えます。
海上保安庁の定員は約13、000人でそのうち女性職員は約700人です。海上保安大学校や海上保安学校に入学した後で、教育・訓練・卒業後の進路、キャリアアップについて男女の差異は基本的にありません。実際、全国各地で女性の海上保安官が活躍しています。
海上保安庁は国家機関であるため、国家公務員と同じく、育児や介護休暇が利用可能。乗船できる巡視船艇や陸上配置も増え、男性と同等に実力や成果を競い合える環境が整いつつあります。民間企業では得られない経験ができることや、多種多様な業務に挑戦できるキャリアパスが設計されていることが魅力といえるでしょう。
制度を上手に利用し、現在では、育児と仕事を両立している女性職員も数多くいます。女性でも安心して働くことが職場といえるでしょう。
本書では、海上保安官になるためには何が必要であるかが解説されています。海上保安庁も協力した本となっているので、書かれている内容も信頼性が高いのが特徴です。
「〜になるには」というテーマで数多く出版されているシリーズの一つなので、説明も非常にわかりやすく、中学生などこれからこの職業に就きたいと考えている方にオススメの本です。
- 著者
- 小森 陽一
- 出版日
海上保安官は、海に囲まれた日本の海上交通の安全を確保するだけではなく、現在では、きれいな海を守る、という環境保全の問題にも取り組んでいます。本書は、こうした意外と知らない海上保安官の仕事について踏み込んで説明されています。
この本の筆者は、海上保安官を主人公にした人気漫画『海猿』の原作者。実際に働く人々へのインタビューを通し、海上保安庁という組織がどのような組織なのか、その業務の解説まで丁寧になされています。
海上保安官になりたいと考えている方、興味がある方、海上保安庁について知りたい方など、まずはこの仕事の概要について知りたいという方は、ぜひ読んでおきたい一冊です。
海上保安官のなかでも、主に潜水士として働く職員の仕事に迫った一冊です。潜水士の他にも、機動救難士・特殊救難隊などについて非常に詳しく解説されています。
人気の漫画が原作となって映画化された『海猿』に主演として出演した伊藤英明さんのインタビューが掲載されているなど、映画の制作秘話なども豊富に掲載されているのでファンブックとしての側面もある一冊です。
実際に働く方々に対するインタビューが数多く掲載されているので、海上保安官として働く人の生の声が聞きたいという方にオススメの一冊です。
- 著者
- 「海上保安庁の仕事」編集委員会 編
- 出版日
- 2010-09-07
海上保安官には様々な職務があります。潜水士・機動救難士・特殊救難士のように災害現場に駆けつけて人命救助にあたるだけが職務ではありません。しかし、誰もが人間の命と向き合わなければなりません。この本は、そんな責任の重い側面を実際の生のインタビューを通して明らかとしています。
本の後半では、海上保安官になるための情報が掲載されており、学校生活やサークル活動などについても非常に詳しく知ることができます。
実際の仕事について概要をおさえた上で、この仕事に就くためにはどうすればよいのかがわかる一冊です。
2011年3月11日に日本を襲った未曾有の災害である東日本大震災と巨大津波の発生に対して、救助・捜索など様々な活動を行った海上保安官たちの証言で構成された本書。
職務遂行に尽力した彼らの証言に加えて、生々しい現場写真も加えられた迫真のルポルタージュであることが特徴です。様々な任務を与えられたそれぞれの保安官たちがそのとき何をしていたのかについて、詳しく説明されています。
- 著者
- 出版日
- 2012-03-09
海上保安官として働くということは、楽しいことばかりではありません。東日本大震災を経験した職員たちが自分たちの生の声と写真で証言している本書は、この仕事と向き合うきっかけをくれる一冊です。
悲劇の現場と化した三陸の海で、震災時に海上保安官が見た景色はどのようなものだったのか、また、そこから得た教訓についても書かれた、記録としても後世に残したい一冊です。
海の平和を守る海上保安官。災害時の救命活動や捜索活動、平時のパトロールなど仕事内容は様々です。まずは上で紹介した3冊の本を読んで、どんな仕事をするのか、どうすれば海上保安官になることができるのかについて知ってみてくださいね。