第3部以降、その人気振りと活躍から『ジョジョの奇妙な冒険』の顔と言っても過言ではない空条承太郎。今回は承太郎の身長から知られざる魅力についてまで迫ってみましょう。 本作はスマホアプリでも読むことができるので、そちらもどうぞ。
空条承太郎は『ジョジョの奇妙な冒険』第3部「スターダストクルセイダース」の主人公です。第3部は初代ジョジョことジョナサンの一族であるジョースター家と、宿敵ディオ・ブランドー(DIO)との長きに渉る因縁、約100年の時を経てその直接対決が行われる物語です。
また第4部「ダイヤモンドは砕けない」には主要人物としてや、第6部「ストーンオーシャン」にも重要ポジションとして登場しました。さらには第5部「黄金の風」にも導入部に客演しています。承太郎はそれほどシリーズで占めるウェイトの大きいキャラなのです。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
性格は冷静沈着、荒事が得意にも関わらず非常に理知的。一人称は「俺」(後に「私」)、口癖・決め台詞は「やれやれだぜ」です。第3部では酒もタバコも嗜む不良高校生として描かれ、読者を驚かせました。タバコの銘柄は不明ですが、承太郎には星に由来する要素が多いのでセブンスターかも知れません。
長く登場してるキャラクターだけに意外ですが、好物も不明。好角家だったり、日本風を好んでいることから和食好きの可能性があります。
生まれ年は1971年。誕生日は明言されていませんが、水瓶座なので1月21日~2月19日の間のいずれかの日です。年齢は第3部時点で17歳、以降第4部で28歳、第5部30歳、第6部が41歳です。
身長195cmと日本人としてはかなり大柄。血液型はB型。これらは母方の祖父ジョセフ・ジョースターと同じなので、ジョースターの血が強く出たのでしょう。
そして忘れてはならないのが、ジョースターとDIOの因縁が原因で発現した能力、星の白金(スタープラチナ)。近距離パワー型において最強を誇る精密精緻なスタンドです。
服装は学帽と改造して鎖のついた学ラン、あるいは帽子と裾の長いコートを好んでいます。特に髪型と一体化したような帽子は彼のトレードマークにもなっています。あくまで漫画的な表現ですが、現実的に考えると帽子の境目部分がメッシュ生地になっているのかも?
第3部、第4部のテレビアニメ版では小野大輔が声優を担当しました。また、2018年に公開された第4部の実写映画版では俳優の伊勢谷友介が演じています。
空条承太郎が好きなあなたには、以下の記事もオススメ!
『ジョジョの奇妙な冒険』3部スターダストクルセイダースの魅力をネタバレ!
大人気作品『ジョジョの奇妙な冒険』より、第3部スターダストクルセイダースの魅力をネタバレとともに紹介していきます! 本作は、下のボタンのアプリから読むことができます。
【保存版】「ジョジョ」のディオ・ブランドー(DIO)がかっこいい理由
ディオ・ブランドー(DIO)は日本漫画史に残る悪役にして、『ジョジョの奇妙な冒険』の裏主人公とも言うべき重要な存在です。そんなDIOについて詳しく見ていきましょう。
ジャン=ピエール・ポルナレフに関する10の事実!スタンドや名言など!
ポルナレフは『ジョジョの奇妙な冒険』3部および5部に登場する主要人物です。有名な台詞からネタキャラと思われがちな彼について、かっこよさを含めてご紹介しましょう。もちろんトイレを舐めそうになるエピソードがあるなど、ネタには事欠かない人物であるところもご紹介しますよ! 本作は、下のボタンのアプリから読むことができます!
『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの主人公は例外なく「ジョジョ」の略称を持つ(またはそう呼べる)ジョースター家の人間です。作中時間で100年以上経過した結果、人間関係がやや複雑になっています。
そんな人間関係を整理する意味で、簡単にご紹介しましょう。
まずご先祖のジョナサン・ジョースターとエリナの間に生まれたのが、ジョージ・ジョースターII世です。そのジョージII世とエリザベスという女性の息子がジョセフで、承太郎の祖父に当たります。ジョセフの娘ホリィが日本人の空条貞夫と結ばれ、生まれたのが承太郎。その承太郎の娘が第6部主人公の徐倫(ジョリーン)です。
ここまではいいのですが、ややこしいのが第4部主人公・仗助(じょうすけ)。仗助はジョセフの腹違いの息子なので、奇妙なことに年上の承太郎が甥になります。
もっと面倒なのが第5部主人公ジョルノとの関係です。ジョルノはDIOの息子ですが、その時のDIOはジョナサンの肉体を乗っ取ったものだったので、承太郎から見ると曾祖父の兄弟に当たる曽祖叔父となります。非常に奇妙な話ですが……。
タグ・ホイヤーと言えば、スイスの高級時計メーカーです。日本でも販売されており、安くても下は10万円台後半からという高級品。一言で言うなら、社会人がステイタスとして身に付けるような代物です。
実は第3部の承太郎が愛用する腕時計が、このタグ・ホイヤーのものでした。承太郎は制服を2万円で仕立てるなど高級志向が窺えますが、さすがに高校生には分不相応な高級品です。
彼は父親がミュージシャン、祖父が不動産王なので、入学祝い等でプレゼントされたというのが妥当なところでしょうか。序盤の悪行からすると盗品の線もなくはありませんが……。
母、空条ホリィの回想によれば、かつての承太郎は素直なよい子でした。それがなぜ第3部のような飲酒喫煙上等の不良に変貌してしまったのか不思議です。
ただ、回想がホリィの主観視点ということを考慮すると、いろいろ解決します。承太郎は元来、筋が通らないことを嫌う真面目な性格で(ここまでがホリィの見えていた部分)、それを教師や上級生から疎ましがられたせいで孤立し、結果として捻くれていったと考えられます。
あるいはジョセフによると、彼のスタンドは1年前に発現したとのこと。もし承太郎も早い時点でスタンドの片鱗が出ていたとすると、周囲に被害が及ばないよう、人を遠ざけるためにわざと悪ぶってああなった可能性もあります。
いずれにしても作中の描写とは若干ズレが生じますが。
第3部の冒頭で、承太郎はスタンドを悪霊と思い込み、それを封じるため自ら牢屋に留まるということをしていました。その際、単に趣味嗜好か、素行の悪さで際立たせるためか、警官の眼前で飲酒して見せるのです。
その飲み方が独特で、俗に「ショットガンビール」と呼ばれる方法だったのです。缶ビール下部に穴を開けてからプルタブを開け、穴から一気に飲むというもの。
炭酸飲料ならなんでも可能ですが、真似する時はくれぐれもご注意ください。
6部の主人公空条徐倫は、承太郎の実の娘です。ですが結婚相手、つまり承太郎の嫁は名前も姿も本編では一切明かされていません。
承太郎は気難しい男なので、自ずと交流のある人間関係も限定されます。おそらくは表の顔である海洋学者、海洋生物研究関係の仕事で知り合った女性なのではないでしょうか。
また、承太郎は仕事人間で家庭を顧みなかったとされています。これは後述しますが、徐倫への愛が深いことなどから考えて、あえて遠ざけていたのでしょう。
というのも4部以後、承太郎はSPW財団と協力して、DIO由来の「弓と矢」の調査をしていました。しかし、4部で仗助の家族が殺害されるなど、身内に危機が迫るのを目の当たりにしているので、家族と距離を置いていたのだと考えられます。
承太郎は身内の気安さか(もしくは性格に幻滅)、祖父ジョセフへの対応が段々と雑になっていきます。
その呼び方も当初は「おじいちゃん」だったのが、すぐ「じいさん」となり、しまいには「じじい」になりました。不良気取りが「おじいちゃん」と呼んでいるも少し変でしたが、この変遷はちょっと酷ですね。
なお、不良気取りという設定のためか、はしゃぐ母親や女子学生などの女性に対しても凄む様子も見られます。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
承太郎と言えば仏頂面のイメージが強いのですが、作中では何度か笑顔を見せているのです。
なかでもとびっきりの笑顔といえるのが、17巻に収録されている運命の車輪(ホイール・オブ・フォーチュン)との戦いでのこと。ホイール・オブ・フォーチュンの本体は正体不明のスタンド使いでしたが、決着後に明かされたその情けない姿に一堂大爆笑するのです。
承太郎すらも例外ではなく、滅多に見られないニコニコ顔を拝むことが出来ます。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1992-08-01
笑顔とくれば涙。承太郎が涙するシーンは、笑顔よりも希少です。劇中ではなんとたった1度しかありません。
それは3部のラスト、大団円に終わった物語を締める、承太郎とジョセフ、ポルナレフの3人が別れる場面でした。正確には落涙はしていませんが、目に涙を溜めていることがわかります。
さすがの承太郎でも、絆を深めた仲間との別れは名残惜しいのです。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
元妻の考察で少し触れましたが、詳しい経歴は不明なものの、成人後の承太郎は海洋学者になっています。不良から研究者への転身はギャップが感じられますが、高校生の段階で頭の回転が速く、常識の捕らわれない発想などから知識人の素養は充分ありました。
4部では舞台となる杜王町に長期滞在し、その期間を利用して近隣海岸の調査をしていたようです。その時に調査した、ヒトデに関する論文で博士号を取ったことが語られています。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
3部における最終決戦の承太郎vsDIOは、言い換えればジョースター家とDIO因縁の一戦です。
承太郎のスタープラチナ、DIOのザ・ワールド、互いに実力伯仲のスタンド。勝負を左右するのはザ・ワールドの時間停止という規格外の能力でした。同タイプのスタンドだったスタープラチナも、止まった時を動く力に開眼していきます。
しかし、そこには埋められない隔たりがありました。ザ・ワールドが時間を5秒止められるのに対して、スタープラチナが動けるのはわずか一瞬。そのギリギリのせめぎ合いが熱い攻防となった名バトルです。承太郎・スタープラチナの必殺技とも言える「オラオララッシュ」が繰りだされる場面には胸が熱くなりましたね。
最終的にDIOはジョセフを吸血しパワーアップ、承太郎も完全覚醒して停止時間は長くなります。最大9秒時間を止めたDIOに対し、やり返す形で承太郎は勝利しました。その独白によれば、承太郎の止められた時間は2秒。最後の時間停止合戦は、合計11秒の間に行われたのです。DIOとの戦いの中で承太郎はまたひとつ成長し、更なる強さを手に入れたのでした。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
6部はラスボスと主人公一行との最終対決で、まさかのラスボス勝利というとんでもない展開が描かれました。しかもその主人公一行の1人は、作中登場人物はおろか、ファンからの信頼も篤い無敵のはずの承太郎だったのです。
承太郎は戦いの最中、ラスボスの時間加速に冷静に対処します。最後にはラスボスに手をかける寸前まで行ったものの、そのためには徐倫を見捨てる必要がありました。
時間加速による未曾有の人災を防ぐか、娘1人の命を取るか……。
承太郎は咆哮して徐倫を助け、落命します。承太郎にとって徐倫は、人類全体、宇宙そのものと天秤にかけても余りある最も大事な存在なのです。
6部では最後に、ラスボスによる時間加速で宇宙が終焉と再誕を迎え、世界は一巡しました。人も物も再び生まれ、生き返ることになります。
しかし、一巡前に生きていた人間は同じように存在しますが、死んでいた者はよく似た別な存在へと変わってしまうのです。作中では徐倫に似た女囚と、彼女に接見する承太郎に似た父親が出てきます。彼らは徐倫でも承太郎でもありません。
ラスボス消滅後、単なる一巡後の世界ではなく、パラレルワールドと化した世界に、徐倫と同一の存在と見られるアイリンなる女性が出てきました。存在そのものは消滅しても、同じ魂を持った者はいるのです。
本編には登場していませんし、アイリンの父親ですらないかも知れませんが、承太郎も世界のどこかにいるはずです。本質的には何も変わっていないはずなので、別人の承太郎もやはりなんらかの研究をしている学者でしょう。
承太郎は第3部、4部、6部と複数のシリーズに跨がって、主役あるいは主役級の活躍をしたキャラクターです。当然、印象的な台詞も段違いに多いのですが、特に厳選してベスト5の名言をご紹介しましょう。
第5位:
「『悪』とはてめー自身のためだけに弱者を利用しふみつけるやつのことだ!!
(中略)
おめーの『スタンド』は被害者自身にも法律にも見えねえし、わからねえ…」
「だから」
「おれが裁く!」(『ジョジョの奇妙な冒険』13巻より引用)
第3部の最序盤における、承太郎と純粋な敵スタンド使いの初対決。洗脳されていたとはいえ、身勝手に振る舞う花京院典明に対して、承太郎は宣言通りに鉄拳制裁を加えました。英国貴族ジョースター家の血を引くだけに、ノブレス・オブリージュの精神から来る義憤を感じさせます。
第4位:
「おまえの事は……」
「いつだって大切に思っていた」(『ジョジョの奇妙な冒険 Part6』3巻より引用)
第6部の序盤の強敵、ジョンガリ・Aから逃れつつ、刑務所脱出を計るシーン。徐倫をかばって凶弾に倒れた承太郎の、偽らざる本心です。寡黙にしてポーカーフェイスな承太郎の人間らしい一面が見られました。
第3位:
「観察しろというのは……見るんじゃあなくて観ることだ…
聞くんじゃあなくて聴くことだ。」(『ジョジョの奇妙な冒険』38巻より引用)
第4部のラスボス、吉良吉影に限りなく接近した緊迫の場面の台詞です。予想外に追い詰めたものの、実は追い詰められていることに承太郎だけが気付いていました。完成された承太郎、成長する広瀬康一の2人の姿が一度に楽しめるファン必見の一幕です。
第2位:
「無理だとか無駄だとかいった言葉は聞きあきたし、おれたちには関係ねえ」 (『ジョジョの奇妙な冒険』28巻より引用)
第3部終盤にて、無茶な方法で瀕死の祖父ジョセフを蘇生させようとする承太郎の言葉です。旅の仲間への思いやり、困難を成し遂げた経験と自信、不屈の精神がたった一言から読み取ることが出来ます。
第1位:
「てめーの敗因は…たったひとつだぜ……DIO…
たったひとつの単純(シンプル)な答えだ………」
「『てめーはおれを怒らせた』」(『ジョジョの奇妙な冒険』28巻より引用)
第3部の締めくくりに相応しい、承太郎の代名詞ともいえる名言。この場合は啖呵の方が適切かも知れません。長い旅の終着点、全ての決着を一言に集約してみせた承太郎の感性が見事です。
いかがでしたか? 承太郎はただ強くて賢いだけの男ではありません。常人離れした超人のようでいて、非常に人間味のある男なのです。ぜひ『ジョジョの奇妙な冒険』を読み承太郎の魅力をご自身でも見つけてみてはいかがでしょうか。