【第18回】つぶやきシローのつぶやき読書/20年間タバコを吸っていました

【第18回】つぶやきシローのつぶやき読書/20年間タバコを吸っていました

更新:2021.11.29

小説家としてもデビューをしているつぶやきシロー。しかしどうやら、読書に対してはかなりの抵抗があるらしい。彼に「おもしろい本と出会って読書の楽しさを知ってほしい」と考えたホンシェルジュ編集部は、半強制的に何冊かの本を渡しました。さて、つぶやきシローは何を思うのか。包み隠さず感想をつぶやいてもらう連載です。 第18回は、数年前とは状況がガラリと変わってしまったタバコに関する本を読んでもらいました。ヘビースモーカーだったつぶやきシローの身に起こったこととは?

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ココアシガレットをくわえて大人のマネしたね

20年間タバコを吸っていました。
キッカケは何てことない、友達のキャスターマイルドを一本もらって吸ってみたのが二十歳の時だったかな。インドネシアの男の子みたいに2歳から吸ってますみたいなヤバい話とかないんだよね。唯一、僕が高校生の時、母親が僕にタバコ吸うか?と勧めてきた。誰かから一箱もらったらしく、両親ともに吸わないけどせっかくもらったし、もったいないからって。高校生にタバコ勧める?興味ないから吸わなかったけどね。

一日平均一箱くらい吸っていたかな。ネタとか考えてると倍になるね。吸いかけのタバコが灰皿にあるのに新しいタバコに火をつけたりとかね。キャスターマイルドから始まって、セブンスター、マイルドセブン、マイルドセブンライト、最後はマイルドセブンスーパーライトとだんだん軽くなっていったね。たまにマルボロでカッコつけながら。

あのさ、同じ銘柄のタバコでも、箱がしっかりしたやつと、くしゃっとした柔らかい紙でできたやつの二種類があったりしてね。本で言うとこのハードカバーとソフトカバーみたいな。それで、紙のソフトの方を買って、箱の方に詰め替えていた人いたんだよね。20円の差なんだけど、見栄張りたかったのかな。Tシャツの袖にタバコ巻きつけたりして、それがカッコいいとされてた時代もあったね。

僕が吸い始めた頃は、一箱220円が多い時代だったね。子供の頃なんか、オレンジ色のエコーってタバコが70円だったからね。ハイライトで120円かな。それから比べたら高いけど、僕がやめた時は一箱300円が多かったね。

とある番組の企画でタバコをやめたんだけどね。ちょうど40歳の時かな。人生初の人間ドッグ。すべて良好。番組収録の合間の休憩でもタバコを吸っていた。そして最後に、僕の肺結核を発表というサプライズがあり、みんなが引いて番組は終了。仕事中なのに、ああいう時って、うまく笑えないね。自分に何が起こったのかわからなくなるって言うけど、ホントだね。どこも悪いとこないのに、肺結核。ただ遺伝子レベルだと言われ、即入院して隔離ではなかった。人にうつらないレベル。収録後からタバコやめたね。その日もう一つ、お笑いライブで新ネタやらなくちゃなんなくて、そこがイライラのピーク。一番タバコ吸いたい場面だからね。

あれからもう8年経とうとしているよ。肺結核は無事薬を半年飲み続け、完治。一本も吸っていないし吸いたいとも思わない。いろんな禁煙方法あるけど、結局脳だね。習慣だから、脳で吸っているんだよね。最後の一本とか言ってるとなかなかやめられないんだよね。だから何かショックを与えてあげればいい。僕の場合は、肺結核。本気で死んじゃうよって言われたらやめるでしょ。吸いたくなくなる。

タバコをやめたあと、もし吸ってたら、いくらかかってるかなって計算するよね。タバコは今400円くらいだから、一日一箱として、一ヶ月12000円。一年で144000円。で8年吸ってないから、1152000円。115万って。つもり貯金しとけばよかった。どこ行った、115万!

タイトル「もうすぐ絶滅するという煙草について」

もうすぐ絶滅するという煙草について

2018年02月01日
芥川龍之介,開高健,中島らも,内田樹,松浦寿輝,古井由吉ほか36人
キノブックス

42人の作家さんがタバコについて書いたものをまとめた本。作家とタバコってセットのような気がする。不健康なイメージだけど、ちょっと憧れるよね。タバコ吸わない人でも面白く読めるね。何なら、少し吸いたくなるかも。

僕もタバコを吸っている頃は、タバコに頼っていたな~。タバコって、間を埋めてくれるんだよね。行動の節目に必ずタバコがある、というかタバコを出すのは自分なんだけどね。でも仕事の休憩中、喫煙所での人間関係ね。そこで本音が聞けたりするからね。僕は今は吸ってないから、遠巻きに喫煙所を見ながら、自分の悪口言われてるのかなって、その心配のストレスの方がタバコよりも体に悪い気がするね。

ドラマとかで俳優さんがタバコを吸うシーンが流れると、一緒に吸いたくなったりしてたね。やっぱりテレビCMって効果あるんだなと思った。

子供の頃、西部警察見てて、事件が解決してラスト、石原裕次郎さんがタバコに火をつけて一口吸ったタバコを渡哲也さんにあげ、渡さんがそれを吸うというシーンをよく見たが、男同士が間接キッスしてるって、家族で見てて何故か恥ずかしくてテレビから目を逸らしたことを覚えている。家族でテレビ見ていて恥ずかしいのって、普通はベッドシーンとかなんだけどね。今は、タバコのシーンもベッドシーンも昔よりかなり減った感じがするね。

あと、朝出かける時、時計を持って、パソコン持って、ハンカチ持って、スマホ持ってってやってる中に、タバコとライター持ってがなくなるだけで結構身軽だけどね。

タバコは二十歳からって言っているけど、50歳までって法律でもいいよね。間の30年間しか吸っちゃダメ。50歳になったら、みんなやめなくちゃならない。確か、肺が元のきれいな状態になるには、タバコを吸った年数分かかるって言うよね。僕は20年間吸ったから、肺が完全にきれいになるまであと12年かかる計算になる。

タバコをやめた途端、偉そうに禁煙をすすめてくる人いるよね。僕は人に禁煙をすすめることは今後もないし、自分がタバコを吸うことも二度とない。全然吸いたいと思わないもん。ん? でもどうだろう? 余命一ヶ月って言われたら最後の一ヶ月は…、煙に巻いておこう。

因みに、普通の人間ドッグでは肺結核は見つからず、肺ドッグという肺専門で診てもらって発見できたんだよね。運よく早期発見。脳ドッグとかもあるので、心配な人は専門分野で診てもらった方がいいと思います。


連載第1回を読みたい方はコチラ。

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  • つぶやき読書

    お笑い芸人のつぶやきシローさん。小説家としてもデビューをしています。しかし、「本を1冊読むのに数ヶ月かかることもある」など、読書に対してかなりの抵抗があるらしい。「おもしろい本と出会って読書の楽しさを知ってほしい」と考えたホンシェルジュ編集部は、半強制的に何冊かの本を渡しました。さて、つぶやきシローは何を思うのか。包み隠さず感想をつぶやいてもらう連載です。隔週金曜日更新!

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