『ひとり暮らしのOLを描きました』オチなし闇あり日常漫画が面白い【無料】

更新:2020.12.24

楽しいことがなくて、日々を鬱々と過ごす日々……あなたは、彼女を笑えますか?月曜なんて、一生来なければいいのに!という方には、必読の作品です。 本作は漫画家・イラストレーターの黒川依の作品。2015年ごろからSNS上で発表され始め「不憫かわいい」と話題になりました。原則として台詞はなく、数コマで構成される独身OLの日常あるある漫画は、OLだけでなく多くのサラリーマン、そして社会人から圧倒的な共感を得たのです。そんな本作の魅力を、今回はたっぷりとお届け。 スマホアプリからは無料で読めるので、そちらもどうぞ。

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『ひとり暮らしのOLを描きました』あらすじ、作者・黒川依を紹介!

『ひとり暮らしのOLを描きました』あらすじ、作者・黒川依を紹介!
出典:『ひとり暮らしのOLを描きました』1巻

 

月曜に会社に行きたくなくて号泣、占いで12位で号泣、挙げ句の果てには部屋に舞う埃を見てホロリ……。とんでもないネガティブ加減に驚くと同時に、思わず共感してしまう方も多いのではないでしょうか。

そんな「不憫かわいい」OLの鬱々とした日常を描いているのが、本作『ひとり暮らしのOLを描きました』なのです。文章はほとんどなく、かわいらしい絵柄でOLさんの日々を淡々と描いています。

作者は、漫画家・イラストレーターとして活躍する黒川依(くろかわ より)。性別や年齢などがわからず、謎の多い作家です。作品で会社や社会、人間関係に疲れた登場人物を描き、現代に疲れた多くの人々からの共感を集めています。


黒川依による、OLが失踪を企むというコメディ作品『失踪宣言』について紹介した<『失踪宣言』をネタバレ紹介!「普通」に疎外感を感じる人に【無料】>もおすすめです。

『ひとり暮らしのOLを描きました』1巻の不憫エピソード:お天気なのに会社……

 

主人公は、社会人女性。いわゆるOLです。OLさん(本編で名前が出てこないので仮称)の年齢はおそらく20代でしょう。風呂キッチン付きのワンルームに住む、ごくごく一般的な独身生活を送っています。

しかし、仕事も私生活も、あまり充実しているようには見えません。現代日本ではどこでも見かける、よくある話です。

そんな彼女の日常風景を覗いてみましょう……。

 

著者
黒川依
出版日
2015-11-20

 

たとえば、ある朝のこと。6時に起床したOLさんは、ぴっちりビジネススーツに身を包み、手のかからない簡単なもので朝食を済ませました。

そこで彼女は、はたと気付くのです。窓から差し込む日差しは暖かく、絶好の行楽日和。動植物が生命を謳歌する清々しい1日の始まりなのに、なぜか自分は出社に備えてじめじめと準備するだけ。思わずめそめそ泣いてしまうのでした。

「自分何やってるんだろう……」感が物凄い第1話。理想と現実のギャップというか、デフォルメされてるのに思わず我が身を振り返って泣きたくなるリアリティがあります。

 

『ひとり暮らしのOLを描きました』2巻の不憫エピソード:友達を洗う姿が……

 

OLさんは1人暮らしですが、実は1人暮らしではありません。彼女の大切な友達(?)のカエル人形がいつもそばにいるのです。

この漫画のマスコットキャラクターといってもいいでしょう。

 

著者
黒川依
出版日
2016-05-20

 

このカエル人形にはモデルがおり、「かえるのピクルス」という実在する商品です。毎巻の巻末にはピクルスの販売会社への謝辞が掲げられており、第2の主人公的キャラクターでもあります。

カレンダーの暦は10月(ここから時間の流れを読み取るのも、本作の楽しみの1つです)。いつものスーツは壁にかけっぱなしで、部屋着のOLさんは同居人のぬいぐるみ達を手に取りました。今日は天気がいいので、彼らをさっぱり洗って上げようと思ったのです。

バスタブにお湯を張って、ちょっとしたぬいぐるみのお風呂気分。ルンルンでカエル人形の水気を絞ろうとした時、彼女は鏡に映ったビジュアルに驚愕するのです。そして、一気に気分がしぼみます……やっぱり残念……。

 

『ひとり暮らしのOLを描きました』3巻の不憫エピソード:長年の愛機が……

 

今でこそ携帯電話・スマートフォンで済ましがちですが、ポータブル音楽プレイヤーを使う人は今でも少なくありません。OLさんも、そんなユーザーの1人でした。

使ったことがある方は実体験でわかると思いますが、こういう音楽プレイヤーはけっこう頑丈で、よっぽど酷い使い方をしない限りは長持ちするもの。OLさんもそんなタイプだったのでしょう。

 

著者
黒川依
出版日
2016-09-20

 

彼女の愛機は、液晶画面付きの手のひらサイズモデル。小さいものが持てはやされる昨今の風潮からすると、学生時代から愛用していただろうことか窺えます。通学通勤のお供に慣れ親しんでいたそれを、OLさんはうっかり壊してしまいました。

悔やんでも仕方ないと思い直した彼女は、パソコンを使ってメーカーを調べました。まだ使えるのなら、直そうと。ところが無情にも修理打ち切りのお知らせ……哀しい……。

修理したいものに限って期限切れということ、ありますよね。

 

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『ひとり暮らしのOLを描きました』4巻の不憫エピソード:やりすぎて……

 

ここで1人暮らしあるあるのエピソードを、1つご紹介しましょう。

狭いワンルームとはいえ、1人暮らしにとっては、いうなれば城。外や会社でいくら肩身の狭い思いをしたとしても、家に帰ってしまえば邪魔する者はいません。何もかもが自由です。まさしく1国1城の主といえるでしょう。

 

著者
黒川依
出版日
2017-02-20

 

そんなテンションが極まると、誰の迷惑にもならないんだからいいじゃないか、とうっかり変なものを買ってしまうもの。OLさんは何を思ったのか、ミラーボールを買ってしまいました。カラオケ屋などにあるあれです。

気分は即席ダンスホール。普段大人しいOLさんも、これにはノリノリ。カエル人形と一緒になって踊り……。

思わずはしゃぎ過ぎてしまう感じに共感しつつ、珍しくほっこりするエピソードでした。

 

『ひとり暮らしのOLを描きました』5巻の不憫エピソード:美味しいからいいや

 

本作には、しんみりしてほっこりするお話もあります。

ある日のOLさん。日もとっぷり暮れて、夕飯の準備に取りかかっていました。何が悲しいのか、彼女は泣いていてます。あるいは悲しくなくても、なぜか泣けてしまったのかもしれません。

それはひょっとすると、堂々巡りのネガティブ思考のせいかもしれませんね。

 

著者
黒川依
出版日
2017-06-20

 

とてもそんな気分じゃなくても、人は生きている限り食事が必要です。今日の献立はナスの揚げ浸し。泣きながらナスを切って、下ごしらえして……油でカラッと揚げてお出汁に浸すころには、OLさんの気持ちも切り替わっていました。

しっかり味の染みた揚げ浸しの出来映えにご満悦。何を悩んでいたかすっかり忘れて、楽しい夕食が始まったのです。

人間、くよくよ考えても解決しないことはままあります。しかし、そういったことも気の持ちようで案外なんとかなるもの。気落ちした時には美味しいものが1番!そんなOLさんの気持ちが伝わってきます。

 

『ひとり暮らしのOLを描きました』6巻の不憫エピソード:咳をしてもひとり……

 

OLさんの不憫な生活は、5巻で終了……ではありませんでした。紙の本では発売されていませんが、電子書籍限定の6巻が出ています。

こちらには、漫画アプリにはなかった描き下ろしも収録されているので必見です。

 

これまでOLさんの日常を時にほのぼの、時にしんみり描いてきた本作ですが、明確な窮地が彼女を襲いました。

それは抗いようのない病魔です。猛烈な腹痛が夜中に起こったのです。男女問わずに1人暮らしあるあるですが、誰の助けも期待出来ない暮らしで、病気ほど怖いものはありません。

激烈な痛みに耐えるOLさんは、布団にくるまってただただ嵐が過ぎ去るように腹痛が引くのを待つしかありませんでした。

寒さのせいか、痛みのせいか、死の覚悟まで決めた彼女は、スマートフォンにダイイングメッセージめいた文字を残します。

それはただ一言、「なまがき」。美味しいからつい食べたくなるものの、1人暮らしでは自重しなければ……と思わせるエピソードでした。

「不憫かわいい」OLさんの日常も、本巻が最終巻。その結末はどのようなものなのか、ぜひご自身の目でお確かめください。

 

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いかがでしたか?独身社会人にはいろいろ突き刺さる内容だったかと思います。主人公は基本的に不憫ですが、時には楽しいこともあります。『ひとり暮らしのOLを描きました』を読んでいると、そういったちょっとしたことに勇気付けられて、日々頑張ろうと前向きな気持ちになるのです。

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