2009年から2017年に漫画雑誌「コミックビーム」で連載されていた本作は、不良女子中学生がチェーンソーを武器にゾンビと戦う、スプラッタ・ホラー・アクションバトル漫画です。血まみれバトルと、全裸も当たり前なエロから目が離せない内容で、2016年には実写映画化もされました。さらに2019年には2回目の映画化も決定!これからますます、目が離せません。 今回は、そんな『血まみれスケバン・チェーンソー』全13巻の見所をご紹介します。ぜひ、その魅力を感じてみてください!
主人公・鋸村ギーコは、中学生の不良少女。解体業を生業とする家の娘である彼女がチェーンソーでなぎ倒すのは、ゾンビとなってしまった、かつてのクラスメイト達でした。
彼女のクラスメイトである蒼井ネロは、異常な性格と、狂気じみた生化学技術を持った少女。ネロは、ある「自由研究」をきっかけにクラスメイトからいじめを受けるようになるのですが、そのことを恨み、復讐するべく、彼らを次々にゾンビに改造してしまうのです。
クラスメイトが次々にゾンビにされてしまうなか最後の1人となったギーコは、チェーンソーを武器に立ち上がります。そしてネロに落とし前をつけさせるため、ゾンビとなった彼らと戦うことになったのでした。
- 著者
- 三家本 礼
- 出版日
- 2010-03-25
本作は2009年から2017年にかけて「コミックビーム」で連載され、2016年には実写映画化されました。そして2019年、前作に引き続き、監督に山口ヒロキを迎えて再映画化が決定。
今なお注目度の高い、ゾンビ・スプラッタ漫画なのです。
ホラーやスプラッタ、ダークファンタジーを主な作風とする漫画家・三家本礼。
死体をゾンビとして蘇らせることのできる女子高生・姫園れい子の活躍を描いた代表作『ゾンビ屋れい子』は、オリジナルビデオ作品として実写化もされました。
- 著者
- 三家本 礼
- 出版日
- 2005-12-05
他にも、そのあまりにも残酷な描写のために単行本化が難航した『巨乳ドラゴン』など、スプラッタ描写や女の子キャラクターには定評があり、根強いファンを獲得しています。
どこか懐かしさを感じさせるような個性的な絵柄もあってか、インパクトがあり、クセになる面白さを感じさせる漫画家です。
三家本礼の作品を紹介した以下の記事もおすすめです。
<『ゾンビ屋れい子』が最高にひどいw 伝説のエログロホラー漫画ネタバレ紹介>
<『サタニスター』が面白い!「ひどすぎ」ホラー漫画の魅力をネタバレ紹介!>
ここでは個性が強すぎる登場人物たちをご紹介していきます。
鋸村ギーコ(のこむら ぎーこ)
本作の主人公。つり目に長い黒髪の彼女は、札付きの不良少女です。酒やたばこは当たり前、誰ともつるまない一匹狼。さらには解体業を営む父を持ち、チェーンソーを装備していて、下駄がトレードマークという、いろいろとトンデモない女の子なのです。
中学生らしくセーラー服を着ていますが、その下にはサラシとふんどしを身に着けているというのだから、個性的という表現では足りないくらいのインパクトを読者に与えてくれます。
性格は意外にも喧嘩嫌いで、自ら争いに飛び込むようなことはしません。しかし自分に危害を加えようする相手には容赦なく、襲いくるゾンビを改造したチェーンソーで撃退していきます。
ちなみにこのチェーンソー、ただ相手を切断するだけでなく、相手をミンチにしてしまうというえげつない威力を誇っているのです。こんなにもチェーンソーの似合う女子中学生は、他にいないのではないでしょうか。
碧井ネロ(あおい ねろ)
クラスメイトからいじめを受けた末に、その復讐として彼らをゾンビ化した狂気の女子中学生。いじめの報復といっても、そもそもの発端は、彼女がクラスメイトの飼い猫を捕まえて殺し、死んでも動く猫に改造したことがきっかけでした。
なんとも狂気に満ちたエピソードですが、死んだ猫を動かすといった常識を超えた生化学技術の持ち主であり、その技術を持ってクラスメイトを次々に改造。洗脳して戦闘兵団「ゴアゴア・ゾンビクラブ」を作り上げたのです。
彼女の作るゾンビはさまざまな改造が施されており、なかには毒をまき散らすなど人間の力を超えたものもいて、もはやゾンビの常識すら超えています。クラスメイトを全員改造した後、最後の1人なったギーコを狙い、ゾンビ軍団を差し向けたことから、2人の因縁の戦いが始まることになったのです。
他にも、ファンから刺殺された本性が外道すぎるアイドル・桃井メロン、そんな彼女が蘇って喜ぶファンの皆様など強烈なキャラ揃い。個性豊かすぎる彼らが、本作の世界観に華を添えているのです。
主人公のギー子はとても中学生とは思えない完成したボディの持ち主ですが、彼女の周りにいる他の少女達も、こんな中学生っている?と思うくらいセクシーなのです。
まず、ナグルシファーというキャラクター。ナグルシファーというのはあだ名で、本名は琉志奈(るしな)。ギーコに負けず劣らずの不良少女で、異様にケンカが強いです。
家が学習塾で、そこの生徒達を守るためにはなんでもするという義理堅い一面を見せますが、本当になんでもしてしまうため、留置所に入れられることも多々あります。制服のセーラー服をまるで水着のように着こなしているため、エロティックさではギーコより上かもしれません。
また、ゾンビのなかにもセクシー要因がいます。それが、爆谷さゆりという少女です。彼女はゾンビで、ネロの配下ではありますが、いろいろあって最終的にはギーコの仲間になるというキャラクター。
ネロによってさまざまな人体改造をされており、体中に重火器を仕込まれた武器ゾンビです。まるで子供を産むようにミサイルを発射するなど見た目以上にセクシーなので、ぜひ注目してみてください。
チェーンソーを振り回し、ギーコの歩く後には血まみれの道が……といっても過言ではないほど、血まみれのバトルが次々にくり広げられる本作。そもそもタイトルからして「血まみれ」なわけですが、バトルの過程では敵味方関係なく、次々に血祭りにあげられていきます。
ギーコは札付きの不良少女で、愛想のいいタイプでもありません。しかし筋をとおす義理堅さもあって、自身が大けがを負っても敵に挑むという姿勢を見せます。血まみれになっても敵に挑むという彼女の姿は、まさに熱血感溢れるものでしょう。
ただ、彼女が怪我をするのは、物語も佳境に入ってから。1巻から死闘をくり広げてはいるものの死にそうな怪我を負うことはなく、彼女の無双を思う存分楽しむことができます。
また、彼女に次いで屈指の戦闘力を持つナグルシファーのバトルはもちろん、ギーコのチェーンソーを改造した仙崎麻子や、麻子の後輩の水島しずえの、肉弾戦だけではない知略的な戦いにも注目です。
最初から最後まで、血に染まらないバトルはないスプラッタストーリーを、ぜひ楽しんでみてください。
本作の大筋は、ギーコが巨悪の根源であるネロを倒すというもの。つまり、ラスボスはネロであり、彼女を倒すというのが最終回になる……と普通は思いますが、本作においてはそんなセオリーは通用しません。ラスボスであるはずの彼女は、全13巻あるうちの序盤、3巻で1度退場してしまいます。
これを読んで「え!?」と思った読者は、きっと少なくないでしょう。しかし、物語は続きます。
そして、ネロ残党編という新章が次巻より始まるのか……と思いきや、実は彼女は死んでいなかったという衝撃の事実が明かされるのです。そんな感じで彼女との戦いは幾度となく、くり返されることに。
彼女自身も高速再生という人間離れした力を持っていることが明かされたり、そのため死ぬほどの怪我を負っても蘇ったりと、より血みどろな展開がくり返されていくことになります。そして、その度、彼女の外道っぷりが際立っていくのです。
その外道なキャラクター性に隠れてあまり気が付きませんが、何度も死ぬネロは、案外かわいそうなヤツなのかもしれません。
本作の特徴の1つとして、次々に新しい章が展開されていくということが上げられます。コミックス全13巻で完結する本作ですが、その長さのなかに「〇〇編」というのが複数存在するのです。
3巻で1回目のネロとの直接対決が終わった後は彼女の残党編が始まり、さらにその後はゾンビとなって蘇ったアイドル・桃井メロン編や、囚人達が大暴れするプリズン編、そしてゾンビになったのではないかと疑いたくなるような変貌を遂げたネロとの対決など、次々に展開。
そのストーリーはぶっ飛び過ぎていて、もはや先の展開を予想するなんてことはできません。
ストーリーが展開するごとにパワーアップした敵や、趣向の異なるゾンビが登場するのも面白いところ。疾走するように進む怒涛の展開は、時々ストーリーを見失ってしまいそうになるほどですが、それだけ勢いで読むことができてしまう作品なのです。
そんな読者の想像を常に超えていく本作ですが、なんと続編が存在するのです。ギーコたちは高校「ベニユリ学園」に進学。日々楽しい生活を送ることとなります。
しかし、そんななか学園長から呼び出されるギーコ。そこで告げられたのは、ある驚きの事実で……。
血まみれスケバンチェーンソーreflesh 1 (ビームコミックス)
2019年02月12日
そこで知らされたのは、進化と成長を遂げた改造死体の調査に出向いた里眼(リーガン)の失踪でした。彼女はネロの実験によって生み出された人物で、相手を固まらせる催眠能力を持っています。
そんな彼女が、聖アルジェント学院へ向かったのを最後に行方不明になっていたのでした。そしてギーコは彼女の任務を引き継ぎ、単身で学院へと乗り込むことになるのです。
一見サスペンス要素の多そうなあらすじに思えますが、そこはやはり『血まみれスケバンチェーンソー』。本作でも正面突破の殴り込み、気持ちいいほどの殺戮が楽しめます。
高校生になってもいい意味で変わらないギーコの魅力を、ぜひ感じてみてください。
2009年から始まった本作は、2017年に連載が終了。コミックスにすると全13巻という長さになりますが、次々に展開する飽きのこない話は、実際に読んでみるとあまり長さを感じないかもしれません。
そんな長期間にわたって連載されていた本作の最終回は、いったいどんなものだったのでしょうか。
- 著者
- 三家本 礼
- 出版日
- 2017-03-25
そこに至るまでのお膳立てとしてネロの死亡というものがあるのですが、最終巻では再び彼女が蘇ります。そして当然ギーコは、彼女との戦いに挑むことになるのです。
しかし、蘇ったネロによって、かつての仲間や知り合いがゾンビに改造され、次々にギーコを襲います。そのなかで彼女は、致命傷ともいえる大怪我を負ってしまうのです。
ネロに改造されたゾンビ達とは違い、彼女はいくら強いといっても、生身の人間。致命傷を負えば当然死ぬはず……。ネロとの戦いを前にして、これまでにないピンチがギーコを襲うなかで、いったいどんな結末を迎えるのでしょうか。
最終回では、なんだこの展開!え?どうなるの!?と思うこと間違いありません。続きが気になる結末はファンの間でも賛否両論ありますが、潔く終わらせたと考えさせられるものでもあります。ぜひ本編を手に取って確認してみてください。
いかがでしたか?スプラッタで、ホラーで、エロいと、三拍子のそろった本作。人前で読むのは、もしかしたら気が引けるなんてこともあるかもしれません。その怒涛の展開に読みだしたら止まらない作品でもあるので、休日に人目を気にせず、一気読みをするなんていうのもいいのではないでしょうか。