合計200万部を超える大ヒットとなった、『夢をかなえるゾウ』。ガネーシャと呼ばれるゾウの姿をした神から発せられる教えは、昔からある普遍的な事実。成功したい、変わりたいと考えている人にとっては、まさに必見の名著です。 この記事では、そんな本作のあらすじから結末まで詳しく解説。ぜひ最後までご覧ください。
本作は、ガネーシャと呼ばれるゾウの姿をした神様が、主人公である僕にいろいろなお題を出して、僕の成長を見守っていくという物語です。
僕は、自分自身を変えたいと思っていました。しかし思っていただけで、なかなか実行に移せていません。人生において、想いだけでは成功できないことを知っているガネーシャは、絶対にクリアできるであろうお題を僕に出し続けます。それは、実は誰もが知っている小さな小さなお題でした。
小さなことで、当たり前であることを誰もが知っていますが、そのほとんどを実行できていないのが、人間という生き物なのだと考えさせられる内容です。
ガネーシャが出すお題は、人生においての教訓であったり、偉人が大切にしてきたものであったりと、実にさまざま。それらをクリアし、僕は成長することができるのでしょうか。
夢をかなえるゾウ 文庫版
2011年05月20日
本作には続編があり、『夢をかなえるゾウ2』『夢をかなえるゾウ3』が出版されています。第1作目は徐々に売上を伸ばし、最終的には200万部を超える発行部数を叩き出して大ベストセラーとなりました。
人気が人気を呼び、遂にはテレビドラマにもなった本作。小栗旬、古田新太、水川あさみら豪華キャストが出演しています。
そんな『夢をかなえるゾウ』を執筆した、水野敬也はいったいどんな人物なのでしょうか。
人生はニャンとかなる! ―明日に幸福をまねく68の方法
2013年10月22日
1976年11月26日、愛知県生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業しています。
本作の他には、『人生はワンチャンス!』『人生はニャンとかなる!』が合わせて190万部を超えるベストセラーとなっています。動物のかわいらしい写真も多く掲載された、名言、格言が載った作品です。
また過去にはファッションリーダーになるためのコラム「オシャる技術」を「メンズノンノ」にて連載。さらに『イン・ザ・ヒーロー』では映画脚本を務めるなど、その活動は多岐に渡ります。
ブログも人気で、その内容をまとめた本『ウケる日記』も出版されました。
さて、ここからはそんな彼の代表作品のガネーシャからの教えをそれぞれご紹介していきましょう。
ガネーシャは、空気が大事だと教えています。成功するには、その場の空気がどよーんとしていてはダメ。そして職場でも、家でも、恋人といる時間でも、そんな悪い空気を変えるためには笑いが必要となると説明するのです。
その場の空気を、一気に変えるだけの力を持つ、笑い。空気がよくなることで、よいアイディアが生まれ、人にも優しくなれて、やる気も出てくる。ガネーシャは、そう続けます。
このように教えられた僕は、早速職場の隣のデスクの女の子を笑わせようと、「パワーポイント」と「力」を掛けて笑いを取ろうとしましたが、彼女にはまったくウケず……。笑わせることは、そんなに簡単ではありませんね。
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本の要点を抑え高い品質で内容を要約した記事を、1冊あたり10分程度で読むことができるので、「最近、本を読む時間が取れない」方や「もっと手軽に本を楽しみたい」方におすすめです。
人は自分が変わりたいと考えると、一般的には何か新しいことを始めようとします。しかし1日の時間は、誰しもが24時間しか持ち合わせていません。新しいこと始めようにも、時間がない場合が多いですよね。また時間があったとしても、他の時間が圧迫されて、結局うまくいかないことだってあります。
だから、変わりたいと考えているときこそ、今までおこなってきていた何かをやめることで、新な時間を作ることが大切だと、ガネーシャは教えています。何かを捨てることで、新しい何かが入ってくる。この循環を作り出すことが、成功の秘訣なのかもしれません。
具体例としては、ケンタッキーフライドチキンの創業者であるカーネルサンダースを例に上げ、僕に説明しています。いったい今回の話と、どう関係があるのでしょうか。
それを参考にして、僕はテレビの電源を入れず、インターネットに接続することもやめてみました。そうすると、ぽっかりと時間ができ、久しぶりに読書をすることができたのです。意識を変えるより、環境と行動を変えることで、目標としていたことを成し遂げることができたのでした。
世界は、秩序正しい法則によって動いている。これが、この世界で起きている普遍的な事実であると、ガネーシャは教えています。運がよい・悪いと思われているさまざまな出来事は、自然の法則から起きている事象というだけで、運のよし悪しは人が勝手に判断していることだというのです。
つまり、どんなことも受け止め方しだいだということ。
この世界には事実しかなく、それは自然法則に則って起きているのです。その法則に自分の考え方を合わせていくために、運がよいと口に出していくことで、脳が勝手に運がよいと考えられる事実を探してくと、ガネーシャは教えました。
僕は、帰りの電車が遅れたことに「よし」と口に出して言います。そのことで、いつもより比較的イライラせずに生活することができたのでした。
成功している飲食店はトイレが綺麗で、人が入らない飲食店はトイレが汚いと、よくいわれます。トイレはその店の鏡といわれるように、お店そのものを色濃く映し出しているのです。ガネーシャはその重要性を語ります。
トイレは一般的に汚いところであり、その掃除は誰もやりたがりません。しかし、だからこそ、そこには価値があるとガネーシャは教えるのです。嫌なことは、誰かに頼みたくなるもの。そして、やってくれたことに対して普通よりも感謝をするというのです。
車などの「HONDA」でお馴染み、本田技研の創業者でもある本田宗一郎も、社長という立場でありながら、毎日トイレ掃除だけは欠かさなかったそう。
それから朝からトイレ掃除をした僕は、会社のデスクの汚れも気になり、きれいに片付けました。面倒なことを朝一番におこなったおかげで、苦手とする得意先への連絡も苦にならずに完了させることができました。
服は毎日着るもの。それが本人に与える影響は、見過ごせないほどのインパクトがあるとガネーシャは教えています。
服は、簡単に変えられるものです。ガネーシャは、人はその制服通りの人間になる、と偉人であるナポレオンが言っていたと僕に伝えます。そしてココ・シャネルは、今までの女性が着なくてはいけないドレスの概念をぶち壊し、スーツやスカートを女性の定番とし、女性の社会進出を促したと僕に伝えたのです。
服は自分自身を表現するものであると同時に、自分自身を縛り付けてしまうものなのかもしれません。だからこそ、自分の身なりは全身鏡で確認し、整えることがとても重要なのです。
また、あまり着ていない服を思い切って捨てることで、その人は執着から解き放たれることができます。着ていないけど取っておきたいものは、本当に必要なのではなく、ただ執着があるだけ。そういったものを捨てることで、吹っ切れた気持ちになることができるのです。
ガネーシャは、ただまっすぐ帰宅して、余暇時間をごろごろしろと言っている訳ではありません。会社からすぐに帰宅して時間を作ることで、その時間を自分自身の成長に繋げるべきだと教えているのです。
自由な時間を1番大切なことに使うことで、自分自身が成長できます。大切な時間で心をリラックスさせるのもよし、勉学に捧げるのもよし。好きな人に使うのもいいのではないでしょうか。
僕は、会社から早く帰れるのにも関わらず、同僚から飲みに誘われて二つ返事でついて行ってしまいました。これは、ただ「反応」して、時間を浪費しているだけだとガネーシャは指摘します。有限である時間は「反応」という浪費に使うのではなく、自分自身のための「意志」という貴重な時間に当てることで、人は成長できると教えているのです。
次の日、僕はガネーシャの教え通りまっすぐ帰宅。今までのガネーシャからの課題を反省するという、有意義な時間の使い方ができるようになりました。
本作には、ガネーシャからの有り難い名言がいくつも存在します。ここでは、その一部をご紹介させていただきしょう。
第5位
成功しないための1番重要な要素はな、
『人の言うことを聞かない』や。
そんなもん、当たり前やろ。
成功するような自分に変わりたいと思とって、
でも今までずっと変われへんかったっちゅうことは、
それはつまり、『自分の考え方にしがみついとる』ちゅうことやんか。
(『夢をかなえるゾウ』より引用)
自分の考え方で突き進み、そのまま成功する人ももちろんいるでしょうが、それはほんの一部の人にすぎないでしょう。残念ながら、ほとんどの人は天才ではありません。ゆえに、自分の考えだけではなかなか成功できないともいえるのです。
しかし人にはプライドがあるため、自分の考え方に固執してしまう面があります。ですが、そのプライドが成長を阻害してしまうのです。素直に人の言うこと聞くスタンスが、成功には必要な条件なのではないでしょうか。
第4位
食べたいと感じても腹八分で必ずおさえるんや。
そうやって自分で自分をコントロールすることが楽しめるようになったら、
生活変わってくるで。
(『夢をかなえるゾウ』より引用)
人の欲望には限りがありません。自分で自分をコントロールできないのも、人間という生き物の特徴ではないでしょうか。だからこそ自分自身をコントロールできるようになれば、それだけで他者より1歩も2歩もリードできるのです。
第3位
人はな、わざわざ『◯◯が欲しい』なんて教えてくれへんのや。
人が何を欲しがっているかをこっちが考えて、提案していかなあかんのや。
人の欲満たす、いうんはそれくらい難しいことなんやで。
(『夢をかなえるゾウ』より引用)
人は本当の欲望にあまり気づいていないため、「何が欲しい」と直接聞いたとしても、なかなか答えてはくれないもの。「何が欲しいか分からない」なんて言われてしまうこともあるかもしれません。人の欲望を満たすということは、それだけ難しいことなのです。
だからこそ、こちらが提案をして、その人の本当の欲望を表面化していかなくてはなりません。そのためには、その人自身になりきって考え抜く必要があります。それだけ人は複雑であると、ガネーシャは教えているのではないでしょうか。
第2位
『今日から変わるんだ』て決めて、
めっちゃ頑張ってる未来の自分を想像するの楽やろ。
だってそん時は想像しとるだけで、
実際にはぜんぜん頑張ってへんのやから。
つまりな、意識を変えようとする、
いうんは、言い方変えたら『逃げ』やねん。
(中略)本気で変わろ思たら、意識を変えようとしたらあかん。
意識やのうて、『具体的な何か』を変えなあかん。
(『夢をかなえるゾウ』より引用)
変わりたいと考えている人は世の中に多いと考えますが、本当に変われる人はごくわずかなのではないでしょうか。それはガネーシャが言うように、将来の変わっている自分を想像しているだけで、実際には現実逃避し、事実を見ていないからかもしれません。
変わるということは、気持ちではなく、行動こそが重要だと教えてくれる言葉です。
第1位
マネするんはな、お客さんを喜ばせるためなんや。
人を喜ばせるという目的に照準が合うてたら、
人のマネすることに恥ずかしさなんか感じひんのや。
(『夢をかなえるゾウ』より引用)
人は、マネすることを悪いものだと捉えがちです。しかし、この世の中において、オリジナルはとても少ないことは事実です。世の中で成功している人たちの多くは、誰かをマネし、それを自分のものにしてきています。
この事実を受け止め、プライドを捨ててマネることに徹することで、成功に近づけるのかもしれませんね。
ガネーシャが僕に課した最後の課題とは、なんだったのでしょうか。
それは、「毎日、感謝する」ということ。人は足りない、欠けていることばかりにフォーカスし、現状の満たされているもの、満足いっているものに対しては見向きもしません。それを、当たり前であると考えてしまうのです。
しかし、それは今では当たり前であるかもしれませんが、決してそうではなかったはず。そのことについて、ガネーシャはあらためて見つめ直し、毎日感謝しなさいと教えます。感謝することで、自分が実は満たされていると気づき、その気づきが、また人を喜ばせることへと繋がるのではないでしょうか。
夢をかなえるゾウ 文庫版
2011年05月20日
最後の課題を伝えたガネーシャ。そんな彼の身に、あることが起こり始めます。なんと、彼の体が薄く透きとおり始めてしまったのです。いったい何が起こっているのでしょうか。そして、最後の課題まで辿りついて僕は、果たして成長することができたのでしょうか。
ガネーシャの伝えたかったことを受け止めた僕の未来が気になる方は、ぜひ本編でお確かめください。
ひらめきを生む本
書店員をはじめ、さまざまな本好きのコンシェルジュに、「ひらめき」というお題で本を紹介していただきます。