湊かなえ好きにおすすめの小説5選!イヤミスとどんでん返しのミステリー作品

更新:2019.2.26 作成:2019.2.26

後味の悪いイヤな気持ちになるミステリー「イヤミス」の女王と呼ばれる湊かなえ。どんでん返しがくり返される展開も魅力の作家です。この記事では、そんな湊かなえの小説が好きな方にぜひ読んでほしいおすすめの作品をご紹介していきます。後味の悪さと騙される快感を楽しんでください。

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叙述トリックも光るイヤミス小説『鬼畜の家』

 

母親が亡くなり、ついに天涯孤独になった少女。施設で暮らすようになりましたが、自立のために保険金を受け取ろうとします。しかし死体が見つからないため、保険会社は支払いを渋るのでした。

そこで依頼を受けたのが、元警察官で、現在は私立探偵をしている榊原です。保険会社と交渉をするため、事件の関係者から証言を集めていきます。すると……。

少女の父親は彼女が幼い時に自殺をし、姉は事故死、兄と母親は転落死をしていましたが、家族の死の裏で暗躍していた母親の姿が浮かびあがってきたのです。

 

著者
深木 章子
出版日
2014-04-15

 

元弁護士である深木章子のデビュー作です。2010年に島田荘司が選考する「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、一躍話題となりました。

基本的には、探偵の榊原に関係者たちが話をしていく構成がとられていて、少女の家庭の様子が徐々に明らかになっていくさまに惹き込まれるでしょう。

しかし読者は見事に叙述トリックに騙されて、最後に衝撃を受けることとなるのです。読後は心が辛くなるようなイヤミスですが、トリックがわかったうえでもう1度読むと、また違った見方ができるでしょう。

 

女性同士の心理戦がイヤミスすぎる小説『微笑みがえし』

 

タレントをしていた阿季子は、結婚を機に芸能界から一時引退。しかしテレビでの復帰が決まると、その日を境に誰の仕業かわからない不気味な嫌がらせが始まりました。

無言電話に尾行、さらには郵便物の中にガラスの破片が散りばめられていて……。

一体誰が何のためにやっているのか。4人の女性をめぐるサスペンスミステリーです。

 

著者
乃南 アサ
出版日
1996-09-10

 

仲の良かったはずの元同級生4人。大人になってそれぞれ異なる環境、立場で生きるようになり、腹の底にドロドロとした感情を抱えながら表面上は取り繕って接しています。

妬みや嫉みはもちろん、自尊心を保つために相手を下に見てマウンティングをとり、小馬鹿にし、でも甘い蜜だけは享受しようとする……敵意を抱きながら仲間のふりをする水面下の攻防が見どころです。

ラストは、根本的な問題は解決せず、また同じことがくり返されそうな終わり方。まるでホラーのような薄気味悪さを感じ、それなのにページをめくる手が止まらなくなる一冊です。

 

快楽殺人者の手記から広がる物語『ユリゴコロ』

 

主人公の亮介は、実家の書斎で「ユリゴコロ」と名付けられた4冊のノートを発見します。そこに記されていたのは、殺人に取りつかれてしまった人物の告白でした。

ノートに書いてあることは事実なのか、どうしてこんなものが実家にあるのか、そして書いたのは誰なのか……手記の内容からは想像もつかない、快楽殺人者の正体とは。

 

著者
沼田 まほかる
出版日
2014-01-09

 

作者の沼田まほかるは、「イヤミス」と呼ばれる作品を多く手掛けている女流作家です。本作も、中盤までは亮介が見つけたノートに記された、おぞましい殺人鬼の手記が続きます。残酷な殺人と、理解不能な殺人鬼の心理にゾクゾクしてしまうでしょう。

しかし本当の魅力は、後半です。親子の絆が感じられるヒューマンドラマが描かれ、ジャンルごとひっくり返してしまうようなどんでん返しが待っています。悲しくて切なく、それでいて報われない人も多数登場する、やっぱりイヤミス。心が揺さぶられる作品です。

 

どんでん返しも楽しめるイヤミス小説『インフルエンス』

 

とある女性から、自分と友人の30年にわたる物語を聞いてほしいと手紙をもらった小説家の「わたし」。そこで語られたのは、正当防衛で痴漢を殺した話や、DVをする旦那を殺してしまった話など、さまざまな理由から殺人を犯してしまった過程でした。

女性同士の友情に潜む闇を、近藤史恵が緻密に描き出したサスペンスです。

 

著者
近藤 史恵
出版日
2017-11-27

 

取り巻く校内暴力やいじめ、レイプ、DVなどの社会的問題を背景に、女子特有の「友情」 を描き出した傑作です。

「友情」とひと言で片付けてはいますが、実際の関係はかなり複雑。執着心や独占欲など、閉鎖的な環境のなかで絆を確かめるように殺人に手を染めていく姿に、読者は「もうやめて」と叫びたくなってしまうほど。彼女たちの物語を、「ありえない」と言い切れない自分にも戦慄してしまうかもしれません。

女性たちの物語を小説家が聞いているという入れ子構造がポイントとなり、最後のどんでん返しに繋がっていくのでお楽しみに。

 

猟奇的な殺人に翻弄されるミステリー小説『連続殺人鬼カエル男』

 

あるマンションの高層階で、フックでつるされた女性の全裸死体が発見されました。その傍らには、まるで幼い子どもが書いたようなひらがなばかりの犯行声明文が。

「きょう、かえるをつかまえたよ。はこのなかにいれていろいろあそんだけど、だんだんあきてきた。おもいついた。みのむしのかっこうにしてみよう。くちからはりをつけてたかいたかいところにつるしてみよう。」

第2第3の殺人事件も発生し、近隣住民はパニックに陥ります。犯人は一体誰なのでしょうか。

 

著者
中山 七里
出版日
2011-02-04

 

「カエル男」と呼ばれるようになった殺人鬼の残虐さと、犯人を追う新人刑事とベテラン警部のコンビが魅力です。つるす、潰す、解体する……といった猟奇的な事件に翻弄され、周囲の人々が暴動を起こす様子も恐ろしいでしょう。

暴力シーンやアクションシーンも多いですが、単純なサイコサスペンスではなく社会派の一面もあり、読み応えも抜群。気に入った方は、『連続殺人鬼カエル男ふたたび』という続編もあるので、そちらもお手にとってみてください。