初めての湊かなえ!初心者向けおすすめランキングトップ10!

更新:2017.2.14 作成:2017.2.14

ドラマ化・映画化でも注目を集める人気作家・湊かなえの作品を、まだ読んだことのないあなたのために紹介します。

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湊かなえとはどんな作家?主婦と作家の二足のわらじで人気作を生み続けるイヤミスの女王

1973年生まれ、広島県因島市出身の湊かなえ。武庫川女子大学家政学部被服学科を卒業した後はアパレルメーカーに勤務し、2年間は青年海外協力隊に参加しました。帰国後は淡路島の高校で、家庭科の非常勤講師として働きます。

結婚と出産を経て、創作活動を開始。脚本家を志し、2005年に「Bs-i新人脚本賞」に佳作入選、2007年に『答えは、昼間の月』で「創作ラジオドラマ大賞」を受賞、『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞して作家デビューしました。

2008年に発表した『告白』が映画化されて大ヒット。「読んだあとにイヤな気分になるミステリー=イヤミス」の女王として名を馳せます。

緻密な構成の支えとして、登場人物の性格付けを心がけているそうです。執筆前にはどんな脇役にも履歴書を作るんだとか。細部へのこだわりを欠かさないからこそ、人間をとおして物語を立体的に浮かびあがらせる作品が生み出されていくのでしょう。

湊かなえ作品を選ぶならどれから?おすすめ小説を紹介!

 

数多くの作品を発表している湊かなえ。どれから手に取ればいいか迷ってしまう方もいるかもしれません。

ここからは湊かなえの作品の選び方と、おすすめ小説を紹介していきます。

 

湊かなえの小説を映画化された作品から選ぶ!

『少女』

著者
湊 かなえ
出版日
2012-02-16

 

2009年に刊行された、『告白』に続く湊かなえの2作目。2016年に映画化されました。

高校生の由紀と敦子、2人の視点で物語が進んでいきます。「親友の自殺を見た」と語る転校生の話を聞いて、「人が死ぬ瞬間を見てみたい」と思うようになった彼女たち。夏休みに、老人ホームと小児科病棟にそれぞれボランティアに行くことにしました。

物語のテーマは「因果応報」。バラバラに動き出したストーリーが終盤にかけて繋がっていくさまは見事です。

 

『望郷』

著者
湊 かなえ
出版日
2016-01-04

 

2013年に刊行された、湊かなえの連作短編集です。2017年に映画化されました。

物語の舞台は、瀬戸内海に浮かぶ小さな島。本土と繋がる橋ができ、時代とともに様子が変わっていきます。島に住む大人、島から出たい若者、島に移り住んできた人……それぞれが島に望むものはなんでしょうか。

解説に「ミステリーらしくないミステリー」とあるように、人間模様を中心に小さな謎が描かれたヒューマンドラマになっています。

 

湊かなえの小説をドラマ化された作品から選ぶ!

『贖罪』

著者
湊かなえ
出版日
2012-06-06

 

2009年に刊行された、湊かなえの3作目。2012年にテレビドラマ化されました。章ごとに主人公を変えながら、それぞれが独白をする形式でストーリーが進んでいきます。

ある時、田舎の町に工場と豪華な社宅が建設されました。そこに引っ越してきた小学生のエミリと、4人の同級生が仲良くなります。

しかし、エミリが性的暴行を受けて殺される事件が発生。4人は犯人を見ていたはずですが、どうしても顔を思い出すことができません。エミリの母親は4人に対し、「犯人を見つけるか、わたしが納得できる償いをしなさい」と言いました。それから15年。再び悲劇が起きてしまうのです。

母親の発言を重く受け止めた4人は、どんな答えを出すのでしょうか。待ち構える「イヤミスの女王」といわれる湊かなえの真骨頂を味わえます。

 

『Nのために』

著者
湊かなえ
出版日
2014-08-23

 

2010年に刊行され、2014年にテレビドラマ化された湊かなえの作品です。

超高層マンションで夫婦の死体が発見され、現場に居合わせた4人の男女がそれぞれ証言をしていきます。事件当時と10年後が交互に語られるストーリーを読み進めていくと、彼らはそれぞれ「N」という人物を守るために行動していたことが判明するのですが、登場人物はみな「N」のイニシャルで……。

ひとつの事件の裏で、大切な人を守るためについた嘘が歯車を狂わせていきます。果たして真相は……。

 

湊かなえの小説を「どんでん返し」から選ぶ!

『リバース』

著者
湊 かなえ
出版日
2017-03-15

 

2015年に刊行された湊かなえの作品です。

平凡なサラリーマンをしている深瀬は、コーヒー店で出会った美穂子と付き合うことになりました。しかし、美穂子に「深瀬は人殺しだ」という告発の手紙が届きます。3年前の夏、友人5人で旅行に行った時、車を運転していたひとりが事故で亡くなったのですが、深瀬は彼が飲酒をしていたことを知っていたにも関わらず、隠していたのでした。

別の人にも告発文が届き、旅行のメンバーのひとりが駅のホームから突き落される事件も発生。深瀬が3年前の事件について調べていくと、衝撃の事実が明らかになります。最後の1ページで真相が明かされる大どんでん返しをお楽しみください。

 

『白ゆき姫殺人事件』

著者
湊 かなえ
出版日
2014-02-20

 

2012年に刊行された湊かなえの作品です。

化粧品会社に務める美人OLが、黒焦げの死体で発見される衝撃的な事件が起こりました。マスコミ報道は過熱。SNS上では、行方不明になった同僚のOLについて、憶測が飛び交っています。

会社の関係者の証言や、週刊誌や新聞の記事によって、真実がいとも簡単に歪んでいく様子は恐ろしいもの。SNSでは匿名の集団心理が蔓延し、容疑者となったOLを「魔女」と呼ぶようになりました。

雑誌記者のインタビューに答えるかたちで、すべて口語体で物語が進行するのが特徴。あいまに参考資料として、SNSや記事が挿入されているのも効果的でしょう。嫉妬や自己顕示欲がこれでもかと描かれ、最後の最後で意外な犯人像が明かされます。

 

10位『ユートピア』-湊かなえが女を描く。同性同士の歪みねじれた悪意

古くから続く仏具店の嫁・菜々子、夫の転勤で社宅住まいをはじめた妻・光稀、移住してきた陶芸家・すみれ。

彼女たちは美しい海辺の町で出会い、「誰かの役に立ちたい」と、足の不自由な小学生・久美香ためにボランティア基金「クララの翼」を設立します。しかし、ちょっとした価値観のズレから連帯が軋みはじめ……。

 

著者
湊 かなえ
出版日
2015-11-26


かつての賑わいを失い、その衰退が住民の心までも蝕んだような地方の街が舞台。従来の住民たち以外にも、芸術村の住人、大規模工場の社員たちが暮らしています。本来なら交わることのなかったはずの三者が、ママ友、趣味友として交わることから物語が動きはじめるのです。

いくつもの醜い自己顕示欲、エゴ、悪意、愚かさが混ざり合い、繰り返され、読む側の日常のリアルまで取り込まれていきそうな感の波が襲ってきます。

次に何が起きるのかわからないと感じるのは、伏線やドンデン返しなどのストーリーの起伏によるものではなく、日常に潜む人間同士の怖さ、底知れなさによるものでした。終盤へと向かっていく過程で、思わず呟いてしまいそうになります。「女ってこわいなぁ」と。でもそんな底知れなさは、ついのぞいてみたくなるもの。そんな怖さを思い切って読んでみませんか?

9位『母性』-母性とはなにか

湊かなえの『母性』は、台風によって幸せを奪われた家族が、苦しみ壊れていく11年間のお話です。

「母の娘でいたい私」と「無償の愛を求めるわたし」、母と娘、2人の主人公がそれぞれ、愛されることを求め、許してほしいと願います。母である「私」は、自身の母に愛されること、認められることが1番の幸せであり、娘ができてもそれは変わらず、母に褒められたいから娘を愛し、母を喜ばせるために娘を育てます。一方、娘の「わたし」は、「愛される=許される」と考え「私」の顔色をうかがいながら心の底では無償の愛を求めるのです。

 

著者
湊 かなえ
出版日
2015-06-26


それぞれが日常の出来事を語るのですが、語り手が違うだけでこうも見え方が違うのか、と驚かされるのではないでしょうか。11年間の物語の中でどんどん核心に近づいていくその日々は、リアルで複雑で恐ろしさすら覚えます。複数の話し手が、ごく自然に語りかけるように物語が進んでいくため読み始めると一気にその世界に引き込まれ、長い年月を綴っていますがダラダラ続く感じは全くなく、どんどんページをめくってしまうのは湊かなえマジックといえるでしょう。人間の心の暗い部分がうまく描かれており思わずドキッとさせられる部分もあるはずです。

母性とは何か。苦しむキャラクター達と一緒に、是非考えてみてください。

8位『白ゆき姫殺人事件』-インターネットや報道で加速する「魔女裁判」

週刊誌のフリー記者・赤星は、ちょっとしたことから、化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された話題の事件の糸口のようなものを掴み、聞き込みをスタートするのですが……。

 

著者
湊 かなえ
出版日
2014-02-20


まもなく容疑者が判明し、赤星の聞き込みも、ネットもマスコミも、関係者もすべて、その女が犯人だという前提のもとに事件は進んでいきます。容疑者を擁護しているような言動をする人たちまで、よく読めば結局犯人だと決め込んでいるのです。

事件を追う記者も、インタビュー内容を盛り、捻じ曲げ、悪意ある記事にしたて、SNSでも自己顕示欲だけのつぶやきを続けます。

一度火がついた情報はまたたくまにネットを燃え上がらせ、報道も歪みまくって真実を捻じ曲げる悪意ばかり。マスコミとインターネットの恐ろしさがこれでもかと描かれて、苦しくなっていく作品です。この作品の中の「容疑者」のような目にあっているひとが世の中にはたくさんいるのだろうな、と。

そんな悪意に負けないように、流されないように読んでみていただきたいと思います。

7位『望郷』-小さな島での人々の生きざま。湊かなえには珍しい爽やかな作品

ずっと島を出たかった主人公と、自由に出て行ってしまった姉。ある疑問が浮かんだことから急展開するミステリー「みかんの花」、幼い私世話を焼いてくれたおっさんの心の中にあった秘密「海の星」、封建的な家に生まれた主人公はあるテーマパークに行きたくて……「夢の国」など、6作の短編が収録され、そのうちの1作「海の星」は日本推理作家協会賞短編部門を受賞しています。

 

著者
湊 かなえ
出版日
2016-01-04


全ての物語が島を舞台にしたミステリー短編集ですが、登場人物たちがみな前向きで、読後感がとても清々しく、それぞれが前向きに生きる姿勢が素敵です。生きていく心構えのようなものが見えています。

悪意がみなぎるものが多い湊かなえ作品の中では異質なものばかりを集めた形になっているのではないでしょうか。

イヤミスめいた湊かなえの作品が苦手な方にも充分楽しめる1冊です。

6位『贖罪』-死んだ少女への罪と贖罪と、そして悪意

舞台は足立製作所の工場と、社員のために建てられた瀟洒な社宅がある田舎町です。そんなハイソな社宅に越してきたエミリの環境に憧れを抱きつつも、彼女と仲良くなった4人の小学生たち。しかし夏休みのある夕方、4人はエミリの死体を発見してしまいます。彼女たちは殺人犯を見ていましたが、その顔を思い出すことが出来ずにいました。

 

著者
湊かなえ
出版日
2012-06-06


それから15年後、彼女たちがずっと抱き続けてきた罪の意識と、エミリと彼女の母に対する償いが悲劇へとむかっていくことに……。

章ごとに視点が移る独白形式で描かれます。湊かなえの得意のパターンですね。登場人物たちがそれぞれに考える罪と償いが描かれていくのですが、それがほんとうに罪なのか、贖罪なのか、途中で混乱してしまう部分もあります。読者を強烈に引き込む魅力はありますが、やりすぎではないかと思わせるようなものですが、その「悪意」がすさまじく巧みに表現されています。

人間の暗部をこれでもかと掘り進め、浮き上がらせる。これこそ湊かなえの真骨頂です。それがむき出しですさまじく感じられる作品です。

5位『山女日記』-湊かなえが描く自分探しの物語

本作は、今回紹介する5冊の湊かなえ作品の中では毛色が少し違います。ミステリーではなく、7つ(文庫では1編追加されて8つ)の短編の主人公が少しずつリンクする連作長編となっています。

登山を通じて、前へ前へ上へ上へと足を動かしながら、頭の中では真剣に人生を考える主人公の女性たち。家族のあり方に悩み、友人関係に悩み、結婚に悩み・・・それぞれが過去を振り返りながら、自分の本心を探り、これから歩むべきベストな道を見つけていきます。

 

著者
湊 かなえ
出版日
2016-08-05


作中には主人公以外にも様々な女性が登場しますが、どのキャラクターもとてもリアルに描かれていて、「こんなおばさんいるいる」「こういう同僚いるんだよね」「姉妹ってこうだよね」「娘ってこういうこと言ってくれるよね」と読みながら頷いてしまうシーンがたくさんあります。

そして最後は主人公たちにも深く共感し、彼女たちが登頂することで気分を晴らしすっきりとした表情に変わっていく様子が、まるで自分のことのように嬉しく感じられる作品です。周りと比べて焦ってしまうときや、家族や親友に言われた言葉に悶々としてしまうとき、本作を読むとたくさんの女性たちから応援されているような気持ちになり、元気が出ます!

4位『少女』-殺す者と殺される者の境目は

こちらは湊かなえの第二作目です。幼なじみである由紀と敦子の2人の女子高生の日常をメインに、同級生や彼氏、ボランティア先の人たちとの交流が描かれています。

これだけでは、ミステリーでもなんでもなく、ヒューマンドラマのようにも聴こえてしまいますが、いいえ、本作はとてもスリリングな内容です。

ある女子高生の「遺書」から始まる冒頭にまずドキリとさせられ、由紀と敦子が交互に語る内容にも常に死の匂いがつきまといます。事故死した担任、余命わずかの祖母、重病の友人、親友を亡くした少女・・・。

 

著者
湊 かなえ
出版日
2012-02-16


また、由紀は家庭環境に、敦子は過去のトラウマに、それぞれ「死にたい」と思うことがあるくらいに悩まされています。

ことあるごとに「由紀にあたしの気持ちなんてわかるはずないじゃん」と言う敦子を、「わたしがわかったところで、どうなるというのだろう」と冷めた目で見る由紀。そんな2人が互いを助けるクライマックスはこれまでの暗さから一転、とても爽やかです!

ただ、それだけでは終わりません。私たちは誰かを救いもしますが、その一方で、また別の誰かを知らず知らずのうちに死に追いやっているのではないでしょうか。あなたの他愛のないひとことが、何気ない行為が、無自覚のうちに誰かの死のきっかけになっていたらどうしますか?

そういうゾクッとした怖さが襲いかかる終章が凄まじいです。

3位『リバース』-尽きることのない後悔の物語

湊かなえ作品はエンディングの与えるインパクトがとにかく強烈ですが、個人的には本作が一番ぶっ飛んでいると感じました。

人生の勝者と敗者とは。男同士の友情とは。そんな切り口から20代半ばの男性たちを描き、「ああ、男の人ってこういうところあるよね」と共感もさせ、何度も出てくる美味しそうなコーヒーの描写がまた作品の世界に惹き込ませてくれます。湊かなえは男性の心情も上手に描くのだなあと惚れ惚れします。

しかし、本作は心温まるヒューマンドラマではありません。コーヒーの対比として出てくるビールの描写。登場する男たちは、不安を忘れるためにビールを呷り、後ろめたい気持ちをごまかします。人に言えない罪を抱えた彼らはどうなるの?緊迫した雰囲気でストーリーは進みます。

 

著者
湊 かなえ
出版日
2015-05-20


冴えない主人公のサラリーマンがパン屋で働く美しい彼女と出会い、親密になり、主人公が過去に犯した「親友を見殺しにした」事件がきっかけで一旦はすれ違うも、また誤解を解き合い、共感し合い、絆を深め合い、待つのはただただハッピーエンドと思われた瞬間・・・!

目眩を起こしそうになる驚愕のラストが訪れます。

本作を通して細やかに描かれていたはずの主人公の鈍感さに今更ながら気付かされ、ここ数年味わったことのない読後感でした。

2位『花の鎖』-自身のルーツに隠された謎解き物語

27歳の主人公・梨花は、3年前に両親を事故で亡くしていて、唯一の家族である祖母も余命わずかで入院中。英語教師をして生活費を稼いでいましたが、勤めていた会社の倒産により突然職まで失います。

そんな折、祖母の手術費も必要となり、切羽詰まった梨花は謎の人物「K」に経済的援助を頼むことを決意。

「K」とは、梨花が幼い頃から梨花の母宛に年に一度巨大な花束を送ってきていた男性で、梨花はその正体を知りません。ただ、何かしら梨花の家族に恩を感じてくれている人だと信じ、この危機を救ってもらおうと考えるのです。

 

著者
湊 かなえ
出版日


氏名も連絡先もわからない「K」の手がかりは、家に届く花束。それを辿って「K」の正体を探るうちに、梨花の一族にまつわる秘密がどんどんと明らかになっていくのがとても面白く、ページをめくる手が止まりません。

湊かなえ作品によくある「大どんでん返し」はありませんが、読み終えた後にもう一度また読みたくなる、伏線たっぷりのストーリーです。


また、登場人物みんなから愛されている老舗和菓子屋「梅香堂」の人たちをはじめ、地元商店街の面々の優しさが、過酷な彼女の生い立ちに希望を与えてくれています。

物語の終盤に出てくる、「人って思いがけないところで繋がっていて、一度その鎖を断ち切っても、別のところで繋がっていたりするんですよね」というセリフ。ある血族の愛憎劇ともいえる本作のテーマとも言える、少し切ない一文です。

1位『告白』-湊かなえのデビュー作にして最高傑作

湊かなえ作品といえば!と、この本を挙げる方も多いのではないでしょうか。彼女のデビュー作にして話題作。さらには2010年に松たか子主演で映画化されました。

「聖職者」「殉教者」「慈愛者」「求道者」「信奉者」「伝道者」の6つの章からなる本作は、愛娘を教え子に殺された中学校教諭・森口悠子の壮絶な復讐の物語です。

第一章である「聖職者」を読み終えると、あたかも森口の復讐は完成したかのように思えます。しかし、そこからが本作のおもしろいところです。第二章以降、クラス委員長や、犯人である教え子とその家族の視点から事件が語られ、それぞれの事件後の生活についても知ることになるのです。

 

著者
湊 かなえ
出版日
2010-04-08


犯人を含む1年B組の生徒たちを前に森口は教壇から語りかけます。

「私は聖職者になりたいなどと思っていません。〜中略〜 命の重さ、大切さを知ってほしい。それを知った上で、自分の犯した罪の重さを知り、それを背負って生きてほしい」

そう、哀しくも中学1年生という若すぎる犯人に教師として向き合い、そのうえでひとりの母として罪もなく殺された4歳の娘を想いつくりあげた報復のシナリオ。

登場人物それぞれの憎悪や殺意が見事に絡み合い、読み手としては犯人に凄まじい嫌悪感を抱きつつも、深く共感してしまいます。森口の復讐が真の完成を迎える第六章のラスト一行まで目が離せません!

多視点でひとつの物語を描く手法をとる湊かなえ人気。イヤミスに類される作家かもしれませんが、読み出すと手が止まりません。散りばめられた悪意は怖いですが、おすすめですよ!