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「アンサングシンデレラ」魅力をネタバレ!胸熱な薬剤師漫画が面白い【無料】

更新:2020.11.25 作成:2018.12.15

薬剤師という、医者より患者に近くて、それでいてどんな仕事か意外と世間には知られていない職業を題材として、患者を第一に考える清々しい主人公の物語が描かれた漫画『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』。2020年4月から石原さとみ主演で実写ドラマ化します。 この記事では原作漫画の魅力と、各巻の見所をご紹介します!ネタバレを含むのでご注意ください。 本作はスマホの漫画アプリでも無料閲覧が可能なので、気になった方は試しにそちらでお読みください。

「アンサングシンデレラ」が面白い!原作漫画の魅力をネタバレ!無料で読める!【あらすじ】

1日でおよそ220万枚。これは医師が患者に出す処方箋の数です。そして、そのうちの約6万枚が薬剤師によって疑義照会にかけられます。

疑義照会とは、処方薬の分量や組み合わせにおかしな点がある、と問い合わせること。この疑義照会によって、割合として約70%が変更されているそうです。6万のうちの4万2千件です。

極端に言い換えるなら、毎日4万2千人分の処方ミスが起きているといえます。

本作は、そんな状況を水際で防ぐべく、1人の薬剤師が奮闘する物語です。主人公の名前は、葵みどり。大学を卒業して2年目のまだまだ新人で青臭く、それゆえ理想に燃える女性です。

直接患者を診る医師でもなく、患者の面倒を見る看護師でもなく、処方箋で指示された薬を手渡すだけの薬剤師。それがどれだけ大事で、重要で、繊細な職業か、一般的には知られていない現場の実情が、物語に織り込まれて描かれていきます。

本作は医者と患者の間に立つ、知られざる(アンサング)、縁の下の力持ちの物語なのです。タイトルは、縁の下で頑張るシンデレラの物語、という意味なのですね。

このあとは、気になるドラマの情報を紹介したあと、原作漫画の魅力をご紹介いたします!

著者
["荒井ママレ", "富野浩充"]
出版日
2018-11-20
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『アンサングシンデレラ』実写ドラマ化!主演は石原さとみに決定!【2020年4月9日公開】

「アンサングシンデレラ」がフジテレビ系列にて実写ドラマ化されることが決定しました!2020年4月9日から、毎週木曜日の22時に放送されます。

主人公・葵みどり役は石原さとみが演じます。石原は「薬剤師が"薬で命を助ける専門家"なんだと痛感した」「薬剤師というお仕事をもっと多くの人に知っていただきたい」のようなコメントをしています。彼女がみどりをどのように演じるか、楽しみですね!

このほかにも西野七瀬、真矢ミキ、田中圭などのキャストが決定しています。

アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋では、詳細のコメントや葵みどりのビジュアルが公開されています。詳細が気になった方は、ぜひご覧ください!

このあとはいよいよ、原作漫画の魅力、各巻の見所をご紹介していきます!少々長くなってしまったので、目次から気になるところをご覧ください。


石原さとみが出演した作品を見たい方は、こちらの記事もおすすめです。

石原さとみの実写化に表れる理想の女性像の変遷!出演映画・テレビドラマを原作の見所とともに紹介

作品の魅力1:まっすぐな主人公が清々しい

作品の魅力1:まっすぐな主人公が清々しい
出典:『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』1巻

本作の主人公・葵みどりは、ちょっと鈍くさいところがありますが、非常に好感度の高いキャラクターです。劇中ではほぼ白衣なのであまり華やかではないものの、トレードマークのお団子頭にはこだわりがあるとか。

彼女は決して「仕事の出来る」女性ではありません。バリバリ働いて、てきぱき捌いて、ひたすらに仕事に打ち込むタイプではないのです。しかし患者へは親身に接して、他愛のない世間話にも嫌な顔1つ見せずに応じる、優しい人物。

そのため職場からは仕事が出来ず、実績としては低く見られています。しかし彼女の真価は会話のなか、普段の様子から異変を察知する、その観察眼です。機微に敏く、一度こうと決めたら患者のために邁進する芯の強さが魅力的なのです。

暴走したり、へまをして半泣きになったりするところも愛嬌があって、見ていて飽きません。

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作品の魅力2:薬剤師という仕事

作品の魅力2:薬剤師という仕事
出典:『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』1巻

日本が医師不足といわれるようになってからずいぶん経ちますが、そうとはいっても、日常で医者にかかったことのない人はほとんどいないでしょう。街を歩けば病院やクリニックがあり、かかりつけ医師がいる人もなかにはいるはずです。

医療と聞いて一般的に連想するのは、そうした馴染みのある医師か、あるいはその補助役の看護師でしょう。

医療関係者のなかで、薬剤師という職業はスポットが当たりづらいもの。処方薬の受け渡し、説明などでお世話になるものの、具体的にどんな仕事なのか外からは皆目わかりません。

そういった意味で、現役薬剤師が監修している本作は、薬剤師の医療現場における役割を理解する助けになるでしょう。薬は一歩間違えれば毒となり、取り扱いには注意が必要だということがよくわかります。

本作の医療原案を担当している薬剤師の富野浩充は、自身のブログで原案メモを公開したり、医療ポータルサイトでコラムを書いています。薬剤師という仕事に興味のある人はそちらもあわせてご覧になると、本作をより深く楽しめることでしょう。

作品の魅力3:患者との感動の触れ合い

作品の魅力3:患者との感動の触れ合い
出典:『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』1巻

作中でみどりは、薬剤師は患者にとって最後の砦だということを語ります。医師は診断を下すだけですが、その良し悪しを患者が判断することは出来ません。治療で用いられる薬から、誤診の防波堤となるのが薬剤師というわけです。

特にみどりは、積極的に患者と関わることで心を開かせて、無意識に病気だけでなくメンタルケアまでおこなっていきます。

それは薬剤師の領分を越えたことかもしれません。しかし、それによって救われる患者の姿を目にすると、薬剤師に感謝の念を覚えつつ感動してしまいます。

本作の魅力は伝わったでしょうか。これ以降は、各巻の見所をご紹介していきましょう!

『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』1巻の見所をネタバレ紹介!

何かと医師達に煙たがられながらも、みどりは患者のためを思って、自分に出来ることを突き進んでいきます。

いつものように勤務していた彼女は、院内でうずくまる老人と出会いました。彼はもうじき退院だと言いますが、明らかに様子が変なのです。

同僚の担当薬剤師に尋ねても、経過は良好で投薬にも問題がないようでしたが……。

著者
["荒井ママレ", "富野浩充"]
出版日
2018-11-20

些細な違和感から、みどりは老人の異変を察知します。それによって仕事一筋の頑固一徹老人の心まで変わり、彼と彼の家族を救うことにも繋がっていくのです。

他にも薬嫌いに悩み、心労がかさむシングルマザーのエピソードは、命に関わる重大な一件ではありませんが、患者と寄り添う薬剤師を象徴するような温かい話となっています。

多くの患者、大量の処方薬を扱う大病院では、1人の患者に親身になるのは難しく、救命の観点からも時間を割くことは出来ません。そんな病院の実情からいえば、みどりの行為は決して褒められたものではないでしょう。

しかし、着実に人助けをする彼女の姿には、感動を覚えずにはいられないのです。

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『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』2巻の見所をネタバレ紹介!

ある日、みどりが出会ったのは、処方された薬を一袋にまとめて表れた患者でした。その袋を見ると、食前の薬を食後の薬としていたり、割ってはいけない薬を半分にしていたりと、処方にさまざまな問題があることが分かりました。

この処方をしたのは、24時間営業のドラッグストアの調剤師、小野塚。事情を聞きに電話をかけたみどりでしたが、彼は医師の指示だからと、あしらうような態度。しかし彼にもある事情があり……。

著者
["荒井ママレ", "富野浩充"]
出版日

病院と地域に密着したドラッグストア、それぞれの事情が描かれます。

もともと今の店に入ったときは、理想を持ち、勉強熱心だった小野塚。しかし店が24時間営業になったことで現実がどんどん厳しくなっていきます。同僚はやめ、途中に休憩をはさんでいるとはいえ、午前11時に出勤して、翌日の午前9時に退勤するという夜勤に週に3回も入ることになったのです。

その現実に疲れ果てた彼は、考えることをやめてしまったのでした。

それを知って自分のおかれている状況との違いに驚くみどりですが、目の前の患者の薬の処方をそのままにしとおく訳にはいきません。

病院と、ドラッグストア。それぞれの事情があるなかで、みどりと小野塚が、今、どういう対応をするか、今後どのように患者と向き合うか、に考えさせられる内容です。

『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』3巻の見所をネタバレ紹介!

ある日、病院にやってきたのは、適性体重を大きく下回った体重で、それでも食欲がないと言う少女、樹里でした。その理由は、慕っている祖父がガンにかかっているにも関わらず、告知できないという苦しさにありました。樹里の父親が、告知しないことを選んだのでした。

ガンという大病で、もう祖父が治らないかもしれないのに、自分も父親も祖父に嘘をついているのだと悩んだ彼女は、その苦しさを自分の体にため込んでしまっていたのでした。

彼女との出会いをきっかけに、みどりはガンを専門領域にした薬剤師のもとについて、ガンの調剤を学ぶことになるのですが……。

著者
["荒井ママレ", "富野浩充"]
出版日

それまで小児科で働き、人の死に立ち会ったことのなかったみどり。今回樹里との出会いをきっかけにガン患者と向き合うことになります。

それまでも小児科であるとはいえ救急に勤務し、さらにはそもそも病院で働いているということから、みどりは、死について一般の人よりは考えていると思っていた様子でした。

それゆえに一時は上司に自覚はあると反発しましたが、刻一刻と変わる樹里の祖父の病状と、それに戸惑う自分に、現実の重みを知ります。

さらにそれだけでなく、樹里の心の不安とも向き合う必要があり、みどりはこの家族のために自分が何ができるのかを考え続けることになるのでした。

人の死について考えさせられるとともに、そしてその人物に関わる人々の心のケアの重要性を痛感する内容です。

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作者・荒井ママレとは?「アンサングシンデレラ」が気になったら他の作品もおすすめ!

「アンサングシンデレラ」の作者は、荒井ママレ。2009年に『死神のわけまえ』が「月刊!スピリッツ」に掲載されてデビューした、日本の女性漫画家です。同作は新人コミック大賞に入選しました。それと前後する時期には夏原武原案、黒丸作画の人気青年漫画『新クロサギ』のアシスタントもしていたようです。

黒丸のもとでアシスタントを経た彼女は、その後2011年に「月刊!スピリッツ」で『おもいでだま』を初連載。2015年にはフォトエッセイ『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』のコミカライズを担当し、『ヒバナ』を2016年まで連載されました。

荒井ママレは、読みやすく親しみやすい絵柄も魅力ですが、ストーリーテリングも抜群です。共感されやすいキャラクターを主人公に配置し、わかりやすい導入から奥深い話に引き込んでいきます。簡単に答えの出ないドラマを得意としていて、苦悩しつつも前に進むキャラクターに、読者は惹かれていくことでしょう。

たとえば短編連作の『おもいでだま』では忘れてしまいたい、あるいは忘れたくない記憶をピンポイントに取り出して、完全な形で保存しておく「メモリーセーブキャンディー」というガジェットを軸として、トラウマに振り回される者や、死後の家族に仕掛けを施す老人などの人間ドラマが描かれます。

作劇に当たってはみっちり世界観を作り上げているようで、読んでいて破綻を感じないのも気持ちがいいところです。

「アンサングシンデレラ」が気になった方は彼女の他の作品も読んでみてはいかがでしょうか。

著者
荒井 ママレ
出版日
2012-05-30

いかがでしたか?本作は一般にあまり知られない薬剤師の苦悩を描いた、感動のストーリーです。これを読めば薬剤師がより身近に感じられるようになるのではないでしょうか。