オトナな社会科見学 ~TENGA編~(前編)

更新:2021.11.29

小学校の時に社会科見学をした経験が、皆さんにもおありだろう。私も豆腐工場に行き豆腐が作られる過程を学んだ。 だが、どうだろう? 大人になっても、私たちは「快楽が作られる過程」を知らないのではないか? 果たして快楽は、どこで、いかにして生み出されているのか? 知られざる「快楽の製造過程」にスポットを当てていくのが本連載「オトナな社会科見学」である。 今回は、ヒダヒダの魔術師として知られるTENGAに、その秘密を取材しにいく……。

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幻のTENGA職人を追え!

TENGAーー。
 

それは日本で最も有名なオナホール。そして、オナホールのシンボルである。


だが、皆さんは疑問に思ったことはないだろうか? TENGA内部に存在し、男性に得も言われぬ快楽をもたらす突起やヒダヒダたち……。

快楽の発生源たるこれらヒダヒダは一体どのようにして生み出されているのだろうか? TENGA社は様々な新製品を開発しているが、一体誰が、どのような基準で、このヒダヒダを決定しているのか?

この問題に対し、ホンシェルジュ編集部はディスカッションを行い、可能性は3つにまで絞り込まれた。

 

【仮説1】熟練のヒダヒダ職人が職人技で作っている。

「ここにヒダヒダを一つ加える。……これだけで快感が2割増しになるのじゃ」

 

【仮説2】TENGA社内に存在するスーパーコンピューターが膨大なデータベースを元に作っている。

「突起形状、大きさから分析中……分析中……

ピコー、ピコー、射精確率99%!!!!」

【仮説3】アツい社内会議を経て決まる。

「ここにあとひとつ、どうしても突起が必要なんです! 

部長、この突起に我が社の命運がかかってるんです!」

 

どれであってもすごく興味深くないだろうか……! 我々は密かに心踊らせてTENGA社への社会科見学を決行した!

期待を胸に見上げるTENGA社

快楽は食事や音楽に近い

東京都港区にある株式会社TENGAの本社オフィスを尋ねた我々は、広報担当者さんにより社内を案内してもらった。TENGAの豊富な商品ラインナップに圧倒される我々。だが、今日の真の目的はヒダヒダ職人である。痺れを切らした我々は広報担当者へと詰め寄った。

 ーーさて、いい加減、ヒダヒダ職人に会わせていただきましょうか……? ヒダヒダ職人に会いたいんです!

 

広報「ヒ……ヒダヒダ……職人?」

 

 ーー隠しても分かっていますよ……。 TENGAは熟練の職人の手によってデザインされているんですよね!? もしくはスーパーコンピューターですか?

 

広報「ス、スーパーコンピューター……?」

 

とにかくまずは落ち着くように促された我々だが、広報担当者から告げられた真実は残酷であった!

 

広報「ええっと……。あの、ヒダヒダ職人もいないし、スーパーコンピューターもありません……」

 ーー(いないのかよ!)

 

広報「……というのはですね。弊社の事業を通して分かったのは、万人に共通する『究極の快感は存在しない』ってことなんです。快感というのは、食事や音楽に近いものだと思ってください。

誰かにとって最高の食事や音楽でも、万人にとって最高とは限らないじゃないですか。強い刺激が好きな人もいれば、弱い刺激が好きな人もいる。先端を刺激するのが好きな人もいる。だから、『最高の快感』ってのは十人十色だと思いませんか」

 

 ーー(言われてみれば、そりゃそうだ)

 

広報「ですので、弊社としては『究極の快感』はとても大切なことですが、それだけを模索するのではなく、『快感のバラエティ』と『コントローラブル』を重視しているんです」

快感のバラエティとコントローラブル?

広報「人によって『最高の快感』は違うので、バリエーションを増やすことでベストな快感を選べるようにしてるんです。たとえば、こちらの商品」


広報「通常のTENGAは上下にピストン運動をしますが、こちらは『回して使う』タイプです。その名も『ローリングヘッドカップ』。回転により先端部を刺激できるので、先端好きの人にオススメですね」
 


  ーーこうではなく……
 

 ーーこう!

 

広報「また、U.S. TENGAは、一物の大きな人のためのものと一般に思われてますが、実はCUPシリーズ最高のバキューム力や、ゆったりとした刺激を味わいたい人に向けた商品なのです」

U.S.はアメリカではなく「Ultra size & Super Vacuum」の意味


広報「サイズの大小、素材の硬軟、希望刺激部位、機能などにより様々な商品バリエーションがあり、TENGAフィッティングを使用すれば各人のベストなTENGA(CUPシリーズ)が見つかりますよ」
 

TENGAフィッティングに己の一物情報を入力するだけで、適切なTENGAが提示される


広報「そして、次は『コントローラブル』。つまり、快感を自分でコントロールできる仕組みです。
 

TENGAのカップシリーズには、『エアホール機構』が採用されており、シールを剥がすことで内部の空気圧がコントロール可能なんです」
 


広報「指で押さえつけると中の空気がなくなり吸い付くようなバキューム感が生まれ、指を離すとピストンがしやすくなります。シールを付けたままだとキツキツなので、シールを取った後、適宜、指で空気穴を塞いで快感をコントロールするのがポイントなんです)
 

リズミカルなタッピングがマスターベーションのポイントとなる


広報「また、こちらの『ソフトチューブカップ』は握力により締め付け具合を変化させることができます」
 


広報「つまり、ベストな快感は、自分で選び、自分で生み出す、ということですね。
 

また、繰り返し使えるタイプのTENGAホールシリーズであれば『最初は使用感に違和感が少しあったけど、回数をこなすうちにTENGAが一物に馴染んで、良くなってくる』という人もいるようです」
 


 ーー(革靴みたいな話だな……)
 

刺激の強弱を生み出す秘密


 ーーしかし、御社にはプレミアムTENGAなんてのもあるじゃないですか。通常のTENGAよりも、こちらの方が快感が大きいということでは?
 

広報「プレミアムは『技術的な進化』という面が大きいですね。TENGA発売から10年目に発売した商品なんです。

その歳月により、進化した最高品質のゲル(商品内部の軟性素材)、専用に設計された内部ディテール、しっとりと包み込む高級ウレタンフォーム、拭き取りやすいプレミアムローションなど様々なモノを凝縮したプレミアムな商品になっております。

実はオナホを使う上でローションは非常に重要で、ローションの粘度がサラサラしているほど刺激が大きくなるんです」

 

 ーー(ローションって何使っても同じじゃなかったんだ……)

 

広報「そして、機会の進化により、より複雑な内部構造が作れるようになりました。こちらのFLIP ORBが分かりやすいのでご覧ください」


広報「この透明な突起の中にボールを埋め込めるようになったのが、十年の歳月がもたらした技術上の進化なのです。
 

今まで作り得なかった内部構造が作れるようになり、今まで表現できなかった刺激を得ることができるようになったんです」
 

技術の進化を指先で確かめる見学班


広報「ベストな快感は十人十色ではあります。ですが、単純に刺激を強くする方法というのはありまして……」
 

広報「右側に行くほど刺激が強くなります」

 ーーじゃあ、快感を意図して生み出す、という点は実際やってるんですね。

広報「そうですね。ヒダヒダ職人はいませんけど、私達もより多くの経験を積んでおります。新しく内部構造をデザインしても、そう大きくミスすることはありません。

上記の原則に従って刺激の強弱をコントロールできることは以前から経験的に分かっていたので……もちろん、開発する上ではそう簡単な話ではございませんが。

今ではこれを使って医療分野への転用も行われてるんですよ」


 

ええっ! TENGAが医療に!? だが、TENGAで一物を刺激して一体何が治るというのか!? 衝撃の「TENGA医療編」に続くーー! 

後編はこちら
https://honcierge.jp/articles/shelf_story/7488

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