TENGA社の社会科見学に訪れた我々は衝撃の事実を知るーー! TENGAはいまや医療分野への転用も行われているのだという。果たしてTENGAで一物を刺激することで何が治るというのか!? 衝撃の事実が今明らかとなる……!
「ヒダヒダ職人に会いたい!〜オトナな社会科見学 TENGA編(前編)〜」は、こちらから
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ーーTENGAで一物を刺激したら病気が治る!? そんなことがあるんですか!
鈴木「それは私から説明いたしましょう。TENGAヘルスケア代表、鈴木雅則です」
ーーTENGAヘルスケア!? そんな関連会社も作ってたんですか! 医療分野に進出する気マンマンじゃないですか!
鈴木「まあ、まずは私の精子をご覧ください」
鈴木「どうです? 私の精子、元気に動いているでしょう」
ーーあッ。は、はい……。す、すごいですね。
鈴木「……さて。それはそれとして、TENGAの医療転用の話ですね?」
ーー(今の精子はなぜ見せられたんだ?)
鈴木「皆さんは腟内射精障害という言葉をご存知ですか?」
ーー腟内射精障害?
鈴木「腟内射精障害とは、マスターベーションでは射精可能ですが、セックスで腟内に射精できないという障害です。自社調べでは成人男性の約20人に1人が腟内射精障害と考えられています。こちらのデータをご覧ください」
鈴木「腟内射精障害の原因は不適切なマスターベーションにあります。
たとえば一物を強く握りすぎており、その刺激に慣れてしまうと、女性器の刺激では物足りなくなり射精ができなくなります。ですが、どうでしょう!」
ーーハッ! TENGAは硬い! 握りしめれない!(注:「ソフトチューブカップ」は除く)
鈴木「そうです。これにより『強すぎるグリップ問題』が解決します。また、床や壁に押し付けてマスターベーションしていた方も、TENGAを使えば自然とピストン運動をおこなうことになり、より『女性器とのセックスに近い』状況となります」
ーーつ、つまり、TENGAでマスターベーションすれば腟内射精障害が解決する……??
鈴木「その可能性があります。TENGA社は2005年にスタートしましたが、早くも2009年の段階で泌尿器科医師の小堀善友先生から連絡がありました。腟内射精障害の患者にTENGAを勧めたら症状が改善した例が数例現れた、と。小堀先生とは今も共同研究を行っています」
ーーTENGAを使って射精をリハビリ……。
鈴木「そのとおりです。従来では腟内射精障害への対策はカウンセリングや投薬(バイアグラなど)しかありませんでした。我が社はそれらに加えて『射精リハビリテーション』を提唱しているのです」
ーーし、しかし、TENGAもだいぶ気持ち良いのでは……? TENGAが女性器よりも気持ち良かったら、『TENGAじゃないと射精できない』ってなりませんか?
鈴木「TENGAは女性の代用品ではありません。しかし、TENGAヘルスケアでは、障害対策に特化した商品、こちらの『メンズトレーニングカップシリーズ』を開発いたしました」
鈴木「先に説明させて頂きましたが、刺激の強弱は、素材や突起、ヒダヒダ、ローションなどの調整によりコントロール可能です。なので、強い刺激のものから、女性器の刺激に近いものまで五段階の刺激を用意しました。
腟内射精障害の患者さんは、まず強い刺激のものを使い、射精できたらじょじょに弱い刺激に慣らしていきます。そうして最終的には、最も女性器に近い刺激のもので射精できるようにする、というものです」
ーーおおっ。
鈴木「逆に、弱い刺激から開始して強い刺激に慣らしていく、早漏用のトレーニングカップもあります。
これらのトレーニングカップシリーズは、従来のマスターベーションをより楽しむTENGAとはコンセプトが違うので、素材の硬軟やヒダヒダの形なども従来のTENGAシリーズとはまったく違います。射精リハビリに特化して、いちから開発し直したんです」
ーー女性器に近くなったということですか?
鈴木「そうですね。ただ、形を模したわけではなく、女性の腟圧を計って、内部の圧力をその平均値に近付けたり……などです。」
鈴木「でも、その『腟圧に近い刺激』に至るまでを五段階に分割するのが結構難しくって。単純に数字を五で割ればよいという問題でもなく、みんなで実際に体験を重ねながら、ああでもない、こうでもないと試行錯誤を繰り返しましたね……」
ーー(あっ、やっぱりあるんだ、そういうアツい開発風景)
鈴木「TENGAヘルスケア社のテーマは医療、福祉、教育の面から性の問題のない社会を作り出す、というものです。
そのため妊活にも力を入れていて、いま特に強調しているのが男性側の妊活です。ここでもう一度、私の精子をご覧ください」
鈴木「スマートフォンのカメラ機能を使って、自分の精子を確認できるキットを開発したんです。
不妊は男性側に問題があることも多く、精液に含まれる精子の数と、精子の運動量が問題なのですが、日本では男性の5人に一人には不妊リスクが潜んでいると言われています。
このキットを使えば、精子の数と運動量をご自宅で簡単にチェックできるというわけです」
ーー(自分の精子を見せたがる変な人じゃなかったんだ……)
鈴木「あくまで目視による確認ですので、正確な数字が分かるわけではないのですが。こちらのサイトを参考に精子の数や運動率を測って頂き、ちょっとでも危ないと思ったら病院へ!
また、精子をケアするためのサプリメントも開発しています」
鈴木「精子って、体の中で作られてから約3ヶ月後に体外に出てくるんです。その間の生活習慣や栄養摂取により、精子の質(精子濃度や運動率)が変化するので、まずルーペで自分の精子を観察し、サプリメントを服用しつつ、3ヶ月後にもう一度観察して精子の活性化を確認する、というのが男性にオススメの妊活ですね」
ーー意識して精子を育てる、ということですね。
鈴木「私もサプリメントを服用して確かめてみたんですが、この通り、とても元気な精子になりましたよ! ワッハッハ!」
ーー(やっぱり自分の精子を見せたがっているところもあるような気がするな……)
社会科見学を終えて、我々はTENGA社を後にした。
見学を終えて思ったのは、「子供を産む」というのは本当に大変なのだな、ということだ。
まずそもそも肉体関係を迫れるくらいまで異性との関係性を築かねばならず、この時点ですでに難しい。そこまで到達しても、今度は適切に射精ができねばならず5%がここで脱落。
次に、精子の質の問題があり20%が脱落。無事に妊娠できても15%が流産してしまう。これらを全てクリアして、かつ一世帯が2人以上子供を産んで、ようやく人口は現状維持という……。そりゃあ大変だ。少子化もするよ。っていうか、むしろ人類はここまでよく増えたものだ。
しかし、適切な射精方法や、精子の質の問題は、それがコントロール可能であるという認識を持てば、いくらかは改善する数字なのだろう。そこに着手したTENGA社の狙いは社会的にも意義あるものだと感じられた。
そして、子供が生まれるのってこんなに難しいんだから、学校での性教育ももっと踏み込んでいろいろ教えた方がイイんじゃないかなと思ったりもした。中学の保険の授業でちんこの持ち方から教えるべきなんじゃないかな!
そんなわけで、今回のオススメの書籍はこちらだ!
泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」 ~カップル、夫婦、家族で考えよう! 自分の種と子孫を絶やさないためのムスコ運用法~ (impress QuickBooks)
記事中にも名前が登場した泌尿器科医師の小堀善友氏による著作で、TENGAを使った射精リハビリにも触れられている。
セックスやマスターベーションのような「意図的な射精」は自然にできるようになるわけではなく「習得する技術」であるとされており、「そうか、箸の持ち方のようにちんこの持ち方も教えなきゃいけないんだな」と思わされる。
また本記事では、腟内射精障害の原因として「不適切なマスターベーション」にフォーカスしたが、実際には糖尿病や鬱病、さらには歯周病までもが射精障害や勃起障害の原因となる可能性があるという。
そういった、本記事ではフォローしきれなかった要素も含め、より幅広い知識を手軽にまとめた一冊であり、読みやすい文章も相まって、男性の股間の問題を俯瞰的に知るための最初の一冊としてオススメである。
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「オトナの社会科見学 ~TENGA編~(前編)」は、こちらから
https://honcierge.jp/articles/shelf_story/7485
次回の連載をお楽しみに!