パンナコッタ・フーゴの7の事実をネタバレ!本当はスパイの敵キャラだった?

更新:2021.11.18

『ジョジョの奇妙な冒険』第5部「黄金の風」に登場するキャラクター。理知的でハンサム、おまけに柔和な紳士という一見完璧な人物ですが、1度キレると手に負えない二面性のあるキャラ。しかも、キレるスイッチは簡単に、そして急に入ります。2018年から放送のアニメ版でも活躍していました。 今回は、そんなフーゴについて詳しくご紹介。途中でチームを離脱することになった驚きの理由、そして、その後を描いた小説版の内容とは? また、下のボタンのアプリから読むことができます。

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漫画『ジョジョの奇妙な冒険』パンナコッタ・フーゴとは?身長、誕生日、声優などネタバレ解説!

 

第5部「黄金の風」の登場人物。名前はイタリア語の「Pannacotta(伝統洋菓子)」、「Fugo(撒き散らすという意味の単語)」に由来します。アニメ版の声優は、榎木淳弥。

髪色は金髪、イケメンで、水玉型の穴が開いたスーツが特徴的です。5部の登場人物はセクシーな衣装が多いですが、肌の露出でいえば彼が1番でしょう。

 

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1997-04-01

 

1985年生まれの16歳で、血液型はO型。他のレギュラーキャラには好きな食べ物があるのに、なぜか彼には設定されていません。ピアスや靴にいちごのモチーフが多数あるので、いちごが好物なのかも……。

裕福な家庭に育った将来有望な少年でしたが、凶暴な性格が祟って、後にギャングにまで転落してしまいます。組織には入団3年目で、実はブチャラティチーム内では最古参です。

見た目だけでいったら2枚目キャラですが、トリッシュに上着をハンカチ代わりにされたり、いろいろと不憫な扱いが多いため「ナンテコッタ・フーゴ」という俗称があります。

 

フーゴの事実1:ナランチャとは名コンビ!出会いのきっかけは?

フーゴは初登場時にナランチャの勉強を見ていたり、ナランチャの買い出しに心配そうな素振りを見せるなど、2人はチーム内でも仲がよさそうな様子が見て取れます。

しかしナランチャがあまりにも頭が悪いため、そのことに腹を立てたフーゴが、フォークでナランチャの頬を突き刺す場面も……ナランチャも、ナイフで応戦しました。

しかし、その後すぐに謝罪しあっているので、喧嘩するほど仲がいいという関係なのかもしれません(やや度を越していますが)。

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1997-02-01

そもそも、ナランチャをチームに連れてきたのがフーゴでした。フーゴは2年前、どん底の生活を送っていたナランチャと出会います。残飯漁りしていたところフーゴから彼に声をかけ、初対面のナランチャを丁重に扱い、ブチャラティに紹介したのです。

名言の項目であらためてご紹介しますが、フーゴが1皿のパスタをナランチャに与えたことが、ナランチャ入団のきっかけとなりました。

 


ナランチャについては<ナランチャ・ギルガの6の事実!計算できず、フーゴとフォークでバトル!?>の記事で詳しく紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

 

フーゴの事実2:教授を百科事典で滅多打ち……性格の二面性が怖い!

 

短気で、キレると凶暴になる彼は、実はIQ152の天才。13歳で大学へ飛び級進学するほどのエリートでした。しかし、短気すぎる性格のせいで、ドロップアウトしてしまうのです。

原作では一部しか明かされませんでしたが、後述する小説『恥知らずのパープルヘイズ』では、祖母を侮辱されたことで激怒し、大学教授を百科事典で殴打する事件があったと判明。さらに駆けつけた警備員をも叩きのめし、将来の道を自ら閉ざしてしまったのでした。

そんな彼のおそろしさは、一見普通に見える時にも発揮されます。ミスタが負傷した際には、丁寧な介抱をしていたにも関わらず、突然傷をホッチキスで止める荒療治を施しました。

おそろしいほどの二面性。それが、フーゴの怖さであり、魅力でもあるのです。

 

フーゴの事実3:スタンド能力が強すぎる!! イルーゾォ戦で活躍!

 

彼のスタンド「パープル・ヘイズ」は素のスペックも強力ですが、何より恐ろしいのは、両拳に付いたカプセル。なんと、これは殺人ウイルス入りなのです。スタンドをも侵食するウイルスは、まさに必殺技。単純なスタンド戦に限れば、最強といえます。

カプセルが割れると、その一帯にいる生物はたちまち感染。数十秒の間で、服だけ残して跡形もなく消えてしまいます。その威力は凄まじく、パープル・ヘイズの姿を確認したアバッキオが、慌ててジョルノを呼び止めたほどです。

しかし、本体であるフーゴも感染したら死亡してしまうところが、難点でしょう。

 

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1997-04-01

その戦闘能力は、イルーゾォの「マン・イン・ザ・ミラー」戦で発揮されました。最初は本体であるフーゴだけが鏡の中に入れられ、苦戦を強いられます。しかし、ジョルノ、アバッキオ の力もあって、最後にはパープル・ヘイズがイルーゾォを掴むのです。

鏡の中に潜む小賢しいイルーゾォに、凶悪な能力を叩き込んだ瞬間は、最高の見せ場でした。

フーゴの凶暴性を体現する獰猛なパープル・ヘイズ。外見はかっこいいですが、その一方でスタンド自体の知能は低く、フーゴが操作していない場面ではアホっぽいのが残念なところです。

フーゴの事実4:最後は船に乗らず退場……チームと決別

 

ブチャラティはボスの娘・トリッシュの身柄を巡る経緯から、ストーリーの途中で組織を裏切ります。

その際ブチャラティは、チームのメンバーに、ついてくるかどうかを自分自身で選ばせました。メンバーは苦しい選択を迫られます。

1人、また1人と船に乗り込むなか、フーゴは最後まで船に乗ることはありませんでした。そして、チームを離脱したのです。

一時の感情で行動するのではなく、組織を敵に回すリスクをおそれたフーゴ。少年漫画の味方キャラとしては駄目ですが、彼が聡明なギャングであることを考えれば、賢い選択といえるでしょう。

これによって、彼は主人公側レギュラーで生き延びたにもか関わらず、ラストまで登場しない希有なキャラとなったのです。

 

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1998-01-01

漫画版では、うつむき加減でメンバーを見送る姿が描かれますが、テレビアニメ版では離脱のフーゴの心情が少し補完されており、こんなセリフがありました。

僕は……正しい馬鹿にはなれない!
(『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』21話より引用)

裏切ったメンバー達を馬鹿だと思いつつも、それが正しいことだと分かっている。苦しい心情が見て取れます。そして、そんな彼の苦悩は、後にご紹介する小説版でも描かれることになるのです。

フーゴの事実5:チーム離脱には理由があった!!作者・荒木飛呂彦の発言を考察!

フーゴが抜けた理由は、いくつかありました。

作者の荒木はインタビューで、パープル・ヘイズが作劇上、扱いの難しいスタンドだと語っています。無差別範囲攻撃は味方に被害が出て使いにくい一方で、敵をも一網打尽にします。そのため、難攻不落のボスにも通用してしまうのです。つまり、強すぎて退場した、というのが1つ。

もう1つの理由も、荒木によって語られました。実はフーゴは、本来ボス側のスパイとして、敵になる予定だったのだそう。しかし、彼が組織に入った経緯を考えると、その展開があまりにも陰鬱なためボツとなりました。

さらにチームで動き、仲間で行動する場面の多い5部において、彼らのなかから裏切りが出るのは、作者として気持ちが許さなかったそう。

こうした理由から、フーゴはフェードアウトして消えた不遇のキャラになってしまったのです。

 


5部の護衛チームと暗殺チームについては<「ジョジョ」5部の護衛チーム、暗殺チームを徹底比較!名言や能力、強さなど>の記事で考察しています。気になる方はぜひご覧ください。

フーゴの事実6:裏切り者のその後は?スピンオフ小説『恥知らずのパープルヘイズ』で再登場!【結末ネタバレ注意】

 

ジョルノの勝利に終わった5部完結から半年後、組織は内部浄化をおこなっていました。その一環としてフーゴに、かつてのボスの息がかかった「麻薬チーム」の粛正が命じられたのです。これは任務の他に、かつてチームを離脱したフーゴの忠誠心を確かめる狙いもありました。

フーゴは旧親衛隊のシーラE、情報チームのカンノーロ・ムーロロら、旧体制といわくのある者だけの追跡チームで、麻薬チームを追いかけていきます。

 

著者
上遠野 浩平
出版日
2011-09-16

 

本作は、正義から逃げたフーゴが蘇るための物語といえるでしょう。生存し、ひっそりくすぶっていた彼が、正しい道を模索していくのです。

大の「ジョジョ」ファンという小説版作者・上遠野浩平による、ファン向けの演出もたまりません。個人の性格とスタンド能力の関係についての解釈や、フーゴと本編キャラの絶妙なバランス、そして新キャラが本編の補完になっているのも注目です。

事実上のボスキャラであるマッシモ・ヴォルペが、4部に登場するスタンド使いトニオ・トラサルディーの実弟というのも興味深いところ。

終盤でフーゴは命懸けの進化を遂げ、新しく「パープル・ヘイズ・ディストーション」の力を獲得します。ジョジョのゲームに出てくる「決断はすませた。それに賭ける!!」というセリフは、このシーンの地の文に由来するものです。

5部ファン必見のスピンオフといえるでしょう。

 

フーゴの事実7:口調が違いすぎ!! 名言ランキングベスト5を紹介!

最後にフーゴの印象的な名言、名シーンのベスト5をご紹介しましょう。聖人かと思えば暴力的なところもあり、2重人格並みに振れ幅のある口調こそ、彼の魅力なのです。

第5位

断る!
(『ジョジョの奇妙な冒険』52巻より引用)

イルーゾォのマン・イン・ザ・ミラー戦で言った名言。鏡の中に捕らえられたフーゴは、敵に屈することなく毅然と立ち向かいます。シンプルななかに、彼の芯の強さが感じられた名場面です。

第4位

こいつにスパゲティを食わしてやりたいんですが
かまいませんね!!
(『ジョジョの奇妙な冒険』50巻より引用)

初めてナランチャをブチャラティに会わせた時のセリフ。フーゴは、落ちぶれて弱っていたナランチャを人間扱いし、彼に生きるきっかけを与えました。思いやりがあり、まるで聖人のような名言でしょう。

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1996-11-01

第3位

あんたに恩はあるが ついて行く事とは別だ…
あんたは現実を見ていない…
理想だけでこの世界を生き抜くものはいない
(『ジョジョの奇妙な冒険』56巻より引用)

ブチャラティが組織への裏切りを宣言したシーンでの言葉。フーゴの現実主義的一面がわかります。単純な人情では推し量れない、過酷で危険な展開を予期させるセリフとなりました。

第2位

このチンピラが オレをナメてんのかッ!
何回教えりゃあ理解できんだ コラァ!
(中略)この……
クサレ脳ミソがァ────ッ
(『ジョジョの奇妙な冒険』49巻より引用)

ナランチャに算数を教えているシーンで登場したセリフ。あり得ないミスから、フーゴの紳士的態度が一変。暴言の連続で、彼の危険性が一目でわかりました。

ちなみに、これは後に改変された方のセリフで、もともとは「ド低脳」でした。文庫版を発売するタイミングで、差別用語に引っかかるものは改変したとのこと。しかし、響き的には「クサレ脳ミソ」の方がパンチの強さを感じます。

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1997-04-01

第1位

ジョルノッ! おまえの命がけの行動ッ!
ぼくは敬意を表するッ!
(『ジョジョの奇妙な冒険』52巻より引用)

イルーゾォとの決着後の発言です。緻密な計算があったとはいえ、ジョルノが無謀とも思える行動を取ったことに、フーゴは心底感服しました。彼の生真面目さが、よく表れている名言でしょう。

いかがでしたか?フーゴは物語の展開上、原作では不名誉な退場を強いられたキャラです。しかし、スピンオフでは見事に名誉挽回を果たしているので、その活躍を知らないファンにはぜひとも小説版もあわせて読んで、彼のことを見直してほしいところ。ぜひお試しください。

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