箱入りのお嬢様が、地方を飛び出して上京する物語『ハコイリのムスメ』。どこまでも素直な主人公が、物語をテンポよく進めていきます。まさかの展開もあり、どんどん大人の階段を登っていく軽快なストーリーに引き込まれるでしょう。恋愛だけでなく、主人公をとりまく環境や人物も気になる骨太な漫画です。 本作は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらからもどうぞ!
地方の大富豪の箱入り娘として育てられたお嬢さまの園田珠子が主人公の本作。高校に入って初めてできた彼氏・靖が東京の専門学校に行くと知り、自分も東京暮らしに憧れるようになります。
ですが、厳しい祖父はそれを一蹴。珠子がそれに落ち込んでいたところに、東京行きを後押しをしてくれる人物が現れます。それは成績優秀で東京の名門大学に進学を希望する津川紀之でした。
猛反対していた祖父でしたが、珠子が紀之を好きなのではないかと勘違い。彼らが婚約して同じ大学に合格し、2人一緒でなら東京に行ってもいいと驚きの条件を出すのでした。
- 著者
- 池谷 理香子
- 出版日
- 2015-09-25
この提案に利害が一致した2人は偽装婚約をすることを決意します。紀之には実家の仕出し屋を救うため、この取引に乗ることも厭わない理由があったのでした。
そんなスタートから始まり、2人が東京に行ってからの物語が本作のメイン。偽装フィアンセ生活や、それを取り巻く学生仲間たちとの青春ラブストーリーが始まるのです。
ここから先は、本作の胸キュンエピソードや波乱の展開の一部を紹介します!ネタバレを含みますので、苦手な方はご注意ください。
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作者の池谷理香子は茨城県出身、東京で漫画家として活動しています。漫画家は年齢非公表の方が多く、池谷理香子も11月5日生まれのさそり座だけが公表されており、生まれた年はわかりません。とはいえ、デビュー作となった「いつか何処かで」は20歳のときの作品で1989年のものなので、デビュー作の時期からおおよその類推はできます。
代表作として『微糖ロリポップ』や『シックス ハーフ』、そして2015年から連載し始めた本作『ハコイリのムスメ』があります。
『シックスハーフ』について紹介した<『シックスハーフ』最終回までの見所ネタバレ紹介!記憶喪失からの恋【無料】>の記事もおすすめです。気になった方はぜひご覧ください。
- 著者
- 池谷 理香子
- 出版日
- 2007-04-13
好きな漫画は『漂流教室』『諸怪志異』『夏子の酒』で、好きな映画は『クソシスト』に『ブロークバック・マウンテン』、市川崑の「金田一シリーズ」など、怖い系やミステリー系が好きなようです。好きな音楽は昔のR&Bや邦楽と渋く、可愛らしい絵柄ではあるものの少女漫画から連想されるジャンルとは異なるところに好みがあるようです。
さらに趣味は飲酒と散歩とのことで、こんな落ち着いた趣味やライフスタイルの作者から、偽装婚約や学生たちの青春ラブストーリーが編み出されるのが意外で興味をそそられる漫画家ですね。
- 著者
- 池谷 理香子
- 出版日
- 2016-03-25
過保護やマザコン、友達親子やセレブお嬢様といった言葉はよく見聞きするものの、箱入り娘という言葉はあまり聞かなくなったのではないでしょうか。お金持ちのお嬢様ゆえに自由奔放に生活を楽しみ、パパのお金でセレブ生活を送るお嬢様が目立つようになった時代に、昔ながらの箱入り娘キャラは、かえって新鮮に見てユニークかもしれません。
しかも現在のお金持ちのお嬢様にありがちな嫌味な感じがなく、珠子は好感度が高いのもストーリーを読み進めたくなるポイントです。
世間知らずなお嬢様は果たして東京でどうやって生活していくのでしょうか?
また、本作は偽装婚約としてのドキドキ感も見所。
2016年には偽装結婚をストーリーに組み込んだ漫画『逃げるは恥だが役に立つ』がドラマ化されて話題にもなりました。結婚をしたほうが低コストでお互いにメリットがあるということで契約婚を結び、それがきっかけで恋に落ちた2人が最後には本当に結ばれるという内容です。
- 著者
- 池谷 理香子
- 出版日
- 2016-10-25
偽装結婚のストーリーの見所は、気持ちがない状態でできた繋がりが徐々に恋に変わっていく様子。しかも、本作ではまだ学生である2人の偽装婚約ということで、未成熟な2人が1つ屋根の下で生活をともにするわけですから、先の読めない展開にドキドキします。
しかも彼らだけが恋愛展開に絡んでくる訳ではありません。珠子が東京まで追いかけた初彼、靖の存在もあります。
そんな本当の関係とは裏腹に、珠子と紀之の関係は同居がバレたことから、付き合っていると噂を立てられてしまいます。そして今度は学生仲間の目を欺くため、偽装交際を始めることになるのです。
偽装婚約にプラスして偽装交際もスタートさせた2人の距離の縮まり方、もともと思いあっていた人物との関わり合いにも注目です。
- 著者
- 池谷 理香子
- 出版日
- 2017-04-25
秘密の関係から始まる気持ちの変化も本作の見所。
同居生活から、さらに偽装交際をもスタートしたことで、珠子は紀之をこれまで以上に意識し始めます。彼もまた、彼女のことをかわいいと思うようになるのですが、話は一筋縄にはいきません。
紀之にアプローチしてくる女性が現れたり、靖の姿が見え隠れしたり、すんなり行かない恋愛展開に期待が高まります。しかも2人の障壁となるのは、さまざまなタイプの人物で、どんどん先を読み進められてしまいます。解決して2人の仲が深まったかと思えば、また次のライバルが現れて……と、ハラハラドキドキの展開です。
絶妙なタイミングでうまくいきそうになったと思ったら恋敵の登場や思わぬトラブルに見舞われるので、ヤキモキする分、次の展開が待ち遠しくて仕方なくなります。
ここからは2019年9月時点で最新刊の8巻についてご紹介いたします。7巻までの間には2人の仲もかなり深まり、本当のフィアンセモードに突入してきていました。
楽しかった夏休みも終わり、読者から見れば、2人の同居生活もかなり安定モードに突入して、2人もいよいよ本物の恋人になるかなんて思っていた方も多いことでしょう。ですが、やはり簡単にはいきません。8巻ではそんな新キャラたちの登場に心が踊る展開です。
- 著者
- 池谷 理香子
- 出版日
- 2019-06-25
まずは、あらゆる面で最強な存在、ミー。他大学の女子大生なのですが、紀之を追いかけてきて、大暴走。どれだけ嫌だと言われてもまったく気にせず、我が道を突っ走る様子は敵ながら尊敬してしまうほどです……。
しかしそこに、ミーの友達だというユラが現れ、ミーの無謀な行動を監視してくれるように。2人はほっと胸をなでおろします。……と思いきや、ユラはミーだけでなく、ある人をずっと目で追っていたのでした。しかもなんだか不穏な空気が漂っていて……?
両思いになってから平和な展開が続いてきたストーリーに再び波乱が訪れます!