連載開始から20年以上経ち、今なお世代や国境を超えて多くのファンに愛されるポケモン漫画「ポケットモンスタースペシャル」。個性的な主人公たちや壮大なストーリー、迫力満点のバトルが特徴で、作中の伏線回収がすごい漫画の1つとしても知られています。 この記事では、本作のあらすじや魅力を、各章ごとにそれぞれ解説していきます。スマホの漫画アプリで無料で読めるので、この機会にぜひチェックしてみてください!
本作は、ポケモン研究者から図鑑を託された主人公たち「図鑑所有者」が、ポケモンとともに戦い過ごしていくなかで心身ともに成長していく姿を描く少年漫画です。
1997年に小学館の学習雑誌「小学四年生」で連載が始まり、単行本は2019年現在で53巻まで刊行。第12章からは各章ごとに単行本化されています。
ゲームソフトとリンクした各章ごとに主人公が変わるのも大きな特徴で、原作をベースとしたオリジナルストーリーが展開されます。 原作に登場するポケモンや技はほとんど登場するほか、ゲーム中の小ネタや裏技も設定として豊富に盛り込まれています。
連載初期にはポケモンの生みの親・田尻智から「僕が伝えたかった世界に最も近い」と評されました。
シナリオは日下秀憲が担当。作画は1巻から9巻まで真斗が担当し、真斗が体調不良で降板した10巻以降は、山本サトシが担当しています。
2014年には累計発行部数1200万を記録。2019年11月からは、第15章/ソード・シールド編の連載がスタートし、新主人公の活躍に多くのファンが注目しています。
本作の大きな魅力の1つが、世代を超えて紡がれる壮大な冒険ストーリーです。 基本的に、各章ごとにそれぞれの目的を持った少年・少女「図鑑所有者」が登場し、やがて大きな敵との戦いに物語が収束していきます。
図鑑所有者だけでなく、ジムリーダーなどのゲームのサブキャラにもしっかり活躍の場が設けられ、群像劇としての人間ドラマや壮大なストーリーが展開されます。 なかには原作から大胆なアレンジを加えられたキャラクターもいて、原作とは異なるドラマチックなストーリー展開も楽しめます。
伏線回収の巧妙さも本作の魅力の1つ。ちらりと登場した人物が、後の章の主人公や重要人物になったり、重要な設定につながってきたりします。 章をまたいで数年越しに伏線が回収されることもあり、まるで1つの大河作品を見ているかのような気分になるでしょう。
もう1つの大きな魅力が、ゲームでは決して見られないバトル演出の数々です。
原作ではポケモンはポケモンにしか攻撃できませんが、本作ではトレーナーも直接攻撃を受けることがあります。肉薄したバトルになる場合も多く、トレーナーはポケモンと一心同体になって戦います。
モンスターボールを壊してポケモンを出せなくする、相手が気づかないうちに技をしかけるなど、ゲームではできない心理戦や駆け引きも特徴です。トレーナーが死力を尽くしてぶつかる熱いバトルに、思わず魅入ってしまうでしょう。
ポケモンの世界が持つ壮大な世界観を、余すことなく引き出した本作。1章から読み始めるのはもちろん、自分がプレイしたゲームタイトルとリンクする章から読み始めるのもおすすめです。
カントー地方のマサラタウンに住むレッドは、ある日森で遭遇したロケット団から「西の森に珍しいポケモンがいる」という情報を聞きます。
西の森ではすでに同い年のグリーンが謎のポケモンと戦闘しており、レッドも加勢しますが、謎のポケモンに一撃で倒されてしまいました。
己の実力差を思い知ったレッドは強いポケモントレーナーになるため、オーキド博士からフシギダネとポケモン図鑑を託されて、「究極のポケモントレーナー」を目指す旅に出ます。
やがてレッドは、カントー地方を脅かす巨悪・ロケット団との戦いに身を投じていきます。
- 著者
- ["秀憲, 日下", "真斗"]
- 出版日
本章の主人公は、レッドとグリーン、ブルーの3人です。
レッドは、街では腕利きのトレーナーとして知られる、赤いキャップがトレードマークの少年。無鉄砲で自信過剰な性格ですが、謎のポケモンに敗北したのを機に、強いポケモントレーナーとなることを決意。グリーンやブルーとの旅の中で、心身ともに成長していきます。
グリーンは、オーキド博士の孫で、ポケモンバトルやポケモン育成を得意とします。クールな性格ですが根は熱く、祖父のことを誇りに思っています。何かと暴走しがちなレッドのストッパー役ですが、大切な物を傷つけられると激昂し、レッドと立場が逆転することも。
ブルーは、用意周到かつちゃっかりした性格の美少女で、オーキド博士から盗んだポケモンを連れています。3人の中で1番ずる賢く、自作のメカや己の容姿を利用した戦法も得意です。
幼少期の暗い過去から心が荒んでおり、詐欺などの犯罪に手を染めていましたが、レッドやグリーンとの旅の中で徐々に本来の明るさを取り戻していきます。
本章の見どころは、ロケット団との緊迫感あふれるバトルの数々です。本作では、カントージムリーダーの一部がロケット団の幹部として登場し、レッドたちを非情かつ残忍な攻撃で追い詰めていきます。
本気で殺しにかかるロケット団幹部と、レッドたちの肉薄したポケモンバトルのシーンの数々に、思わず手に汗握ることでしょう。
ロケット団幹部とのラストバトル。崩れ行くビルの中でレッドたち3人が力を合わせて一斉攻撃を放つシーンは、本作の数ある名シーンの1つです。
物語終盤では、レッドがロケット団ボスのサカキと対決。冷酷なサカキを相手に、ボロボロになりながらも戦う姿に胸が熱くなります。
他にもチャンピオンリーグでの戦いや、最強のポケモン・ミュウツーを捕獲するシーンなど、たくさんの見どころが単行本3冊分のストーリーにぎゅっと詰まっています。
1章を読み終える頃には、すっかりポケスペの世界にはまっていることでしょう。
レッドがポケモンリーグを制覇してから2年後、レッドは「シバ」と名乗る者から挑戦状を受けます。レッドはシバとの戦いに向かいますが、その後音信不通に。
1ヶ月後、トキワシティ郊外に住むイエローの前に、レッドのポケモンのピカ(ピカチュウ)がボロボロの状態で現れました。レッドに何かあったことを察したイエローは、彼の図鑑を手がかりに、捜索の旅に出ます。
イエローはやがて、四天王の巨大な陰謀に巻き込まれていきます。イエローとジムリーダーたちの、四天王を止める戦いが幕を開けました。
- 著者
- ["日下 秀憲", "真斗"]
- 出版日
- 1998-12-16
本章の主人公・イエローは、本名「イエロー・デ・トキワグローブ」。トキワの森で10年に1度生まれる「トキワのもりの能力者」です。ポケモンを癒やし心を読み取ります。
おっとりした性格で、ポケモンを傷つけることを何より嫌います。後に師匠になったグリーンからバトルの基礎を教わり、四天王との戦いに挑みます。
本章の見どころは、イエローとワタルの、互いの正義をかけた全力のポケモンバトルです。
ワタルはイエローと同じ癒やす能力を持ちながらも、ポケモンを傷つける人間社会を憎んでいました。ポケモンだけの理想郷を作るために、人間たちの住む世界を破壊し始めます。
ワタルのことを心から信じ、命を危険にさらしてでもワタルのために戦おうとするポケモン。そのポケモンの想いをくみつつ必死で止めようとするイエロー。彼らの姿に心が痛くなります。
ポケモンを傷つけるのを恐れ、ポケモンバトルを嫌うイエローが、ワタルを止めるために全力で戦う姿に心を打たれた読者も多いでしょう。
イエローとワタルの戦いをはじめ、複数の技を組み合わせたり、ポケモンの性質を活かした頭脳戦が多く見られるのも本章の特徴です。ゲームでは決して真似できないトリックプレイの数々に思わずしびれます。
物語の後半では、意外な人物も助っ人に加わり、ますますイエローの冒険から目が離せなくなっていきます。果たしてイエローはレッドと再会できるのか、その結末はぜひ本作を読んで確かめてください。
カントーの四天王事件から1年後。ジョウト地方のワカバタウンに住む少年・ゴールドは、ウツギ博士の研究所から盗まれたワニノコを連れ戻したいヒノアラシの思いに共感し、ワニノコを盗んだ少年・シルバーを追いかけて旅立ちます。
トラブルを起こしたり、事件を解決しながら気ままにシルバー探しの旅をするゴールド。しかし、ロケット団残党を率いる仮面の男「マスク・オブ・アイス」との戦いへ徐々に巻き込まれていきます。
シルバーと仮面の男の因縁や、1人の少女の旅立ちなど、様々な運命が交差する3章。果たしてゴールドたち図鑑所有者は、新生ロケット団と仮面の男を止められるのでしょうか。
- 著者
- ["日下 秀憲", "真斗"]
- 出版日
- 2001-08-08
本章ではゴールド、シルバー、クリスタルの3人が主人公です。
ゴールドは、ポケモンだらけの家で育ったやんちゃな性格の少年です。チャラい雰囲気ですが、誰より熱い正義心を持ち、ポケモンや人を助けるためには自己犠牲もいといません。
トリッキーな戦いが得意ですが、他の図鑑所有者と比べて凡才であり、自分の弱さをコンプレックスに思っています。
シルバーは、ゴールドのライバルとして登場する少年で、クールさの中に熱い情熱を秘めています。何者かの司令でポケモン図鑑とワニノコを盗み、「仮面の男」を追って行動していました。ブルーのことを姉のように慕い、彼女のことになると激昂します。
クリスタルは、ポケモン捕獲の専門家で、周囲からは「クリス」と呼ばれています。優れた観察力を持ち、幼少時に両腕が折れた経験から、捕獲では足技でボールを蹴り上げるスタイルをとります。とても真面目な性格で、ゴールドのことをよく説教しています。
本章の見どころは、ゴールドたち図鑑所有者と仮面の男の対決です。
仮面の男は、自身のある目的のため新生ロケット団を結成して、時をさかのぼる力を手に入れようとします。圧倒的な戦闘力で、伝説ポケモンやジムリーダーさえも軽く圧倒する仮面の男に、思わず恐怖した読者も多いのではないでしょうか。
物語の終盤では、ゴールドを含む歴代主人公が勢ぞろいし、仮面の男と最後の戦いをくり広げます。仮面の男に全力をぶつけるゴールドと、それを歴代主人公が援護射撃するという熱い展開に思わず胸がふるえます。
仮面の男の正体は誰なのか、時をさかのぼってまで得たいものは何だったのか、その切ない理由と感動のラストは、ぜひ本作を読んで確かめてみてください。
ジョウト地方からホウエン地方に引っ越してきた少年・ルビーは、ポケモンバトルが大嫌いで、父親でジムリーダーのセンリに反発していました。
ルビーはセンリに自分を認めさせるため、ホウエンのポケモンコンテスト制覇を決意。引越しの初日に家出してしまいます。
ルビーは旅を始めて早々に野生派少女・サファイアと出会い、喧嘩の果てにサファイアと「お互いに80日間でジムとコンテストを制覇する」という競争をすることに。サファイアはバトルを、ルビーはポケモンの美を極めるため、2人バラバラに旅をします。
ルビーたちが旅立つころ、ホウエンでは2つの巨大な悪が動き始めていました。
- 著者
- ["日下 秀憲", "山本 サトシ"]
- 出版日
- 2003-10-28
本章では、ルビーとサファイアの2人が主人公で、ストーリーではルビーのコンテスト制覇とサファイアのジム制覇が同時進行で展開されます。
ルビーは、ポケモンコンテスト制覇を目指す少年。性格はマイペースで冷静沈着で、一見すると自己中心的ですが、知人の危機には身を挺して戦う勇敢さも持ち合わせています。
人前でバトルをするのを嫌いますが、ポケモンバトル自体はとても強く、歴代主人公のなかでも高い実力を誇ります。
サファイアは、オダマキ博士の娘にして、人間離れした五感と身体能力を持つ野生派少女。書き文字や画力はやや劣るものの、豊富かつ正確なポケモン知識を持っています。
当初はルビーを嫌っていたものの、ルビーと共闘していくうちに初対面では見えなかった彼の一面を知り、しだいにルビーに惹かれていきます。
本章の見どころは、ルビーとサファイアの恋愛模様です。
かつて、ルビーとサファイアは仲がよく、性格も今とは正反対でした。2人にとってお互いが初恋の相手でしたが、ある事件が発生し、ルビーとサファイアは互いに相手の心を傷つけてしまいます。
以降、ルビーはバトルを人に見せるのを恐れてポケモンの美を目指し、サファイアは弱い自分を変えるためポケモンバトルで強くなることを誓いました。
ルビーとサファイアは、相手に変わった自分を見せたくて努力してきたのですが、2人とも昔の記憶が曖昧でした。また互いに性格が変わってしまったため、目の前の相手がかつての想い人だと気づきません。2人の切ないすれ違いに、心が締め付けられます。
最終決戦直前、サファイアはルビーに告白し、ルビーはかつての想い人がサファイアだと気づきます。ルビーがサファイアに自身の過去を明かし、サファイアを守るためにエアカーに閉じ込めるシーンでは、 思わず胸がキュンとします。
サファイアがルビーに告白するシーンは本作でも非常に人気が高く、公式人気投票の好きなシーンランキングで見事1位に選ばれました。
他の章にもアクア団・マグマ団との戦いや、ジムリーダーたちの人間ドラマなど、見どころが豊富に詰まった4章のストーリー。
2つの悪との壮絶な戦いの中で、ルビーとサファイアの関係はどうなっていくのか、その結末はぜひ本作を読んで確かめてください。
ホウエン地方の危機から半年後、ブルーは長年離れ離れだった両親に再会するため、カントー地方のナナシマ諸島へ向かっていました。
同じ頃、レッドとグリーンはオーキド博士に呼び出され、博士の研究所へ向かいますが、そこに博士の姿はありません。
研究所に残された「ポケモン図鑑を取り上げる」というオーキド博士のメッセージから何かを感じた2人は、ナナシマに向かうためクチバシティの港に向かいます。
クチバシティでレッドとグリーンが見たのは、謎のポケモン・デオキシスによって、両親をどこかへ連れ去られるブルーの姿でした。
その後、3度目の復活を遂げたロケット団の策略により、かつてない苦境に追い込まれるレッドたち。デオキシスとは一体何なのか、レッドたちの「己の大切なもの」をかけた戦いが火蓋を切りました。
- 著者
- ["日下 秀憲", "山本 サトシ"]
- 出版日
- 2006-10-27
本章では、新しい主人公は登場せず、レッドとグリーン、ブルーの3人を中心に物語が動きます。章の後半では、イエローやシルバーも登場し、シルバーの出生の秘密も明かされます。
本章の見どころは、レッドが敗北から立ち直り、己のアイデンティティをかけてロケット団と戦うところです。
レッドはデオキシスに惨敗し、さらにロケット団の策略でナナシマの島民から迫害されるようになったことで、すっかり意気消沈して戦う意義を見失ってしまいました。いつも明るい表情だったレッドの悲痛な面持ちに、胸が痛んだ読者も多いでしょう。
しかし、再会したミュウツーに諭され、グリーンや自分の家族のために必死に修行しているブルーの姿を見て、レッドは再びロケット団に立ち向かうことを決意します。
章の後半でレッドはミュウツーとともに、ロケット団の飛空艇でサカキやデオキシスと戦闘。ミュウツーとデオキシスの壮絶なバトルや、レッドとミュウツーの信頼関係だからこそできる戦法に、思わず心が熱くなるでしょう。
デオキシスを巡り、レッドたちとロケット団が激しくぶつかり合う5章。その衝撃的すぎるラストは、ぜひ本作で確かめください。
ナナシマやカントー地方での激闘から数カ月後、ホウエン地方では新施設・バトルフロンティアがオープンを迎えようとしていました。バトルフロンティアの開会式が始まった瞬間、奇抜な格好の少年・エメラルドが現れ、バトルフロンティア制覇を宣言します。
バトルフロンティアのブレーンたちは混乱を避けるため、エメラルドに「7日間で制覇する」条件をつけます。ポケモンを1匹も持たないエメラルドは、レンタルポケモンでそのつどパーティを組み、次々に施設を攻略します。
実はエメラルドは、バトルフロンティア制覇とは別に、ある仕事を任されてここに来たのでした。
- 著者
- 日下 秀憲
- 出版日
- 2007-06-23
本作の主人公・エメラルドは、ポケモンバトルが大好きな少年。一見ハチャメチャな性格ですが、バトルでは冷静かつ論理的な思考を見せます。
極端に小柄な体格をカバーするため、マジックハンドなどのメカを複数装備。ポケモンの故郷が一瞬で分かる能力を持ち、ポケモンの故郷の土を発射する「E・シューター」で暴走したポケモンを鎮静化します。
本章の見どころは、エメラルドがかつて封印したポケモンへの思いを取り戻していくところです。
エメラルドは幼少期に両親を亡くし、引取先の親戚の家でいじめにあっていました。仲良くしていたポケモンを「手足の代わりに使っている」と言われショックを受けたエメラルド。
ポケモンに頼らないことを決め、ポケモンバトルに勝つために「絆」は必要ないと考えるようになります。
しかし、バトルフロンティアで自分に懐いたジュカインたちとともに戦ううちに、しだいにポケモンとの絆や信頼の大切さを実感し始めます。
やがてジュカインたちと一緒に最後まで戦いたいと思うまでに。物語の終盤、ホウエンを脅かす敵「甲冑の男」に向かって、自身のポケモンへの愛を叫びます。
エメラルドが自分の本当の心に気づき、ポケモンへの愛を叫ぶシーンに、多くの読者が感動したことでしょう。終盤では顔つきもより凛々しくなり、1人のトレーナーとして成長した姿を見せてくれます。
本章では、ルビーとサファイアが助っ人として合流。さらに物語の終盤では、これまでの歴代主人公が勢揃いします。エメラルドたちの戦いの結末は、ぜひ本作で。
シンオウ地方の大財閥ベルリッツ家で、令嬢のプラチナ・ベルリッツが家名を継ぐ儀式をおこなうための旅に出ます。
儀式の内容は、テンガン山の山頂の石で、刻んだアクセサリーを作るというもの。プラチナは2人のボディーガードと合流しにコトブキシティへ向かいます。
一方、コトブキシティでは漫才コンビを目指す2人の少年、ダイヤモンドとパールが漫才大会でネタを披露していました。特別賞を受賞した2人は、旅行券の「マサゴ公園の自転車コース一周」をもらいます。
ところが、途中でプラチナの護衛とぶつかり、旅行券と護衛依頼書が入れ替わります。目的地についたダイヤモンドとパールはプラチナをツアーガイドと勘違い。プラチナも2人を護衛だと勘違いします。
お互いの勘違いから始まった3人の旅は、やがてシンオウ地方全体を巻き込む巨大な悪との戦いに収束していきます。
- 著者
- ["日下 秀憲", "山本 サトシ"]
- 出版日
- 2008-12-25
本章の主人公は、ダイヤモンド、パール、プラチナ・ベルリッツの3人で、3人一緒にテンガン山を目指して旅します。
ダイヤモンドは、幼馴染のパールとプロの漫才師を目指す少年で、漫才ではボケ担当です。大食いでとてもマイペースな性格ですが、心に強い芯を持ち、高い洞察力とポケモンの重量を活かした戦法でパールをカバーします。
パールは、幼馴染のダイヤモンドとプロの漫才師を目指す少年で、漫才ではツッコミ担当です。ダイヤモンドとは対照的に、せっかちで思い込みが激しい性格。父親がバトルタワーのフロンティアブレーン・クロツグである影響から、ポケモンの構えを見ただけで瞬時に相手の繰り出す技が判断できます。
プラチナ・ベルリッツは、ベルリッツ家の家名を継ぐ使命を持つお嬢様。「庶民に名前は教えてはならない」という執事の教えから、本章の後半まで名前を明かさず、ダイヤとパールに「お嬢様」と呼ばせています。学者の家系の影響で、ポケモンに関する深い知識を持っています。
世間知らずでやや天然なところがあり、そのプライドの高さから、ダイヤとパールに出会うまで人にきちんと謝罪ができませんでした。当初はダイヤやパールに高慢な態度をとっていましたが、2人と絆を深めてからは、ともに悪の組織・ギンガ団と戦うことを決意します。
本章の見どころは、主人公たちによる漫才のようなやりとりと、プラチナの人やトレーナーとしての成長です。
本章では、ダイヤとパールが漫才コンビということもあって、他の章と比べてコミカルで明るい作風になっています。ダイヤとプラチナがボケをかまし、すかさずパールが突っ込んでいくスタイルに、思わずくすりと笑ってしまいます。
後半ではプラチナが2人と強い絆を結び、シンオウのジムリーダーと力を合わせてギンガ団と戦います。物語初期のつんけんした態度から、心身ともに大きく成長し柔らかい印象になったプラチナの姿には感慨深いものがあります。
本章のラストではチャンピオンのシロナとともに、ギンガ団のボス・アカギと死闘をくり広げます。8章へと繋がる驚きのラストは、本作で確かめてください。
アカギとの最終決戦直後、ダイヤモンドとパールはギンガ団幹部から奪ったメモを元に、伝説のポケモンを探す旅に出ます。
一方のプラチナも、自身の本来の護衛であり、ギンガ団との戦いで異次元に飛ばされてしまったパカ&ウージを探すべく、この世の裏側といわれる「やぶれた世界」の調査を開始。国際警察刑事のハンサムと組んで、シンオウのバトルフロンティアで情報収集を行います。
プラチナの「やぶれた世界」の発見をかけた、フロンティアブレーンへの挑戦が始まります。
- 著者
- 日下 秀憲
- 出版日
- 2011-07-28
本章の主人公はプラチナ・ベルリッツです。前章の主人公であるダイヤモンドとパールとは別行動となり、相棒のハンサムとともにバトルフロンティアにチャレンジして「やぶれた世界」の手がかりを探します。
本章の見どころは、プラチナとフロンティアブレーンのポケモンバトルの数々です。
これまでプラチナは、さまざまな場面でダイヤとパールに助けられてきましたが、今回は別行動のため、主に自分の力でフロンティアを攻略しなければならなくなりました。
フロンティアブレーンを相手に、持ち前の知識とダイヤやパールとともに培ったバトルの腕で戦っていくプラチナ。7章からさらに心身ともに強くなったプラチナの姿を見て、あらためてプラチナが好きになったファンも多いでしょう。
物語の後半では、「やぶれた世界」に向かったダイヤモンドとパールとプラチナが、先にこの世界へ閉じ込められていたアカギと遭遇します。
己の過ちを問うアカギに、ダイヤモンドたちはどう答えたのか、ぜひ本作を読んでください。
ジョウト地方に新しくできたスポーツ施設・ポケスロン。そこへゴールドが現れ、いつもの調子でポケスロンを制覇していきます。ゴールドの本来の目的はワタルとの待ち合わせですが、肝心の本人が現れません。
ワタルが現れないことを気に留めていなかったゴールドですが、突如ポケスロン会場に暴走したワタルのカイリューが乱入。ワタルが何者かに襲われたこと知り、ゴールドはエンジュシティに向かいます。
一方、シルバーはロケット団の復活を察知し、ロケット団の動きを探っていました。その最中、シルバーは不思議なプレートを手にします。ロケット団がプレート集めていることを知ったシルバーは、プレートの争奪戦に加わることに。
世界を創生したとされる幻のポケモン・アルセウスを巡り、ゴールドたちとロケット団の壮絶な戦いが幕を開けました。
- 著者
- 日下 秀憲
- 出版日
- 2012-06-28
本章では、ゴールド、シルバー、クリスタルの3人が主人公です。クリスタルは9章限定でリメイク版の服装に変わっており、ゴールドの反応を気にするなど、年頃の少女らしい一面を見せています。
本章の見どころは、ジョウト地方・シント遺跡を舞台にくり広げられる伝説ポケモンとの戦いです。
アルセウスの力により、ジョウト地方は消滅の危機に見舞われます。ゴールドたちはなんとかアルセウスを止めようとしますが、力の差が大きく歯が立ちません。
しかし、そこへワタルが助っ人2人を連れて登場。ワタルが連れてきたのは、昔ワタルが敵対した悪の組織の人間、ロケット団のボス・サカキと「元」仮面の男でした。
仮面の男は3章以降生死が不明だったこともあり、9章にして再登場を果たした彼を見て、多くのポケスペファンが驚いたことでしょう。
かつて敵同士だった3人が、強力な伝説ポケモンを相手に協力して戦う展開は、少年漫画の王道のような熱さを感じさせます。
果たしてゴールドたちはアルセウスを捕獲し、ロケット団の野望を阻止できるのか、その結末はぜひ本作で確かめてください。
イッシュ地方のカノコタウンに住む少年・ブラックは、「ポケモンリーグ優勝」という夢を持ち、夢を叶えるための準備を9年間してきました。
ブラックはアララギ博士から、半ば強引にポケモン図鑑とポカブをもらい、1年後に開催されるポケモンリーグへの出場を目指して旅立ちます。
旅の途中、一流のポケモンタレント育成を目指す少女・ホワイトと出会い、ブラックとホワイトは互いに理解し合う仲になっていきます。
しかし、イッシュ地方で「ポケモン解放」を掲げるプラズマ団や、プラズマ団の王・Nとの活動により、ブラックの夢は陰りを見せます。
ブラックとホワイトは、プラズマ団の野望を阻止し、互いに夢を叶えることができるのでしょうか。
- 著者
- 日下 秀憲
- 出版日
- 2013-01-25
本章では、ブラックとホワイトの2人が主人公です。
ブラックは、ポケモンリーグ制覇の夢を追う熱血少年。頭の中はいつも夢のことでいっぱいのため、考え事をする際は手持ちのムシャ(ムンナ)に夢を食べてもらい、頭の中を整理しています。ホワイトのことを「社長」と呼んでおり、強い信頼関係を結んでいます。
ホワイトは、芸能事務所「BW(ビーダブリュー)エージェンシー」の女性社長として活動する少女で、一流のポケモンタレントを育成する夢を持っています。ブラックとは撮影協力を持ちかけたことで、ともに旅をするように。
仕事には真面目で一直線ですが、可愛いものに興奮するなど年頃の少女らしい一面も持っています。
本章の見どころは、ブラックとホワイトの強い絆です。
ホワイトは大切なポケモン・ぶぶちゃん(ポカブ)が自分のもとを離れNの方に行ったことで、強い精神的ショックを受け弱ってしまいます。
ブラックはそんなホワイトを気遣い、強くなりたいホワイトのために一緒にモンスターボールの投擲練習などを行います。
その後、ホワイトはバトルの腕を磨くため、バトルサブウェイで修行することを決意。ブラックと一時的に別行動を取ります。
別れ際にブラックがホワイトに「自分は離れててもホワイトの社員だ」と言うシーンから、2人がどれだけ強い信頼関係にあるのかが分かります。
離れていても、互いのことを想い信頼するブラックとホワイトの姿に、思わず心が暖かくなるでしょう。
後編では、プラズマ団にとらわれたホワイトを助けるため、ブラックがプラズマ団の本部に乗り込みます。
死闘の果てにプラズマ団の野望を打ち砕いたブラックですが、彼を待っていたのはあまりに悲劇的な結末でした。
ブラックの身に一体何が起こったのか、本章の衝撃的なラストはぜひ、本作で確かめて!
ブラックとプラズマ団の死闘から2年後、ヒオウギシティでは女の子によくモテる少年・ラクツが、友人らとともにポケモンスクールへ通っていました。
ある日、ラクツは学校のバトル大会で優勝し、同じ優勝者の転校生の少女・ファイツとともにポケモン図鑑をもらいます。
しかし、ファイツはポケモン図鑑の受け取りを拒否。実はファイツはプラズマ団の元団員で、プラズマ団崩壊後もNの教義に心が囚われていたのでした。
ラクツも、自分が国際警察の潜入捜査官であることを隠し、プラズマ団事件の解決のためファイツに近づきます。
一方、イッシュ地方では新たなリーダーを据えたプラズマ団が、再び動き出そうとしていました。
- 著者
- 日下 秀憲
- 出版日
- 2014-12-26
本章では、ラクツとファイツの2人が主人公です。
ラクツは、国際警察の潜入捜査官として活躍する少年。階級は警視で、ハンサムの上司にあたります。普段はナンパ男を演じつつ、プラズマ団に関する情報を集めています。ストイックな性格でバトルに非常に強く、いかなる状況でも任務を忠実に遂行しようと動きます。
ファイツは、元プラズマ団員の少女。Nのことを激しく信奉しており、Nの写真が入ったペンダントを肌身離さず身につけ、Nが否定するポケモン図鑑やモンスターボールの使用を拒否しています。
カルト思想に飲まれているものの、それ以外は普通の優しい女の子で、暴力的な現プラズマ団に反発しています。
本章の見どころは、プラズマ団の新リーダー・アクロマとの対決です。
アクロマは自身の研究欲を満たすためならどんなことでもするマッドサイエンティストで、古代のポケモン・ゲノセクトや自作のメカの実験を行っていました。
アクロマの暴走はやがてイッシュ地方全体の驚異となり、ラクツとファイツはアクロマを止めるべく共闘します。トレーナーを氷漬けにして海中に投棄するなど、アクロマの一切の容赦のない攻撃に、思わずラクツたちを応援したくなってしまいます。
本章は2018年2月に休載し、2019年3月から連載を再開。現在は漫画アプリ「サンデーうぇぶり」で連載中です。ラクツたちはアクロマやプラズマ団にどう立ち向かっていくのか、今後の展開に注目です。
カロス地方のアサメタウンに住む少年・エックスは、幼少期にポケモンバトルのジュニア大会で優勝し、周囲から一目置かれていました。しかし、マスコミや周囲の大人たちの好奇な目に疲れ果て、自宅に引きこもり続けていました。
幼馴染の少女・ワイや友人たちの呼びかけにも耳を貸さなかったエックスですが、突如現れた2匹の伝説ポケモンに街が襲撃され、彼の平穏な日常は崩れ去ります。
謎の組織・フレア団に家を焼け出され、決死の逃避行に身を投じるエックスたち。フレア団の真の目的とは一体何なのか、エックスたちの過酷で壮絶な戦いが幕を開けました。
- 著者
- 日下 秀憲
- 出版日
- 2014-04-28
本章では、エックスとワイの2人が主人公として登場し、友人のサナ、ティエルノ、トロバを加えた5人を中心に物語が進みます。
エックスは、重度の引きこもりの少年。無気力でひねくれた性格をしています。過去の経験から自己嫌悪と人間不信が激しく、すねた物言いでワイたちとトラブルを起こすこともしょっちゅう。
しかし、仲間や巻き込まれた人を守るためには一転して獰猛さを見せ、卓越したバトルセンスで敵と戦います。
大事な所持品のメガリングをフレア団に狙われており、後にこのアイテムがエックスたちの戦況を変えることになります。
ワイは、エックスの幼馴染の少女で、街にあるスカイトレーナー訓練学校に通っています。面倒見のよい性格で、悪を許さない熱い正義心も持ち合わせています。しかし、せっかちで直情的なところもあり、エックスを連れ出すために彼の家を蹴り破ったことも。
フレア団からの逃避行では、リーダー格としてエックスたちを引っ張っています。
本章の見どころは、逃避行の中で描かれるエックスの成長です。
エックスは逃避行生活を送るようになってからも、仲間たちに心を開くことができず、自分のポケモンにさえ距離を置いていました。
しかし、フレア団から仲間を守って戦っていくうち、徐々に積極さを取り戻していき、ポケモンや仲間を守るためフレア団を倒したいと考えます。
その後、いくつもの挫折や絶望的な状況を乗り越え、エックスは心身ともに強くなり、本来の真っ直ぐさを取り戻していきます。
いくつもの死闘の中で、強く優しく変わっていく姿に、思わず安堵した読者も多いでしょう。
裏切りや略奪、殺人など、ストーリー全体で暗くシリアスな展開が続く12章。果たしてエックスたちはフレア団を倒し、平和な日常を取り戻せるのでしょうか。
フレア団の凶悪すぎる正体や、ポケスペ史上最も後味の悪い結末に、きっと身震いするはずです。
6章での激闘から数年後。ルビー、サファイア、エメラルドの3人は、元ホウエンチャンピオンにしてデボン・コーポレーション社という大企業の御曹司であるダイゴに招集され、数日後に地球に衝突する巨大隕石の破壊を依頼されます。
しかし、巨大隕石を破壊する具体的な方法については知らされず、ルビーはサファイアを不安がらせないため、彼女に巨大隕石が接近している事実を伏せてしまいます。
ダイゴから渡されたキーストーンで、メガシンカを習得すべく特訓するルビーたちですが、そこへ謎の少女・ヒガナが乱入。さらに、過去にホウエンで暗躍した2つの悪が、超古代ポケモンを復活させようと動き始めました。
ホウエン地方を襲う過去最大の危機に、ルビーたちはどう立ち向かうのか、互いの覚悟をかけた戦いが始まります。
- 著者
- 日下 秀憲
- 出版日
- 2015-07-24
本章の主人公は、ルビーとサファイア、エメラルドの3人です。
ルビーは相変わらずコンテストに力を注ぐ一方、巨大隕石の衝突から星を守るための方法を模索しています。サファイアを想うあまり、彼女に巨大隕石が接近してきている事実を隠して危険から遠ざけようとしました。
一方、何も知らないサファイアは、相棒のポケモンとメガシンカの特訓をしていました。しかしデボン社がメガシンカをさせた理由や、それを黙っていた周囲の大人、ルビーの嘘に深く傷つき、後にこれが遠因となってサファイアに大変な事態が起きてしまいます。
本章の見どころは、ルビーたちの前に立ちはだかる謎の少女・ヒガナの存在です。
ヒガナは「流星の民」の伝承者であり、近い未来に地球に衝突するであろう巨大隕石をレックウザと破壊するため、数年前からホウエンで暗躍していました。
ヒガナは第4章のホウエン騒動だけでなく、ルビーとサファイアの幼少期の事件にも深く関与しており、ヒガナがルビーとサファイアにとって因縁の相手だった事実に多くの読者が衝撃を受けました。
作中ではヒガナから、巨大隕石衝突を回避する鍵である次元転移装置の恐ろしい秘密や、過去にデボン社が流星の民に行ったことが明かされ、ヒガナのデボン社への敵対感情が原作よりもさらに強く描写されています。
大義のためとはいえ、人やポケモンを傷つけたり非人道的な実験をおこなうヒガナやデボン社は、決して正しいとはいえないでしょう。正義の在り方についてあらためて考えさせられます。
巨大隕石衝突の回避をかけて、人々が互いの覚悟をかけて挑む13章。ルビーとサファイアの互いを強く想う関係性や、本章のキーポケモン・フーパとエメラルドの活躍にも注目です。
温暖な島々からなる地方・アローラに、薬剤師の少女・ムーンがやってきます。ムーンはアローラで運び屋の少年・サンと出会い、互いの目的のため一緒に行動することに。
その頃アローラでは、守り神のカプたちがざわついており、しまキングたちの悩みの種になっていました。サンは事の成り行きから、島の古来の風習「しまめぐり」になぞらえて、カプたちに幻のきのみを届ける仕事を引き受けることに。
かくしてしまめぐりに挑むこととなったサンとムーンですが、そこへ謎の生物・ウルトラビーストによる脅威が迫ります。
- 著者
- ["日下 秀憲", "山本 サトシ"]
- 出版日
本章では、アローラ地方の外から来た2人、サンとムーンが主人公です。
サンは、ある理由から1億円貯金を目標としている少年です。お金が絡まない話には不真面目な守銭奴ですが、仕事に対する情熱は本物。一度請け負った仕事はしっかり果たすポリシーを持っています。作中ではよく怪我をしており、その度にムーンに治療してもらっています。
ムーンは、真面目でクールな薬剤師の少女で、ある目的からアローラ地方を訪れました。薬学の知識に長けていて、同時に弓の名手でもあります。過去の経験からあまりポケモンに頼りたがらず、戦闘以外では弓術で材料調達などを行っています。
サンのことを「運び屋さん」と呼び、サンの治療を無料で行っています。
本章の見どころは、謎の生物・ウルトラビーストとの対決です。ウルトラビーストは、通常のポケモン世界とは異なる次元に棲息するポケモンであり、普通のポケモンよりも強力な能力を有しています。
不気味で無感情なウルトラビーストはかなり威圧感があり、読者に得も知れぬ恐怖感を与えてきます。アローラ地方のキャプテンたちとウルトラビーストの迫力あるバトルの数々に、思わず手に汗握ることでしょう。
アローラ地方を舞台に、ウルトラビーストやスカル団、エーテル財団との戦いが展開される14章。サンとムーンの冒険が気になる人は、ぜひ本作を読んでみて。。
20年以上連載を続け、今なおファンを増やし続けているポケモン界の名作漫画。ポケモンが昔から好きな人、「赤・緑・青は知らない!」という人にも、ぜひ読んでほしい作品です。