「ダイの大冒険」はゲーム『ドラゴンクエスト』を元にした少年漫画です。強敵に立ち向かう勇気、諦めない心、心躍る必殺技対決と冒険の数々が読者を虜にした、ジャンプ黄金期の名作の1つです。 2020年秋に完全新作アニメの発表された本作について、旧アニメと比較しつつ、どういった形でアニメ化されるのか考察しました。
「ダイの大冒険」は、1989年から1996年まで、「週刊少年ジャンプ」で7年間も連載された、いわゆるジャンプ黄金期の伝説的漫画です。国民的RPG『ドラゴンクエスト』をベースにしつつ、独自アレンジと魅力的な世界観、熱い展開で読者を魅了しました。
日本以外でも翻訳されており、単行本の累計発行部数は4700万部を突破しています。メディアミックスとしてTVアニメと3本の映画も作られたこともあります。
実は過去のアニメ(以後、旧アニメ)は視聴率はよかったものの、放送局の都合で原作の3分の1ほどで終了してしまいました。原作漫画は中盤から後半にかけて加速度的に面白くなる作品なので、ファンからは長らく完全なアニメ化が望まされていました。
また、未だに絶大な人気を誇っており、連載開始から30年が経過した2019年12月、東映アニメーション主導で完全新作アニメ(以後、新アニメ)が作られることも発表されました。ファンは歓喜し、SNSなどでもかなり話題になりました。
この記事では、アニメ前に誰もが気になるであろう、新アニメの放送範囲を考察!旧アニメからどのような進化を遂げてくれるのかを考えてみます。また、最後にこれ以外にも新アニメで注目したいポイントもご紹介します。
「ダイの大冒険」の名言を紹介した<「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」キャラを最終巻までの名言から紹介!>の記事もおすすめです。
まずは本作のあらすじからご紹介します。考察から読みたい、という方は目次から興味のあるパートにうつってくださいね。
魔王ハドラーが勇者に倒されてから10数年。平和だった世界は、大魔王バーンの出現によって再び脅威にさらされます。
主人公の少年ダイは、魔王の呪縛から解き放たれたモンスター達が平和に暮らす島、デルムリン島に住む唯一の人間でした。大魔王の出現でモンスター達が凶暴化してピンチに陥った時に、自称「勇者の家庭教師」アバンと弟子のポップに救われました。
ダイはアバンに弟子入りするも、魔軍司令ハドラーにアバンを殺され、未熟なままの旅立ちを余儀なくされます。
そうして見習い勇者ダイと未熟な魔法使いポップが各地を転戦するストーリーがスタート。少しずつ、しかし確実に見違える成長をしながら、彼らは強大な大魔王バーンの魔王軍に挑んでいきます。
考察に入る前に、旧アニメのおさらいもしておきましょう。こちらも読み飛ばしても問題ありません。
旧アニメは、1991年10月から約1年間、夜19時というゴールデンタイムに放送されました。原作10巻(ジャンプコミックス版)前後までの内容が描かれ、全体の3分の1か4分の1に相当します。基本的に原作に忠実に作られているため、違いはありません(映画版は除く)。
ダイ役・藤田淑子やポップ役・難波圭一ら声優陣の熱演で、格好いい魔法や必殺技の数々が、原作以上に迫力満点の戦闘シーンとして放送され、人気を博しました。
また、『ドラゴンクエスト』お馴染みのファンファーレから繋がる「勇者よいそげ!!」、『ドラゴンクエストII』のエンディングをアレンジした「この道わが旅」など、主題歌は未だにカラオケで歌われるほど人気です。
その人気から、放送期間の延長が検討されていましたが、放送局の番組改編によって急遽打ち切りが決定。そのため放送の都合上、最終回は竜騎将バランとの初戦が改編され、ダイがバランを撃退するオリジナル展開で幕を閉じました。ファンからは残念がる声が多い内容となってしまいました。
- 著者
- 三条 陸 稲田 浩司 堀井 雄二
- 出版日
ここからいよいよ、新アニメの放送範囲の考察を始めていきます。まずは、どこから始まり、どこで終わるのかについて。
始まりについては、最も考えられるのは旧アニメの続きから、というものかもしれません。しかし新アニメは完全新作を標榜しているため、続きではなく、序盤から再度アニメ化されることになるでしょう。
終わり方については、新アニメ発表のティーザー映像および公式サイトがヒントになるかもしれません。そこには、原作最終回のラストシーンが用いられているのです。それは主人公ダイの生還を示唆するシーン。
この場面が意味するのは、まずは新アニメとして旧来のファンに作品の復活を伝えるというもの。もうひとつ期待できる意味は、物語を最後まで描く予定があるという、というものではないでしょうか。今回の新アニメでは、納得感のある終わりを期待したいですね。
続いては、始まりから終わりまでがどのようにアレンジされて放送期間内に収められるのかを考察します。名作漫画の再アニメ化ということで、比較的最近に同じようにアニメ化された作品を参考にしてみましょう。
たとえば2015年の『うしおととら』は、基本的なストーリーは原作に準拠していながら、本筋と大きく関わらない部分が省略されていました。放送期間は前半26話、後半13話の分割3クールでした。
2018年の『覇穹 封神演義』は中盤から後半に焦点を当てるために、大胆なカットとアレンジが施されました。この措置で放送期間は2クールで済みましたが、原作ファンのひんしゅくを買う結果にもなりました。
「ダイの大冒険」全37巻に対し、『うしおととら』全33巻、『封神演義』全23巻と、20巻以上続いた長寿作品であり、かつ近年に再アニメ化されたことが共通しています。
この2作品を参考にするとすれば、まず『封神演義』のような大胆なアレンジは考えられないでしょう。同じ「ジャンプ」の人気作品であることから、再アニメのひんしゅくは痛いほど実感していることが考えられ、そこまでリスキーなことはしないと考えられます。
そう考えると「ダイの大冒険」新アニメも『うしおととら』のように物語の要点を定め、それを抑えたエピソードを中心とした構成になるのではないでしょうか。
では具体的にどのエピソードがカットされるのか、というのも次で考察してみましょう。
旧アニメは約1年間放送されましたが、近年では1年間放送される作品は、子ども向け定番アニメを除けばほぼないため、新アニメも必然的に1年未満となるはずです。こうなると全編を映像化するのはほぼ不可能となります。
物語全体の分量とクオリティ、それに限られた放送時間を考え合わせると、先ほどもいったように、現実的なのは『うしおととら』のような分割クール方式です。
もし「ダイの大冒険」新アニメがこの方式を採用するなら、おそらく分割3~4クールになると思われます。
また、集英社が『覇穹 封神演義』の不評を重く受け止めるのであれば、本筋に影響しない部分を省く前提で、慎重に取捨選択するでしょう。
ここから考えると、新アニメの放送範囲は原作のストーリーをなぞりつつ、ダイとポップの成長を中心として、ダイナミックな展開が魅力的な原作中盤から後半に重点が置かれると予想します。
そこから省略されそうなエピソードはずばり、バラン戦後のハドラーとザボエラの催眠攻撃、ロモス武術大会、鬼岩城の世界会議襲撃、女性陣による破邪の洞窟攻略などでしょう。ダイとポップのスランプ、北の勇者ノヴァのエピソードも削られるかもしれません。
ロモス体術大会はマァムがパワーアップして物語に再登場し、ダイが竜の紋章の戦い方を学ぶ話です。後の伏線となる超魔生物も登場しますが、全体的に見ればそこまで重要ではありません。他のエピソードについても、代替や省略が可能でしょう。
- 著者
- 三条 陸 稲田 浩司 堀井 雄二
- 出版日
ここまでアニメ作品でどの範囲が放送されるかを考察してきました。最後にこれ以外に新アニメで気になるポイントをいくつかご紹介しましょう。
まず従来のファンが気になるのは、旧アニメの声優がどれほど続投するか、ではないでしょうか。こちらは今のところ未発表です(2020年1月現在)。
残念なことにダイ役の藤田淑子、ハドラー役の青野武など、旧アニメで声を当てた声優さんの何人かは亡くなっています。ポップ役の難波圭一、ヒュンケル役の堀秀行、マァム役の冨永み〜ななどはご健在なのでぜひとも続投してほしいところですが、キャストが一新される可能性はあるでしょう。
つづいては主題歌。こちらも現在は未発表です。旧アニメ主題歌は今でも人気なので、いちファンとしては現代版リメイクかアンサーソングのような形がベストだと思います。実際にどうなるかは続報を待つしかありません。
またかつての人気を知っている者としては、現実でどれくらい流行るかにも注目しておきたいです。「ダイの大冒険」の代名詞「アバンストラッシュ」は、『ドラゴンボール』の「かめはめ波」や『るろうに剣心』の「牙突」などとあわせて、当時の小中学生がこぞって真似した必殺技でした。
新アニメの放送時間次第ですが、旧アニメと同様にゴールデンタイムにTV放映されたなら、現代の小中学生の間でもブームとなるかもしれません。
また、どれくらい流行るかに関わってくるのは、技が、CGを駆使した最新技術でどう表現されるのか。主要なものはもちろんですが、アバンストラッシュX、メドローア、グランド・クルスなど、旧アニメでは出てこなかった技はどうなるのか、今から待ち遠しいです。
2020年秋の新アニメ放送まで待ちきれない方や、「ダイの大冒険」に興味が湧いた方は、ぜひ原作漫画で、一足先に冒険世界を楽しんでみてください。
2020年10月に放送がスタートした「ダイの大冒険」新アニメ。放送開始から約1年半が経過して、ストーリーはまもなくクライマックスに突入します(2022年4月現在)。本記事では新アニメ放送前にアニメ化の範囲を予想しましたが、クライマックスに向けたおさらいとして、実際に放送された新アニメを振り返ってみたいと思います。
結論から言えば良い意味で大ハズレ。年末年始など例外はあるものの、新アニメは約1年半かけて途切れることなく連続で放送され、原作をなぞる形でほぼ忠実に描かれました。
細かく比較すれば一部の台詞、演出に関して改変またはカットされた部分はありましたが、基本的な展開はおおむね原作通りです。改変部分はストーリーに影響しない部分や、コンプライアンス的にNGと思われる魔方陣の形状、過度なセクシー描写などでした。
新アニメの制作陣が「ダイの大冒険」を極力尊重していることが窺えますが、そんな中でも原作ファン目線で残念な省略はいくつかあります。
省略された台詞の一例
・多大な影響を残すアバンに会いたかったと語るクロコダイン
・大魔王バーン初戦の前、光魔の杖に言及するロン・ベルク
・ダイが初めて対面した大魔王バーンの正義を否定する台詞
テンポを重視した結果かもしれませんが、それぞれキャラクターが積み重ねてきた背景を感じられる名言なので、新アニメが原作に忠実に作られているからこそ残念に感じました。
一方で、原作を補完する描写が少なからずあります。
新アニメの補完
・世界会議に参加したロモス王がかつての敵将クロコダインを許す(第39話)
・ダイとバランが共闘する場面でダイの名前の由来やバランの心情追加(第52話、53話)
・アバンの過去編で輝聖石とカールのまもりの交換シーンが描写(第61話)
原作でスルーされた部分の補完、後出し設定が伏線として盛り込まれており、新アニメでは「ダイの大冒険」を1本のストーリーとして見た時の完成度が上がっています。こういったアニメオリジナル補完について、原作ファンの評価はとても高いです。
「ダイの大冒険」新アニメは、全体的にとても丁寧に制作されています。序盤のクロコダイン戦を筆頭として、原作で人気の高い名シーンや戦闘シーンのクオリティが高いです。この傾向は中盤以降、さらに顕著になっていきます。
たとえば作画と演出面で一際熱意のこもった名シーンだったのが竜騎将バラン戦(第31~32話)です。
バラン戦は手の込んだ演出がされていて、アップは通常通りの2Dアニメーションですが、遠めのシーンでは3DCGが多用されていました。細部が見えない遠景はダイナミックに動かせる3D、細かい表情の見える至近距離は手描きの2D――と場面ごとに切り替えることで、作画の差の違和感を極力減らしながら、見栄えする迫力の戦闘を実現していたのです。
中盤以降は新アニメによって初めて映像化されるエピソードばかりですが、バランとの対決は旧アニメでもオリジナル展開で描かれました。おそらく新アニメ制作陣は不本意な形で終わった旧アニメを意識し、旧アニメの評価を超える意味で、格別に気合いを入れてバラン戦を制作したのではないでしょうか。
他にもダイ一行と大魔王バーンとの初対決(第57話)、ポップとハドラー新鋭騎団シグマ戦(第69~70話)、魔宮の門から続く一連のハドラーとの決戦(第53~55話、71~73話)は非常に印象的でした。
特にダイとハドラーの決戦は圧巻の一言。4話分の放送時間を使ってじっくり対決の行方が描写されました。旧アニメのファンにとってハドラーといえば青野武のイメージが強いですが、新アニメで交代した関智一の熱演は、死力を尽くして戦うハドラーにぴったり。エンディングをカットしてまで描かれた第73話ラストのハドラーは、涙なくしては見られません。
このように「ダイの大冒険」新アニメには原作ファン視点での見所が満載です。Amazon Primeをはじめとする各動画配信サイトで視聴できるので、新アニメ未見のファンはこの機会にぜひ一度ご覧ください。
「ダイの大冒険」新アニメはダイ一行が最終決戦の舞台バーンパレスに突入し、物語はいよいよ大詰めにさしかかりました。
ここから先は1戦1戦が見所の連続ですが、1番注目すべきはやはりダイ対バーンのラストバトル。名言、名場面のオンパレードが、一体どのように映像化されるか非常に楽しみです。まず間違いなくバラン戦、ハドラー戦に並ぶ素晴らしい戦闘シーンになるに違いありません。
ラストバトルに次ぐ注目ポイントは、復活したアバン対キルバーンの知略戦、大魔王の強さの核心に迫るミストバーン戦でしょう。いずれも一足違った戦いとなるはずです。
クライマックスの名シーンへの期待が高まる「ダイの大冒険」新アニメですが……去る2022年3月11日、制作を担当する東映アニメーションで不正アクセス事件が発生。この影響で新アニメの放送が5週分、約1ヶ月間ストップしました。
テレビ番組の年間放映スケジュールは、何ヶ月も前からあらかじめ決まっています。「ダイの大冒険」新アニメの放送期間も当然決まっているので、特別に延長されない限り、最終回までのエピソードが5週分削られるかもしれません。
理想はこれまで通り原作に沿って作られることですが、バーンパレスの守護者マキシマムや魔力炉を管理するドラムーンのゴロアとの戦いに関しては、ストーリーへの影響は比較的少なめです。もしスケジュール通りに進行してストーリーのどこかを短縮しなければいけないのなら、全カットはないにしても、この2つのエピソードが大幅に省略されるのではないでしょうか。
万が一、放送時にカットされたとしても、「ダイの大冒険」新アニメDVD・BD発売時に完全版が収録される可能性はあります。
どういった形でストーリーが進んでいくにせよ、最後までクライマックスの行方を楽しみながら、「ダイの大冒険」新アニメの放送を見守りましょう。
2022年10月22日、最終回となる第100回の放送をもって大団円を迎えた新アニメ「ダイの大冒険」。放映期間は足かけ2年に渡り、定番番組を除けば近年珍しい大長編アニメとなりました。
新アニメ「ダイの大冒険」は旧アニメおよび原作連載終了から20年以上経過しているにもかかわらず、従来ファンはもとより、子供向け番組「おはスタ」で特集や必殺技総選挙が実施されるほど低年齢層にも大人気となっています。
本記事では新アニメ放送前・放送中に、重要度の低いエピソードがカットされるのではないかとして、展開予想の考察を行ってきました。
最終回を終えた結論から申し上げますと、……予想はすべて大外れ! もちろんこれは悪い意味ではありません。完全によい意味で裏切られました。コンプライアンス的によくない描写を中心に、いくつかカットされたセリフとシーンはありましたが、省かれたエピソードはほぼ皆無です。
2022年3月に東映アニメーション不正アクセス事件が発生、新アニメの放送が5週分ストップしましたが、その影響はほとんどありませんでした。省略されると予想したマキシマムもドラムーンのゴロアも原作通り登場。
実質ギャグキャラのマキシマムの声を玄田哲章、設定上は大魔王バーンに並ぶとはいえチョイ役に過ぎない冥竜王ヴェルザーに中尾隆聖を配役するなど、省略どころか大ベテラン声優を起用する熱の入れように驚かされました。
最終盤は省エネ作画らしき箇所がやや散見されましたが(おそらくここが制作ストップの影響)、それもこれも最終決戦にリソースを集中するため。最終回を含むラスト3話は劇場版アニメと比べてもなんら遜色のない、とんでもないクオリティに仕上がっていました。同じジャンプ作品の映画『「鬼滅の刃」無限列車編』に匹敵するレベルといえばおわかりいただけるでしょうか。
新アニメ「ダイの大冒険」に賭ける制作陣の熱意には、もはや脱帽するしかありません。「ダイの大冒険」原作ファンでまだ新アニメを見ていない方は、絶対に視聴するべきです。新規視聴者に受け入れられたことから、原作未読の方でもまったく問題なく楽しめます。
世代を超えて愛されることを証明した不休の名作「ダイの大冒険」。ぜひ原作と合わせて新アニメの世界に浸ってください。
新アニメの放送は終わりましたが、「ダイの大冒険」の世界はまだ終わっていません。新アニメと前後してスタートしたスピンオフ作品『勇者アバンと獄炎の魔王』の連載がまだ続いています。
物語の舞台は本編から遡ること10数年前。タイトルからもわかる通り、主人公はダイではなくアバン。まだ勇者の家庭教師ではなく、アバンが勇者その人として活躍していた時代のお話です。
- 著者
- ["芝田 優作", "三条 陸"]
- 出版日
勇者アバンの活躍に関して、本編で断片的に語られた魔王ハドラーとの3度の激突以外、何があったのかほとんどわかっていません。スピンオフ作品『勇者アバンと獄炎の魔王』では、勇者アバンがいかにして世界を救ったのか、その顛末を明らかにする構成となっています。
アバンといえば偉大な勇者の先達として、完成された力を持つ人物です。ところが勇者時代は経験的にも実力的にもまだまだ未完成で、ちょうど「ダイの大冒険」開始時点のダイとそっくり。アバンの活躍を通して、「ダイの大冒険」の興奮をもう一度味わえるのが『勇者アバンと獄炎の魔王』と言えます。
魅力的なのはアバンだけではありません。ダイにポップとマァムがいたように、アバンにも仲間がいます。マァムの父母である戦士ロカと僧侶レイラ、そして大魔道士マトリフと拳聖ブロキーナ。初代勇者パーティがどう結集し、どのように戦ったかが本作の見所の1つです。
もちろん重要なライバル、魔王ハドラーも健在。単純な力でいうと魔軍指令時代の方が強いものの、威厳と迫力はこちらが数段上です。他にはファンなら思わず涙腺が緩んでしまう地獄の騎士バルトスと鬼面道士ブラスの2名に、亜人面樹キギロとデストロールのガンガディアを加えたハドラー四天王が新登場します。
- 著者
- ["芝田 優作", "三条 陸"]
- 出版日
キギロは狡猾で残忍な植物モンスターで、一方のガンガディアは暴力性と冷徹な知性を併せ持った魔法戦士です。それぞれ印象的な敵役である氷炎将軍フレイザード、同じ作者の別作品『冒険王ビィト』の深緑の智将グリニデを思わせるキャラクターとなっており、ファンが読むと思わずニヤリとしてしまう仕掛けになっています。
スピンオフ作品『勇者アバンと獄炎の魔王』は現在、第5巻まで発売中。初代勇者パーティの知られざる冒険や、各キャラクターの掘り下げが本当に素晴らしいです。特にマトリフの逸話は涙なくしては読めません。
ちなみにまだ単行本化されていない連載分では、アバンが「凍れる時間の秘法」で魔王を封印したエピソードが読めます。当時何があったのか知られるだけでなく、思いも寄らない意外な顔見せも……。
スピンオフ作品『勇者アバンと獄炎の魔王』の原作は本編と同じ三上陸が行っていますが、作画担当は稲田浩二ではなく芝田優作。絵柄こそ本編とは違いますが、読んだ時の感覚は間違いなく「ダイの大冒険」です。
従来のファンや新アニメで「ダイの大冒険」の世界を好きになった方は、ぜひ『勇者アバンと獄炎の魔王』もご覧ください。『勇者アバンと獄炎の魔王』の連載は月刊誌「Vジャンプ」ですが、マンガアプリ「ジャンプ+」でも初回のみ無料で読めます。
『ダイの大冒険』のアニメ化について紹介した<「ダイの大冒険」最新技術でアニメ化!この原作シーン超えられるの?ランキング>の記事もおすすめです。
- 著者
- ["稲田 浩司", "三条 陸"]
- 出版日
- 2012-02-01
「ダイの大冒険」の原作漫画には名言、名場面が目白押しとなっています。
言葉で言い表すのが難しいですが、とにかく面白いことだけは折り紙付き。未読の方もこの機会に読んでみることを強くおすすめします。