突然、自分の住む町に、異界への門が開いたらどうしますか?そこから恐ろしい怪物が侵略してきたら? 『ワールドトリガー』は、現れた侵略者「近界民(ネイバー)」から、世界を守る界境防衛機関「ボーダー」の戦いを描くSFアクション漫画。 「ボーダー」の部隊のチームプレーや人間模様と、成長など、登場人物それぞれの事情が絡み合っていく展開が魅力です。さらに集団戦やボーダーの武器「トリガー」の持つ、戦略の幅広さなど、丁寧に描かれた戦闘シーンが多くの読者の心を掴み、2014年にアニメ化されました。 この記事では2019年に映画化が発表された本作の魅力を、トリガーの「技」に注目して紹介していきます。
本作は真面目で正義感の強い修、合理的でリアリストな遊真、兄を探すためボーダーに入隊した大人しい性格の千佳、飄々とした雰囲気の古株ボーダー・迅悠一(じんゆういち)の4人を主人公に物語が進んでいきます。
他の「ジャンプ」漫画に比べて必殺技が少なく、一見、地味な印象を受けるかもしれません。しかし、精巧な戦術や心理戦、集団戦で描かれる個々の強さなど、目立たないながらもどんどん引き込まれていく緻密さが光る作品です。戦闘の奥深さに読めば読むほど夢中になっていきます。
本作を緻密にしている要因の一つは、作中で登場する武器「トリガー」の持つ、技の幅広さです。トリガーにはさまざまな形状や重さがあり、攻撃用として使用するだけでなく、防御用やサポート用など、幅広い使用用途があります。
同じトリガーでも、使用者の戦闘スタイルや組み合わせるオプショントリガーによって、性能は十人十色。武器の形状から技まで使用者好みにカスタマイズできるため、あっと驚く使い方をする人もいます。
個人戦で驚異的な力を発揮する技もあれば、チーム戦で真価を発揮する技もあり、戦略がより奥深くなります。
作中では所持トリガーや技が明らかになっていないボーダー隊員も存在し、そのなかには通常のトリガーより遥かに強い「黒トリガー」を所持している隊員もいます。さらに強力な技が登場する可能性もあり、多くの読者が今後の展開に注目しています。
この記事ではトリガーの技に注目し、それぞれの強さをランキング形式でご紹介します。ご自身で作品を読んでみて強さを考察してみるのもおすすめです。
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漫画『ワールドトリガー』のあらすじを21巻までネタバレ解説!アニメ2期目の注目作
2021年、アニメの新シーズン開始で話題となった漫画『ワールドトリガー』。「面白そうだけどよく分からない」「途中で読むのやめちゃった」そんな人のために、本作のあらすじをネタバレ覚悟で徹底的に解説。作り込まれた設定が理解できると、ハマってしまうこと間違いなし!
- 著者
- 葦原 大介
- 出版日
- 2013-07-04
強さランキングに入る前に、まずはトリガーについて、以下3つに分けておさらいしていきましょう。すでに詳しくご存知の方は飛ばして読んでも問題ありません。
まず、トリガー何なのかについて。トリガーとは、ボーダーが使用する道具であり武器のこと。「近界(ネイバーフッド)」と呼ばれる「門の向こう側の世界」から侵攻してくる、トリオン兵に対抗する唯一の手段です。
「ノーマルトリガー」と、使用者の命と引き換えに発動する「黒トリガー」があり、黒はノーマルを遥かに凌ぐ性能を持っています。しかし作成者の性格が色濃く反映されるため、使用者を選ぶ性質がある、少々やっかいなものでもあります。ボーダーでは遊真を含めた数人しか使用していません。
そんなトリガーは、もともとは近界民のテクノロジーで、心臓の横にある・臓器トリオン器官から生み出される「トリオン」というエネルギーを動力源としています。
トリガーの性能は、使用者のトリオン量やトリオン器官の強弱で大きく異なります。トリオンは栄養や休息で回復、トリオン器官は訓練である程度鍛えることが可能です。
つづいて、使い方について。まずトリガーを起動すると、「トリオン体」と呼ばれる戦闘体が現れ、扱う人間の実体はトリガーの中に収納されます。
トリオン体になると戦闘能力が格段に上がり、破壊されても実体に影響はありません。 しかし、トリオン体は修復できないため、ダメージを受けすぎると消滅して実体に戻ってしまいます。消滅した場合、時間をかけて新たに作り直す必要があります。
最後にバリエーションについて。
ボーダーのトリガーは攻撃用トリガーやオプショントリガーなど全8種類。
利き手のメイントリガーと、反対の手のサブトリガーを組み合わせることで、2種類まで同時に使用可能です。攻撃用トリガーにオプショントリガーをカスタマイズすれば、メインの形状やパワーなど変えることが出来ます。
たとえば銃型トリガーの場合、2種類の弾丸しか装填できない代わりに命中精度が高いとされています。さらに、銃弾トリガーを合成することで、新たな特性を持つ銃弾トリガーを使用できます。
ちなみにボーダーはトリガーの技術を応用して小さいチップ状に武装化し、「トリガーホルダー」と呼ばれる格納庫に入れて使用しています。
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『ワールドトリガー』の部隊、隊員をまとめてみた!
突然やってきた、異次元からの侵略者「近界民(ネイバー)」。それらに対抗しうる、唯一の組織が界境防衛機関「ボーダー」です。彼らの存在によって「こちら側」の世界は守られるようになりました。 ボーダーに所属する隊員は約600名。組織の構成は、実力ごとの階級制で、C級からB級、そしてA級へとランク戦を経て昇級します。B級ランク戦よりチーム戦となるため、各個人は部隊へ所属することになります。 『ワールドトリガー』ではこの各部隊のテイストや戦闘スタイルが、個性的で大きな魅力のひとつとなっています。この記事では主要部隊を紹介しながら、各部隊を率いる重要な隊員にもスポットを当てていきましょう。あなたの推し隊がみつかるかも?
ここからはいよいよ、それぞれの技の強さを比較していきます。部隊とキャラ名も記載します。
さてまず15位は「ブランチブレード」。これはスコーピオンの応用技の一つ。
そもそもスコーピオンとは、変形が自由自在で定まった形状を持たない刃(ブレード)です。体中どこからでも出現させることが可能で、とても軽いのが特徴。
そこから進化して、体内で分岐させたブレードで攻撃する技がブランチブレード。主に風間や遊真が使用しています。自在にブレードを分岐させて出せるため、どんな体制からでも攻撃できます。
攻撃を防いだと油断した相手に追撃を仕掛けることもでき、近接戦闘においてはかなり強い技になります。しかし、体内で分岐させたブレードは耐久力が落ち、通常のスコーピオンに比べて破壊されやすい欠点があります。
ブレードの耐久度は低いものの、近接戦闘であらゆる体勢から攻撃できるという強みから15位に選びました。
ガンナー用・シューター用トリガーとスナイパー用トリガーで併用できる、汎用射撃オプショントリガーで、主に三輪や千佳が使用しています。
約100キロある六角柱の重りを銃弾として放ち、撃った箇所に重しを固定させることができます。
鉛弾を撃たれた相手は重さによって行動を制限され、トリオン体を切り離さない限り解除することはできません。さらにシールドでは防御できず、石などのトリオン体の物体で防ぐ必要があります。
強力な技ですが、撃っている間は防御ができず、さらに弾速と射程が落ちてしまうため、近距離かつノーガードで相手に撃つ必要があります。
実力者でないと使いこなせない難しい弾ですが、相手に刺さればかなり優勢を取れることから14位に選びました。
周囲に足場となる「グラスホッパー」を多数配置し、空間を高速で飛び回る技です。
グラスホッパーはもともと足場を踏むと加速する性質があり、この性能により、高速移動で多角的に相手を攻撃、撹乱させることができます。主に緑川や遊真が使用しています。
グラスホッパーは空中にも足場を作れるため、足場が悪い場所でも技を繰り出すことが可能です。1対1の近接戦闘では非常に強力な技になることから13位に選びました。
スコーピオンの応用技の一つで、スコーピオンを2つ繋げて鞭のように斬撃を繰り出す技です。影浦が考案した技で、後に遊真も使用するようになりました。
使用中はメインとサブ両方のトリガーが使用状態になるため防御ができませんが、代わりに斬撃の幅が中距離まで伸び、変幻自在な攻撃を可能にします。応用も効きやすく、影浦は先をフック状にして壁に引っ掛け、空中移動の手段に用いていました。
他の技との組み合わせでトリッキーな戦い方ができる技でもあり、その自由度やポテンシャルの高さから12位に選びました。
スラスターは守備力重視の攻撃用トリガー「レイガスト」による技。ブレードからトリオンを放出して威力や剣速を上げることができます。木崎や修などが使用しています。
剣と盾の2つの形状を持つレイガストは、盾モードで使用すれば自分ごと高速移動が可能に。敵にタックルをくりだしたり、低空で移動したりできます。
木崎の場合は特殊な使い方で、レイガストを握った状態でスラスターを起動し、スラスターの推進力で加速した拳撃をみせています。
重いレイガストの欠点を補って推進力を大幅に向上させ、応用も効きやすいことから11位に選びました。
弾トリガー「バイパー(変化弾)」と「メテオラ(炸裂弾)」を組み合わせた合成弾です。バイパーはあらかじめ弾道をイメージして設定できるものです。
しかし敵味方入り混じる戦闘中は弾道のコントロールが難しく、使いこなすセンスが必要。作中では出水と那須の2人が使用しています。
このトマホークは弾道を敵の周囲に設定し、メテオラを炸裂させることで、回避しにくい広範囲爆撃をすることができます。
地面や壁に接する敵への命中が高く、シールドを張っている相手に裏側から炸裂でダメージを与えられます。また、炸裂時の粉塵で視界を遮ることもでき、遠くから奇襲を仕掛ける際には特に有効です。
後述の徹甲弾(ギムレット)や誘導炸裂弾(サラマンダー)より威力は落ちるものの、広範囲の面攻撃や奇襲攻撃に有用であることから10位に選びました。
幻踊(げんよう)は日本刀型の攻撃トリガー「弧月」の技のひとつ。作中では主に米屋が使用しています。
弧月は鍔の無い日本刀の様な形で刀と鞘がワンセットで。攻撃力、耐久力ともに高いのですが、使用者の技術が出やすいトリガーでもあります。
幻踊は、弧月の切先を自在に変えられる技で、ブレードを長く伸ばして攻撃します。油断した敵に不意打ちを食らわせたり、相手の防御や回避をかいくぐって攻撃することも可能です。
使用者次第で自在な戦い方ができる技であり、幻踊での不意打ちは回避が非常に難しいことから9位に選びました。
遊真の黒トリガーには他のトリガーをコピーし、「印」として使用できる機能があります。
鎖(チェイン)は「印」の一つで、印から鎖を出して相手を拘束します。印を重ねがけすることで何重にも鎖を巻きつけて強化したり、地面に仕込み、踏んだ相手を拘束する罠したりできます。
印の重ねがけで、鎖を長くしたり強度を上げたりできるので、相手に応じた拘束が可能。任意の場所から強力な鎖を出せる点や、罠という独特な仕掛けもできる要素から、8位に選びました。
高威力の通常弾「アステロイド」をかけ合わせた合成弾で、作中では二宮と出水が使用しています。弾は直線上にしか飛びませんが、弾の中では最も高威力で、弾の構造が二重になっているため貫通力が高くなっています。相手のシールドを割るときや、硬い装甲を持つ敵にはかなり有効です。
反面、通常のアステロイドより弾数が減り、合成に時間もかかることから、近距離や中距離での戦闘、とりわけタイマン勝負では使うことが難しくなります。
使える場面が限られる徹甲弾ですが、強固な装甲持ちや強力なシールドを張る相手には有効であることから7位に選びました。
バイパーを全方位から敵を囲むように撃つ、那須の得意技です。
バイパーは使用者の設定で軌道を自在に変えることができる技。コントロールセンスの高いシューターが使うと驚異的な効果を発揮します。
仕掛けられた側にとって、降り注ぐ弾の雨を避けるのは容易なことではなく、僅かな判断ミスが命取りになります。
那須はさらに、鳥籠と見せかけてからの一点集中攻撃も編み出しており、応用次第で広範囲攻撃からフェイントまで幅広く使える技です。
回避が難しく、多人数での戦いやソロでも十分に威力を発揮できる技であると考え6位に選びました。
遊真の黒トリガー「印」のひとつで、三輪の鉛弾(レッド・バレット)をコピーして編み出したものです。
通常の鉛弾は射撃用トリガーと組み合わせなければ使えませんが、『錨』印は鉛弾単体でも使用可能。他の印とも自由に組み合わせることができます。
鉛弾の重さは通常の倍になっていて、トリオン消費量が激しいため多用することができません。また、鉛弾単体で使用する際は、直接相手に触れる必要があります。
作中では近界民最強の敵・ウィザ爺のトリガー「星の杖(オルガノン)」のブレードを止めており、応用性の高さや作中での活躍から5位に選びました。
追尾弾(ハウンド)とメテオラを組み合わせた誘導追尾弾で、作中では蔵内や二宮が使用しています。
ハウンドは、発射後に目標を自動追尾するもの。メテオラは、着弾すると爆発する弾丸です。
これらを掛け合わせたサラマンダーは、着弾すると炸裂して広範囲にダメージを与えます。目視範囲外の敵も自動で追尾してくれるため、遠くの敵対して牽制や奇襲を仕掛けることも可能です。
射程と弾速はスナイパーの弾には劣るものの、自動で軌道修正するため、敵の正確な位置が掴めなくても使えるというメリットがあります。
弾トリガーでトップクラスの威力を誇り、遠方の敵に奇襲で先制攻撃を仕掛けられる点から4位に選びました。
旋空は日本刀型の攻撃トリガー「弧月」の専用技で、作中では主に太刀川隊長が使用しています。
トリオンを消費して刀身を瞬間的に伸ばし、居合のような一撃を繰り出します。リーチもガンナーと同レベルまで伸び、ブレードの先端に行くほど威力と速度が上がります。
ブレードを伸ばす時間が長くなるほど射程が短くなる仕様で、多くの隊員は1秒ほど起動してから15メートルほど伸ばして使用します。攻撃の前には隙ができやすいため、戦闘時は相手とちょうどよい距離をとりつつ技を繰り出す必要があります。
あつかいの難しさはありますが、近接攻撃用トリガーで遠距離攻撃できるメリットは大きく、ボーダートップのアタッカーである太刀川もよく使用していることから3位に選びました。
旋空の「生駒達人」バージョン。
起動時間をわずか0.2秒にすることで、40mの射程での斬撃を可能にしたスタイルの攻撃です。
通常の旋空よりも剣の速度が速く、旋空を放つタイミングを完璧に合わせていないと出せない技です。「ボーダー随一の旋空弧月の使い手」といわれる、生駒の戦闘力の高さがうかがえます。
空中から体勢を崩さずに攻撃をくり出すことも可能で、嵐山隊の佐鳥から「アクロバティック生駒旋空」と呼ばれています。
シューターやガンナー並みの射程距離を持つ斬撃が、わずか0.2秒で飛んでくるため、初見で見切るのはかなり難しいといえるでしょう。
居合のような独自の構えはフェイントにも使用でき、通常の旋空とは一線を画する強さであることから2位に選びました。
「射」印(ボルト)【三雲隊・空閑遊真】
遊真の黒トリガー「印」の一つで、三輪から『鉛弾』と同時にコピーして習得したものです。
アステロイドと同じ直線上の弾を撃ち出す技で、印を重ねがけすることで弾の威力や射程、弾数を伸ばすことができます。
他の印と複合して使用することも可能で、作中では対象のトリオンの働きを向上させる『強』印や『錨』印と組み合わせて使用していました。
遊真のメインウェポンであり、何重にも弾を強化できる点や、ウィザ爺との戦いでも活躍した技であることから、本作最強クラスの技であると判断して1位に選びました。
あくまでいち読者としての意見ですので、ぜひ作品を読んで実際に強さについて考察してみてください。
- 著者
- 葦原 大介
- 出版日
- 2013-07-04
使用者によってスタイルが大きく変わるのがトリガー技の魅力!より強力なトリガー技は現れるのか、本作の今後の展開に注目です。