突然やってきた、異次元からの侵略者「近界民(ネイバー)」。それらに対抗しうる、唯一の組織が界境防衛機関「ボーダー」です。彼らの存在によって「こちら側」の世界は守られるようになりました。 ボーダーに所属する隊員は約600名。組織の構成は、実力ごとの階級制で、C級からB級、そしてA級へとランク戦を経て昇級します。B級ランク戦よりチーム戦となるため、各個人は部隊へ所属することになります。 『ワールドトリガー』ではこの各部隊のテイストや戦闘スタイルが、個性的で大きな魅力のひとつとなっています。この記事では主要部隊を紹介しながら、各部隊を率いる重要な隊員にもスポットを当てていきましょう。あなたの推し隊がみつかるかも?
技の紹介の前に、あらすじを簡単に。
ある日突然、人口28万人の都市・三門市(みかどし)に、異世界への門(ゲート)が開き、「近界民(ネイバー)」と呼ばれる怪物が侵攻してきました。地球上の兵器が一切通用しない近界民に人々は世界の終わりを覚悟します。
そこへ謎の一団が現れ近界民を撃退。彼らは界境防衛機関「ボーダー」と名乗り、短期間で巨大な基地を作り防衛体制を整えました。
それから4年後、中学3年生の三雲修(みくもおさむ)は、幼馴染の雨取千佳(あまどりちか)を守るため、ボーダーのC級隊員として活動していました。そして亡き父の友人を探しにやってきた近界民の少年・空閑遊真(くがゆうま)と出会います。
その後、修は千佳や遊真と「三雲隊(みくもたい)」を結成。ボーダーの仲間たちとともに近界民と戦います。
この次は、そのボーダーの全体像について解説してみましょう。
ちなみに本作はアニメの新シーズンの制作が発表されており、さらに盛り上がっています。公開日は未定ですが、楽しみですね!
ボーダーには約600名の隊員が所属し、下からC級隊員(訓練生)、B級隊員(正隊員)、A級隊員(精鋭)、S級隊員(黒トリガー所持者)の4つのランクに振り分けられています。
C級隊員がB級に上がるためには、攻撃手、銃手、射手と狙撃手で内容が異なる一定の基準をクリアする必要があり、B級隊員がA級にランクアップするには、チームを組んでランク戦を勝ち抜く必要があります。
上位のA級隊員は約30人ほど。一部の例外を除いて全員がチームを組んでいます。ボーダー本部所属の8チームに玉狛第一(木崎隊)をプラスした9部隊で編成されています。
全体像が分かったところで、次の章からは物語の主要となる部隊を紹介していきます。推しを見つけてみるのも面白いかもしれませんよ!
また、今回紹介する隊員の技でどれが一番強いのかを考察した記事もありますので、よければそちらもご覧ください。
『ワールドトリガー』最強の技ランキングベスト15!トリガーの作り方やチーム構成も解説
ボーダーのトップ部隊。集団戦においても他の部隊と協力して戦闘しています。メンバーは以下のとおりです。
隊員の個性が強い太刀川隊ですが、近界民による大規模侵攻では敵戦力を大幅に削り、東部地区の被害減少に貢献するなど、ボーダー側の頼れる力強いチームです。
太刀川慶は、個人ランク戦において総合およびアタッカーで1位を取るほどの実力者ですが、日常では抜けている部分が多い残念な一面も。大規模侵攻では単独で新型の敵を複数撃破しています。
出水は、とにかく弾をばら撒く戦闘スタイルの中距離型シューター。三輪隊の米屋いわく「弾バカ」。ボーダー屈指のトリオン量とコントロールセンスを誇り、本来作成に時間がかかる合成弾をものの数秒で作成できます。
ちなみに太刀川と元S級隊員の迅が戦う展開は迫力満点!4巻で読むことができます。
- 著者
- 葦原 大介
- 出版日
- 2014-02-04
A級で唯一3人チーム。戦闘では主に他の隊員のサポートや敵の妨害を行います。
実質の戦闘員は当真ひとり。合同訓練をサボりがちなものの、圧倒的な実戦戦績によってシューター1位の座を獲得した天才肌。後輩のスナイパーを目にかけるなど、兄貴分な一面もあります。
隠密行動を得意とするチーム。全員が隠密トリガー「カメレオン」を使用し、ステルス戦闘に特化しています。その隠密性から、本部基地の内部警戒など機密事項の絡んだ仕事を任されることもあります。
隊長の風間は、一言で表すなら「小柄かつ高性能」。高い洞察力と統率力を有し、チームではエース兼指揮官として活躍します。常に合理的な行動を好みますが、内には熱い心を秘めています。
アタッカーの菊池は、サイドエフェクト「強化聴力」の持ち主で、常人の約6倍の聴力があります。音による戦況判断に優れ、ステルス戦闘時でも緻密な連携を可能にするチームの戦術的要です。
個性の強いチームメンバーのフォロー役は、オールラウンダーの歌川です。
オペレーターが隊長を務めるボーダー内でも異色のチームです。 アタッカー、ガンナー、オールラウンダー、スナイパーが1名ずついるバランス型。
アタッカーの緑川駿と、ガンナーの早見一馬以外は、県外スカウト活動のため本編未登場です。
緑川駿は、命の恩人である迅悠一に憧れて入隊した、ボーダートップの機動力を誇るアタッカー。子犬のように人懐っこいフランクな性格で、迅を熱烈に慕っていることから、公式側から「迅バカ」と認定されたことも。
戦闘では空中ジャンプできるオプショントリガー「グラスホッパー」を使用。「乱反射(ピンボール)」のトリッキーな動きで敵をほんろうします。
5巻では遊真と勝負し、白熱の試合展開を見せました。
- 著者
- 葦原 大介
- 出版日
- 2014-04-04
次に紹介するA級5位の「嵐山隊」は、防衛任務や新人への入隊指導、さらにはボーダーの広報活動も担当しています。
嵐山は、温厚な性格と熱い正義の心を併せ持つ、作者いわく「ナイスガイな男」。市民を守ることに強い使命感を持つ一方、ルールには柔軟な姿勢を見せ、人を助けるためにルール違反をした修を咎めず逆に褒めています。
戦闘では主に突撃銃型トリガーを用い、時枝とのコンビネーションを重視した戦法をとります。接近専用の攻撃用トリガー「スコーピオン」でフェイントを仕掛けることもあり、嵐山隊メンバーも戦法としてよく使用しています。
木虎は、スコーピオンを使用しながら、近い距離での射撃もおこなう、近距離万能手(クロスレンジオールラウンダー)。プライドが高く、自他ともに厳しい性格。本編においてサブキャラの中ではかなり出演する機会が多い。
時枝は風間隊の歌川と同じく、隊のフォロー役。ムードメーカーはお調子者の佐鳥。綾辻は容姿端麗、かつ優秀なオペレーターとしてボーダー内のマドンナ的存在です。
A級唯一のガールズ部隊。部隊の特権である「トリガーの改造」を存分に活用し、改造トリガーや試作トリガーを多数所持しています。
隊長の加古は、A級部隊唯一の女性隊長。クールビューティーな印象の女性シューターです。我が道を往くマイペースな性格で、割とお茶目な一面も持っています。
アタッカーの黒江双葉は、A級隊員最年少のクールな少女隊員。日本刀型の攻撃用トリガー「弧月」を用いて戦います。刀は背中に背負っていて「忍者ガール」と呼ばれることも。
近距離の2人と遠距離の2人が互いにサポートして戦う部隊です。
三輪は真面目な性格の男性。戦闘では弧月と拳銃型トリガーを使い分けて戦う、近距離万能手(クロスレンジオールラウンダー)。戦術に関しては、三輪隊の隊員とはハイレベルな連携が可能。
作中ではシリアスな設定のキャラで、近界民に姉を殺された過去から、その復讐をボーダーの使命としています。9巻では修のピンチに駆けつけ、ハイセンスなバトルを見せました。
米屋は、面倒見のよいフレンドリーな性格で、気難しい性格の三輪と行動をともにできます。出水に「槍バカ」と呼ばれる槍使い。(ちなみに出水は「弾バカ」)
戦闘センスと発想力が高く、少ないトリオン量を槍状のトリガーに変えることでカバーしています。
- 著者
- 葦原 大介
- 出版日
- 2015-01-05
作中では県外スカウトへ出向いていたため、隊の特性は不明。ボーダー唯一のスポッター(観測者)がいる部隊で、ほかの隊とは違った戦い方をするようです。
オペレーターの結束と隊長のガンナー・片桐隆明(かたぎりたかあき)以外の隊員は本編未登場です。結束は19巻で登場します。
- 著者
- 葦原 大介
- 出版日
- 2018-12-04
ボーダー玉狛支部に所属するA級チームです。規格外のトリガーを使用しているためランク戦に参加できませんが、隊員の実力は非常に高く、ボーダー本部所属の本部長・忍田真史(しのだまさふみ)からは「ボーダー最強の部隊」と称されています。
隊長の木崎はその冷静沈着さと合わせ、「落ち着いた筋肉」と称されるほどのマッスルボディ。アタッカー・ガンナー・スナイパーの全てに8000点以上のポイントを持つ完璧万能手(パーフェクトオールラウンダー)。専用オプショントリガー「全武装(フルアームズ)」で戦います。
小南は、言われたことをすぐ真に受けてしまう純粋な性格。専用トリガー「双月」を武器に戦う高機動・高火力型アタッカーで、同じ箇所を寸分違わず攻撃する繊細さも兼ね備えています。他のボーダー隊員とは違い、戦闘時はロングヘアからボブカットの姿に変化します。
烏丸は、弧月と突撃銃を使い分けるオールラウンダー。作中で公認されている数少ないイケメンの1人ですが、実は男女五人の子供を抱える貧乏なおうちの長男坊。バイトを掛け持ちする苦労人です。専用トリガー「ガイスト」の所持者で、5種のパラメーターを操作することで絶大な力を発揮します。
オペレーターは、元風間隊の宇佐が担当。トリガーやトリオン兵などの近界技術に深い関心を抱いています。
迅は元S級隊員で、黒トリガー「風刃」の所持者でした。現在は風刃をボーダーに返却してA級隊員に降格。A級隊員としては例外的にソロのアタッカーとして活動しています。ボーダーの古株隊員で、サイドエフェクトの「未来予知」で目の前にいる人間の少し先の未来を見ることができます。
風刃を手放してからは、技術者(エンジニア)とともに作り上げたスコーピオンを使用しています。
初めてその芯の強さを明かしたのは、4巻。かっこよすぎる戦いっぷりをご覧ください。
- 著者
- 葦原 大介
- 出版日
- 2014-02-04
B級クラスのチームからは、三雲隊、二宮隊、影浦隊、生駒隊、那須隊、王子隊の6つを紹介します。
まずはじめは、主人公の修、遊真、千佳が所属する「三雲隊」。玉狛第一でおのおのが個別指導を受けています。オペレーターは宇佐美が玉狛第一と兼任する形で担当しています。
三雲隊には後に、近界民最大の軍事国家「アフトクラトル」の軍人・ヒュースが、迅のアシストにより捕虜という形で入隊。クールかつ生真面目な男性で、ある目的から三雲隊に所属しています。
以前はA級。しかし狙撃手だった鳩原未来(はとはらみらい)が、民間人にトリガーを横流しして失踪するという重要規律違反を犯し、隊ごとB級降格処分を受けています。
二宮はボーダーナンバーワンのシューター。高圧的な態度ですが、それを裏付けるだけの実力を持ち、個人総合ランクは太刀川に次ぐ2位です。三雲隊に対しても辛口ながら的を得た正当な評価を下しています。
元はA級6位でしたが、隊長の影浦雅人が本部のメディア対策室長・根付栄蔵(ねつきえいぞう)に暴力沙汰を起こしたことでB級に降格。元A級だけあって実力は確かであり、二宮隊と並んで別格の強さを誇っています。
影浦は短気かつ粗暴な性格ですが、一方で裏表のない人物でもあり、彼をよく知る人物からは「カゲ(さん)」と呼ばれて親しまれています。ボーダでも屈指の実力者で、攻撃用トリガー「スコーピオン」を使用して戦います。
周囲の人の感情が分かってしまう「感情受信体質」というサイドエフェクトをもつため、狙撃も不意打ちも通用しないと言われています。
19巻から始まるB級ランク戦では修たちと直接戦っています。
- 著者
- 葦原 大介
- 出版日
- 2018-12-04
ボーダーでは数少ない5人チームで、数の多さを活かした多角的な攻撃を得意とします。
生駒は見た目は硬派な青年ですが、中身は割と軽いノリの青年。ナスカレーが好物なことから公式で「浪速のナスカレー」のキャッチフレーズが付けられています。
弧月の技「旋空」を誰よりも使いこなし、すさまじい威力は「生駒旋空」として一目置かれています。その腕は迅から「ボーダー随一の旋空弧月の使い手」と称されるほどです。「風刀」の次期使用者候補としても名が挙げられています。
アタッカー2人とシューター1人からなるチームで、高い機動力を有しています。
王子は名前のとおりルックス・言動ともに爽やかな青年で、指揮官としての能力にも優れています。戦闘ではボーダー唯一、弧月とスコーピオンの二刀流で戦います。
蔵内はクールかつダンディな青年で、高難易度の合成弾もそつなく使いこなす実力者です。隊長の王子一彰を信頼し、戦闘中はよき相談役として彼に従っています。
加古隊と同じガールズ部隊。戦闘スタイルは、那須のバイパーによる弾幕攻撃を、チームメンバーが援護するというものです。
那須は物静かで仲間思いな性格の少女。病弱ですがシューターとしての実力は非常に高く、「バイパー(変化弾)」を使った必殺技「鳥籠」で多人数を相手に圧倒しています。
熊谷とはとても親密な仲にあり、敵が熊谷に変装して襲ってきた際には激怒し、バイパーの集中砲火を浴びせて倒しています。
10巻からのB級ランク戦で修たちと戦いました。
- 著者
- 葦原 大介
- 出版日
- 2015-03-04
ここで紹介したチーム以外にも、本作には魅力的なチームや隊員が多数登場するので、気になる人はぜひ本作を読んでチェックしてみてください。
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