私は占いが好きだ。

そして私の家族も全員占いが好きだ。

実家は三重にあるのだけれど、占ってもらうために高速に乗り、大阪まで行くこともある。

毎朝のテレビの占いを見てから、学校へ行っていた。

私の山中志歩という名前は本名なのだが、これも占いのおじさんにつけてもらった名前だ。

画数が良いらしい。

占いにはロマンがある。

誰も未来を知らない。だから、怖くもあり、楽しみでもある。

今年はどんな年になるのか。

私はネットで「射手座 2020 運勢」と検索をしまくった。サイトによって言っていることは違うけれど、おおよそ、「今年は華やかではなく、忍耐の年だ」と書いてあった。

ちょっと残念だった。

やっぱり華やかでいたい。だって、こういう仕事をしているから。

ちなみに、2019年は「12年に1度の大幸運期」だった。

ちなみに、大幸運期だとは思わなかった。

ちなみに、良いこともあったし、良い出会いもあったけど、もうちょっと……もうちょっと良い目にあいたかった……。

ちなみに、先ほどの文章で少し私の欲が漏れてしまった。お詫びしたい。

ちなみに、私は欲深い人間だから、他の占いだとどういう結果になるか気になる。

毎年、新年工場見学会の打ち上げで、ある女優さんがタロットで占いをしてくれる。

私は「射手座」ではよい結果じゃなかったけど、「タロット」ならよい結果かもしれないぞ、と思った。

いざ、占ってもらった。

「考えろ」というカードが出た。

今年はがんがん行動するより、考えたり、忍耐する年なのか。

そうか。

神社に御礼参りと初詣を兼ねて行った。

おみくじを引いたら、「根を伸ばせ、努力すれば叶う」と出た。

こんなに同じ結果になることがあるのか。

皆さま、今年は忍耐して考えて根を伸ばす年になりそうです。

でも、努力すれば願い事は叶うらしいので、一生懸命努力します。

今年も、ホンシェルジュの連載をよろしくお願い致します。

乳房に蚊

著者
足立 紳
出版日
2016-02-25

変態な雰囲気とまぬけな雰囲気、両方が少し絡み合って、公衆の面前では少し目を反らしたくなるタイトルだ。

作家は「百円の恋」の脚本や「14の夜」の映画監督の足立紳さんだ。

売れないシナリオライターと妻と娘がシナハン(シナリオを書くために現地に行って探索したりすること)のために四国へ行く珍道中が描かれている。

現実的には暗くて、望みが見えないのだけれど、足立さんがバカバカしく、面白おかしく書いているので、不幸の中にたくさんの笑いが見える。笑いながら、泣ける。泣きながら、笑える。

そして、妻のたくましさ。女性に対するリスペクトが感じられる。

私が結婚したら、こんな風に夫を明るく、たくましく支えられる妻、そして母になれるのだろうか。

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