『テニスの王子様』の強すぎる主人公・越前リョーマは、言わずと知れた天才テニス少年。この記事では2021年の映画公開に先駆けて、彼の魅力をとことん語り尽くします! 小柄な体躯に三白眼と少年らしい可愛い姿ですが、その強さは大人顔負けで、口調も「ふーん」「興味ないね」「やるじゃん」と非常にクール。そんな一見生意気そうな彼が、なぜここまで読者を魅了するのでしょうか?この記事で徹底的にご紹介します! すでにご存知の方はおさらいに、名前は聞いた事はあるけど今どうなってるのか知らない方は、最新展開までを知るために、この記事でお楽しみいただければ幸いです。かなりの文量なので、目次からお好きなところをご覧くださいね。
天才テニス少年である越前リョーマは、アメリカからの帰国子女です。
まずは、彼の基本的なプロフィールからアメリカ育ちらしいユニークな情報まで、エピソードも交えてご紹介していきます。
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このプロフィールを見るに、好きな食べ物は和食ですが、随所にアメリカらしさを感じませんか?
思えばリョーマはアメリカ生まれアメリカ育ち。第1話で久々に日本に帰国した生粋のアメリカンボーイです。そのためか、リョーマの回答には中学生らしからぬ垢ぬけた印象を受けます。
「デートスポットはサンタモニカ州の遊園地、苦手なものはパパラッチ、特技はフルーツの皮を綺麗に剥くこと」……どれも「so cool!」です。
「パパラッチ」なんて日本どころかアメリカの中学生にも珍しい答えですが、それもリョーマが米国ジュニア大会の4連覇優勝者だからでしょうか?
いずれにせよ、リョーマの格好良さには女性ファンだけでなく男性も憧れてしまいそうですね!
その一方で、身長は151㎝代ととても小柄な越前リョーマ。先輩の菊丸英二から「おチビちゃん」と呼ばれ、過去には乾から牛乳を1日2本を飲むようにアドバイスされたことも…。かっこいいだけではなく、小柄でかわいいところもリョーマの魅力といえますね。
さて、プロフィールだけでも充分魅力的なリョーマですが、続編の「新テニスの王子様」では更なる進化を遂げています。
新たな必殺技はもとより、なんとヒロインとの関係に進展ともとれる展開があったようです!
連載20年にして様々な動きが見える『テニスの王子様』ですが、一体何があったのでしょうか?
留まることを知らないリョーマの歩みをここからさらに詳しくご紹介します!ちなみにこれ以降は、『テニスの王子様』を「テニプリ」、『新テニスの王子様』を「新テニ」と呼ばせていただきます。
『テニスの王子様』のキャラクターは皆それぞれ必殺技を持っていますが、ここでいう必殺技は通常のスポーツ漫画とは少し異なります。彼らが行っているのはテニスですが、その必殺技は強い選手になればなるほど常人離れしていくのです。
相手の骨までスケスケに見通したり、スイングで空間を削り取ったり……。技名も「跡部王国(あとべキングダム)」や「ブラックホール」と個性的です。
中には実際のプロが使う技もありますが、こうしたバトル漫画のような必殺技をふまえた「テニヌ」という要素が読者を引き込むのでしょう。「テニプリ」の唯一無二の魅力といえます。
ではリョーマの必殺技はどうでしょうか?もちろん、例外なく「テニヌ」です。
リョーマも現実的に実現可能な技も持っていますが、「テニプリ」の世界観を象徴するような人外級の必殺技こそが、主人公である彼の真骨頂です。
まず、『テニスの王子様』でリョーマが取得した必殺技の代表として「無我の境地」という技があります。無意識に過去に戦った者達の技をコピーし繰り出す神業です。12歳の少年の必殺技とは思えない厳つい技名。オーラも出ます。
しかしさらにその上があるのです。
それは「無我の境地」のさらに深い領域で発露する3つの奥義。
字面を見ているだけでも常人技ではないことが伝わりますね。もちろん、オーラが見えます。特に「天衣無縫の極み」は、いわば『テニスの王子様』での最終奥義です。
リョーマの父・南次郎の後はリョーマ以外誰も会得し得なかった必殺技であり、その爆発的な力とともに全身が眩いばかりの光に包まれ、髪も逆立ちます。
その変貌ぶりは「ジャンプ」の超有名バトル漫画の戦闘民族を彷彿とさせるほど。漫画のジャンルは変わってしまいますが、それほどの迫力なのです。
ちなみにこの「天衣無縫の極み」は、「テニプリ」の最終巻、42巻で会得。その様子はぜひご自身でご覧ください。
ちなみに「新テニ」では……。このあとご紹介します。
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さて、では「新テニ」ではどのような必殺技が生まれたのでしょうか?
『新テニスの王子様』253話(25巻)で初披露された新たな必殺技……その名は!
「光る球(ホープ)」
……急にシンプルだと思いませんか?
しかし強さは満を持しての登場に相応しいものです。眩しさで相手の目が眩むほどの強烈な打球なのです。
「説明を聞いてもそれほど強くなさそう」と感じるほど、感覚がマヒしてくるのが『テニスの王子様』たる所以でしょうか。ボールが光るというのは本来ありえないことです。
実はこのホープ、元々は他の選手の必殺技が原点となっています。その原点段階での威力は、壁を破壊し体に喰らうとダメージが内臓にきて吐血するほどのもの。
あらためてですが、本作はテニス漫画です。かつてはプロテニスプレイヤーの錦織圭も愛読していました。
この恐ろしい技をさらに自分の必殺技として進化させたリョーマ。更なる必殺技は生まれるのか、今後も色んな意味でドキドキしますね!
『新テニスの王子様』の必殺技をランク付けした<『新テニスの王子様』名技ランキングベスト10!パワーインフレが加速する!>の記事もおすすめです。
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リョーマの公式戦における勝率は100%。(試合数12 勝利12 敗北0 )と驚異的なものです。
ですが非公式試合では負けることもありました。「テニプリ」では青学最強の部長である手塚国光に、「新テニ」ではU-17日本代表候補の徳川カズヤにです。
アニメではさらに数人のライバルに敗れています。いずれも公式戦で雪辱を晴らしているのがリョーマらしいですね。
また、ライバル達とは別に実父・南次郎には未だ勝てないようです。
怠け者めいた普段の姿からは想像が付きませんが、南次郎はかつて「サムライ南次郎」と呼ばれる伝説のプロテニスプレイヤーでした。
その腕前は現役時代から少しも衰えておらず、リョーマいわく
「毎日負けてる」
(『テニスの王子様』2巻より引用)
とのこと。南次郎の驚異的な強さが垣間見える一言です。
さらに「新テニ」では兄を名乗るリョーガも現れ、こちらも未だ決着は付いていません。
内に外にと強敵揃いのリョーマですが、いずれ全てのライバル達から勝利を収めることは出来るのでしょうか?
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クールで生意気な態度が目立つなど、主人公にしてはちょっと性格が悪いリョーマ。元々リョーマは悪役としてデザインされていました。
では元々誰が主人公だったのか?それは四天宝寺中学校の遠山金太郎です。
リョーマを「コシマエ」と呼ぶ明るくやんちゃな野生児で、小柄な体躯ながら超人的な身体能力を誇ります。見たまんまですが、彼の名前の由来は時代劇で人気の遠山金四郎です。
これに対しリョーマの苗字「越前」の由来は大岡越前。どちらも名奉行として有名人であり、たびたび比較される2人です。これにより、リョーマと金太郎は「対」の存在といえます。
また、作者の許斐剛は公式ファンブックのインタビューで、「悪人が更なる悪人を倒す物語」が『テニスの王子様』だと公言しています。
つまりリョーマは、テニス漫画の主人公にしてダークヒーローだったのです。
リョーマが悪役だったとは驚きですが……スポーツ漫画とは思えない異能者だらけの『テニスの王子様』を思うと納得ですね!
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「テニプリ」のイベントの1つとして2001年より毎年開催されている、各キャラがファンから貰った獲得チョコ数が発表されるテニプリバレンタインがあります。
本誌の展開によっては混戦気味になるチョコ獲得ランキングですが、リョーマは2018年のバレンタインに初の1位を獲得しました!
これはランキング上位常連のキャラクター達を抑えての快挙です。その数、総数45万個に対して、57188個!
それまではリョーマも2016年28位、2017年には20位と低い位置にいましたが、平成最後のランキングでは主人公らしく返り咲いた形になります。
その理由が気になりますよね。
推測ですが、本誌での展開よりも様々なメディアミックスの影響ではないかと考えられます。特にアプリゲームが登場したことで、少しテニプリから離れていたファンが再び興味を持ったのかもしれません。
当時のファンの反応は盛大なものでした。2018年8月に仙台のイベント会場にてランキングの最終結果発表が行われましたが、リョーマ1位のメッセージが会場に流れた瞬間、訪れていたファンは歓声を上げて喜んだそうです。
各キャラクターの人気が非常に高いことで有名な「テニプリ」ですが、リョーマが全ての始まりで、リョーマがこの漫画の主人公である事を再確認できる出来事といえます。
2017年のテニプリバレンタインの結果を紹介した<漫画『テニスの王子様』の登場人物を徹底紹介!【ネタバレ注意】>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。
公式プロフィールによればリョーマの好きなタイプはポニーテールの似合う子です。クールでテニス一筋なリョーマですが、意外に具体的な好みです。アメリカ時代に好きな女の子がいたのでしょうか?
さて、ポニーテールではありませんが「テニスの王子様」シリーズにも髪型が特徴的な女の子がいます。ヒロインの竜崎桜乃です。
桜乃は長いおさげが特徴のリョーマの同級生で、男子テニス部の顧問を務める竜崎スミレの孫です。
「テニプリ」第1話では電車の中で出会ったリョーマに助けられたり、テニスをしているリョーマに憧れて自分も女子テニス部に入ったりと明らかにヒロインとして登場しています。
しかい連載が進むにつれて女性読者が増加し、それに伴いリョーマとの恋愛を快く思わないアンチ的なファンも出てしまったために桜乃の出番は大きく削られてしまいました。
ヒロインながら何年も登場しない不遇なキャラクター……ところが、「新テニ」では彼女の出番がかなり増えたようです!このあと詳しくご紹介しましょう。
桜乃の「新テニ」での初登場は13巻。折しも、リョーマが合宿退去を命じられて街に出た途端の再会です。
そのままゲーセンデートをしたり、気落ちしていたリョーマに桜乃の言葉が沁みたり……。桜乃が登場しただけでも目覚ましいことですが、リョーマと彼女の仲を応援しているファンには堪らない展開が続きました。
また、桜乃に一目惚れしたフランス代表の「王子」キャラ・プランスの登場と、リョーマとの三角関係ともとれるやり取りは桜乃のヒロイン返り咲きの決定打といえます。
このように「テニプリ」時代には想像も付かないほど親しげな2人の姿が「新テニ」では多く見受けられるのです。
もっとも、相変わらず桜乃アンチはいるらしくこの展開にも批判はありました。物語を、そしてリョーマを愛するがゆえの気持ちも想像できます。
しかし一方で、連載20年の間に落ち着いた見方をするファンが増えたとの指摘も無視できません。
作者の許斐剛もリョーマと桜乃の恋路についてSNSで思わせぶりな発言をしたり、2人のイラストを上げるなど昔に比べてヒロイン桜乃が描きやすいようです。
リョーマと桜乃の関係からは良くも悪くもテニプリ人気の凄まじさが伝わりますが、健気なヒロインがそろそろよい目を見てもいいのではないでしょうか?期待したいところです。
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少しだけリョーマとの関係が進んだ桜乃ですが、一方で現実のリョーマファンには衝撃的なニュースが舞い込みました。
事の発端はこちらの女子プロテニス選手の大坂なおみの発言です。
彼女がSNSに投稿した、リョーマの画像付きの「My husband」(私の夫)宣言にリョーマの「夢女」達の心が続々と折れているというのです。
ここでいう「夢女」とは2次元キャラの人間関係に自身のアバターを投下し、リョーマとの架空恋愛を楽しむファンのことです。
ある意味ヒロインの桜乃と戦ってきた彼女達ですが、大阪なおみという恋敵はあまりにビックニュース過ぎたようです。
強すぎるライバル出現に夢女達は軒並み「絶対勝てない」「並の女じゃ勝てないよなあ」と呟いており、中には「テニスの腕前だけが夢女の全てじゃないから…… 」と自身の夢世界を保とうと奮闘する姿も見られます。
2020年1月には強烈なサーブでネットを破壊する場面が話題になった大坂なおみですが、別の意味でも彼女のネット破壊力は絶大のようです。
「新テニ」にはリョーマの兄を自称する越前リョーガという人物がいます。初登場は「新テニ」7巻末。リョーマより2つ年上の15歳で、外見はリョーマ似ですが中身は南次郎という掴みどころのない人物です。
実は「新テニ」より先に映画版アニメで初登場していますが、この時点ではオリジナルキャラとして登場しており、本誌の流れとは無関係となっています。
とはいえ構想自体は連載初期からあったらしく、満を持してあらためて登場した珍しいキャラクターです。
映画のオリキャラだと思っていたファンも多いでしょうし、リョーガの本誌登場には多くの読者が驚いたのではないでしょうか?
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ある選手から闇討ちを受けたリョーマを助ける形で再会した2人ですが、この時のリョーマは兄のことを覚えていませんでした。
その後はともにテニスをすることでリョーマも兄と過ごした日々を思い出し、血の繋がりも南次郎によって証明済みです。ですが、リョーガが本当に兄かどうかは未だ判明していません。
もともと、リョーマがアメリカで暮らしていた幼少時に、南次郎が突然家へと連れてきたのがリョーガです。
2人は兄弟そのものとして育ちますが、ある日、突如リョーガは叔母に引き取られることとなりそれ以来会っていませんでした。
再会してからは2人一緒に行動することが多く微笑ましいのですが、リョーガ個人がどのような人物かは未だ不明です。
肝心のテニスの腕前に関してはどうでしょうか?
前述の「光る球」と同等の打球を打ち返すなど、未知数ながら 驚異的なテニスの腕前を持ってることは明白です。しかし、それに関しても具体的には明かされておらず、作者が意図的に人物像をぼかしている可能性もあります。
謎の多いリョーガですが、真実が何であれリョーマとは今後も良き兄弟として、そして良きライバルとして熱い展開を見せてほしいですね。
リョーマの得意科目は英語と化学です。特に英語は小学生までアメリカで過ごしていただけあってペラペラのようです。
「テニプリ」22巻の切原赤也戦で初めて「無我の境地」に至った時、「You still have lots more to work on(まだまだだね) 」と口癖を英語で言っています。
これ以降もたびたび英語で決め台詞を言うので、日本語よりも流暢なのかもしれません。
それを裏付けるように、日本の地理や伝統文化などは苦手なようです。苦手科目も理科の実験と国語だと判明しています。
得手不得手がどちらもはっきりしているリョーマは、学業的には普通の印象です。ただし、学業とは別に頭の良しあしについて結論付けるなら、よい方かと思われます。
理由は、高い適応能力や柔軟性が作中でしばしば見受けられるからです。
保護者同伴とはいえ山で数日間サバイバル生活をしたり、アメリカで1人旅をして満喫したりするなど、12歳とは思えないほどの行動力を発揮しています。
またスポーツに関することも得意なようで、適切な手当てをすることができますし、人体の構造には詳しいようです。
総合的に学業は普通と思われるリョーマですが、生活やテニスに根付いた実践面では利発なようです。そそられないことには「興味ないね」なリョーマらしい結論といえますね。
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リョーマが記憶喪失になったのは「テニプリ」40巻から。立海大附属中学校との全国大会決勝戦の直前です。
無我の境地の奥に踏み込むために父・南次郎に連れられ軽井沢に向かったリョーマ。修行中に滝壺に落ちた衝撃で記憶がなくなります。
記憶が戻らないまま立海大との試合会場に向かいますが、記憶の無いリョーマは普段の自信に満ち溢れた様子もなく大人しいままです。
先輩の桃城はリョーマの試合が始まる前に記憶喪失を治そうと、記憶の無いリョーマをアップに連れ出しテニスを始めます。その間、試合ではダブルスの菊丸・大石ペアが時間稼ぎを買って出ました。
やがて桃城だけでなく、その他の青学メンバーも加わり、観戦に来ていたかつてのライバル達も協力し始めます。
最初は強烈な打球に怯えるリョーマでしたが、体はテニスを覚えていたらしく徐々に打ち返せるようになります。そして皆とのテニスを通じて少しずつ記憶を取り戻していったのです。
リョーマがテニスを通じて出会った「戦友達」とのエピソードに胸が温かくなりますね。
また、この時の記憶の無いリョーマは屈託のない笑顔がかわいいと読者にも人気なようです。二度と見れるか分からない、素直でよい子のリョーマは、ぜひコミックスでご覧ください。
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「テニプリ」最終回はリョーマと立海の部長・幸村とのシングル戦決着から始まります。幸村を「天衣無縫の極み」で制したリョーマは皆に胴上げされ、青学は全国優勝を果たします。
そして全国大会から少し経った頃、2年の海堂が新部長に就任しましたが、そこにリョーマの姿はありません。
リョーマは再びアメリカへ。広場でテニスの邪魔だと子供をいびる3人の大人達へ向かって
「俺にもテニス教えてくんない」
(『テニスの王子様』42巻より引用)
と言う後姿を見せて物語は完結します。
そして続編の「新テニ」の舞台は、このラストから数か月後にあたります。リョーマは短期的にアメリカに行ってただけとして再び帰国。
……少々突っ込みどころがありますが、テニプリでは些細なことです。
大きな活躍を見せた中学生代表選手の1人として参加した高校日本代表の合宿編からスタートし、U-17の日本代表として活躍するリョーマ達の活躍を描きます。2020年3月時点の最新展開では、世界王者ドイツとの戦いが描かれています。
また、遂に手塚が所属するドイツまで物語が進んだこともあり、ファンの間では様々な最終回考察が出ているようです。
その多くはU-17ワールドカップの決勝戦の決着で完結、とするもの。しかし中には世界の壁の高さを成長の糧とする敗北ルートや、ワールドカップ以降も物語が続くのではという意見もあります。
大会に拘らないのであれば、「テニプリ」ラストの渡米を考察し「新テニ」では合宿に参加するために日本に一時帰国したのでは……という、今度こそアメリカへ飛び立つリョーマ像もあるようです。
非公式戦で手塚に勝利するリョーマも期待されているようですし、どの最終回考察も説得力が高くてなかなか絞れません。
1つだけ確かなことは、リョーマが活躍する姿をファンは期待しているということ。作者の許斐剛がどんな形で物語を着地させるのか、まだまだ予想がつきませんね!
ここからは、越前リョーマの名言をご紹介します。数が多く絞り切れませんが、3つに絞ってご紹介します。まずは第3位。
「オレは上にいくよ」
(『テニスの王子様』9巻より引用)
聖ルドルフ学院中学校2年 ・不二裕太との試合での名台詞です。
青学の不二周助を兄に持つ裕太は天才と称されるプレイヤーである兄に強いコンプレックスを抱いています。試合中も兄にこだわる裕太に向かって、リョーマは強いのは兄貴だけじゃないだろうと諭します。
目標を兄だけに狭めている裕太に対し、さらに高みを目指すリョーマの真っ直ぐな気持ちが現れた台詞です。
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つづいて第2位はこちら。
「テニスって楽しいじゃん」
(『テニスの王子様』42巻より引用)
全国大会決勝戦。立海大付属中学の部長・幸村精市との試合にて。
中学テニス界王者の立海を率いる幸村は「神の子」と呼ばれ、『テニスの王子様』のラスボス的ポジションです。そのプレースタイルは相手に正確無比の返球を繰り返してイップスに陥らせ、五感を奪うという恐ろしいもの。
リョーマもまた五感を奪われ、しだいにテニス自体が苦しくなっていきます。ですがライバル達との激闘を思い返し、そして父・南次郎が「テニス楽しいか?」と問うた姿を脳裏に浮かべます。
その時の父への答えがこの台詞です。同時にリョーマは「純粋にテニスを楽しむ気持ち」を取り戻し、幸村のイップスを脱しました。
「どんなに苦しくてもテニスを嫌いになれるわけない」と笑うリョーマの姿が胸熱な名台詞であり、実はこの気持ちこそが、最終奥義「天衣無縫の極み」そのものなのです。
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第1位は、こちらです!
「まだまだだね」
(『テニスの王子様』1巻より引用)
リョーマといえばやはりこの台詞ですよね。彼を語る上で欠かすことの出来ない口癖でもあります。
基本的に決め台詞として使われるこの台詞は、どんな強敵相手にも臆さずその上をゆくリョーマの格好良さを表現した唯一無二の名言です。
この台詞を言う時のリョーマはとにかく格好いい……クールなのに、熱く生意気な主人公・越前リョーマをこれ以上なく表した一言です。
このあとは、リョーマの名試合ベスト3をご紹介します。
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ケビン・スミスはアニメオリジナルキャラクターです。少々イレギュラーですが、名試合としてご紹介したい熱戦をくり広げます。
全国大会開催前に行われた日米ジュニア選抜試合で対決した、アメリカ西海岸ジュニア選抜チームの1人で、かつて南次郎に敗れた父の因縁を引き継ぎ、リョーマをライバル視しています。
アニメキャラのため出番は少ないケビンですが、研究熱心で手強いプレイヤーです。リョーマに追い詰められ、父と同じく負けて落ちぶれることを拒絶した時初めて「無我の境地」に辿り着きます。
最終的にはさらに上をゆくリョーマに完敗しますが、その際、リョーマの実力に心から感嘆し負けを認めました。
アニメ173話では再び登場し、その後はリョーマ渡米時の良きライバルです。辛い境遇のキャラクターですが、今後はアメリカへ行く度にリョーマに会いに来てくれそうですね。
ケビンとの試合はアニメオリジナルの代表ともいえる一戦です。ケビンの生い立ちなど、主人公・リョーマに絡めた設定も面白いです。
登場話数としてはアニメ『テニスの王子様』136話からの流れで登場し、初登場は142話。リョーマとの試合は158~160話にあたります。
亜久津仁は山吹中学校テニス部の3年生です。
典型的な不良で、中学生にしてタバコを吸ってますがそのテニスセンスは抜群で「怪物 ・亜久津」の異名で型破りなプレイをします。
10年に1人といわれる理想的な筋肉の持ち主で、それゆえに努力をせずとも勝てるテニスにまるで情熱を持っていませんでした。
そんな亜久津ですがリョーマとの試合で初めて苦戦します。
テニスを見下し練習すらしていない人間が負けるカッコ悪さは彼にとって耐え難く、顧問の伴爺のアドバイスを受け入れてまで真剣にリョーマに挑みました。
努力なしでも強い亜久津の本気のテニスは驚異的で、苦戦するリョーマでしたが辛くも勝利を収めます。
あのリョーマが手こずる姿からは亜久津の突出した強さが伝わってくるようです。
亜久津の悪役然とした振る舞いにも怯まないリョーマが格好良く、また試合後の完全燃焼して満足げな亜久津の笑顔も見どころです。
亜久津の初登場は「テニプリ」10巻。リョーマとの試合は12~13巻にあたります。
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真田弦一郎は立海大附属中学校の3年生です。
厳格な性格と古めかしい口調が特徴で、幸村、柳とともに立海3強と称されています。
「皇帝」の異名を持つ彼がリョーマと対決したのは関東大会決勝でのこと。試合開始直後に様々な必殺技を繰り出すリョーマに対し、真田はそれを尽く打ち返します。
真田はリョーマの実力を認めつつも、「風林火山」という4つの奥義で構成された必殺技でリョーマを圧倒しました。
実は真田もまたリョーマと同じ「無我の境地」の使い手であり、幸村・手塚の不在時には中学テニス界の頂点に立つ男と呼ばれたほどの実力者です。
作中トップクラスの強者との関東大会優勝を賭けた一戦の見所は、真田の圧倒的な力量に絶体絶命になりながらも「弱点を見つけた」とやはり不敵なリョーマです。
真田の初登場は『テニスの王子様』5巻。リョーマとの試合は26、27巻にあたります。
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ここまで紹介してきたリョーマの名を冠する映画が、2021年に公開される予定です。そのタイトルは「リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」。
原作では描かれていない「テニプリ」と「新テニ」の間の空白の3か月に迫る、完全書き下ろしの物語となります。すでにファンの期待も高く、 リョーマの足取りを振り返った今回の記事に加えて、今度はどんな格好いいリョーマに出会えるのか楽しみです。
製作総指揮を手掛けるのは、本作の作者である許斐剛。映画という媒体を使って「全く新しいエンターテインメントを」とコメントしています。
映画制作の他に、イベントや本誌アプリ特典など本編以外のサービスにも非常に精力的な作者。「テニプリ」の衰えない魅力の源は作者が熱意溢れる人物だからこそなのかもしれません。
映画に関する情報は、映画「リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」公式サイトでも随時チェックしていただけます。新たに魅力的なリョーマに出会えることを楽しみにして、更なる映画情報を待ちましょう!