近年、何かと注目されることが多い個人情報の問題。実は、個人情報を取り扱うプロの証明となる、「個人情報保護士」という資格があるんです。この記事では、資格の概要や仕事内容、試験の難易度、おすすめのテキストなどをわかりやすく解説しています。
個人情報保護士は、財団法人全日本情報学習振興協会が設けている民間資格です。近年ではセキュリティに関する意識が高まっていること、マイナンバー制度の導入や運用が増えてきたことなどから注目度が高まっています。
個人情報保護士をもっていないとできない仕事はありませんが、個人情報を多く扱う保険会社や情報通信系の会社、人事部や総務部で働く人などの取得が増えているそう。弁護士や社会保険労務士が取得し、業務の幅を広げる動きもあります。
類似資格としては、IT分野の情報セキュリティに関する知識をもっていることを表す「情報セキュリティ管理士」、全日本情報学習振興協会が主催する個人情報保護の知識と実務スキルを表す「個人情報保護実務検定」など。
またマイナンバー制度を理解し、適切な取り扱いをするための「マイナンバー実務検定」なども存在します。マイナンバー実務検定の2級以上を取得していれば、個人情報保護士認定試験を受ける際に免除になる科目もあるため、両方の資格の取得を目指す人も多いようです。
多くの企業がプライバシーマークの取得を目指していることもあり、個人情報保護士の需要は今後も増え続けていくでしょう。
個人情報保護士になるためには、認定試験に合格することが必要です。受験のための特別な資格は必要ありません。
試験は、課題Ⅰと課題Ⅱの2種類。課題Ⅰは個人情報保護の総論となっていて、そのなかでも個人情報保護総論とマイナンバー法理解に分かれています。内容は以下の8項目です。
課題Ⅱは、個人情報保護の対策と情報セキュリティ。内容は以下の4項目です。
マイナンバー実務検定の2級以上を取得している人は課題Ⅰの「マイナンバー法の理解」が、項目でいうと「番号法の背景・概要」「条文に対する知識と理解」が免除されます。
試験内容を見るとボリュームがあり難しそうですが、すべてマークシート形式なので、しっかりと対策をすれば大丈夫です。
試験に合格すると、認定カードが交付されます。有効期限は2年間。期限が近づくと、講習会もしくはWEB上でのテストに参加して更新する必要があるので、注意が必要です。
個人情報保護士は、民間資格であり、国家資格と比べると難易度は高くありません。合格の基準は、課題Ⅰと課題Ⅱそれぞれで70%以上の正解です。2018年までの平均合格率は37.3%となっています。
試験で問われる範囲が他の資格と比べて限定的であるため、テキストや問題集、過去問集を用いて独学での合格者も多くいるようです。
問題数自体は多いですが、すべてマークシート形式なので、しっかりと勉強をしていれば合格できるでしょう。
- 著者
- ["利国, 坂東", "雅子, 水町", "鉄郎, 牧野"]
- 出版日
個人情報保護士の認定試験合格を目指す人におすすめのテキスト。試験を主催している全日本情報学習振興協会が作成しています。実際の試験でも、このテキストに出てくる問題に似たものが出題されることが多いので、持っていて損はないでしょう。
700ページとボリュームがあるので、短期間で学習をするのには向いていません。時間をかけて一から学びたい人におすすめです。
- 著者
- 全日本情報学習振興協会
- 出版日
本作は、過去に出題された実際の試験問題から重要項目を厳選し、2回分の試験に相当するようまとめ直したものです。
問題をくり返し解くことは、知識のアウトプットはもちろん、自分の弱点を知るのに役立ちます。試験合格のために、問題集を解くことは必須だといえるでしょう。
専門用語の解説を丁寧にしてくれているのも嬉しいポイント。基礎知識を学べるテキストとあわせて使ってみてください。
- 著者
- ["ユーキャン個人情報保護士試験研究会", "ユーキャン個人情報保護士試験研究会"]
- 出版日
すべての問題を○×の2択で解くようになっている問題集です。その数なんと580問。ページの左側に問題、右側に解説と、見開きで完結するようになっているため効率よく勉強できるでしょう。
オリジナルの予想問題がついていることに加え、図表や計算問題の対策コーナーもあるので、初めて試験を受ける人にもおすすめです。