部屋を貸す時、借りる時に結ぶ「契約」はとても重要。貸主と借主の間に立ち、手続きがスムーズに進むよう管理する専門家が賃貸不動産経営管理士です。この記事では、仕事内容や試験の形式、難易度、おすすめのテキストや過去問題集などを紹介していきます。
「賃貸不動産経営管理士」は、賃貸不動産管理に関する倫理的かつ実務的な知識をもった、賃貸のエキスパートです。
2000年代直前から、日本では住宅購入へのこだわりをもつ人が減りました。2010年代になると、特に若い人の間では、ライフスタイルにあわせて住居も変化させていくという考え方がトレンドに。さらに投資用不動産が増加するなど、賃貸不動産をめぐるニーズも多様化してきました。
このような背景があり、賃貸不動産を専門とするスペシャリストの存在も求められるようになります。2020年現在、賃貸不動産経営管理士は国家資格化の段取りが進められていて、不動産業界で注目を集めているのです。
協会のHPには、次のように記されています。
賃貸不動産管理に関するスペシャリスト・家主や入居者から信頼される資格・現在まで、約5万人を超える資格者を輩出・国土交通省告示「賃貸住宅管理業者登録制度」における役割が期待されている(一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会HPより引用
賃貸不動産経営管理士の仕事内容は、賃貸管理に関わる重要事項の説明、契約書の確認、署名捺印など。貸す人と借りる人との間に入り、賃貸手続きを安全にスムーズに進める役割を担っています。
また複雑になりつつある賃貸不動産市場の健全性を維持するため、国土交通省の告示で「賃貸住宅管理業者登録制度」が設けられました。
賃貸住宅管理業者では、登録事業者の各事務所に1人、賃貸不動産経営管理士を配置することが義務付けられているのです。トラブルを未然に防ぎ、貸主と借主双方が安心して契約を結ぶことができるようになっています。
賃貸不動産経営管理士になるためには、試験に合格する必要があります。特別な受験資格は必要なく、誰でも受けられるものです。
試験内容は次のとおりです。
賃貸管理に関する実用的な知識を問われ、ほとんどが専門分野から出題されます。四肢択一のマークシート方式です。試験日は年に1度、11月におこなわれています。
2020年度から、出題数が40問から50問に、試験時間が90分から120分に変更されました。
出題数や試験時間が変更され、難易度もあがるといわれている賃貸不動産経営管理士の試験。しかし対策をしっかりすれば、合格できます。
初学者で100時間、不動産業関連の従事者や資格保持者は50時間の勉強時間が目安です。受験者層は幅広く、就職活動のために受験する学生や、定年後の新たな取り組みとして受験する人もいるようです。
合格率は年度によってバラつきがありますが、いずれにせよ対策はしっかりとしておきたい数値です。
- 著者
- 賃貸不動産経営管理士協議会
- 出版日
賃貸不動産経営管理士協議会が作成した公式のテキストで、受験生にとってベースとなる一冊。これをマスターすれば、確実に合格が見えてくるでしょう。
改定された不動産賃貸に関する内容や新しい法律などが、わかりやすく解説されています。1000ページを超えるボリュームですが、8編に分かれているので、目標を決めて学習を進めるのがおすすめ。
賃貸不動産経営管理士の試験を受ける人だけでなく、不動産業務に携わる人からも、日常の仕事に役立つ知識が集約されていると好評の一冊です。
- 著者
- TAC賃貸不動産経営管理士講座
- 出版日
賃貸不動産経営管理士試験における5年分の過去問題と、分野別問題が収録されている問題集です。
学習内容の優先順位が三段階で明記されているので、効率よくアウトプットするのに役立つでしょう。また見落としてしまいそうな論点も、一問一答形式で完全網羅しています。
項目ごとに重要論点がまとめられていることも、効率的よく復習できるポイント。受験生にとって心強い一冊になるでしょう。