5分でわかる税理士の仕事!試験内容や難易度、資格の活かし方などを解説!

更新:2021.12.2

適正な納税業務を促進し、国家財政を支えるスペシャリスト「税理士」。書類の作成や会計帳簿のチェック、経営アドバイスなどをとおして、経済を支えています。この記事では、仕事内容や会計士との違い、就職先、試験の内容や難易度などをわかりやすく解説。おすすめのテキストや問題集も紹介していきます。

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税理士とは。仕事内容や会計士との違いを解説!

 

税務のスペシャリストである税理士。国へ納める税金に直接関わる重要な存在で、私たちの日常の暮らしから国の経済発展に関することまで、さまざまな場所で活躍しています。

国税庁のHPには、次のように説明されています。

税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼に応え、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命としています。

納税義務の適正な実現、納税者に対する税知識の普及、国家財政の確保に大きな役割を果たしています。(国税庁HP「税理士制度」より引用)

しばしば会計士と混同されることもありますが、両者の業務には違いがあります。

ます税理士の独占業務は「税務」です。国家の財政を確保するための納税制度を支えています。中小企業の税務書類作成をはじめ、会計業務の代行や節税対策、経営アドバイスなどが職域です。

一方で会計士の独占業務は「監査」です。国家全体の経営活動を支え、上場企業の財務諸表監査や、財務書類の正当性の証明などをおこなうことが職域です。公正な監査は利害関係者による投資や融資の判断材料となります。

また税理士試験には受験資格が必要で、5科目に合格することが必要。科目合格制度があり1科目ずつ受験が可能で、社会人受験者が多いようです。

一方の会計士試験には、受験資格はありません。科目合格制度もなく、短答式と論文式の2段階試験。どちらも1回の受験で全科目合格しなければなりません。受験専念生が多いといわれています。

税理士の就職先は?年収とともに解説

 

税理士の就職先は、税理士法人をはじめ、個人事務所、企業内の経理部問、コンサルティング業界など多岐にわたります。また簿記の学習を始めた段階で、個人事務所でアルバイトをし、実務経験を積むことも働き方のひとつです。

求人では「相続税法合格の方」など、科目指定で募集をしていることが多々あります。5科目すべてに合格していなくても働ける場所が多いのが特徴です。

また税理士は、代表的な高収入士(さむらい)業です。年収は合格科目数によって異なりますが、税理士法人に務めた場合は600万円以上、独立開業した場合は1200万円以上といわれています。クライアントやスタッフが増えれば青天井だといえるでしょう。

税理士になるには?試験制度と内容、受験資格などを解説

 

税理士の試験は、国税庁が管理する国家資格です。

試験は例年8月上旬に3日間連続で実施されます。受験料は受験科目の数によって異なり、4000円~10000円です。科目合格制度における、合格科目の有効期限は特にありません。

主な受験資格は次のとおりです。

  • 大学または短大の卒業者で、法律学または経済学に属する科目を履修している者
  • 大学3年次以上で、法律学または経済学に属する科目を含め62単位以上を取得した者
  • 専門学校の修了者で、法律学または経済学に属する科目を履修している者
  • 日商簿記1級合格者または全経簿記上級の合格者
  • 2年以上の実務経験者

試験内容を確認しましょう。

必須会計科目

簿記論・財務諸表論の2科目

選択税法科目

所得税法・法人税法・相続税法・消費税法また酒税法・国税徴収法・住民税または事業税・固定資産税から3科目 。このうち所得税法・法人税法のどちらかは選択必須です。

上記あわせて5科目の合格が必要です。基準は科目ごとに60%がボーダーだといわれています。

税理士試験の難易度は?

 

難関といわれる税理士試験。どのくらいの人が合格しているのか見ていきましょう。なお官報合格者とは、5科目に合格した人を指します。

  • 2017年度 受験者数:3万2974 科目合格者数:5839 官報合格者数:795
  • 2018年度 受験者数:3万0850 科目合格者数:4044 官報合格者数:672
  • 2019年度 受験者数:2万9779 科目合格者数:4639 官報合格者数:749

科目別の合格率は、会計科目では13%~20%、税法科目では12%となっています。

勉強時間の目安は3000~6000時間。幅がある理由のひとつとして、選択科目により分量の違いがあることが挙げられます。

将来、どの税法を自分の専門業務にするかによって選択すべき科目も変わってくることを知っておきましょう。

税理士になるには?合格法がわかるおすすめ本

著者
入江日和
出版日

 

学歴も貯金もなかったフリーターが、独学で税理士試験に臨んだ体験記です。

簿記論と財務諸表論の独学での同時合格を果たした作者。その学習法の秘密を公開しました。記憶の精度の上げ方や理論の学習法など、テクニックがつまっています。

また合格までの長い道のりには、メンタルの再構築をすべき時が何度も訪れるでしょう。メンタルの管理についても記されているので、受験勉強に疲れてしまった人にも読んでほしい一冊です。

税理士として働くイメージが湧くおすすめ本

著者
高山 弥生
出版日

 

税理士事務所で働く人に向けた、わかりやすい実務書です。

新人所員と先輩の会話形式で、新人所員が経験する業務を月ごとにまとめた構成。仕事の進め方、心のもち方など税理士として必要なスキルがつまっています。

これから働く人はもちろん、教育する立場になった人にもおすすめの一冊です。

税理士試験対策におすすめのテキスト&問題集

著者
["TAC税理士講座", "TAC出版開発グループ"]
出版日

 

税理士試験のなかでも、簿記論は誰しもが通る最初の関門だといわれています。

本作は、幅広い試験範囲から合格に必要な論点をピックアップし、約2ヶ月という短期間で全範囲の基礎学習を終えられるようつくられたテキストです。

文章は、1度読めば理解できるようシンプルな構成を意識。教科書と問題集がセットになっていて、この一冊でインプットとアウトプットの両方を実行できるので、効率よく学べるでしょう。

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