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5分でわかる古着屋!転職するには何から始めたらいい?開業に必要なことを紹介

更新:2020.12.1 作成:2020.5.22

商品のセレクトやお店の雰囲気で個性が発揮できるのが古着屋さん。「お気に入りの古着屋さんがある」というファッション好きは少なくありません。なかには「将来古着屋を経営したい!」と考えている人もいるのではないでしょうか。 しかし、「開業に必要なことってなに?」「店舗って持たなくてはいけないの?」「古着屋さんの仕入れってどうなってるの?」など、疑問点は多いはずです。 本記事では、古着屋への転職や開業を目指す人のために、経営戦略や店舗運営について解説します。役立つ書籍も紹介しますのでぜひ読んでみてください。

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古着屋ってどんな職業?プレミア・ブランド・安さなど勝負の方法

「古着屋」と一言でまとめても、店舗によってさまざまな経営戦略があります。日本の古着屋さんに見られる代表的な勝負の仕方には、どのようなものがあるでしょうか。

プレミアがついたヴィンテージを売る

1つ目はプレミア・ヴィンテージ路線です。「赤耳」と呼ばれて付加価値のついているジーンズのみを扱ったり、有名メゾンのコレクションものを買い付けてきたりする古着屋さんが当てはまります。

買い付けルートの開拓や真贋(しんがん)を見分ける鑑定眼が必要になりますので、まずは経験を積むことが大切です。仕入れ値・販売価格が高額になる代わりに、ファッションに詳しい人や、業界人など安定した客層が見込めるでしょう。

ブランドものに特化した古着屋

2つ目は、ヴィンテージほどではないものの知名度のあるブランドものを扱う古着店です。ある程度お手頃にブランドものを買いたい人が客層になります。流行のブランドバッグなど、売れ筋商品を見極める目が必要になりそうです。

リサイクル感覚で安く販売

3つ目は「とにかく安く洋服を買いたい」という需要に合わせた古着屋です。元値やブランドにこだわらず、状態の善し悪しで仕入れを決めることになります。ファストファッション感覚で利用するお客さんが多いので、薄利多売になるのが特徴です。

センスで勝負

4つ目は店主の個性・センスで勝負するタイプの古着屋です。ブランドや価格帯ではなく、店のコンセプトに合うかどうかで仕入れを決めます。固定のファンがつきやすいタイプのお店ですが、経営していくためには知識や審美眼が求められるでしょう。

古着屋の開業後、収入はどうなってる?年収は?

古着屋を開業すれば今よりも年収が上がるのか、それとも下がるのか、気になるところですよね。

オープンから1年は収入が下がると考える

これは古着屋に限らず、自分のお店を持つ全ての経営者にいえることですが、さまざまな経費を差し引いた額が経営者側の利益となります。しかし、お店を維持するための固定費は想像以上にかかります。

  • 家賃
  • 光熱費
  • 人件費
  • 仕入れにかかる費用
  • 仕入れた商品のクリーニング費用
  • 在庫を処分する際の費用など

そのため、営業を始めてから最初の年は前職より収入が下がると考えておいた方がよいでしょう。

しかしこれは店舗を持っている場合です。店舗は持たずネットショップのみの古着屋であれば家賃がかからないのでその分、収入となる額は増えます。

古着屋の収入を上げるために

1つの商品が売れた際の利益は、販売額が仕入れ価格を上回る時に発生します。そのため、一度の仕入れでより質のよい商品を買い付けし、販売相場に応じた価格で販売することが大切となってきます。

在庫を抱えるほど損をしていることになるので、仕入れた商品は全て売り切るような販売の仕組みを考えることが重要です。

SNSを通じてブランディングやマーケティングに力を入れつつ、ショップのファンを付けていくことも考えなくてはなりません。定期的に新商品を入荷し、常に真新しい商品が並んでいる状態にすることで、継続的にショップに足を運んでくれるお客さんを増やすことができるでしょう。

利益幅を大きくしたいならネット販売のみにする

多くの経営者にとって、実店舗をオープンするのはひとつの目標になっています。ですが前述したように、実店舗を持つと多くの固定費がかかります。ですのですぐに店舗を持つのではなく、最初はネットショップのみの販売で利益を大きくしていくのがよいでしょう。

古着屋を始めるならネットショップからでも

古着屋の開業には店舗がないと……と考える方もいるかもしれません。しかし現代はオンライン販売のみのアパレルブランドも多く、逆に店舗を持つことはコストがかかりすぎると考えられています。

オフラインでの販売は、ポップアップストアや蚤の市などで期間限定で出店する選択肢もあります。その場合は普段オンラインで見ていてくださる人が足を運んでくれることでしょう。

では古着屋のネットショップを始めるにあたってどんなことが必要なのでしょうか。

ネットショップを開設する

個人でネットショップを開設する場合、オリジナルサイトではなく既存のサービスを使ってネットショップを開設することがおすすめです。たとえば下記のようなサービスがあげられます。

◾️モール型

  • 楽天
  • Yahoo!ショッピング
  • Amazon

これらのショップは「モール型」と呼ばれています。サービス自体の集客力が優れているため、より多くの人の目に触れる機会が得られます。しかし出品数が多く、更新される頻度も高いため、商品が埋もれやすいという点もあります。また、初期費用や維持費などのコストがやや高いです。

◾️ショッピングカートASP型

  • STORES
  • BASE
  • Shopify

「ASP型」と呼ばれるサービスでは、サービスを提供している運営会社の管理画面にログインしてネットショップを運営します。モール型に比べ、それぞれのショップが独立しているため、ショップのファンなどがつきやすいというメリットがあります。また初期費用や維持費などのコストが低く、ショップを開設するハードルは低いでしょう。

よほどの商品数がない場合は、モール型ではなくASP型のサービスを利用したネットショップの開設がおすすめです。また古着屋の場合は、取り扱う商品の独自性やセンスが重要になるので、そういった意味でもショップ自体にファンがつきやすいASP型を利用するのがよいでしょう。

専用のSNSアカウントを作成する

一定数の商品をアップしたら、次は商品をターゲットに届けるために専用のSNSアカウントで集客活動をする必要があります。

商品単体の写真や、着画の様子などがわかるSNSを利用するのがベストでしょう。Instagramであればショッピング機能も駆使すれば購買に繋がりやすくなるはずです。

商品のアップと同時に顧客とのコミュニケーションの場としても使うことができるので、専用のアカウントはもはや必須といえるでしょう。

発送商品の梱包などを決める

ショップとして商品を販売するからには、細部までこだわることも大切になってきます。お客さんの期待を裏切らないよう、またショップのブランドイメージを崩さないよう、商品の梱包なども決めておくとよいでしょう。

梱包にはそれなりに費用がかかります。紙袋にするのか、オリジナルの箱を用意するのか、またショップカードなどは同梱するかなどを決めておきたいところです。

お客さんとオフラインでの関わりが持てない分、オンラインでの関係構築をどうおこなっていくのかも、古着屋として成功するかどうかを左右するポイントとなりそうです。

その他、細かなルールを決めておく

上記以外にも、オンライン古着屋として決めておきたいこと・準備しておきたいことはたくさんあります。

  • 商品の仕入れ方法
  • 商品の入荷頻度
  • 商品の価格設定
  • 返品・返金対応の仕方
  • お問い合わせへの対応
  • 入荷商品の撮影方法
  • 在庫の保管方法

店舗を持つには家賃や人件費などかなりの費用がかかります。しかし、オンライン販売のみであればそれらの費用はかからないものの、別の問題がでてきます。

具体的には、商品の仕入れ方法から価格設定、またお客さんからのお問い合わせへの対応はどうするかなどがあります。なかでも最も大変なのは在庫の保管方法でしょう。店舗がないため自宅で保管したり、量によっては保管場所を借りる必要も出てくるかもしれません。

入荷した商品がなかなか売れない場合は、その商品を売るためにセールをする必要などもあるでしょう。

古着屋になるには?転職する際に勉強したいこと

将来、自分の店を持ちたいと思っている人にとって気になるのは、「古着屋になるために今から準備しておくべきことは何か」ではないでしょうか。選択肢が多い学生時代にやっておくべきことを、いくつか紹介します。

ブランド知識、経営戦略の知識が必要

古着屋として絶対に欠かせないのは、自分の得意分野・勝負したいジャンルでの専門知識です。アパレルブランドの種類だけでなく、ファッションの歴史も知っておく必要があるでしょう。

そのほかに意外と見落とされがちで重要なのは、経営の知識です。開業のためにはどれくらいお金を貯めておく必要があるのか、まず調べてみましょう。

また、毎月仕入れや家賃などで発生する出費と、商品を売って手に入る収入とのバランスも知っておく必要があります。「理想としてはこういう商品で固めたいけれど、経営のことを考えると売れ筋商品をもう少し入荷する必要があるな」などと、戦略を立てないと事業としての継続が難しいこともあるからです。

古着屋で働く・ファッションの専門学校に通うのも手

お客さんとして古着屋に通い、知識を付けるのもよいでしょう。しかし自分の仕事にしたいのであれば、やはり一度働いてみるのをおすすめします。毎日の掃除や商品の整理、会計など、お店を運営していく上では細々とした仕事が欠かせません。毎日のルーチンワークを身につけるには、現場が一番です。

また、ファッションの専門学校に通うのもよいでしょう。「古着を売りたいのであって作りたいのではないのだけど?」と疑問に思う人もいるかも知れません。

なぜ学校がよいのかというと、作り方を知っておくと商品がよいものであるかどうかが見分けられるようになるからです。デザインや縫製だけでなく、スタイリングなどを学ぶとお客さんへの提案もしやすくなります。

専門学校は安い投資ではありませんが、他と差別化したお店を持ちたい人は検討してみる価値があります。

自分のお店を持ちたい!開業に必要なものは?

「まずは別業種でもよいので就職して、資金を貯めてから独立・開業したい」という将来設計を持っている人もいるかもしれません。古着屋で働いたことがないと見落としがちなポイントをまとめました。

古物商の免許

まず絶対に必要なのは古物商の免許です。古物商とは文字通り中古品を扱うのに必要な国の許可で、これを持たずに古着屋を開業すると違法となってしまいます。免許の取得は自分でもできますし、行政書士などの専門家に依頼することもできます。

参照:警視庁

開業資金・店舗探しなど

一般的に、お店を開くと先に出費がかさみ、実際にお金が入ってくるのは少し後になるという傾向があります。たとえば店舗を借りて改装するのに必要な資金や、商品の仕入れ、さまざまな手続きでかかる諸経費などがあります。また、実際に売上が立つまでの自分の生活費も確保しておかなければなりません。

これらの必要経費は「どこに店を出すのか」「商品の価格帯をどうするのか」「開業資金は自分で貯めるのか、借りるのか」などによっても変わってきます。税理士や会計士などの専門家に相談して、実現可能な資金繰りを検討してみましょう。

オンラインだけの販売という方法も

リアルの店舗を持つと諸経費がかかります。災害などの理由で店を臨時休業しなければならなくなることもありますが、そのようなときでも家賃などの出費は止まりません。実際に台風や地震などをきっかけに廃業しなければならなくなる個人経営の店は少なくありません。

お金のかかるリアル店舗をリスクと捉え、ネットショップだけで販売をする古着屋さんもあります。SNSなどを活用して集客するのです。古着は基本的に1点ものなので、商品の状態が正しく把握できる写真を撮ることが大切になってきます。

よいときも悪いときもあるのが店舗経営

考えるべきことはたくさんありますが、古着が好きでそれを仕事にしたいと思っている人に最も重要なのは「古着が好き」という気持ちと、続ける情熱です。また、「よいときも悪いときもある」ということを事前に頭に入れておきましょう。好きだという気持ちと臨機応変に対応をする心構えが大切です。

古着屋がどんな職業なのか分かる本

著者
バウンド
出版日
開業の心構えだけでなく、お店の内装やインテリアなどのスタイルも学べるムック本です。実際に経営に成功した人のインタビューも掲載されています。

「昭和レトロ」といった最近ブームのきているものから、長年の定番であるアメカジまでジャンル別の特集も組まれており、逆引きなどして使うのにも便利な1冊です。カラー写真が多く、ぱらぱらと眺めているだけでもお店見学をしているような気分で楽しめます。

全てをそのまま参考にすることは難しいでしょうが、古着屋という職業についてまずひと通り知っておきたいという人には役に立つ内容が掲載されています。

古着屋の本場・大阪の最新トレンドが知りたいならこれ!

著者
[]
出版日
カジュアルで個性的な古着スタイルの本場といえば大阪。今も若者で賑わうアメリカ村を初めとした、大阪のトレンドが分かる2020年最新版ムックです。

表紙に「THE GUIDE」とあるように、エリアごとにお店が見開きで掲載されているガイドブックなので、この本片手に実際に大阪を訪れてみても楽しいかもしれません。

店舗の内装にお金をかけずにセンスの良さを演出する店舗など、今どきの情報を仕入れたい人におすすめです。

古物商についてひと通り勉強するなら

著者
野沢 一馬
出版日

古物商の免許取得は難しくないとはいっても、概要についてひと通り知っておかないと不安だという慎重派の人にはガイド本をおすすめします。『誰も教えてくれない「古物商・質屋」の始め方・儲け方』は免許の届け出についても詳しく解説しています。

ただし許認可は法改正などで変化することもあります。詳しく知りたい人は各都道府県の警察署に問い合わせることも忘れずに行ってください。

ネットショップを始めるときに参考になる本

著者
["岡本 正", "久松 慎一", "井上 綾乃"]
出版日
初めて開業する人だけでなく、今までリアル店舗のみで販売してきたという古着屋さんにも参考になるネットショップの始め方本です。

初期費用無料のものだけでもたくさんのサービスがある現代。「どうやって出店するサービスを選ぶのか?」「集客はどのようにおこなうのか?」といった基本的なことを押さえておきましょう。

ファッションは見た目を整えるだけでなく、自己表現の手段にもなります。そのなかでも古着屋を志す人は個性やファッションに対する愛が強い人が多いはずです。
本記事ではそんな個性溢れるお店を経営していく手助けになる本を紹介しました。お店を経営するのはよいときもあれば大変なときもあります。ぜひ「好きだ」という気持ちを忘れずに、学び続ける姿勢を大切にしていってください。