5分でわかるインテリアコーディネーター!仕事内容や年収、資格試験の難易度を解説

更新:2021.12.4

住まい手の想いや願いを叶えるために、住空間のアドバイスをおこなうインテリアコーディネーター。インテリアに関わる幅広い知識を持つ人材として認められ依頼を受ける専門職で、住宅メーカーや工務店、フリーランスなど、さまざまな場面で活躍することができます。住宅業界への就職・転職やキャリアアップにもつながります。 今回は、インテリアコーディネーターについて、仕事内容や年収、資格試験の難易度などを詳しく解説していきます。おすすめの書籍もご紹介するので、試験勉強などにぜひ役立ててみてくださいね。

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インテリアコーディネーターの仕事内容

インテリアコーディネーターとは

インテリアコーディネーターは、公益社団法人インテリア産業協会が認定する専門資格です。

家具や内装、照明器具などのインテリアに精通し、住まい手の「快適に毎日を過ごしたい」「心地よい住空間で生活したい」といった想いに寄り添い、ライフスタイルに合った提案・助言をおこないます。

住い手の暮らしに関わる夢を叶えるお手伝いをするスペシャリストです。具体的にどのような仕事をおこなうのか、どのようなシーンで活躍できるのかを見ていきましょう。

インテリアコーディネーターの仕事内容

一から住空間づくりを助けることもあれば、現在の住まいに合わせてインテリア選びやコーディネートを提案することもあります。

一般的な仕事内容は、住まい手へのヒアリングから始まり、要望に応じて商品セレクトやプレゼンテーションをし、契約、発注、納品という流れです。

インテリアコーディネーターの仕事の流れをステップごとにまとめてみました。

  1. ヒアリング:顧客のライフスタイルや予算などを聞き取り、現状やニーズを把握する
  2. プランニング:ヒアリングを参考にして、レイアウトやインテリアなどを計画する
  3. 商品セレクト:プランニングに合った家具や内装材、照明などを選ぶ
  4. プレゼンテーション:図面やカタログなどを活用して顧客にイメージを提案する
  5. 見積もり:見積書を作成・提出する
  6. 契約
  7. 商品・素材の発注:セレクトした商品をショップやメーカーなどに発注する
  8. 納品:納品を確認し、プランニングに合わせて住空間をつくる

以上のようなステップを経て、住まい手の夢を叶える住空間を形づくっていきます。住空間が完成して終わりではなく、アフターフォローも大切な仕事です。いつも快適に暮らせるように、住まい手に寄り添ったサポートが欠かせません。

インテリアコーディネーターが活躍できるシーン

住宅メーカーなど家に直接関わる職場をメインに活躍していると思いがちですが、インテリアコーディネーターが活躍できるシーンは幅広いのが特徴です。

 

  • 住宅メーカー
  • 工務店
  • デザイン事務所
  • 内装施工業者

 

これ以外にも。インテリアに関わるメーカーやショップ、ショールームなど、さまざまな場所で活躍しています。

インテリアや住まいの知識を生かして、フリーランスとして住まい手の手助けをする、インテリアショップを開業するといった活躍の場もありますよ。

住宅メーカーやインテリアメーカーなどに所属し住まいづくりのサポートをすることも、専門的なスキルを発揮して個人として依頼を受けることもでき、自分に合ったスタイルでインテリアや住まいに関わることができる仕事です。

インテリアコーディネーターの年収や働き方

インテリアコーディネーターの平均年収は?

勤務先により年収に少し差がありますが、インテリアコーディネーターの平均年収は300万円台となっています。大手の住宅設備メーカーのインテリアコーディネーターであれば、400万円以上の年数も見込めるようです。

大手求人サイトをみた限りでは月給であれば20万〜23万円が最も多く、派遣社員の場合は時給1400〜1600円台の求人が多く掲載されています。

インテリアコーディネータの働き方は?

インテリアコーディーネーターの仕事のなかで最も多く時間をさいているのが顧客との打ち合わせです。1日に何件もの打ち合わせが入ることもあり、日中は資料作成にかける時間が取りにくかったりします。

そのため、打ち合わせで使用する資料や提案書、見積書などの作成は定時以降におこなうことも多いのが実情です。多くの顧客を抱えるほど勤務時間も長くなってしまうのです。

また住宅メーカーなどに勤務する場合は、顧客が来店できる土日は基本仕事になる会社も多く、休みは平日となります。祝日も勤務しなければならないため、一般的なワークライフバランスとは逆の働き方になるでしょう。

社会人からインテリアコーディネーターになるには?気になる転職事情

求人サイトの「未経験OK」とは

大手の求人サイトでインテリアコーディネーターの求人には「未経験OK」と記載されている会社が多く見られます。ですがこれは完全未経験ではなく、業界や業種の未経験はOKだけれど事務経験は必須出会ったり、最低限のPCスキルは必要であったりします。その点は、募集内容をしっかり確認した方がよいでしょう。

インテリアコーディネーターの資格は必須ではない

インテリアコーディネーターとしての転職で、インテリアコーディネーターの資格は必須ではありません。しかし業務をおこなっていく上で、インテリアに関する知識や顧客のニーズに応えるための柔軟性や提案力は必要となる場面は多いです。

また内装のコーディネート、住みやすい環境を作るための提案には建築やデザインなどの美術に関する基礎知識が必要となります。そうしたことから資格なし・未経験でインテリアコーディネーターへの転職をした後に、資格を取得する方は多いです。

どんな職種から転職しているの?

さまざまな業界からインテリアコーディネーターへの転職があります。

 

  • 広告の営業
  • 建築事務所
  • 百貨店での営業

インテリアコーディネーターの資格試験には受験資格がなく、誰でも受けることができます。そのため前職に在職中に資格を取得し、資格を活かせる仕事に転職したという方もいます。

また前述したようにインテリアコーディネーターとして働くには、インテリアやデザインの知識以外に、建築に関する基礎知識も必要となります。ですので前職で建築関係の仕事をしていた方は転職しやすいでしょう。

インテリアコーディネーター資格試験の難易度は?

インテリアコーディネーターになるには?

インテリアコーディネーターになるためには、公益社団法人インテリア産業協会が実施する「インテリアコーディネーター資格試験」に合格する必要があります。

階級は設けられていないので、一次試験・二次試験を通過して晴れてインテリアコーディネーターに認定されます。

それではインテリアコーディネーター資格試験の試験概要や合格率・難易度などを詳しくチェックしていきましょう。

インテリアコーディネーター資格試験の内容

インテリアコーディネーター資格試験は、知識を問う一次試験と、プレゼンテーション力を見る二次試験で構成されています。インテリアコーディネーター資格試験には受験資格はなく、誰でも受験できる資格です。

試験日や試験場所などは例年以下のようになっています。

  • 試験日:例年一次試験10月・二次試験12月
  • 受験資格:年齢・性別・学歴・職業・経験不問
  • 試験場所:例年北海道・岩手県・宮城県・群馬県・東京都・愛知県・石川県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県
  • 受験料:基本タイプ(一次試験+二次試験)1万4850円・一次試験のみ1万1550円・二次試験タイプ1万1550円※過去3年以内に一次試験合格済みの場合

◾️一次試験

一次試験は、インテリアについて知識を問う試験です。マークシート形式で以下の9項目の試験範囲について出題されます。

  • インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
  • インテリアコーディネーターの仕事に関すること
  • インテリアの歴史に関すること
  • インテリアコーディネーションの計画に関すること
  • インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
  • インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
  • 環境と設備に関すること
  • インテリアコーディネーションの表現に関すること
  • インテリア関連の法規、規格、制度に関すること

◾️二次試験

二次試験は、プレゼンテーション・論文による実技試験です。インテリアコーディネーターに必要な実践的な知識を問われます。

  • プレゼンテーション:課題に対して、図面などの資料を作成しわかりやすく提案する
  • 論文:課題に対して、インテリアコーディネーターの目線で理解・表現する

参考:インテリア産業協会が定める試験の審査基準

インテリアコーディネーター資格試験の合格率・難易度

インテリアコーディネーター資格試験の合格率を見ていきましょう。

2019年度:25.1%
2018年度:23.8%
2017年度:22.5%
2016年度:23.9%
2015年度:22.5%

いずれも20%台となっており、決して簡単な試験ではないことが分かります。

合格者の男女比は女性が大半を占めるものの、年齢は24歳以下から50歳以上までと幅広くなっています。受験資格を問わないことから老若男女がチャレンジしている資格といえますね。

合格率は決して高くありませんが、合格者の勤務先別の分布を見てみると、合格者1896人中336人が学生・主婦などの非就業者でした。業界経験がなくても、取得を目指すことができる資格で、誰にでもチャンスが開かれています。

試験は、過去3年以内に一次試験を合格した人は、二次試験から受けることができます。一次試験のみを受けることもできるので、一発合格ではなくても、計画的に資格取得へステップアップすることも可能です。

参考:インテリアコーディネーター資格試験 試験結果

インテリアコーディネーター資格取得のための3つの勉強法

インテリアコーディネーター資格試験の合格に向けては、主に3つの勉強法があります

  • ハンドブックや書籍を使って独学で勉強する
  • 通信講座を受講する
  • 予備校などの教育機関に通学する

1.ハンドブックや書籍を使って独学で勉強する

インテリアコーディネーター資格試験に関するテキストや参考書は、書店で購入することができます。教本から過去問題集、用語集など種類が豊富なので、試験勉強に活用可能です。

公益社団法人インテリア産業協会では、試験参考書として教育機関や通信教育などに採用されている「インテリアコーディネーター ハンドブック統合版<上巻・下巻>」を購入することができます。

独学は、少ない費用・自分のペースで勉強できるので、通信講座や予備校に通う時間やお金がない方におすすめの勉強法です。ただ、二次試験は図形作成やプレゼンテーションといった実技試験なので、独学だけでは少々不安が残るでしょう。
 

2.通信講座を受講する

仕事や家事などを両立させながら資格取得を目指したい方には、通信講座がおすすめです。テキストやWeb講座で講義を受けられるので、自分のペースで取り組みながら、質の高い勉強ができます。

公益社団法人インテリア産業協会が提供している通信講座もあり、ハンドブックや過去問題集、製図対策に講師のサポートを受けながら取り組むことが可能です。
 

3.予備校などの教育機関に通学する

直接講師の講義を受けながら試験対策したいという方は、予備校など教育機関への通学を検討してみましょう。独学や通信講座はひとりで勉強を進めますが、教育機関には同じ目標を持つ人が集まります。

ひとりでは下がりやすいモチベーションも、仲間に刺激を受けながら維持できるでしょう。デメリットとして、通学するための時間や費用が必要になる点には注意が必要です。

次のページでは、インテリアコーディネーターになるための勉強におすすめな本をご紹介します。

インテリアコーディネーターについて理解を深めたいときにおすすめの本

著者
["西山紀子", "HIPS合格対策プロジェクト"]
出版日

インテリアコーディネーターについて、4200語もの用語がまとめられた書籍です。インテリア販売やインテリアの歴史などの9章に分かれて、インテリアに関する用語が丁寧に解説されています。

用語解説は文章だけでなく、1000以上の図表が多く取り入れられていて、視覚的に理解できるのがうれしいポイント。

巻末には、五十音順、アルファベット順の索引が収録されているので、気になるトピックをすぐに見つけられます。試験勉強で困ったときに用語解説を見やすいのも便利なポイントですよ。

インテリアコーディネーターの資格勉強に活用したいおすすめ参考書

著者
HIPS合格対策プロジェクト
出版日

インテリアコーディネーター資格試験を受験する多くの方が支持している人気テキストです。見開きに1テーマなので、1テーマをコツコツ短時間で勉強したい方や、すき間時間を活用したい方にも使いやすくなっています。

テーマごとに詳細な解説があるだけでなく、図表や特におさえておきたいピックアップワードなども盛り込まれ、非常にわかりやすい内容です。

定着度を測るために、各章に確認テストが収録されているので、独学にも心強いテキストですよ。上下巻構成なので、下巻もセットで購入してインテリアコーディネーター資格試験の基礎を身に付けましょう。

インテリアコーディネーターの資格勉強に活用したいおすすめ問題集

著者
HIPS合格対策プロジェクト
出版日

「インテリアコーディネーター1次試験合格教本 第11版」の出版社が発行している過去問題集です。

過去5年分の過去問題を1ページ1問の構成でわかりやすくまとめられています。各章ごとの傾向・対策情報や不正解解説など、一次試験に役立つ情報が満載です。

上巻には、実力テストの音声講義と色彩分野カラー資料を特別収録。過去問題に取り組むだけでなく、音声や資料で理解を深められるのが魅力です。こちらも上下巻構成なので、セットでの勉強をおすすめします。
 

インテリアコーディネーターは、住まい手の夢を叶えるスペシャリストです。顧客の理想をヒアリングし、プランニング、商品セレクトなどを行い、インテリアに関わる幅広い知識を発揮して、快適な住空間を提案します。 
活躍の幅も広く、住宅メーカーやインテリアショップ、デザイン事務所だけでなく、フリーランスやインテリアショップの開業など、さまざまなシーンで住い手の依頼を受け、活躍できます。住宅業界やインテリアに興味がある方は、インテリアコーディネーター資格試験の概要やご紹介した本を参考にして、ぜひ資格取得を目指してみてくださいね。

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