秘書検定は知名度は高いものの、どのような資格なのか知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。「人柄の教育」といわれるように、秘書として働く人だけでなく、すべての社会人に求められるスキルを身につけることができるのです。この記事では、秘書検定がどんな時・仕事に役立つのか解説したうえで、検定試験の内容や難易度、おすすめのテキストや過去問題集を紹介していきます。
知名度の高い秘書検定。多くの人が名前は耳にしたことはあるのではないでしょうか。実は秘書検定は、たとえば「社長秘書」のような職業の人だけでなく、すべての社会人の役立つ資格なのです。
たとえば表情や振る舞いなどの非言語コミュニケーションで「人柄の良さ」を表現するスキルを習得できます。またメールマナーや尊敬語、謙譲語などの言葉遣い、さらには話し方まで、一般常識はもちろん「人間力」を育むことができるのです。
秘書検定の取得は、社会人として必要な常識や知識が身に着いていることの証明になります。また社会から広く認知されていることもあり、就職や転職活動にも役立つでしょう。日常の実務にすぐに活かすことができるので、若い人から人気があるのも特徴です。
では実際にどのようなシーンで秘書検定が役立つのか、いくつか紹介していきます。
就職活動などの面接
秘書検定では、表情や身振り手振りなどの非言語コミュニケーションが身に着きます。非言語コミュニケーションは言葉以上にインパクトがあるといわれているので、自分自身の人柄をアピールすることができるのです。
電話対応
社会人にとって、電話応対は必要不可欠な業務のひとつ。正しい言葉遣いや品のある話し方で、相手によい印象を与えることができます。
社会人マナー
名刺交換の方法やメールの送り方など、社会人としての一般常識や教養が身につきます。よりよい社会人としての振る舞いができるようになり、自信のアップにも繋がるでしょう。
冠婚葬祭
たとえば社員の結婚式や、関係者の訃報など、社会人になると特別なシーンも出てきます。誰の名前でどのようなメッセージを送るのが適切なのか、瞬時に判断するのは難しいもの。秘書検定では祝電や弔電に関する知識も身につけることができます。
文書作成
たとえば社外文書の書き方については指導されるけど、社内文書の指導は後回しにされがちなど、社会人になったからといってすべてのスキルを先輩から教えてもらえるわけではありません。秘書検定では、お礼状、案内状、報告書などビジネス文書の基本の型を習得できるほか、読みやすい文書になるコツも知ることができます。業務の効率化にも繋がるでしょう。
振り返りや反省
秘書検定の勉強を始めるきかっけは、会社の指示でなんとなく……という人も多いかもしれません。しかし学習を進めていくと、自分のビジネスマナーの欠けている部分に気づいたり、もっと効率よく仕事を進められることに気づいたりと、自身の働き方について振り返り、深く考える機会になるでしょう。
秘書検定の試験は、年に3回実施されます。公益財団法人「実務技能検定協会」が運営、文部科学省後援しています。特別な受験資格は必要ありません。
3級・2級・準1級・1級とレベル分けがされていて、3級と2級は筆記試験のみ、準1級と1級は筆記試験合格後に2次試験として面接があります。
筆記試験の出題領域は、すべての級で「理論」と「実技」の2つです。
60%以上の得点で合格となります。3級、2級、準1級はマークシートの選択問題と記述問題、1級はすべて記述問題です。
秘書検定を受ける人は、ほとんどが独学だといわれています。1年で3回受験のチャンスがあるので、仕事や学業と勉強を両立できる時期に申し込むとよいでしょう。
難易度はどれくらいなのか、2019年のそれぞれの級の合格率をみていきます。
- 著者
- 佐藤 一明
- 出版日
充実したわかりやすい解説が好評の、秘書検定試験のためのテキスト&問題集です。作者は秘書検定の専門講師として活躍する人物なので、出題傾向をおさえた内容になっています。
オールカラーでイラストも挿入されているので、よりイメージを膨らませながら学べるでしょう。出る順の構成も嬉しいポイントです。
- 著者
- 公益財団法人 実務技能検定協会
- 出版日
秘書検定試験の公式過去問題集です。2018年度から2019年に実施された6回分の試験問題がそのまま収録されていて、直近の傾向を知ることができるでしょう。
各問題には難易度の格付けがされているので、独学の人でも目安をつけながら勉強を進められるはず。また要点整理の付録もついており、復習にも便利です。試験前にしっかり取り組みたい一冊でしょう。