栄養や衛生、適切な調理法などの知識があることを証明する「調理師」。社会的にも信頼される国家資格です。この記事では、仕事内容や資格取得のメリット、試験内容、難易度などをわかりやすく解説していきます。おすすめのテキストや問題集も紹介するので、チェックしてみてください。
適切な調理法の知識をもち、安全な料理を作ることができると証明する「調理師」は、国家資格です。
調理師になるためには2つの方法があります。まずひとつは、調理師学校に1年以上通うこと。もうひとつは、実務経験を積んだうえで調理師試験に合格することです。
働く現場は、飲食店はもちろん、ホテルの厨房、病院、福祉施設などさまざま。また働き方も正社員やアルバイト、パートなど多岐にわたります。
学校や保育園、医療福祉系など給食施設で働いた場合の年収は、330万円前後といわれています。福祉施設では、柔らかい食事や飲み込みやすい食事など、専門スキルが求められることがあるでしょう。
ハイランクのレストランやホテルなどで働く場合の年収は、1000万円を超えることも珍しくありません。経験年数と技術しだいで高収入を目指すことができます。
ちなみによく似ている資格に「栄養士」がありますが、栄養士は専門的な知識で栄養の管理をするプロ、一方の調理師は栄養や衛生、適切な調理法などの知識で安全な料理を作るプロだと考えるとよいでしょう。
調理師免許を取得するメリットのひとつとして、飲食店の開業に必要な「食品衛生責任者」の資格を申請のみで取得できることがあげられます。
「食品衛生責任者」は、食品営業許可を取得している飲食店に必ずひとり必要。調理師免許をもっていれば、人件費をかけずに自分ひとりで開業することができるのです。また社会的な信頼が厚くなることも大きなメリットでしょう。
ただ調理師免許をもっていなくても、業務として調理をすること自体は可能。独占業務ではありません。
調理師免許の試験には、中学校卒業以上の学歴と、飲食店で2年以上の調理の実務経験があること、という受験資格があります。
実務として認められるのは、飲食店、魚介類の販売業、総菜製造業、学校や病院の調理施設など。雇用形態はアルバイトやパートでも大丈夫です。
またひとつの場所で2年以上働く必要はなく、複数の職歴を合算しても構いません。
調理師免許の試験は、公益社団法人調理技術技能センターが年に1回実施しています。
試験内容は6科目。筆記試験のみで、調理の実技などはありません。全60問、四肢択一のマークシート方式です。
合格率は都道府県別に公開されていて、地域によって差がありますが、平均は以下のとおりです。
合格のボーダーは全科目の合計得点が60%以上とされていますが、1科目でも0点がある場合や、1科目でも平均を大きく下回る場合は不合格となります。苦手科目を作らないよう、まんべんなく勉強する必要があるでしょう。
- 著者
- 日本栄養士会
- 出版日
食品衛生協会や調理師会などの講習で用いられているテキスト。試験に出題される全科目の知識が凝縮されています。
重要な単語には色をつけた、わかりやすいレイアウトが特徴。効率よくインプットできるでしょう。
調理師試験の合格を目指す人はもちろん、合格後も手元に置いておきたい一冊です。
- 著者
- ["ユーキャン調理師試験研究会", "ユーキャン調理師試験研究会"]
- 出版日
調理師試験の問題集です。都道府県別の過去問題を徹底的に分析し、出題頻度の高い重要な過去問を掲載。さらに試験を想定した予想問題もついています。
難しい単語を解説する「用語コーナー」や、関連して覚えておきたい知識を載せた「ぷらすわんコーナー」など、理解を深める工夫がたくさん。文章だけでわかりずらいものはイラストを用いて解説してくれているのも嬉しいポイントです。