おっとりとした口調と天然な性格で、多数のバラエティ番組に出演。有名サッカー選手との結婚でも話題となった平愛梨さんですが、実は数多くのテレビドラマや映画に出演した人気女優でもあります。この記事では、平愛梨のプロフィールや魅力とともに、特に原作のある作品を中心にご紹介していきます。
まずはプロフィールや経歴など基本的な情報を紹介していきましょう。
平愛梨は1984年12月12日生まれ、兵庫県芦屋市出身です。身長155㎝、芸名ではなく本名で活動しています。芸能界デビューのきっかけは『チャンスの殿堂』というオーディション番組。安室奈美恵に憧れていた平愛梨は、1999年に開催された映画『ドリームメーカー』に主演する、「DA PUMP」ISSAの妹役オーディションに応募。グランプリを受賞し、これが芸能界デビュー作となります。
その後映画やドラマに出演するもブレイクには至らず、22歳の時に母親から芸能界引退を諭されたこともありました。引退をかけて臨んだ2008年公開『20世紀少年』ヒロイン、カンナ役オーディションに合格。髪を40㎝以上切り、衣装もカンナのイメージに近づけたことで、熱意を評価されほぼ即決で決定したのだとか。カンナ役の熱演が評価され、映画出演後のメディアへの露出も増えていきます。
ドラマや映画への出演が増える中、『クイズドレミファドン』への出演をきっかけに、バラエティの世界へ。天然な性格やコメントが支持され、『ヒルナンデス!』のコメンテイターや、フジテレビ『もしもツアーズ』のツアーガイドを担当。バラエティでもお馴染みの存在になっていきました。
2017年1月29日にサッカー選手の長友佑都と結婚。当時長友がイタリアのチームに所属していたため、イタリアに移住します。翌年、長友の移籍に伴いトルコに移住して長男、第二子を出産しました。居住地が海外となったため、日本のメディアへの露出は減りましたが、夫婦ともにSNSを更新しており、元気な姿を見ることができます。
夫、長友佑都とのエピソードが話題になることが多いですが、兄弟も有名人揃いなのをご存じでしょうか。平愛梨は兄2人弟2人妹1人の長女で、兄は海外でモデル、通訳と二足の草鞋を履いて活躍中の平慶樹、弟は元俳優で都議会議員の平慶翔、妹は女優の平祐奈。両親は会社経営をしているとの話で、日本中に別荘があるというお嬢様だったりします。自身のSNSで兄弟や両親との写真をアップするなど、家族仲がよいことが窺えます。
お嬢様らしく、おっとりとして天然でかわいいと人気の平愛梨ですが、ピアノが得意なだけではなく、実はダンスが得意です。クラシックバレエや琉球舞踊を習っていたことがあり、ダンスボーカルグループでデビューするといった話もあったのだとか。自身のSNSでブレイクダンスの技を披露したほか、夫長友佑都のSNSで水泳勝負の動画がアップされており、白熱の勝負に称賛の声が上がりました。
平愛梨の魅力を語っていきましょう。お嬢様らしく、おっとりとして天然な言動や、小柄で可愛らしいところが平愛梨の大きな魅力です。ただの天然と侮ってはいけません。平愛梨の場合、共演者の心が浄化されるほどピュアな心の持ち主なのです。
平愛梨がかなり素直で純粋な心の持ち主であるというところは、インタビュー記事などでも容易に察することができるでしょう。たとえば映画『呪怨-ザ・ファイナル-』に出演した際のこと。とにかく怖がりで夜も明かりをつけないと眠れないという平愛梨は、出演が決まった時に自身も憑かれると感じたそうです。実際、撮影期間中に自室に『呪怨』に登場するような渦が発生し、シマウマの首が飛び出してくる幻覚を見たこともあったのだとか。
怖がりな上に台本の活字が自分の中に入ってきてしまうということがあるという、感情移入しやすいところから、自身と作品との境界が無くなりやすいのでしょう。素直な性格だからこそ発生した体験だと言えます。
また、自身を客観的にみる力があるというのも魅力の1つではないでしょうか。自身が天然キャラであるという自覚があるらしく、女優としての仕事の時は、そのイメージが先行してしまうという懸念があるそうです。だからこそ、撮影現場ではもっとしっかりしなくては、と責任感が強くなるのだとインタビューで語っていました。
バラエティでも確固たる地位を築き、唯一無二の存在となりながらも、自身のキャラクターに依存せずに役に真摯に向き合ってきました。その姿勢があったからこそ、女優としても活躍し続けたのではないでしょうか。
とはいえ、本人の持つ柔らかい雰囲気と整った容姿がマッチし、いくつになってもかわいいという印象が崩れない、ビジュアル面も外せません。平愛梨のかわいいを存分に堪能し、かつちょっと色っぽい面も見てみたいという方は、こちらの写真集もぜひご覧ください。
- 著者
- 大江 麻貴
- 出版日
ここでライターのおすすめ、平愛梨が1番輝いている作品をご紹介しましょう。やはりブレイクのきっかけとなった映画『20世紀少年』は外せません。原作は浦沢直樹の同名漫画で、2008年『本格冒険科学映画 20世紀少年』として、3部作で映画が公開されました。
本作は、過去に書いた「よげんの書」を実行する謎の存在「ともだち」が出現したことを知った主人公が、目的や黒幕を突き止めるとともに、世界を滅亡から回避していくという物語。カンナは主人公・ケンヂの失踪した姉の娘で、もうひとりの主人公という重要な役柄です。
カンナはショートカットで白い帽子がトレードマーク。強気で負けん気が強く、クールな面も持っている少女です。この記事で語ってきた平愛梨のイメージとは、正反対の役柄というのはすぐにわかるでしょう。素の視線の鋭さに驚かされますが、ふと笑ったときの柔らかな空気とのギャップにどきりとさせられます。
本人の印象とか離れている、というのはプラスにもマイナスにもなりますが、平愛梨の場合は演技幅の広さという意味でプラスになったのではないでしょうか。カンナという少女からは普段の天然さといった空気は感じられず、だからこそ平愛梨の女優としての力量を感じることができます。
次からは、こちらの『20世紀少年』をはじめとした、平愛梨が出演した作品のうち、原作つき作品を詳しくご紹介していきます。『20世紀少年』については<『20世紀少年』が名作たる5つの理由をネタバレ考察!登場人物、伏線以外も>の記事もおすすめです。
お嬢様学校という響きの魅力は抗いがたく、羨望と覗いてみたいという興味が尽きません。川原泉水『笑う大天使(ミカエル)』は、名門お嬢様学校を舞台にした学園コメディ作品です。史上最強と謳われる名門お嬢様学校、聖ミカエル学園に通う司城史緒、斎木和音、更科柚子の3人は、それぞれ庶民に近い生活をしていますがそれを隠し、良家の子女らしく振る舞って生活をしていました。しかし、ある事件をきっかけに互いの本性がバレ、意気投合するのでした。
それぞれ事情を抱える3人が仲良くなり、学園で起こる様々な事件を解決していきます。映画ではアクションが多めで、3人の活躍をCGやワイヤーアクションで描いており、よりエンタメに特化した作品になりました。
平愛梨は主人公3人組の1人、更科柚子を演じています。身長が低く三つ編みのおさげがトレードマークで、他の出演者と比べてもごく小柄で可愛らしい雰囲気。アクションにも挑戦しており、お嬢様然とした容姿なのにアクティブというギャップに視線が釘付けにされてしまいます。
- 著者
- 川原 泉
- 出版日
謎の人物「ともだち」とは一体何者なのか。推理や考察に多くの読者が熱中した浦沢直樹の漫画作品『本格科学冒険漫画 20世紀少年』、通称『20世紀少年』は、行動経済成長期後の1970年前後から物語が始まります。
遠藤健児(ケンジ)は仲間たちとともに、滅亡に向かう未来と戦う正義のヒーローを夢想し、ノートに記した「よげんの書」を作って遊んでいました。1997年、大人になったケンジは、自分の周辺や世界で起こった不幸な出来事が、全て「よげんの書」に記されたものだと気が付きます。そして、彼の前に謎の人物「ともだち」が現れるのでした。
少し違った未来を進んだ現代社会を舞台にしたSF冒険作品、映画版は原作とは違った展開になっており、もうひとつの『20世紀少年』という位置づけになっています。
漫画同様、映画も大いに盛り上がった本作は、平愛梨にとってはブレイクのきっかけとなった作品。カンナはケンジの姉の子どもで、ケンジと一緒に生活しています。白い帽子にショートカット、正義感が強く勝気な性格で、撮影中は平愛梨自身も自分は無敵だと思えたのだとか。
姿かたちもカンナそのものですが、カンナの心情に寄り添い、丁寧に演じているところに好感が持てます。また、アクション。身体を動かす方が好きと本人が語るように、難しいアクションもこなしている姿は必見です。
映画と原作では結末が違うと聞き、どういうことだろうと気になった方も多いのではないでしょうか。謎多き名作漫画の詳細を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
<『20世紀少年』が名作たる5つの理由をネタバレ考察!登場人物、伏線以外も>
- 著者
- 浦沢 直樹
- 出版日
ボクシングを題材とした作品は数多く出版されてきました。なかでも、元世界チャンピオンが原案を務めるという本格ボクシング漫画として注目されたのが『タナトス むしけらの拳』です。その原案は1995年日本人で初めてミドル級の世界王座を獲得した竹原慎二です。
主人公はお金をもらって用心棒のまねごとをしている不良少年のリク。喧嘩では最強と言われたリクでしたが、仲間の敵討ちのために戦った天才高校生ボクサー、棚夫木に負けたことで、ボクシングの道に進むことになります。
映画『タナトス』は基本的に原作とストーリーは変わりません。身体を限界まで絞った役者陣の壮絶な試合が見所の1つ。平愛梨はヒロインの坂井千尋役。リクを応援する、明るく元気なムードメーカーです。役柄が元気な女の子ということで、髪を切って撮影に臨んでおり、外見からも活動的な女の子という印象が強くなっています。リクを懸命に応援する姿に、視聴者が元気をもらえそうです。
- 著者
- ["竹原 慎二", "落合 裕介"]
- 出版日
美しくありたいとは多くの女性が願うもの。岡崎京子『ヘルタースケルター』の主人公比留駒はるここと、人気ファッションモデルのりりこのような容姿に憧れる女性も多いのではないでしょうか。しかしりりこは、全身を作り替えるほど美容整形をしているという、重要な秘密を抱えていたのです。作られた美貌でトップスターに上り詰めるりりこですが、多忙さに加え整形の副作用に心身ともに蝕まれ、徐々に転落してしまいます。
トップスターの転落というスキャンダルの中に、社会の闇と人間の業の深さと悲哀を感じる作品、映画版は漫画ではぼかされたりりこの整形前の姿が描かれるなど、よりはっきりとした表現がなされています。また、蜷川実花監督作品らしい独特な美しい世界観が魅力です。
平愛梨は若手タレントのマコ役で出演。目立つ役ではありませんが、華やかな世界観のなかで一味違った空気を醸し出しています。
- 著者
- 岡崎 京子
- 出版日
- 2003-04-08
童話や昔ばなしは、幼い子どもが初めて触れる物語です。国を問わず様々な物語がありますが、『ジャックと豆の木』は誰もが聞いたことがある、メジャーな童話ではないでしょうか。本作はイギリスの童話で、イングランドのアルフレッド大王時代にあった出来事とされています。
母親の言いつけで市場に牛を売りに行く途中、ジャックは老人と出会い牛と魔法の豆を交換してしまいます。怒った母親が豆を外に捨ててしまいますが、朝になると豆は天まで届く巨木となっていたのでした。
豆の木の上には巨人の城があり、ジャックはちょっとした冒険をすることになるのですが、シンプルな童話を壮大なファンタジー映画にアレンジしたのが『ジャックと天空の巨人』です。人間と巨人族との長きにわたる戦いを、ワーナー・ブラザースの製作した映画らしくアクションたっぷりで描いていきます。
平愛梨は日本語吹き替え版で、エレノア・トムリンソン演じるイザベル姫の声を担当しています。姫らしく清楚そうな雰囲気を持ちながらも、高めの可愛い声をご堪能ください。
- 著者
- 出版日
- 2012-09-10
ネット社会になったことで、誰でも自分の胸に秘めた物語を読んでもらえる機会が増えました。野咲あや『摂氏100℃の微熱』も、スマホ小説投稿サイト「E★エブリスタ」発の作品です。
舞台は瀬戸内海に浮かぶ淡路島。島に暮らす主人公・千波はある日結婚を考えていた彼氏の浮気現場を目撃したのに加え、仕事もクビになってしまいます。そんな失意の底にいる千波の前に、東京からやってきた青年・隆が現れるのでした。
淡路島を舞台にした、現代のシンデレララブストーリー。阪神淡路大震災に触れる場面もあり、心に傷を負った人々に寄り添う優しくもときめく物語になっています。映画でも作品の雰囲気が表現されており、大人のピュアラブストーリーを楽しむことができます。
平愛梨は主人公の千波を演じました。淡路島に近い明石市出身ということもあり、言葉のイントネーションがナチュラルというところが逆に新鮮に感じられます。
- 著者
- 野咲あや
- 出版日
続いてテレビドラマの原作作品を見ていきましょう。
重松清の短編小説集『カカシの夏休み』は、大切な人と死別してしまった人たちを描く、2つの物語が収録されています。その中の一編である『ライオン先生』がドラマの原作となりました。
主人公は40代の高校教師。妻は若い時に死別し、大学生になった一人娘と暮らしています。家庭や社会環境の変化により、複雑さを増していく生徒たちの心理的な問題、そして主人公自身が抱える重大な秘密により、日々のストレスは増していくのでした。
中年のお疲れ気味な高校教師が、理想と現実のギャップに葛藤しながらも、生徒や年頃の娘と向き合っていきます。哀愁漂う姿に、共感する同年代の読者は少なくないでしょう。重大な秘密を知った後は、どこか悲哀が感じられます。
テレビドラマでは、原作のエピソードを交えつつ、コメディ要素も盛り込んだ内容となりました。平愛梨は、ライオン先生こと高村雄介が担任を務める2年3組の生徒・江成桃子役で出演。高校生らしく初々しい姿を見ることができます。
- 著者
- 重松 清
- 出版日
フードファイターという、とにかくたくさん食べられる人が存在しています。どこへ食べ物が消えるのか不思議ですが、寺沢大介の漫画作品『喰いタン』の主人公、高野聖也もとにかくよく食べる人物。閑静な住宅街で事務所を開く高野は、類稀なる推理力を持ち、警察にも協力している探偵です。しかし、事件捜査に協力した高野が去った後には、使用済みの食器が山と積まれているのでした。
大食漢の高野が、事件を解決しながら様々な料理を食べていくという美食推理漫画。ドラマでは原作の設定を大幅に改変しました。食いしん坊なのは変わりませんが、高野は雇われ探偵になっています。また、作中のエピソードもオリジナル要素が強く、ドラマならではの『喰いタン』の世界が広がっています。
テレビドラマは2006年と続編が翌年に放送されており、平愛梨は2007年放送の『喰いタン2』第8話に登場する女子大生、原田奈緒子役で出演。被害者の美人な友人という役どころで存在感を見せています。
原作はテレビドラマとはまた違った展開ですが、メタ要素もあったりとにかく料理がおいしそうだったりと見所満載。原作が気になった方はこちらの記事もご覧ください。
<『喰いタン』が無料!グルメ漫画の大御所が描く名作の魅力をネタバレ紹介>
- 著者
- 寺沢 大介
- 出版日
- 2002-11-20
現実ではありえないことが起こるのが、創作物の最大の魅力です。男子高校に女子が男装をして生活、という夢のような設定の中条比紗也の漫画作品『花ざかりの君たちへ』もそんな作品の1つでしょう。
アメリカで育った芦屋瑞樹が、日本に来た際に偶然テレビで見かけた走り高跳び選手の佐野泉を追いかけて単身日本に渡り、男装をして泉と同じ桜咲学園に入学したことで巻き起こる騒動を描いていきます。
男子高校の寮が舞台なので、男子高校あるある的なネタも踏まえながら、少女漫画らし瑞樹の恋の行方にどきどきさせられます。また、男装がバレては困るため、度々襲い掛かるピンチな状況にハラハラさせられます。
イケメンばかり出ている作品ではありますが、実は女子の出番もありました。平愛梨はお嬢様学校聖ブロッサム学園の生徒、阿部野エリカ役で出演しています。生徒会長・花屋敷ひばりの取り巻きのようなポジションで、ピンクのカチューシャがトレードマーク。基本的には出番が少ないですが、テンション高めなところも見せてくれます。
個性的なイケメンが登場するので、推しを見つける楽しみがあるのも本作の魅力です。どんなイケメンが登場するのか、気になった方はこちらの記事もどうぞ。
<『花ざかりの君たちへ』登場人物の魅力をその後までネタバレ紹介!>
- 著者
- 中条 比紗也
- 出版日
人生の選択に迷った時、あの時に戻りたいと多くの人が願う瞬間があるでしょう。山本まゆりの漫画作品『リセット』は、人生の選択に後悔した人の前に時の案内人、アンリが現れます。アンリは選択した瞬間まで時間を巻き戻し、もう1つの人生を歩ませてくれますが、そちら側が必ずしも正しい選択とは限りません。もう1度戻りたい。そう願ったとき、アンリは2つの人生、どちらを選ぶのかを迫ってきます。
様々な事情を抱えた人々の2つの選択を描いていくオムニバス作品、自分ならどうするのか夢想せずにはいられません。原作でのアンリはオッドアイで背中から黒と白の羽根が生えた堕天使ですが、テレビドラマでは自身がどういった存在かは明確に明かしていません。また、アンリが登場する演出にも変更が加えられています。
平愛梨は連続ドラマ『リセット』の第4話の主人公・志村まどか役で出演しています。事故記憶を失い、恋人との記憶を取り戻そうとする健気な演技が印象的です。
- 著者
- 山本 まゆり
- 出版日
どこかに出かけた時、思いがけない出来事に遭遇することがあります。そんな時、運命という未知の力を信じたくなるもの。藤田宜永の小説『喜の行列 悲の行列』は、一見関係がなさそうな人たちの人生が、なぜか交差してしまうという物語。運命のいたずらを感じずにはいられません。
定年間近のサラリーマン宝福喜朗は、妻と娘が欲しがる新年初売りの福袋のために、デパートの行列のなかで年越しを迎えていました。行列には次々と人が並び、不可解な出来事が起こっていきます。
小説は状況を俯瞰してみるところに楽しみがありますが、テレビドラマ版はコミカルな演技や演出が見所です。ちなみにタイトルは『行列48時間』とドキュメンタリー風になっており、より時間を意識させられます。
平愛梨は喜朗同様、福袋の初売り行列に並んでいる沙也加を演じています。ギャルのような恰好で喜朗にちょっかいをかけるなど、一見すると奔放な女性のような役柄と演技がとても新鮮です。
- 著者
- 藤田 宜永
- 出版日
2時間ドラマの相性でおなじみの刑事ドラマは数多く放送されています。旅情ミステリーの代表的な作家のひとり、内田康夫の「岡部警部」シリーズを原作としたドラマも人気を博し、数多く放送されてきました。「岡部警部」シリーズとは、とある事件をきっかけに警視庁捜査一課の警部に栄転した岡部和雄が主人公。岡部が日本各地で起こる難事件を解決していきます。
『シーラカンス殺人事件』は、生きた化石「シーラカンス」を巡る連続殺人事件を描いています。コモロ共和国へ派遣されていた学術調査隊が帰国し、彼らを狙った殺人事件が発生します。一緒に派遣されていた記者、一条が疑われますが果たして真相は。
2009年放送の近藤真彦主演版に、平愛梨が出演しています。犯人と疑われている兄を心配する妹、一条万理子を演じています。事件関係者であるため随所で登場しますが、危険な目に遭うこともしばしば。緊迫した場面が多く、あまりないシチュエーションでの演技に注目です。
- 著者
- 内田康夫
- 出版日
動物は人の言葉を話すことができません。表情やしぐさで互いを理解し心を通わせますが、全てを理解するのは難しいこと。漫画『獣医ドリトル』は、動物の言葉を理解できるという獣医の奮闘を描く物語です。
鳥取動物病院の院長である鳥取健一は、法外な治療費を請求する悪徳獣医という噂を持ちながらも、名字と洞察力の高さからドリトルと呼ばれていました。そんなドリトルの元に、骨折した競走馬を治してほしいという女性が現れます。
知られざる動物の生態や、治療に関することなど専門的なことが細かく書かれており、動物好きにはたまりません。ドリトルは診察する動物を選ばないので特殊ですが、獣医のお仕事漫画としても楽しむことができます。
テレビドラマでは登場人物の背景など、一部設定に変更が見られます。平愛梨は第3話に登場する門田星奈を演じています。ちょっと高慢なところはありますが、ペットを大切にしているという一面も。フェレットとの2ショットに癒されます。
- 著者
- ["ちくやま きよし", "夏 緑"]
- 出版日
警察を舞台とした作品では、エリアや部署ごとに特色が出ます。今野敏の警察小説「安積班」シリーズは、台場など湾岸地域を管轄する警視庁東京湾臨海警察署が舞台。部下思いで的確な判断を下す安積剛志警部補を主人公に、5人の刑事が所属する強行犯係安積班の活躍を描いていきます。
シリーズがとても長いですが、湾岸だけでなく移動で原宿、渋谷地区を管轄とする神南署に移動することもあるというのがポイント。人間味あふれる安積班長の人柄もあいまって、目が離せません。
テレビドラマシリーズも原作同様、2009年から2011年まで4シリーズが放送されました。テレビドラマでは湾岸エリアが舞台ではなく、神南署が舞台。シリーズ5からは安積が警視庁に移動するため、『ハンチョウ〜警視庁安積班〜』と改題、キャストも変更されています。
平愛梨はシーズン4第9話に登場。両親を亡くし兄と2人きりになってしまった矢吹香織を演じました。劇団に所属しており演劇に打ち込んでいますが、どこか影や憂いを感じさせる表情に注目です。
- 著者
- 今野 敏
- 出版日
執事があまりにも慇懃無礼かつ有能すぎて話題となった東川篤哉の推理小説『謎解きはディナーのあとで』は、新米刑事のお嬢様と安楽椅子探偵ポジションの執事が様々な謎を解く様子を、ユーモラスに描いています。
宝生グループは世界的な企業ですが、総帥の一人娘である宝生麗子は花嫁修業やグループ会社への就職を拒み、警察官として警視庁国立署に勤務することになりました。難事件に遭遇すると、ディナーを取りながら執事の影山に話す令子。影山は麗子の推理力の無さを嘆きながらも、鮮やかに事件を解決するのでした。
麗子と影山のコミカルなやり取りや、麗子をお嬢様と知らない先輩刑事風祭など、濃いキャラクターも魅力。謎解きは本格的ですが初心者でも手に取りやすい、ライトな雰囲気になっています。テレビドラマ初回は原作に忠実ですが、2話以降はエピソードの展開や登場人物の設定に変更が加えられるなど、オリジナルの要素が盛り込まれています。
平愛梨は8話に登場する木崎麻衣役を演じました。麗子の高校時代の友人で、芸術一家に育った正真正銘のお嬢様。内向的で控えめですが、生まれ持ったお嬢様オーラが感じられます。
- 著者
- 東川 篤哉
- 出版日
- 2012-10-05
非モテ男子のバイブルとも言われる花沢健吾の漫画『ボーイズ・オン・ザ・ラン』は、冴えないアラサー男子田西敏行が主人公。
玩具を取り扱う会社の営業部に所属する平凡なサラリーマンですが、異性との交際経験はありません。童貞であることを憂い、誕生日前日にテレクラを利用する始末。そんな田西が、会社の後輩の女の子との仲を進展させていきますが、思わぬ不条理な出来事に翻弄されてしまいます。
あまりも田西が不幸な目に遭うので、居た堪れない気持ちになることも。しかし、恋をして一生懸命身体を張ろうとする田西を自然と応援したくなります。2010年に映画化、2012年にテレビドラマ化されました。
テレビドラマ版は、原作のエピソードを細かく描いており、原作のテイストを損なわない作りには、称賛の声が上がっています。平愛梨はヒロインの1人、大嶺花役で出演。ボクシングジムでトレーナーをする傍ら、コスプレモデルとして活動しています。やはり見どころはコスプレ姿ではないでしょうか。ジャージ姿とのギャップも楽しめます。
- 著者
- 花沢 健吾
- 出版日
- 2005-11-30
辛いとき、悲しいとき、嬉しいことがあった時。感情は大きく揺れ動いた日は美味しいものを食べようという気持ちが強くなります。角田光代の『彼女のこんだて帖』は、料理を作る女性をテーマにした短編小説集。
女性が料理を作る風景が描かれていますが、料理を作る最中にも彼女たちが抱える事情や感情、人生が垣間見られます。料理もラム肉をメインとしたフルコースという手の込んだものから、かぼちゃの煮つけという素朴なものまで様々。レシピが付いているので、自分で料理を再現できるのも嬉しいところです。
テレビドラマは『たべものがたり 彼女のこんだて帖』として放送されました。ドラマとトークコーナーがあるという異色な作りになっているのが大きな特徴。原作のエピソードはもちろん、ドラマオリジナルのエピソードと料理も登場します。
平愛梨は11~13話に登場した玉乃井珠希役。料理や育児に興味がないという役柄です。チャレンジする料理は干物。苦手設定なので料理に奮闘する姿が微笑ましく感じられ、ほっこりします。
- 著者
- 角田 光代
- 出版日
小路幸也の推理小説『東京バンドワゴン』シリーズは、タイトルから見ると音楽ものかと勘違いしてしまいますが、舞台は東京下町の古本屋。「東京バンドワゴン」は明治18年から続く老舗の古本屋なのです。
79歳の3代目店主堀田勘一を筆頭に、60歳の金髪ロッカー我南人、孫でおっとりした藍子にフリーライターの紺と併設するカフェを切り盛りする嫁の亜美、女性問題が絶えない青にひ孫たちと、賑やかな一家が持ち込まれた謎を解決していきます。
本作の語り手は勘一の妻であり76歳で亡くなっている堀田サチ。明るくも賑やかな家族の日常を、亡くなったおばあちゃんが見守っているという構図を再確認した時、胸がきゅっと締め付けられます。テレビドラマ『東京バンドワゴン〜下町大家族物語』では原作の設定やエピソードが踏襲されており、賑やかで明るい大家族ものに。
平愛梨は紺の妻の亜美役を演じました。元国際線のキャビンアテンダントで、現在は息子を育てながらカフェを切り盛りしています。亜美は活動的な性格も相まって力強くしっかり者のお母さんという印象。エプロン姿も板についています。
- 著者
- 小路 幸也
- 出版日
警察官はどのようにしてなるのか、意外と知らないという方は多いのではないでしょうか。役割や所属によっても過程は大きく変わりますが、大学や専門学校、高校を卒業後に所定の試験を受け、採用されると初任教育を受けることになります。
佐竹一彦の推理小説『よそ者』は、警察庁に配属される人員を育てる「警察大学校」の教授である日丸が主人公の物語。温泉地にやってきた日丸教授が、過去に起こった猟奇殺人事件の謎を解いていきます。
警察ものに分類されますが、日丸が警察大学校の教授という立場なこともあり、他の作品とはまったく違った雰囲気。飄々とした日丸の持つ雰囲気に、つい肩の力が抜けてしまいます。
テレビドラマは『警察大学校 日丸教授の事件ノート』として2003年と2014年に放送されました。原作の設定を踏襲しつつ、エピソードはドラマオリジナルです。平愛梨は新米刑事の寺西杏子役。若干日丸に振り回され気味なところに、ついくすりと笑ってしまいます。
- 著者
- 佐竹 一彦
- 出版日
森村誠一の人気刑事小説「棟居刑事」シリーズは、麹町警察署の刑事棟居弘一良を主人公とした物語。東京赤坂で起こった黒人の青年殺人事件から物語が始まる『人間の証明』で初登場し、次々と難事件を解決していきます。事件の操作だけに重点を置くのではなく、社会問題や人間のもつ心の闇に深く切り込んでいくのがシリーズの大きな特徴で、刑事ものでありながら、社会派ミステリーのような重厚さが感じられます。
テレビドラマは1996年から23年ものあいだ、棟居刑事のキャストを変更しながら放送されてきました。平愛梨が出演しているのは東山紀之版第8作の『棟居刑事の黒い祭』です。交通事故で息子を亡くした妻が、見知らぬ男とともに他殺体で発見されました。調査する中で、事件の真相と妻の隠された過去が明かされていきます。
テレビドラマでは3つの事件が複雑に交差するというオリジナル展開に。平愛梨はシリーズに数多く登場する神林一子の旧友・芦原涼香を演じています。事件現場に遭遇したりといろいろ忙しい役柄ですが、意外な役割を担っていることもあり、真相が明かされるパートは要注目ですよ。
- 著者
- 誠一, 森村
- 出版日
バラエティで魅せる天真爛漫な姿を見ていると、長い下積み機関があったことに驚かれたのではないでしょうか。ひとつの作品をきっかけに、女優として再び脚光を浴びた平愛梨の出演した映画、テレビドラマ作品を一覧でご覧いただきましょう。
【映画】
『ドリームメーカー』(1999年)
『ダブルス』(2001年)
『棒たおし!』(2003年)
『笑う大天使』(2006年) 原作『笑う大天使』
『20世紀少年<第1章>終わりの始まり』(2008年) 原作『20世紀少年』
『20世紀少年<第2章>最後の希望』(2009年)
『20世紀少年<最終章>ぼくらの旗』(2009年)
『タナトス』(2011年) 原作『タナトス むしけらの拳』
『からっぽ』(2012年)
『ヘルタースケルター』(2012年) 原作『ヘルタースケルター』
『ジャックと天空の巨人』(2013年) 原作イギリスの童話『ジャックと豆の木』民話『巨人退治のジャック(英語版)』
『摂氏100℃の微熱』(2015年) 原作『摂氏100℃の微熱』
『呪怨 -ザ・ファイナル-』(2015年)
『サブイボマスク』(2016年)
【テレビドラマ】
『3年B組金八先生 第6シリーズ』(2001年)
『3年B組金八先生第7シリーズ』 第11話(2005年)
『ファイナル〜「最後の贈る言葉」4時間SP』(2011年)
『探偵家族』(2002年)
『ライオン先生』(2003年) 原作『ライオン先生』
『喰いタン2』 第8話(2007年) 原作『喰いタン』
『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(2007年) 原作『花ざかりの君たちへ』
『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜卒業式&7と1/2話スペシャル』(2008年)
『20世紀少年〜もう一つの第1章〜』(2009年)
『20世紀少年〜もう一つの第2章〜』(2009年)
『サーガ-第1夜-』(2012年)
『サーガ-第2夜-』(2012年)
『サーガ-第3夜-』(2012年)
『リセット』 第4話(2009年) 原作『リセット』
『行列48時間』(2009年) 原作『喜の行列 悲の行列』
『内田康夫旅情サスペンス 岡部警部シリーズ4』(2009年) 原作『岡部警部シリーズ』
『万葉ラブストーリー 冬 「棚田のマレビト」』(2010年)
『天王寺ブロードウェー』(2010年)
『獣医ドリトル』 第3話(2010年) 原作『獣医ドリトル』
『ハンチョウ4〜神南署安積班〜』 第9話(2011年) 原作『安積班シリーズ』
『ピースボート-Piece Vote-』(2011年)
『謎解きはディナーのあとで』 第8話(2011年) 原作『謎解きはディナーのあとで』
『最高の人生の終り方〜エンディングプランナー〜 』第5話(2012年)
『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(2012年) 原作『ボーイズ・オン・ザ・ラン』
『東京全力少女』 第5 - 7話(2012年)
『お助け屋☆陣八』 第1話(2013年)
『ママになりたい・・・』(2013年)
『たべものがたり 彼女のこんだて帖』 第11 - 13話(2013年) 原作『彼女のこんだて帖』
『黒猫、ときどき花屋』(2013年)
『東京バンドワゴン〜下町大家族物語』(2013年) 原作『東京バンドワゴン』
『警察大学校 日丸教授の事件ノート』(2014年) 原作『よそ者』
『棟居刑事の黒い祭』(2015年) 原作『棟居刑事シリーズ』
『検事・朝日奈耀子17』(2016年)
いかがだったでしょうか。結婚前の数年はバラエティ番組への出演が中心だったようですが、女優としても着実にキャリアを積み重ねていたことがわかります。
いかがだったでしょうか。今やすっかりサッカー選手の妻であり、2児の母であるというイメージが強くなった平愛梨。デビューから、真摯に女優という仕事と向き合ってきたことが伝わったかと思います。共感しやすいという平愛梨がどのように感じ、演じていたのかを知るには、原作に触れてみるのが一番。ぜひ原作も手に取ってみてください。