男装して転入した男子校は、イケメンパラダイスだった!? 『花ざかりの君たちへ』は、8年間も連載された人気作で、2007年に「イケメンパラダイス」の題でテレビドラマ化され、再び人気に火が付きました。 絶対にバレてはいけない男装という秘密を持った少女のハラハラさせられる日々、個性豊かなイケメンたちのハイテンションな青春にどんどん引き込まれる内容です。 スマホの漫画アプリで無料で読むことができますので、ぜひ楽しんでみてください。
中条比紗也が手掛ける『花ざかりの君たちへ』は「花君」の愛称で親しまれ、連載終了後の2007年にはテレビドラマ化もされました。さらにその後『花ざかりの君たちへ After School』と題したサブキャラクターのエピソードを描いた読み切り集も刊行され、長い間人気を博しています。
男装のヒロイン芦屋瑞稀(あしやみずき)は、イケメン男子が集まる桜咲学園に転入して女子だとバレないように過ごすのですが、ハプニングの連続。目が離せません。
この記事では個性的なキャラクターの魅力を、それぞれが迎える結末や「アフタースクール」の内容も含めてご紹介していきます。ネタバレを含むのでご注意ください。
- 著者
- 中条 比紗也
- 出版日
主人公の芦屋瑞稀は、走り高跳びの選手の佐野泉に憧れを抱いていました。アメリカに住んでいましたが、ついには性別を偽り、男子校である日本の桜咲学園に転入することを決意します。
偶然にも憧れの佐野と同じクラス、しかも寮では同室に。
けれど周りは当たり前ですが男子ばかり。瑞稀は女子だとバレないように過ごしますが、毎日がハラハラドキドキの連続です。
憧れの佐野をはじめ、クラスのムードメーカー的存在でもある中津など個性豊かな学園の仲間たちは、皆魅力溢れるイケメンだらけ。彼らに囲まれて過ごす瑞稀は、果たして最後まで秘密を守りとおせるのでしょうか……。
- 著者
- 中条 比紗也
- 出版日
- 1997-08-01
芦屋瑞稀は、走り高跳びの優秀な選手である佐野に憧れを抱いていました。その想いを胸に、思い切ってアメリカから日本の桜咲学園へ性別を偽って転入します。そして彼女は偶然なのか運命なのか、佐野と同じクラスになり、寮も同室となりました。
長かった髪をバッサリと切って短髪となった瑞稀は、周囲に馴染むほど男らしく変貌を遂げます。しかし天然な性格も相まって、うっかりな行動をたびたびしてしまい、周囲に女子だとバレそうになるのです。
実際にクラスメイトの萱島、保健医の梅田、寮長の母である難波伊緒、そして佐野にはその正体がバレてしまいます。しかし彼らは瑞稀の正体を知ったうえで、彼女が女子だとバレないように協力してくれるのです。
これは、何よりも彼女の純真で真っ直ぐな性格ゆえでしょう。クラスメイトから好かれる瑞稀は、怪我を負ったことで走り高跳びを諦めていた佐野を再び競技の世界に導くなど、桜咲学園に無くてはならない存在になっていくのです。
瑞稀自身も、桜咲学園での生活を経て、段々と心境に変化が訪れます。最初は佐野に対して純粋に憧れていただけでしたが、生活をともにするうちに恋愛感情を抱きはじめます。それと同時に、佐野は自分に男友達として接しているのだと思い、悩むのでした。
さらに秘密はいつかバレてしまうもので、物語が佳境に向かうにつれて、実は女子だったということが学園全員に知られてしまいます。その時彼女の学園生活はどのような結末を迎えるのか、衝撃のラストは必見です。
また続編である「アフタースクール」では、本編ではなかなか見ることのできなかった女の子らしい瑞稀が見られます。ロングヘアや可愛らしいスカート姿が印象的で、さらなる魅力に気付かされることでしょう。
実写版で主人公・瑞稀を演じた堀北真希の出演作を一覧にした<堀北真希の14年間総覧!実写化出演した映画、テレビドラマの魅力を原作ともに紹介>もおすすめです。
- 著者
- 中条 比紗也
- 出版日
- 1998-01-01
佐野泉は、サラサラの黒髪と切れ長の美しい目元が特徴的な、桜咲学園の2年生。クールで口数が少ないため愛想が無いと見られがちですが、実は根は親切で優しいというギャップ持ち。
また性格だけにとどまらず、アルコールを摂取するとキス魔になったり、見ただけで失神するほど甘いものが苦手だったりというところも彼の魅力のひとつでしょう。
一時期は優秀な走り高跳びの選手として活躍していましたが、中学生の時にマネージャーをかばったことから事故に遭い、その怪我が原因で走り高跳びを辞めていました。その後瑞稀の影響で、再び挑戦することを決意します。
物語の序盤で実は瑞稀が女子だということに気付いていた佐野ですが、明るく純真な彼女を見てか、真実を暴くことはしませんでした。瑞稀本人にも、自分が秘密に気付いていることを悟られないように過ごします。
そして彼女のことを知れば知るほどどんどん惹かれていってしまい、いつしか恋愛感情を抱くようになるのです。しかし2人は「男友達」という関係で、お互いの気持ちを打ち明けるには難しく、もどかしいやりとりは読者の目を離しません。
続編である「アフタースクール」では、まだクラスメイトとして打ち解けていなかった頃の中津とのエピソードをはじめ、瑞稀への恋心を自覚してからの佐野が見られます。前作以上に距離が近づいた佐野と瑞稀のじれったくも甘いやりとりが微笑ましいですよ。
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- 著者
- 中条 比紗也
- 出版日
- 1998-09-01
中津秀一は、金髪と関西弁が特徴的な桜咲学園の2年生。瑞稀や佐野のクラスメイトです。
勉強が苦手な彼は、サッカー推薦で学園に入学しました。将来はサッカー選手になるという夢も持っており、その実力は確かなものです。桜咲学園のサッカー部は弱小チームですが、選手としての中津自身は「グラウンドの若き獅子」と囃されるほど有名で、本編ではチームを引っ張っていく熱血な一面も見ることができます。
明るく快活な中津は、クラスでもムードメーカー的な存在。金髪なため初対面の人からは不良と勘違いされがちですが、本当は人懐っこくて情に熱い男です。転入してきた瑞稀に対しても親切に接する場面がよく見られ、人柄の良さを感じられるでしょう。
しかし瑞稀のことを何かと気にかけていた中津は、彼女と接していくうちにその明るさや可愛らしさに惹かれていきます。ただ彼女のことを男だと思っているため、自分自身の気持ちに戸惑いを感じていました。
その気持ちを払拭するために他校の女子と付き合ってみるのですが、やはり瑞稀への想いは変わりません。彼女に対する気持ちが「本当の恋心」だと自覚した中津は、積極的に瑞稀に接するようになります。
「アフタースクール」での中津も、相変わらず瑞稀に対して一途な思いを貫いています。大人っぽく成長していますが、純粋で真っ直ぐな性格は変わりません。やんちゃな魅力溢れる彼のその後をぜひ確かめてみてください。
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- 著者
- 中条 比紗也
- 出版日
- 2000-11-01
萱島大樹(かやしま たいき)は、落ち着いた雰囲気を持った桜咲学園の2年生。瑞稀たちのクラスメイトで、中津と同室です。
非常に霊感が強く、霊を視認するだけでなく意思疎通できたり、人間離れした術のようなものを発動したりすることもできます。
さらに人のオーラを見ることもでき、そのオーラから相手の心を読み取ることも可能。萱島いわく、男と女でオーラが異なるらしく、実は瑞稀が転入してきたその日に正体に気付いていました。しかし彼女の人柄に感化され、性別を偽っているという秘密を周囲に明かすことはなく、さり気なくフォローを入れてくれています。
オーラで人の本質が見えてしまう萱島は、他人にあまり心を開けずにいました。しかし中津にだけは心を開き、初めての友達になります。
普段は中津のオーラの実況をしてからかったりすることもあるのですが、彼が落ち込んでいるときは励まし、相談に乗ってあげることもあり、ミステリアスな萱島の人間味ある行動に、思わずほっこりしてしまうでしょう。
勉強においても優秀で、常に成績がトップクラスの佐野と同等レベル。将来は大学で民俗学を学びたいという夢を持っており、続編の「アフタースクール」では大学に通いながらソムリエのアルバイトをしている場面が描かれました。
- 著者
- 中条 比紗也
- 出版日
- 1998-05-01
難波南(なんばみなみ)はタレ目が特徴的な美形男子で、桜咲学園の3年生です。瑞稀たちが暮らす第二寮の寮長を務めており、転入してきた彼女に対しても親切に接していました。
学園の三つの寮の寮長からなる「花桜会」のメンバーで、生徒会長と同等の役割もこなしています。
そんな彼は、実は無類の女好き。過去に苦い失恋をしており、そのトラウマから恋に真剣に打ち込むことができず、なかば自暴自棄のようにチャラチャラと過ごしていました。彼が時折見せる真剣な表情や切ない過去を知ると、さらに魅力を感じてしまいます。
保健医の梅田北斗とは叔父と甥という関係です。
実写版で難波南を演じた水嶋ヒロの出演作を紹介した<水嶋ヒロが出演した映画やテレビドラマを逆引き!俳優生活のすべてを振り返る>もぜひご覧ください。
- 著者
- 中条 比紗也
- 出版日
- 1998-11-01
梅田北斗(うめだほくと)は、桜咲高校の保険医。眼鏡をかけた美男子です。乱暴な言葉遣いで面倒くさがりなところがありますが、医療の腕は確かなもので、生徒たちからも信頼を得ています。
瑞稀が脳震盪を起こして保健室に運ばれてきたことをきっかけに、彼女が女子だということに気づきました。その後は何かと瑞稀に協力してあげる場面が見られ、ぶっきらぼうな雰囲気のなかにも優しさを感じられます。
恋愛対象が男で、高校時代の後輩で写真家をしている原秋葉(はらあきは)から猛烈なアタックを受けています。梅田自身は彼の気持ちをなかなか受け入れられず逃げまわっているのですが……2人の大人の恋模様は必見です。
中央千里(なかおせんり)は、桜咲学園の2年生で、瑞稀たちのクラスメイト。可愛らしい見た目のまさに「美少年」で、1年生の時には「ミス桜咲」に輝きました。
自分が可愛いということを自覚しており、転校してきた瑞稀に対してライバル意識を燃やしていましが、時が経つなかで徐々に打ち解けていき、最終的にはよい友人になります。
難波のことが好きで、瑞稀のことも自分と同様に同性を好きになってしまったと勘違いしており、たびたび恋愛相談を持ち掛けています。
裏表の激しい性格をしていますが、その実態は素直で臆病なだけ。見た目も性格も可愛らしいところのある彼は、まさに桜咲のアイドルだといえるでしょう。
- 著者
- 中条 比紗也
- 出版日
天王寺恵(てんのうじめぐみ)は、見た目も中身も熱血な体育会系。桜咲学園の3年生です。第一寮の寮長であり、空手部主将も務めています。信念を曲げない性格で後輩からの信頼も厚く、まさに頼れる先輩だといえるでしょう。
難波に対して激しいライバル心を抱いており、寮対抗のイベントが催される際には何かと衝突をしています。常に真っ向勝負を挑む天王寺は男気に溢れていて、その熱血ぶりが何よりの魅力です。
また聖ブロッサム女学院というお嬢様校に通っている尼崎カンナと許嫁の関係で、彼女と接する時は不器用で繊細な一面を見せるのですが、他の女性とは付き合ったことがないという一途っぷり。普段は猪突猛進な天王寺が見せる純情な姿に、思わずグッときてしまいますよ。
姫島正夫(ひめじままさお)は、金色の長髪が特徴的な日本人離れした美男子で、桜咲学園の3年生。第三寮の寮長を務めています。
超絶ナルシストで、自身の「正夫」という名前を嫌っており、「オスカー・M・姫島」と名乗っています。生粋の日本人なのにドイツ人のハーフだと自称するかなりの変人。
また2人いる弟たちもイケメンなのですが、彼らも同様に「もう一つの名前」を使用しており、兄弟そろってクセが強いです。
演劇部の部長を務めていて、数多くの受賞歴を誇っています。いつも自信に溢れていますが、実力も伴っているのです。
神楽坂真言(かぐらざかまこと)は、意思の強そうな瞳が印象的な、桃郷学院の2年生。高校生男子の高跳び界のトップに君臨している選手です。
中学時代に佐野に負けた経験があり、彼のことをライバル視していました。怪我で引退した佐野のことが気に食わず、何かと突っかかってくるのですが、実は誰よりも佐野に復帰してほしいと願っていました。
俺様な態度をとるため周りからは煙たがられていますが、根は単純。当初は瑞稀にも高圧的な態度で接していたものの、徐々に素直な一面を見せるようになるため、キュンとしてしまうはずです。
- 著者
- 中条 比紗也
- 出版日
- 1999-08-01
佐野森(さのしん)は、茶色い癖っ毛のイケメンで、桃郷学院の1年生。佐野泉のひとつ下の弟で、兄同様に走り高跳びの選手です。
超大型ルーキーとして注目を浴びていてルックスもよいため、女子からの人気が高いですが、当の本人は恋愛に疎く、あまり興味を示すことはありませんでした。
昔は大のお兄ちゃんっ子だったようですが、父と対立して家を飛び出してしまった泉に対して強い反感を抱くようになります。しかし瑞稀の仲介もあり、徐々に兄弟仲が修復されていきました。
そしていつしか、瑞稀に対して恋愛感情を抱くようになるのです……。
年下男子らしい可愛らしさと兄ゆずりのクールさを兼ね備えている、魅力的なキャラクターです。
花屋敷ひばり(はなやしきひばり)は、気品溢れる美少女で、聖ブロッサム学院の3年生です。生徒会長と演劇部部長を務めており、他の生徒たちからは「ひばり様」と呼ばれ、敬い慕われています。一方で、特徴的な豪華な巻き髪をしているため、「お蝶婦人」と呼ばれる場面も。
美しくて可愛い物が大好きで、「可愛らしい」と認定した瑞稀のことを「ハミングバード」と呼び愛でています。自分が好きになったものには熱心で、女の子らしい性格です。
桜咲学園の演劇部部長をしている姫島とは幼い時から何かと対立をくり返していましたが、合同ダンスパーティーでは利害関係の一致からしぶしぶパートナーを組むことに。その結果クイーンに選ばれてしまうのも、美しさも実力も兼ね備えてる彼女にとっては納得の結果でしょう。
尼崎カンナ(あまがさきカンナ)は純情可憐なお嬢様。聖ブロッサム学院の2年生です。弓道や華道を得意としており、まさに大和撫子を体現している人物だといえるでしょう。
また生徒会役員も務めていて、桜咲学園との合同ダンスパーティでも実行委員として働くなど責任感もあります。
天王寺恵とは許嫁で、親同士が決めた間柄でありながら当人同士もしっかりと愛を育んでいて、ダンスパーティーではベストカップル賞を受賞するラブラブっぷり。
また普段はおしとやかで可憐な少女ですが、怒ると怖い一面も持ち合わせています。
梅田里緒(うめだりお)は、長い髪が可愛らしい女の子で、聖ブロッサム学院の2年生です。梅田北斗の妹で難波南の親戚にあたる彼女。その繋がりから瑞稀とも友達になり、よき相談相手といった立ち位置を確立していきます。
兄の北斗がゲイなため同性愛に対して理解があり、瑞稀が佐野に想いを寄せていることに気が付くと、勘違いをしたまま積極的に協力してくれるようになりました。
瑞稀は自身が女子だということを明かせないながらも、里緒の女の子らしい性格や考え方に癒されています。瑞稀の乙女心を理解してくれる数少ない女友達で、読者にとっても親近感を覚えるキャラクターです。
難波伊緒(なんばいお)は、難波南の母親。梅田里緒の姉にあたります。高校生の息子を持つ母とは思えないほど若々しく美しい容姿をしています。
瑞稀の性別が女子だということを知る数少ないキャラクターのひとりです。夫がアパレルメーカーの社長を務めているため、その立場を活かして男物の服などを瑞稀に渡すなど、たびたび協力してくれるようになりました。
副業でペンションを経営しているキャリアウーマンで、大人の女性の魅力溢れる伊緒は、見た目の華やかさも相まって惹かれずにはいられないキャラクターです。
さまざまなタイプのイケメンがたくさん登場する『花ざかりの君たちへ』は、どのページをめくっても美しさで溢れています。さらにストーリーは胸キュン要素がギュッと詰まった、極上の青春ラブコメディ。ぜひ読んでみてくださいね。