5分でわかるガイドヘルパー!社会人でも資格が取りやすい。仕事内容や年収も解説!

更新:2021.3.25

ガイドヘルパーという職業は、市町村の支援事業に委託した2006年あたりから需要が増加し始めており、福祉系の職業としてなくてはならない仕事です。 今回はガイドヘルパーとはどんな仕事なのか、そしてどのように資格を取るのかについて詳しくご紹介していきます。また社会人からガイドヘルパーへの転職を考える方で、どんな方が向いているのかも解説します。 ガイドヘルパーにまつわる書籍は現在出ていないため、介護と外出、あるいは介護とガイドに関する書籍をご紹介します。ガイドヘルパーという職業を検討するにあたりぜひ一読して参考にしてみてください。

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目次

ガイドヘルパーってどんな仕事?

ガイドヘルパーとは

ガイドヘルパーの正式名称は移動支援従業者といい、外出介護員と呼ぶこともあります。

障害者福祉制度は、2003年4月の支援費制度により大きな改革を迎えました。これによって障害のある方の自己決定に基づきサービスの利用ができるようになりました。この改革の際に現在の移動支援事業者という名称になったとされています。

現在のガイドヘルパーは要介護者である高齢者の外出支援しかおこなうことができませんが、2003年頃のガイドヘルパーは視覚障害や知的障害の方のガイドをおこなうこともできました。

2006年に事業が細分化されたことを受け、ガイドヘルパーは現在のような形になったとしています。

ガイドヘルパーの仕事内容は?

ガイドヘルパーは利用者の外出サポートをする職業です。ですが、外出と言っても遠出や旅行におけるサポートではありません。一般的にはたとえば下記のような場合はサポート範囲内となります。

 

  • 病院への通院
  • 近所への買い物のサポート
  • 近隣の喫茶店での食事

 

近場での行動がガイドヘルパーのサポート範囲となります。

ガイドヘルパーの年収は?正社員として働ける?

ガイドヘルパーの資格のみでは正社員は難しい

ガイドヘルパーは訪問介護事業所や障害者福祉施設に籍を置き、外出が必要な利用者さんがいれば仕事に入るというような形となります。そのため、ガイドヘルパーの資格のみでの求人もありますが、その場合はほぼアルバイトでの求人になります。

もしも、ガイドヘルパーで正社員を目指すならば初任者研修あるいは介護福祉士など何かしらの介護の資格と併用をしていくことが必要であるといえます。

ガイドヘルパーの年収は?

ガイドヘルパーの収入について公的に公開されている資料はありません。ですので、さまざまな求人情報を調査した結果、正社員登用されていれば年収250万~280万円程度が平均となることが分かっています。

アルバイトならば時給1200円~が相場といったところでしょう。ガイドヘルパーの資格を持っていることによる特別な手当を付与しているところは、残念ながらほとんどありません。

ガイドヘルパーになるためには?

 

 

ガイドヘルパーになるには

 

都道府県や地方自治体が指定するガイドヘルパー(移動支援従業者)養成研修実施機関にて、研修のすべてのカリキュラムを履修すると、修了証明書が授与されて資格が取得できます。

そのため、ガイドヘルパーになるための特別な試験などはなありません。地方自治体にもよりますが、おほとんどのところで12時間程度のカリキュラムを3~5日かけて受講することが多い傾向にあります。

養成研修の課程は主に3つにわかれており、それぞれ講義と演習を受ける必要があります。千葉県の実施要項を例に見てみましょう。

◾️全身性障害者課程

車椅子での移動が欠かせない全身障害を持っている方の介助をおこなうのに、必要な知識を習得します。さまざまな方が対象となり、移動介助だけでなく生活介護も必要となる場面があります。

 

  • ホームヘルプサービスに関する知識
  • ガイドヘルパーの制度と業務
  • 障害者(児)福祉の制度とサービス
  • 障害者(児)の心理
  • 重度脳性まひ者等全身性障害者を介護する上での基礎知識
  • 移動介護にあたっての一般的注意
  • 演習:移動介助の方法、生活行為の介護

 

まず講義では、7科目で計12時間の研修を受けます。その後の演習は2科目で計4時間の研修となっています。

◾️視覚障害者課程

視覚障害者課程では、視覚障害者の外出サポートをする際に必要な知識を習得します。外出時に同行する他、外出先での必要な情報の提供もおこないます。場合によって、排泄や食事などの生活動作のサポートもしなければなりません。

 

  • ホームヘルプサービスに関する知識
  • ガイドヘルパーの制度と業務
  • 障害者(児)福祉の制度とサービス
  • 障害・疾病の理解
  • 障害者(児)の心理
  • 移動介護の基礎知識
  • 演習:移動介護の基本技術、屋内の移動介護、屋外の移動介護、応用技能

 

全6科目、計11時間の講義を受講します。ホームヘルプサービスに関する知識や、ガイドヘルパーの制度と義務などに関しては、課程関係なく受講必須の科目です。

演習は4科目。計9時間の研修となっています。視覚障害を抱える方のガイドヘルパーは、演習項目が他の課程に比べて多めに組まれていますね。

◾️知的障害者課程

知的障害や、精神障害のある方の外出時にサポートするための知識を習得する課程です。知的障害や精神障害といっても特徴は人それぞれなので、その方にあったサポートができるようにならなければなりません。

 

  • ホームヘルプサービスに関する知識
  • ガイドヘルパーの制度と業務
  • 障害者(児)福祉の制度とサービス
  • 障害・疾病の理解
  • 障害者(児)の心理
  • 移動介護の基礎知識
  • 演習:移動介護の基本技術

 

全6科目、計13時間の講義と、6時間の演習を受講が必要となります。

 

 

 

 

座学以外にも実際に公共交通機関を利用したガイドヘルパーの実習などもおこなわれます。年齢などの制限はないため、資格を得たいというタイミングで資格を取りに行けるというところがポイントです。

また、介護の資格のなかでも短時間で取ることができることがメリットですので、介護の資格を取得したいという方、介護の資格をすでに持っているがキャリアアップのために資格を取得したいという方に資格取得者が多い傾向にあります。

また養成研修実施機関にもよりますが相場として2万~3万円で取得できるという、介護の資格のなかでも費用負担がかからないというところも特徴です。

ガイドヘルパーへの転職は?向いている人とは

ガイドヘルパーの資格は、かかる費用も少なく短時間で取得することができます。また年齢などの制限もありません。そのため、社会人になってから取得を感が考える方もいるでしょう。

ではどんな方がガイドヘルパーに向いているのでしょうか?

障害を持つ人への思いやり

全身性障害者、視覚障害者、知的障害者とガイドヘルパーは障害を持つ方の移動や生活をサポートするのが仕事です。仕事をおこなう上で必要な基礎知識は講義や演習で身につけることができますが、最も必要なのは障害を持つ人への思いやり、理解です。

講義や演習で教わった通りの内容で仕事をこなすのではなく、障害を持つ人はどんなことを不安に思っているのか、利用者自身がどこまでの介助を望んでいるのかなど、利用者や家族とのすり合わせも必要となってくるでしょう。

また危険を察知する能力や、判断力も必要となるでしょう。

コミュニケーションをとるのが好き

障害者の移動介助といえど、そこには人と人とのコミュニケーションが欠かせません。特に知的障害、精神障害を抱える方は、ガイドヘルパーとのコミュニケーションを通して社会復帰を目指す場合が多くあります。

そうした方との積極的なコミュニケーションは、利用者とガイドヘルパー間の信頼関係の構築にもつながります。

健康で、体力のある人

ガイドヘルパーの仕事に限らずいえることですが、ヘルパーの仕事は体力が必要です。利用者は若年から高齢者まで幅がありますが、外出時に同行するのはさまざまな部分に気を張らなければならないので、体力も精神面も消耗しやすいです。

利用者としては疲れている様子が見えるガイドヘルパーの方には不安を覚えることもあるはず。そうした表情を見せないためにも、もともと健康で、体力のある人はガイドヘルパーに向いているといえるでしょう。

 


 

ガイドヘルパーを目指す方におすすめの書籍

冒頭でもお伝えしましたが、現在のところ、ガイドヘルパーを題材にした本は出回っておりません。ですのでここでは、介護や医療に従事してきた視点からガイドヘルパーへの道を考えている方におすすめしたい本をご紹介させていただきます。

介護業界のヘルパーの役割を知る1冊

著者
["稲脇 由規子", "國本 りか"]
出版日

この本はガイドヘルパーではなく、介護ヘルパーについて書かれています。しかし、ガイドヘルパーとして要介護者に関わる方には、まずは介護の世界や介護ヘルパーの役割を知るためにぜひ一度読んでいただきたい1冊。介護業界で働く方にも愛読者が多いことが特徴です。

著者の実体験をもとに介護の現場で働くヘルパーの働きを書いています。要介護者との関わり方や声のかけ方などヒントになるような内容がたくさん載っているため、ガイドヘルパーとして働きたい方も勉強になるでしょう。

著者は訪問介護事業所を経営しつつ公演もおこなっていて、介護現場を熟知されている方。要介護者をより間近で見てきた方のヘルパーのノウハウはガイドヘルパーとして要介護者とこれから関わる方にも役立つのではないでしょうか。

移動を介助するということの大切さを知ることのできる1冊

著者
浅生 鴨
出版日

こちらは、視覚障害者の方のスポーツの伴走者について書いた新しいスポーツ小説です。視覚障害者の移動介助ですので、ガイドヘルパーの資格ではおこなうことができませんが、移動を介助するということは同じですので、関係ないと思わずに一度目を通していただきたい1冊です。

本書には夏のマラソン編と冬のスキー編の2編が収録されています。ただ伴走をすればよいというわけでなく、相手のペースを考えつつ自分自身が無理しすぎてリタイアしないようにしないといけないという苦悩が細かく描かれています。

自分が大変な場面においても対象者を安全に無理なく快適に移動するための介助をする。こういったところはガイドヘルパーでも共通される部分ではないでしょうか。

移動を介助するということの大切さがあらためて分かる1冊です。ガイドヘルパーと資格は異なりますが視覚障害者へのガイドができる資格もあるため、この本を読んで興味が出たという方は、こちらにもチャレンジしてみてもよいでしょう。

外出移動のノウハウをつかむことのできる1冊

著者
林 真理子
出版日

こちらの本はガイドヘルパーではなく、トラベルヘルパーについて書かれた1冊です。

トラベルヘルパーとは介護技術と旅の業務知識をそなえた「外出支援」の専門家ともいわれ、身近なおでかけから介護旅行に至るまでの外出サポートをしていく職業です。

ガイドヘルパーは生活のための外出のサポートとなりますが、トラベルヘルパーはQOL(生活の質)の向上を目的とした外出のサポートをするというところが、両者の大きな違いとなるといえるでしょう。

車いす、要介護5という最も重い介護状態、持病、寝たきりなどさまざまな状態の高齢者の旅行に携わってきた旅行会社が書いた1冊です。外出先での悩みとして声が上がるトイレや食事についてそのお悩みの解決策が丁寧に書かれています。

旅行ほど遠方ではないが、介護者と外出先での排泄を介助したり食事の介助をすることがあるガイドヘルパーにとっても勉強になる内容がたくさん載っています。この本を読むことで外出先でのサポート方法のノウハウをつかむことができるのではないでしょうか。

介護の資格のなかでも、資格取得のための条件がなく短期間で資格が取れるガイドヘルパーという職業。高齢者、介護者を外出させるということは、安全や安楽に特別配慮しなければならないといえます。 
大変かもしれませんが、外出が思うようにできない方々にとって、ガイドヘルパーは光のような存在になります。 
介護の世界に身を置いてみたい、まずはガイドヘルパーで介護の世界をのぞいて見たいという方は、資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

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