5分でわかる理学療法!進学するなら大学?資格取得後の就職先などを解説

更新:2021.4.5

社会人として一度社会経験をされた後に学ばれる方もおり、幅広い年代の方が学ばれる理学療法という学問。 理学療法とは大学でどのような学びをするのか、就職にはどのように生かしていくことができるのかなど理学療法という学問について詳しくご紹介していきます。 また、理学療法について知識を深めたいという方向けに、読みやすい理学療法にまつわる書籍もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ブックカルテ リンク
  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

理学療法とは何を学ぶの?作業療法との違い

理学療法とは

まずは、理学療法がどのような学問であり具体的にどんなことを学ぶのかについてご紹介します。

理学療法における定義にはさまざまなものがありますが、「理学療法士および作業療法士」2条による定義では、理学療法士とは下記のように定義されています。

身体に障害があるものに対し主としてその基本動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動をおこなわせ、および電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えること

障害を予防しつつ、障害を抱える方が社会復帰ができるように働きかけるために、理学療法という学問が存在しているといえます。

理学療法の知識でおこなえる治療方法

理学療法を学ぶことによっておこなえる治療方法はたくさんありますが、主に3つに分類することができます。

 

  • 運動療法
  • 日常生活動作訓練
  • 物理療法

 

◾️運動療法

運動療法は身体運動を科学的に用いることで、機能回復や、よい状態を維持していく方法です。運動療法には耐えうることができる範囲で、全身の筋肉を活動させる全身調整訓練、関節の動きを維持・改善する目的でおこなう関節可動域訓練、弱った筋肉を整えて日常生活に必要な動作ができるように働きかける筋力増強訓練、持久力の向上を目指す持久力増強訓練があります。

◾️日常生活動作訓練

麻痺などによって生涯、障害と向き合っていかなければならないとわかった時に、その障害と残った機能を活かしながら日常生活を送っていけるように機能を獲得していく訓練です。ベッドからの起き上がり、食事動作、移動動作など日常生活において必要な動作のほとんどが対象となります。

◾️物理療法

熱・水・光・電気・徒手など物理的なエネルギーを使って痛みを和らげたりしていきます。たとえば、温熱療法といって患部を温めたり、マッサージをしたり、電気を使っての治療がこれに当てはまります。

このようにさまざまな治療をしていくためにはしっかりと理学療法を学び正しい知識を身に着けておくことが必要になります。

理学療法と作業療法の違いは?

理学療法という学問はよく作業療法という学問と混同されることがあります。

理学療法と作業療法という学問はリハビリテーションという大枠では共通する部分があります。ですが、理学療法は主に運動機能の回復に着目する学問であり、作業療法は手先の作業や社会生活を遂行する能力を向上させることについて学ぶ学問です。

たとえば着替えという動作に着目して理学療法と作業療法の違いを見ていきましょう。

理学療法は、洋服を脱ぐ、洋服を着るという大きな動作に着目します。一方、作業療法は、服を脱いでから切るまでの一連の動作ができるか、ボタンを留める、紐を結ぶなど細かい動作に着目します。これが理学療法と作業療法の異なる点です。また、作業療法においては精神分野を学ぶという特徴があります。

作業療法士になるには?5分で分かる、仕事や給料、理学療法士との違いなど
https://honcierge.jp/articles/shelf_story/5930 

理学療法を学ぶには?進学先は大学と専門学校どちらがいい?

理学療法がどこで学ぶことができ、どのように活かしていくことができるのかをご紹介します。

理学療法を学ぶには?

理学療法学が学べる大学、専門学校の理学療法学科は、全国に276校あります。北海道から沖縄までそれぞれ複数の大学・専門学校があるので、全国どこにいても学びやすい学問といえるでしょう。

大学と専門学校の違いですが、修学年数は異なりますがカリキュラムは基本的に同じです。

 

  • 一般教養科目
  • 専門基礎科目
  • 専門科目
  • 臨床実習

 

違う部分をあげるとしたら、1日に学習する量が違うと思っていただけるとよいでしょう。また大学のなかには海外実習など一歩踏み込んだ実習をおこなうところもあります。

参照:日本理学療法士協会

理学療法の研究者を目指す場合

大学・専門学校で理学療法を学んだ後は、そのまま就職という流れがほとんどです。ですが中には、さらに知識を得たい、研究をしたいなどの理由で大学院へと進学し、さらに学びを深める方もいます。

大学院を修了し博士号を取得することで、実際の業務に活かせることもあるでしょう。しかし博士号を取得したからといって、勤め先の病院や施設での待遇がよくなることは稀なケースです。

理学療法士資格取得後、就職先は?

理学療法士資格を取得するには

理学療法を学び、必要な単位を取得後、「理学療法士国家試験」を受けることで、理学療法士の資格を得ることができます。理学療法士国家試験は例年3月におこなわれ、筆記試験を受ける必要があります。

試験科目は下記となっています。

◾️筆記試験

<一般問題>
解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む)、臨床医学大要(人間発達学を含む)および理学療法

<実地問題>
運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む)および理学療法

◾️口述試験および実技試験

こちらは重度視力障害者に対して、筆記試験の実地問題に代えて次の科目についておこなう科目になります。運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む)および理学療法が対象科目です。

参照:厚生労働省

理学療法士の就職先は?

理学療法の仕事はさまざまな産業と結びついています。そのため医療機関だけでなく、あらゆる場所で活躍することができるのです。

 

  • 病院
  • クリニック
  • 介護施設
  • 訪問リハビリテーション
  • 地域のデイケアセンター
  • 保健福祉センター
  • ホームヘルパー
  • 市・区役所などの行政など

 

 

これら以外にも働ける場所は多くあり、ほかにも特別支援学級、障害者福祉センター、スポーツ関連施設などでも働くことができます。中には狭き門ではありますが、プロのスポーツチームに所属し、スポーツチームで理学療法をおこなっている方もいます。

理学療法は医師の指示の下で治療をおこなう職種です。ですが、学んだことを駆使し、対象者がどうすればよくなっていくのかを考えておこない、その結果を目に見えて実感することができます。

理学療法を学びたいと考えている方、理学療法を学び始めた方へおすすめしたい書籍をご紹介します。

 

理学療法という学問を学びたい方におすすめの1冊

著者
["恭秀, 中山", "雅博, 安保"]
出版日

東京慈恵会医科大学グループが、厳密な評価手法のもと蓄積した臨床データから典型的な疾患像・経過をまとめた1冊です。

国内外の文献データとの共通点や差を分析しており、エビデンスに則った理学療法が学べます。理学療法士の資格所有者にも読者が多いことが特徴です。

 

  • 脳卒中片麻痺
  • THA
  • TKA
  • パーキンソン病
  • 大腿骨頚部や骨幹部骨折
  • 心筋梗塞
  • 廃用症候群

 

これらの理学療法の現場で出会う機会の多い疾患を中心にまとめているため、学んでおくことで仕事でも活かしていくことができます。

日進月歩の医療業界に遅れを取らぬよう最新のデータから裏付け、エビデンスをしっかりとまとめている1冊です。

臨床で働いてから使える応用の内容も載っていますので、学び始めた段階から就職して働き始めた段階に至るまで長く使い続けられる本になります。

理学療法を患者の視点から見られる1冊

著者
小林 純也
出版日
2017-09-30

プロボクサーを目指して練習に打ち込んでいたが23歳で脳卒中を発症し、その後、理学療法士となった著者が患者の立場、理学療法士としての立場から理学療法について書いた1冊です。

本書は前半が著者が経験してきた患者としての視点で、後半は理学療法士としての視点から理学療法について解説しつつ、患者さんとのかかわり方や患者さんの苦しみまでを深く追求しています。

初心者でも理学療法がどのような学問なのかを理解しやすいことが本書の特徴です。

理学療法学についての本は、すでに理学療法士の方あるいは資格取得のために学ばれている方が対象となるため、内容的に難しかったり専門用語がたくさん出てきたりするものが多いです。この本は理学療法諸学者、あるいは、理学療法を受けている患者さんへ向けて書いているため表現が易しく、丁寧に書かれています。

これから理学療法を学びたいという方、現在理学療法を学び始めているという方はこの本を活用して理学療法がどのような学問かを知ることができるのではないでしょうか。

スポーツ×理学療法を学びたい方におすすめの1冊

著者
["青木治人", "清水邦明", "鈴川仁人"]
出版日

理学療法を学び、得た知識をスポーツの分野で生かしていきたいと考える方に読んでいただきたい1冊です。

この本を執筆している著者が勤める施設は総新患数12万5379名のアスリートに対するリハビリテーションを担当する、国内に数少ない専門施設です。この施設で診てきた症例20年分をまとめ上げた1冊となり、現在資格を取得している方にも読者が多いことが特徴です。

一昔前まではアスリートがケガをした場合には渡米して手術を受け、リハビリをしてくることが当たり前であり、日本で治療を受けリハビリをすることは難しいと考えられてきました。

ですが、この数十年で理学療法における日本のスポーツリハビリも格段に進化してきており、そのことが分かる1冊となっています。スポーツ分野で理学療法をしたい方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

スポーツリハビリに関わりたいと考える理学療法士は実は多く、理学療法士としてスポーツの分野で活躍できる方はほんの一握りともいわれています。

そのため、本書を読むことで早い段階からスポーツリハビリの知識をつけ、スポーツの現場で活躍していくことができるようになるかもしれません。

医療の世界は日進月歩のため日々勉強をしていくことが必要となりますが、理学療法は学ぶ分野も幅広く奥が深い学問といえます。 
学問として学ぶことで将来仕事にも生かすことができます。医療業界に就職したい方やスポーツに携わりたい方はぜひ学んでみてはいかがでしょうか。 
また、理学療法学をこれから学ぼうと考えている方はご紹介した書籍を活用して、まずは理学療法の世界に触れてみてください。

もっと見る もっと見る