生活習慣の変化や紫外線の影響などによる肌に関する悩みは、多くの人が抱えているのではないでしょうか。巷にはスキンケアや化粧品に関する情報があふれていますが、そのなかから取捨選択をして、自分にあったものを探すのは簡単ではありません。そんななか、「日本化粧品検定」という資格が人気を集めています。この記事では、資格の概要や活かせる仕事、試験内容、難易度、例題などをわかりやすく解説していきます。
文部科学省が後援し、日本化粧品検定協会が実施している民間の資格「日本化粧品検定」。 科学的エビデンスにもとづいた化粧品や美容の知識向上、普及を目的にしています。
美容業界の従事者はもちろん、生涯学習のために一般の人や学生の受験者も多いのが特徴です。
近年ではSNSが普及し、美容関係の情報を発信する人も増えています。正しい情報を取捨選択する力は、今後ますます求められるようになるでしょう。
日本化粧品検定は、美容皮膚科学や化粧品の基礎知識、歯、爪、サプリメント、法律などさまざまな知識を体系的に身につけられ、その力を仕事や日常で活用できる資格になっています。
では、日本化粧品検定を活かせる仕事にはどんなものがあるでしょうか。
まず販売や営業、商品企画など、化粧品関連の業界で働いている方は検定で身につけた知識をすぐに活かすことができます。
さらには美容師やメイクアップアーティスト、ネイリスト、カラーコーディネーターなども、接客の際に説得力のある説明ができるようになるでしょう。
また直接顧客と接さない、インターネット販売サイトの運営や美容ライターなどの仕事にも活かすことができます。検定をとおして常に新しい知識をアップデートしスキルアップを目指すことは、どんな職種でも役立つはずです。
また日本化粧品検定は、消費者の立場でも存分に活かすことができます。数多くある商品から自分や親しい人にあうものを選ぶことができたら、生活の質も高まるでしょう。
日本化粧品検定は、1級から3級まで、3段階の難易度に分かれています。どの級も特別な受験資格は必要ありません。3級は日本化粧品協会のHPで、無料で受験できます。
ではそれぞれの級で設定されている目的と、試験内容を紹介しましょう。
3級:WEB試験、四択式20問、20分
目的:コスメの常識を知り、キレイになること
2級:筆記試験・マークシート方式60問、50分
目的:美容を語れる人になること
1級:筆記試験・マークシート方式60問、60分
目的:コスメを読めるプロになること
日本化粧品検定の難易度はそれほど高くなく、3級の合格率は80%ほど、1級と2級は70%ほどと発表されています。
特に3級は、日ごろからスキンケアや化粧に気を遣っている人であればおおむね合格できる内容です。オンラインで気軽に受験できるため、まずはここからチャレンジしてみるとよいでしょう。
では、日本化粧品検定3級で出題される問題例をいくつか紹介していきます。
〈選択肢〉植物の種子・植物の皮・塩・砂糖
→答えは、砂糖
スクラブ剤は種類ごとに特徴が異なります。しっかりと洗浄したい時は植物の種子や皮、塩が適していて、やさしく洗浄したい時は砂糖やこんにゃくがおすすめです。
〈選択肢〉目の周り・口の周り・鼻の周り・頬
→答えは、鼻の周り
化粧崩れが起きる原因は、皮脂、乾燥、表情の動きなど。皮脂がより多く分泌される鼻の周りは崩れやすいといわれています。ちなみに乾燥による化粧崩れが起きやすいのが、目や口の周りです。
〈選択肢〉ワセリン・メントール・アルコール・スクラブ
→答えは、ワセリン
口の皮がむけてしまう原因は、乾燥によるもの。角層の表面がむけている場合が多く、1週間ほどで新しく生まれ変わります。そのままでも自然に治りますが、早く治すには保水力と保湿力の高いワセリンがおすすめです。アルコールに保湿効果はありません。
- 著者
- ["かずのすけ", "白野実"]
- 出版日
実力派美容化学者のかずのすけと、化粧品開発者の白野実の共著です。読者の肌の悩みにあった化粧品の選び方を教えてくれます。
本書の特徴は、化学者と業界人の立場から、美容成分のわかりやすい解説がされていること。実践的なスキンケア方法がイラスト付きで載っています。
また肌の仕組み、化粧品の成分表示の見方や特性に関する知識は、日本化粧品検定の試験内容とも合致。まずは本書を読んで基本的な知識を身につけるとよいでしょう。
- 著者
- 小西 さやか
- 出版日
化粧品の基礎知識から薬事法まで網羅した、日本化粧品検定の対策に役立つ公式のテキストです。
イラストと図解で化学的な内容も簡単に習得できるのがポイント。スペシャリストの目線から、細かく丁寧に解説されています。
各級とも出題範囲別に構成されていて、付属の赤シートで効果的な学習をすすめることができる、試験前の必読本です。